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真・恋姫†無双 ~孫呉千年の大計~ 第4章 4話

雪月さん

常連の皆様&お初の方もこんばんは いつもお世話になっております

この作品は真・恋姫†無双・恋姫†無双の2次創作となっております
主人公は北郷一刀 メインヒロインは雪蓮と蓮華と仲間達でお送りしております
※猶、一刀君はチート仕様の為、嫌いな方はご注意を! ※オリキャラ紹介は本文下記参照のこと

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2015-03-22 20:00:05 投稿 / 全6ページ    総閲覧数:2879   閲覧ユーザー数:2565

第4章 晋帝国の野望 混沌編 4話 『 河北動乱・第2次界橋中盤戦 激闘 風VS春華 』 

 

 

 

 

魏は今回も中央に春蘭・稟が率いる精鋭部隊を置き

右翼に秋蘭・風が率いる第2部隊、左翼に凪・真桜・沙和が率いる第3部隊が

黎明を合図にそれぞれ進軍を開始する

 

「やれやれね・・・ やっぱり私の相手はあの金髪おちびちゃんな訳ね」

 

息子である司馬師から依頼された以上、春華の相手が風なのは最初から判りきった事なのであるが

隣に控える元姫にやれやれと首を竦めたアクションをとってみせる

 

「あの~春華様」

 

「気軽にお義母様(おかあさま)と呼んで!・・・といつも言っているじゃない? 寝・屋・で!」

「はぅっ!?」

 

元姫の耳元へと囁くように近づいたかと思うと、おもむろに耳たぶを甘噛みし味わいだす春華さんに

元姫はぴくんっと身体を震わせ顔を赤らめつつ逃れるのかと思いきや

めくるめく快感に気丈?に振る舞い抗いつつも、春華のなすがままになっているようである

 

「子上に頼まれたからという理由(わけ)でもないけれど

 こればかりはまだ元姫ちゃんに任せるわけにいかないのよね」

 

「なっ!? 私では・・・(分不相応ということなのでしょうか!?)」

「”女の勘”! ・・・ってとこかしら? ふふふ」

 

そう春華に反論しようとする元姫に対し、春華は元姫の耳たぶを再度甘噛みし

ねっとりと纏わりつくような妖艶な声で元姫を諭す

 

”女の勘”などと云われれば、元姫だって性別は”女性”なのだ 

相手が並の者であったならば、そこに反論の余地を見出せたことだろう

 

しかし、相手は元姫の弱みを握る春華であったことで、かえって元姫は妙に納得してしまったのである

 

司馬懿や司馬師を始め、司馬懿の傍にいた鄧艾や奥方様と慕う昔馴染みの鍾会であったならば

この春華の言った”女の勘”と言い放った言葉の恐ろしさに、即座に気づいたことであろう

 

これまで春華は”女の勘”と称して数々の予言をしてみせたからに他ならない

十常侍の専横、そして死の日付、そして天の御遣いである北郷一刀の降臨の日さえも当ててみせたのである

 

周囲に母である春華を苦手と堂々と標榜してやまない司馬師が態々依頼し

風の相手にと母・春華を択んだ訳が”ここ”にあった

 

定理や理論、常識や理屈といった定説を、いとも簡単にすっ飛ばし、超越し裏返しにし得る”力”

もはやお家芸?孫家の伝家の宝刀?と噂される雪蓮にも具わる”天性の勘”という武器と

此度は直接対峙せねばならぬ風でありました

 

 

 

 

中央に流れる渡河を終了し、橋頭堡となる場所に構え確保を終えると、魏軍右翼は尚も進軍を開始する

界橋の戦中盤戦となる今回も、右翼の攻防から幕を開けたのでした

 

「風、2回目の制圧ともなると、迅速に行動できたようだな」

 

橋頭堡となる場所の確保と陣形の再構築が無事に終了を終えた事での安堵もあったのだろう

秋蘭が笑顔で風を出迎えたのであった

 

「そのようです 無事橋頭堡を確保できたことですし、次なる策に移り行動を開始しましょう」

「委細承知した」

 

短い遣り取りではあるが、慌しい行軍最中に秋蘭と練った策なれど

それに変わりがない以上、優秀な将である風と秋蘭の2人に、それ以上余計な言葉など不要であった

 

