晴天おさかなセンター。
「おさかなセンターに来るのも久しぶりだよね」
「そうだね~」
回転寿司屋の前にやってきたのは一人のヒューマンとビジターの女性。
相川ナナミとヴィーボ・エル・トイランドだ。ヴィーボは休暇のたびに地球に滞在しているが、ナナミとは小学生時代からの友人である。
「ねえ、ヴィーボちゃんってお寿司食べるの初めてなんだよね?」
「うん!みんなおいしいって言うから気になってたんだよ!」
「じゃあ今日はたっくさん食べよう!」
「負けないよナナちゃん!」
喜び勇んで寿司屋に入っていく二人。
そして数十分後。
「はぁ、食べた食べた~っ、もうお腹いっぱいだよ」
「ピュィ…わたしももうお腹いーっぱい…」
「そうだ!食後の運動にヨットセイリングでもやってかない!?」
「いいね!じゃあ早速…」
と、二人がヨットハーバーへ向かい歩き出そうとしたそのときである!
「大変だー!強盗が出たぞ!!」
店内の誰かが叫び、売り場全体が騒然とする。
よく見るとニット帽にサングラス、マスクをつけた男がナイフを振り回しながら走ってくるではないか!!
「どけどけどけー!!」
「うわ!?」
「きゃあ!?」
強盗は次々に買い物客を弾き飛ばし、さらに走っていく!!
さらに強盗を追いかけるのは別の男。たまたま買出しに来ていた九重将矢だ!
「くそー!待ちやがれっ!なんて逃げ足の速い野郎だ!!」
すかさずナナミが将矢に訊ねる。
「どうかしたんですか!?」
「ああ、見ての通り強盗犯だ。ヤツはナイフを持ってるからヘタに刺激したら被害が…でも盗まれたものを取り返さなければ…」
その言葉を遮るようにヴィーボが一言。
「だいじょうぶ!わたしに任せて!」
「で、でも君じゃ…」
「こう見えても追いかけっこには自信あるんですよ!待てーっ!!」
「おい!相手はナイフ持ってるんだぞ…ヘタしたら君も…」
すると今度は、ナナミがその言葉を遮る。
「大丈夫ですよ将矢さん。ヴィーボちゃんは強いから」
「え?」
「へへ、ここまで逃げりゃあ問題は…うっ!?」
強盗の前に仁王立ちするヴィーボ。
「観念しなさい!大人しく盗んだお金を返して、それから警察に…」
だが強盗は勢いよくヴィーボを突き飛ばす!
「どけっ!」
「ビッ!?」
「お前につきあってるヒマはねえんだ!悪く思うな!」
尻餅をついたヴィーボのもとにペットロボ・フゥが心配して駆けつけた。
「…ううっ、もう怒ったんだから!フゥ!アレいくよ!!」
ヴィーボの合図で、フゥの腹が開き、マジックカプセルが出される。
ヴィーボはカプセルを左手に取ると、後頭部のポニーテールを切り離して右手に構える。
そしてすばやくカプセルをポニーテールランチャーに込める…!
「いけーっ!今回のマジックカプセルっ、そーれっ!!」
ヴィーボは掛け声とともにトリガーを引く!放たれたカプセルが弾けて割れ、中からアイテムが飛び出す!
「ヴィーボちゃん!」
店の奥から駆けつけたナナミと将矢。
「投げ縄?投げ縄で何しようってんだ?」
「まあ見ててよ。そぉぉーーーー…れぇーーーーーー!!」
ヴィーボは勢いよく投げ縄を操り、強盗めがけて投げかける!!
「ギャッ!?」
投げ縄に脚をとられ尻餅をつく強盗。衝撃で、札束の入ったバッグを取り落とす。
「いててて…あの小娘、よくもやりやがっ…て?」
強盗が起き上がると、そこには将矢の妻・久遠が立っていた!
「警察だ。全部見させてもらったよ。強盗の現行犯で逮捕だ!」
そして強盗の男は御用となり、パトカーに乗せられて警察署へ。
盗まれたお金は無事に戻ってきたのだった。
「いやぁ、ヴィーボちゃんにはなんてお礼を言ったらいいか」
「噂には聞いてたけど本当に凄いな」
「ピヘヘヘ…当然のことしただけですよ。悪いことする人は見逃すわけに行かないし」
「ヴィーボちゃんってば悪いことには凄く敏感なんです。正義感が強いって言うか」
「よっ!さすがトイランド星のプリンセス!」
「茶化すのはその辺にしときな将矢。ほら、帰るよ」
「へーい」
トイランド星のプリンセス、ヴィーボ・エル・トイランド。
優しい心を持つ君なら、きっと立派なプリンセスになれるハズ。
がんばれ!みんなのヴィーボちゃん!
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ヴィーボちゃんは正義感が強いまっすぐな女の子です。
だからこういう事件に遭遇すると黙ってられないとか。
■出演
ヴィーボ:http://www.tinami.com/view/779638
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