左翼や中央より下流域となる川岸を渡り終え

橋頭堡を築き終えた魏軍右翼は、敵である晋軍を求め再び進軍を開始しだした

 

全ては稟を楽にする為という名目のもと、今の風に最大限にできうる思い遣りの意思表示でもあった

 

下流域を渡る必要があるために、渡河完了までにかなりの時間を必要とする為

前回は渡河時に狙いを絞った削りをみせた晋軍であったものの・・・

 

此度は水計を使い足止めと兵を削ることも懸念材料にあったものの・・・

今は収穫も終えた秋で雨季でもないこと、さすがに上流をゆく左翼の凪達が

晋側が水計を施しているのをまんまと見落とす訳もないだろうと予測し

事前に橋頭堡周辺と策を施す地点に兵を散らし、情報収集を密にしておいた

 

その甲斐もあったのだろうか? 此度春華が指揮する晋軍の姿は1人とて見当たらず

魏軍右翼が渡河を終え、橋頭堡をこうして確保した今に至るまで、一切攻撃を受けていない

 

序盤戦は慎重を旨とする司馬懿の作戦なのだろうと、魏首脳の稟や風は考えていたのだが

その実、司馬師の軍師である賈充が指揮を執り、その命に従って各方面に満遍なく防衛網を敷き

いかにも司馬懿がしたようにみせかけた、実に嫌らしい持久戦法らしき戦い方をしてきていた

 

稟や風に気づかれていない点において

賈充は実に上手く司馬懿の代行を務めあげ、事を運んでいたということになる

 

此度は賈充からの指揮など一切なく、代わりに司馬懿の奥方である春華直々の指揮を執るとのことで

晋内部における一部に、春華の実力を知らない将兵達が戸惑いを見せていた

 

前回同様渡河中に襲わなくてよかったのか?

このままでは晋本陣まで雪崩をうって攻め込まれるのでは?

俺達の命運は? 

 

次々と浮んでは消える、様々な不安で今にも押しつぶされそうになる晋軍将兵達の悲壮感漂う心配を他所に

 

「フフフ そんな可愛い反応したらもう・・・ また食べちゃいたくなるじゃない」

「はわっ!?」

 

晋軍左翼を指揮している春華はというと、軍の先頭をゆく馬上にて隣に控える元姫を弄んでいたりする

 

こんな大将についていって大丈夫なのか? 上司を選り好みできる立場にはいないのではあるが

今では多くの兵士達の顔面は蒼白となっており、益々不安を掻き立てられていたのであった

そんな兵士達の都合など当の春華は知らぬ振りで

 

「さてと・・・そろそろ向こうも河を渡り終えた頃だろうし、戯れてあげようかしらね

 皆指示するから近くにいらっしゃいな 先ず手始めに・・・」

 

先程まで元姫を弄んでいたというのに、いつの間にか戦場となる界橋周辺の略式地図を手にし

 

「あそこに何だか敵がいそうかしら? ・・・ね」

「あっ! あっちも怪しそう~ね~」

「う~~ん? ここにも潜ませているかも?」

「あとはそうね・・・ ここも怪しいんじゃないかしら?」

 

言葉1つ1つを聞けば、何とも心許なく頼りない指示なのだが

1つ1つ信頼する部下へと方角を指差しながら、迅速に指示を飛ばしていたのだった

 

これは実に信じ難いことなのだが、こんなあやふやで何とも要領を得がたい曖昧なモノばかりの春華の指示に対して

指示された晋の古参の将兵達の中から、きっと指示に異を唱え到底承服できず

納得しがたいギスギスした空気が蔓延するであろうと、白蓮の元部下で構成された新参晋将兵達はそう推測していた

 

白蓮の元部下で構成された新参晋将兵達には

恋姫本編にある麗羽に似た”その場で感じ得た単なる思いつき”にて軍を動かす人間だと思ったのあろう

 

新参の将兵達の疑惑の混ざった眼差しが向けられる中

信じられないことに、春華の出された指示通りにテキパキと部下達へ指示が通達され、出された指示の通りに動き出したのである

 

当然の事ながら、新参将兵達の疑念はその後も付きまとうこととなるが

春華を知る晋の古参の者達だからこそ、春華の”女の勘”から生み出される指令の鋭さを熟知していたともいえた

 

春華の場合の”女の勘”の鋭さは、思いつきの麗羽というより、天賦の才へと昇華した雪蓮に酷似していると例えるべきであろう

 

この春華の”女の勘”の鋭さは、楓と洛陽宮中にて合間見えた際にも実は冴えを見せており         

楓と対峙し鍾会が撤退に手間取ると踏んで、事前に見越し対処すべく姿を現していた春華でもあった              ※第2章18話参照

 

ここまで書き連ねていけば、魏の策に対しての結果は自ずと知れよう

 

風の渾身の十面埋伏の計、実践で初投入する策をいとも簡単に破り、伏した場所全てを言い当てていた春華であった

雪蓮と同タイプの才能を持つ鬼才が、こんな所に今迄余人に知れ渡ることなく埋もれていたのであった

 

伏兵の策の悉くを見破られ、策が失敗に終わったとの秋蘭の部下の報告を受け取った風は

一瞬の合間、眉を顰(ひそ)めヒクヒクと動かしたかと思うと

 

「どう思われます?」

 

風にそう問いかけられ、苦笑いを浮べながら問いに答えだす秋蘭

 

「フッ 風が判らぬのに私が判るわけもない

 しかし・・・全ての伏兵が晋側に事前に破られたことだけは事実であろう」

 

こちらの事前に伏せた兵が”全て”見抜かれ、策が失敗したということだけは真摯に受け止めろ

秋蘭の言葉が風の頭の中で反芻され記憶に留めていく

 

風同様に、秋蘭もまたこちら側に手落ちがあったとは考えてはいない

何故なら風が秋蘭へこの策を提案したのは、軍を移動させていた最中の僅かな間なのだから・・・

 

仮に前夜で語った会議の内容を晋側の斥候に聞かれていたとしても

今日策を使うか予想できる筈もなく、また兵を伏せた全ての位置地点まで把握できる筈もないからだ

 

そういった意味において、風に問いかけられた秋蘭とて、魏側の不手際を含め熟考を重ねた上での答えだったのだろう

悔しいけれど晋側の種は解らぬが、こちらの”策”を破ってみせたという事実だけは、受け入れねばならないということなのだろう

 

「敵もさる者ということですね こちらの策を事前に全て読まれてしまいましたか う~~~~~」

 

次なる策を探りつつも、今も尚風は可能性を探っているのだろう

その悩みが可愛らしくキャンディーを口一杯に頬張りつつ唸るという行為に現れていたのだった

 

稟へと提案した魏軍総兵数3万に及ぶ、実に壮大な十面埋伏の計とまでいかないが

晋の攻撃を受けふりをしつつ、こちらの策へと誘い引き込むという

従来型の十面埋伏の計を密かに秋蘭と共に実行に移していた風であったのだった

 

春蘭という猪、もとい脳筋将娘?と組んでいるのならばいざ知らず

この戦が始まるまで、風の頭の中で描いたにすぎない策を実行する上で

秋蘭以上に遂行できる者が、魏に存在しえないだろう事は、誰の眼にも明らかであった

 

そして風と秋蘭の混乱に拍車をかける動きが、戦闘し睨みあう両軍に、牽制という暫しの空白時間を作り上げていた

 

「敵の軍に迷いがみられるわね その証拠に迅速を旨とする曹操軍に似合わない動きが鈍重となっているわ 

 おそらくこちらの攻撃で迷いが生じているのでしょうね そこで元姫ちゃん!」

 

「ハッ・・・ハイ 何でしょうか? お義母様」

 

突然自身へと春華の輝かしい視線を向けられ、何もされていないというのに心臓がドキンッと跳ね上がる元姫

現状晋の主である司馬師ですら手に余る元姫の扱いを、春華は意図も容易く御しているようで・・・

 

「フフフ 元気の良い返事だこと そうねぇ・・・ 

 元姫ちゃんが率いている隊だけでいいから、少し川下側を回って、魏軍の横腹から突き駆け抜けて来てくれるかしら?」

 

「承知しました! お義母様!」

 

そう春華へと元気良くハキハキと答えるや、まるで駿馬の如く自身の軍を率い飛び出していくのでありました

春華が率いる兵達も、戦いが始まる前ほどの不安に駆られることもなく

機先を制した今では、春華から出される命を素直に受け入れ従っているようであった

 

「それでは私達の部隊も動きますよ 魏軍は前日同様の場所にいるでしょうから、弓隊を前面に配置し進軍します

 また敵が見え次第、当らなくても結構ですから派手に撃ち散らしなさい

 敵である魏軍兵全ての視線をこちらへと釘付けにするのです いいですね?」

 

残る晋兵達にそう声を張り上げ指示を飛ばす春華に

晋兵達から伝わってくる気合も充実しているようであった

 

「先手は私達が取れた 次も戴けるといいのだけれど・・・」

 

春華の最後の呟きまでは部下の耳に届く事無く、秋の空に溶け込んでいくのでありました

 

 

 

 

「伏兵を全て見抜かれた以上、兵を分けるのは愚策でしょう このまま・・・」

 

右翼全軍で押してしまいましょうという風の言葉が、秋蘭へと最後まで語られることはなかった

 

「魏軍兵へ矢を存分に馳走して差し上げなさい」

 

伏兵を見破られ、軍を再編成している合間に

春華の命が戦場へと響くと同時に、矢が雨の如く降り注ぎ、次なる攻撃に曝されてしまう魏軍兵達

 

「皆うろたえるなっ!! 盾隊を前面に押し出しつつ弓にて応戦せよっ!!」

「むむむ・・・少し聞いてもらえますか?」

 

こんな忙しい時に暢気なことだな そう罵声を浴びせられても仕方がない風の対処であったが

秋蘭は一切そんな無駄な事はせず、風の言葉に耳を傾けた

 

そして風の言に口角を上げ1つ頷くと、2人は相反する方向へと疾駆したのである

さすがは秋蘭、疾駆しながらも兵へと的確な指示をし叱咤してみせ

狼狽し浮き足立つ魏軍兵をなんとか立て直すべく、自身も弓を番え応戦しつつ奔走する

 

秋蘭の奔走が実り、魏軍に立て直しの兆しがみえ始めた時にはすでに遅く・・・

 

「敵が浮き足立っている今が勝負の時よ! かかりなさいっ!!」

「「オオオオオォォォォォーーーーーーーーーー!!!」」

 

最初策である1つの歯車が狂った魏軍に建て直しの機会を与えることなく

元姫率いる別働隊の容赦のない騎馬突撃が、下流域に当る魏軍右手の森林の闇より突如として出現し

魏軍横腹を容赦なく一閃し、正確に真一文字に切り裂いてみせたのである

 

またもや春華の”女の勘”が、魏軍の動きより勝ってしまった瞬間でもあった

 

魏軍は元姫の奇襲により2分され、この戦に勝負があったかに見えたのだが・・・

 

「矢を派手に射ち過ぎてますね あれではそう被害は出ないでしょう

 ただ何かありそうですので、風はこのまま後方へと移動しておきます」

 

「うむ しかと心得た 前面の敵には私が対処しておこう

 ただ危うくなっても守ってやれぬが気をつけてな」

 

春華の軍が矢を放ってきたと同時に、風と秋蘭はこんな打ち合わせを素早くかわしていたのが、幸を奏した瞬間でもあった

春華が元姫を支援すべく矢を大量に放っていた為、対応する魏軍も前面に秋蘭が率いていた多くの弓隊がおり

盾隊を除く大部分の歩兵部隊は、風が移動した後方にいたのだった

 

元姫は綺麗に2つの部隊を上下に割いてみせた訳ではないが

魏軍も頭である秋蘭と風の2人が前方と後方に別れていたのが、この戦での最大の誤算だったといえた

 

風は後方に属する無事な歩兵を素早く纏め上げ方円陣を敷くや

突撃速度が鈍くなった元姫の軍を秋蘭の軍と挟み込むような動きをみせ始めたのである

 

さすがに春華はおろか、突撃した元姫としても、魏軍がここまで直ぐに持ち直し対処し動けるとは予想だにしていなかった

こうなってしまっては、元姫の身と部隊に属し突撃を敢行した部隊が一番危うかった

 

「矢を放ちながら、このまま迅速に軍を上流へと回りこむように移動させなさい

 私は元姫ちゃんが危ないので救出してきます 100名ほど私についてらっしゃい 

 それと合流後は矢を放ち牽制しつつ、そのまま撤退の運びとなるでしょう 

 それでは後のことは頼みましたよ」 

 

そう古参の将へと命を告げるや、颯爽と馬に跨り疾駆しだす春華

こうして魏軍右翼との戦いは佳境を迎えることとなる

 

 

 

 

突撃した元姫もその兵達も自身のモノか他者のモノか判らない程、夥しい大量の血を鎧を始めとした全身で浴びていた

割かれた魏軍兵も割いてみせた晋兵も必死であった

 

先頭を駆けていた筈の元姫も、普段の見目麗しい姿とは程遠い、悪鬼羅刹と評するに値する姿と成り果てていた

突撃当初はまさに飛ぶ鳥の勢いさながらに、縦横無尽に魏軍を薙ぎ払った

 

しかし、切り裂いてみせた不能と思われた後方部隊が、突如として円を描き渦を巻き出したのだ

結果的には、この時点において突撃した騎馬部隊をそのままつき抜けさせれば良かったのだ

 

何故!?と元姫はそう考えるよりも先に、馬を駆る身体の方がその渦を壊すべく勝手に動いてた

するとどうだろう、元姫の周囲にいて一緒に戦っていた者達がだ、1人また1人と・・・

円を描き渦を造り出す魏兵の繰り出す槍に突かれ、その命を散らし大地へと落ちていく

元姫の周囲は、まさに阿鼻叫喚の地獄絵図さながらと化していた

 

春華の命は魏軍の横腹を突き、駆け抜けて来てであった

春華の命に従っていたならば、元姫と共に突撃した部隊の被害などなかったに等しかったことだろう

 

だが風が方円陣を敷き建て直しを図った瞬間を、幸か不幸か元姫は目の当たりにしてしまった

この時点においては、まだ風が立て直しが出来ず、再度元姫の突進によって引き裂かれるという未来もあった筈なのだ

だが結果は、風の迅速な判断と咄嗟にとった行動という、ホンの些細で僅かの差が2人の明暗をくっきりと分けていたのだ

 

風の建て直しを邪魔すべく動いたのは、他でもない元姫自身の独断行動なのだ

この時点で自身の判断の誤りに気づき、撤退すべきだということは元姫にも判っていた

 

しかし、風の作り上げた方円陣を崩すのに拘りすぎた為に

時間が大幅に経過し分、魏軍の混乱は収束してしまっており

今では秋蘭が指揮する前方部隊と風が指揮する後方部隊に元姫の隊が板ばさみにされてしまっていた

 

そして出口となる道筋はおろか、入り口となった道筋の双方ともすでに塞がれてしまっており

春華の援軍など追い詰められた今の元姫に期待できる筈もなく

このままではジリ貧なのは覚悟の上で、どの道自身の死は免れないだろうと腹を括り、せめて一太刀なりともという悲壮な想いを胸に秘め

無謀にも遭えて方円中央にて指揮する風へ向け、愛馬を全力で突進させたのでありました

 

だが方円は厚みを増すばかりで、次々に槍や剣が元姫へと容赦なく繰り出され

今では元姫の眼に、方円中央など何処にあるのか見当すらつかない状況となっていた

今にも折れそうになる心を尚一層奮い立たせ、尚剣を振るい獅子奮迅の働きをみせる元姫に対して

 

「そろそろ諦めて降参してくれませんかねぇ?」

 

そんな時にふと暢気な声が、命を焦がし悪鬼羅刹と化した元姫の耳に届いてきたのであった

知らず知らずの内に方円中央に達したのかしら?と錯覚を憶えてしまう

だがそれは単なる元姫の思い過ごしであった 

実際には覚悟を決めてから突進を開始してまだ数mしか前へと進んではいなかったのだ

 

「ふっ・・・馬鹿なことを・・・ 私の兵がその命を賭して私の為に戦ってくれたんだもの

 指揮した私だけが、このままおめおめと生き残れる訳がないでしょう?」

 

荒い息をぜえぜえと吐きながら、元姫はそう強い意志の篭った言葉で、風の降伏勧告を一刀両断してみせたのである

 

「そうですか・・・ 晋に関する情報を戴けたのなら、その後は生かして差し上げても良いと考えていたのですが・・・ 非常に残念です」

 

「馬鹿にしないで! 私とて晋に連なる将が1人

 例え貴方が魅力的と思う情報を私が持ち合わせていたとしても、話す訳なんてないでしょ

 殺すならさっさと殺してみせなさいな でもこの命続く限り1人でも多く道連れにし抵抗してあげるから アハハハハ!」

 

怒りの余り元姫は、そう風へ向けて自身が手にする剣を突きつけ、怒りの言葉をぶつけなんと高笑いしていた

魏軍将兵達からみれば、追い詰められとうとう気が触れでもしたか?と思われたに違いない

 

風が再度元姫へと攻撃するよう指揮しようとすると

元姫を取り巻く方向とは全く違う方向から、突如として怒号と悲鳴がひしめいたのであった

 

「魏軍の皆様、ごきげんよう!

 そこにいる私の大切で愛おしい元姫ちゃんを大人しく返してくれないかしら?

 さもないと・・・ここにいる貴方達全ての命を刈り取り、購(あがな)って貰うことになるわよ?」

 

怒号と悲鳴が風の耳にこびり付くほどあれだけ響いたのにも関わらず

戦中を突破し突如として現れた女性の服には、返り血1滴すら浴びていなかったのだ

 

中央を指揮する精鋭部隊ほどではないが、風や秋蘭が指揮する部隊の者とて優秀な者が多く存在しているというのに

3英雄並の武の実力があるというのだろうか? 果たしてこの女性にこんなことが可能なのだろうか?

凪となっていた筈の風の疑念が、突如また嵐となって渦巻いてみせたのである

 

現れた初期に見せていた、実に大人の女性らしい美々しく可憐な表情をみせていた春華であったものの・・・

語尾が終わりに移るにつれ、その容貌とは全くマッチしない夥しい大量の殺気が感じ取れ

魏兵は遠巻きに春華を取り囲み、剣や槍を突き出し牽制するしかなかったようである

 

「おっ・・・お義母様」

 

何故ここに? 1度は死を覚悟し気丈に振舞っていた元姫も

敬愛する春華の顔をみた途端、その緊張が緩んだのだろうか? 感動のあまり言葉を詰まらせていた

 

「貴方のお名前をお聞きしてもよろしいですか?」

 

凪から嵐へと変化した風の疑念は、こう春華へ問わずにはいられなかった

春華から駄々漏れする殺気には全く動ずることなく、普段通りの暢気ともいえる声音にて問いかけをする風

 

「確か貴方は程昱さんよね?」

「いかにも~」

 

相手は私の名を知ってここにいる、そう確認を終えた後、風は1つ軽く頷いて見せた

 

「初めまして 私の名は張春華よ 

 貴方が良く知るであろう司馬懿は私の夫なの 貴方程の者ならこれでお解りでしょう?」

 

「なるほど~ なるほど~」

 

興奮を落ち着けるかのように、ぺろぺろキャンディーを頬張ってみせ

1つ1つ絡まった思考を紐解き、ゆっくりと頷いてみせる風 

 

風の思考の小船は、未だ暴風雨の中をなすがままに彷徨ったままであるが

しかし、今1つ、また1つと、これまで生まれ減ることのなかった疑念のピースが嵌まっていく

 

「フフフ 本日の食事、お気に召して戴けたかしら?」 

 

風が次の質問を繰り出す前に、春華はそう風を挑発してみせた

戦いを食事に例えるなど、なんとも下世話な性格だと感じた風でありました

 

策を見破った相手は、”あの娘”ではなく”この人”だったのだ

その間にも風の観察眼と思考は猛然と唸りを上げ、春華を捉え離さず尚回転をあげていたに違いない

 

「戦中はいつも風は少食なものでして・・・もうお腹いっぱいなのですよ

 少し質問してもよろしいですか? 風が兵を伏せていた場所全てを何故判ったのですか?」

 

春華の挑発?とも思える言葉に、風は少しも動揺や反応することなく答え、また自身の知りたいことを口にする

仮にここで春華に誤魔化されても仕方がない問いかけでもあった

それはそうだろう 風自身や秋蘭とて、その解に容易に辿り着けなかったのだから

 

「そうね・・・ 元姫ちゃんを返してもらう代わり・・・と言ってはなんだけど、種明かしをしてあげるわ

 遭えて言うなら”女の勘”ね

 

 これまで魏軍とは味方同士でしたし、こうして会う機会にも恵まれず、時も過ぎ去ってしまったけれど・・・

 ましてや互いに命の遣り取りを行う機会など、これまでなかったものね?」

 

当の本人である春華は、風へ向けて淡々と種明かしをしてみせたのであった

春華の言は他人が聞けば、十中八九誤魔化されたと感じ、時には煙に巻かれたと怒りへと変じる者もいるであろう

 

「むむむぅ~ ”女の勘”? ・・・ですか?

 これでも風は、同じ女性な筈なのですが、その”勘”とやらは具わっているのでしょうかねぇ?」

 

だが風は怒るような仕草もせず、淡々とした口調で春華に返して見せ

風も軽く拳を握り、自身のコメカミ辺りをコツコツと軽くコツいてみせた

 

春華の言葉が到底信じられないモノだと表現しているように思えた

 

だが実に判りにくいだろうが、この時抱いた風の内心では、焦りという暴風雨が縦横無尽に吹き荒び荒れ狂っていた

風のとった仕草は、まさに天に対する愚痴であり、負け惜しみの意味が込められていたのだった

 

「フフフ さぁ? どうなのかしらねぇ~ なんでしたら今度たぁ~っぷり私直々に女性の魅力を手解きしてあげましょう 

 それこそ手取り足取り・・・なぁ~んてね? フフフ」

 

(その余裕が命取りなのです!と突っ込めればいいのでしょうが・・・

  内心すら読まれている可能性も捨てきれず実にマズいのです

  まさか呉の孫策さんと同類とは・・・ 風が一番苦手とする類ですね)

 

先程の春華の種明かしを聞いた途端、風は雪蓮の顔が即座に浮んできたのである

春華に対し悟られてはならぬと、真意を掴みきれないと精一杯誤魔化す風でありました

 

・・・というのも、裏の裏、嘘を嘘と見抜く、敵の行動原理

行き着く結論を直感という言葉で一切の経過をすっ飛ばし容易く暴く

相手の裏をかき利用する風や司馬懿といった謀将との相性は、実に最低最悪といえた

 

勘というものは従来、当るも八卦当らぬも八卦となどと占いなどで利用・使用されるが

実にあやふやで不安定なモノであろう

 

だが、これがこと雪蓮においては全くと言っていいほど当てはまらない

呉では雪蓮の直感は、時に策に組み込まるほど重要視されているのだから

しかも呉に属する誰もが否定すらしない、何故なら外すことのない正確無比さだからだ

 

呉に雪蓮という例外の物差しがすでに存在していたからこそ

そして自身の策を無惨にも踏みにじられたことを鑑みた上で

風は春華の言が決して冗談や誇張ではないと信じる事が出来たのであった

 

”女の勘”と称した春華が、仮に雪蓮ほどの精確性を誇るのであれば

いや誇るからこそ、今回風の相手にと指名されたと解釈することが出来る

 

風と同類である司馬懿が、春華を嫁とし全く頭があがらぬ訳も”ここ”にあったといえる

風や司馬懿にとって”天敵”といえる相手の出現なのだから・・・

 

「決定打とはなりませんでしたけれど・・・虎穴に入らずんば虎児を得ずともいいますし

 危機や好機を見極め、最良の一手を打つのが軍師としての務め

 

 ですが救出に来た貴方達を倒すのには、もっと多くの犠牲者が出そうですし

 それにこの囲まれた状況下でも、逃げきる自身もお有りなのでしょう?

 この度ばかりは見逃しますけれど、再編成後は逃がしません」

 

風の強がりを含んだともいえる言に・・・

 

「あら? さすがは夫が一目置く軍師様のようね

 やっぱり”正攻法”で挑んできますか 元姫ちゃん、ここはお言葉に甘え退くとしましょう

 魏軍の皆様、また戦場で楽しく舞い踊りましょう 御免あそばせ~♪」

 

(正攻法でくることすら、やけにあっさりと”読まれてしまいました”か 

 ”女の勘”というモノ相手に戦わねばならないとは・・・ この戦いにおいて非常に厄介な相手なのです)

 

元姫を伴い悠々と引き上げていく春華の後姿に、全身に寒気を感じつつも

正攻法という力押しには取り合わない姿勢といい、晋の執る序盤戦の持久戦にも似た解せない戦い方といい

一体何を狙っているのか?と小首を傾げざるを得ない怪しげさが漂ってくる

 

そうした情勢中、その”1つめ”となる闇が、刻一刻と攻勢を強めようとしている魏に迫り来るのでありました

風と春華の戦いは、魏軍と晋軍の戦いがより一層激化することは必定と思える1つの出来事だといえた

 

 

 

 

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●『真・恋姫†無双 - 真月譚・魏志倭人伝 -』を執筆中

 

※本作品は【お気に入り登録者様限定】【きまぐれ更新】となっておりますので、ご注意を

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お手数をおかけ致しまして申し訳ありませんが、ご理解とご了承くださいますよう、何卒よろしくお願いいたします<(_ _)>

 

■■■【オリジナル人物紹介】■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

 

 

 ○孫堅 文台 真名は緋蓮(ヒレン) 

 

  春秋時代の兵家・孫武の子孫を称し、各地で起こった主導権争いに介入し

  『江東の虎』の異名で各地の豪族を震撼させた

  優秀な人材を率い転戦、やがて軍閥化し孫家の基礎を築いた

 

  容姿:髪は桃色で、孫家独特の狂戦士(バーサーカーモード)になると、右目が赤色に変化するのが特徴で、平時は量目とも碧眼である

  祭と同じく胸が豊満で背は祭より高い 体格は祭よりすこし大きい 顔立ちは蓮華というより雪蓮に似ているだろうか

 

 ○張紘 子綱 真名は紅(コウ) 

 

  呉国の軍師の一人で主に外交を担当。 魏の程昱(風)の呉版と考えていただけると理解しやすいだろう

   『呉郡の四姓』と呼ばれる有力豪族の張氏の出 雪蓮直々に出向き、姉の張昭と共に臣に迎え入れられる

  張昭と共に『江東の二張』と称される賢人

 

  ※史実では、呉郡の四性でも張昭と兄弟でもありませんのでお間違い無きように。。。 

   呉郡の四性の中で張温しか見当たらなかった為、雪月の”脳内設定”です

 

  容姿は青眼で背丈は冥琳より少し低い 顔は姉の王林とは似ておらず童顔で人に安心感を与える顔立ちである

  髪は腰にまで届こうかという長く艶やかに保った黒髪を束ね、ポニーテールと呼ばれる髪型にしている事が多いが

  その日の気分により、長髪を肩辺りで束ね胸の前に垂らしている場合もあるようである

  服装は藍色を基調とした西洋風ドレスを身を纏っている

 

 ○魯粛 子敬 真名は琥珀(コハク)

 

  普段は思慮深く人当りも良い娘で、政略的思考を得意とし、商人ネットワークを駆使し情報収集・謀略を行う

  発明に携わる時、人格と言葉遣いが変化し、人格は燃える闘魂?状態、言葉遣いは関西弁?風の暑苦しい人に変化する

  このことから「魯家の狂娘・後に発明の鬼娘」と噂される

 

  ※穏(陸遜)は本をトリガーとして発情しちゃいますが、、琥珀(魯粛)は発明に燃えると・・・燃える闘魂に変身って感じです

 

  容姿は真名と同じく琥珀色の瞳をもち、髪は黒で肌は褐色がかっており月氏の特徴に似通っている

  背は明命と同じくらいで、服装は赤を基調としたチャイナドレスを身に纏っている

 

 ○張昭 子布 真名は王林(オウリン) 

 

  呉国の軍師の一人で主に内政を担当。 冥琳とはライバル同士で互いに意識する間柄である

   『呉郡の四姓』と呼ばれる有力豪族の張氏の出 雪蓮直々に出向き、妹の紅(張紘)と共に臣に迎え入れられる

  張紘と共に『江東の二張』と称される賢人

 

  妹の紅は「人情の機微を捉える」に対して「政(まつりごと)の機微を捉える」という感じでしょうか

 

  容姿は冥琳より少し高めで、紅と姉妹でありながら顔立ちが似ておらず、冥琳と姉妹と言われた方がピッタリの美人系の顔立ちである

  眼鏡は使用しておらず、服装は文官服やチャイナドレスを着用せず、珍しい”青眼”でこの眼が妹の紅と同じな事から

  姉妹と認識されている節もある 紫色を基調とした妹の紅と同じ西洋風のドレスを身を纏っている

 

 ○程普 徳謀 真名は楓(カエデ)

 

  緋蓮旗揚げ時よりの古参武将であり、祭と並ぶ呉の柱石の一人 「鉄脊蛇矛」を愛用武器に戦場を駆け抜ける猛将としても有名

  祭ほどの華々しい戦果はないが、”いぶし銀”と評するに値する数々の孫呉の窮地を救う働きをする

  部下達からは”程公”ならぬ『程嬢』と呼ばれる愛称で皆から慕われている

 

  真名は・・・素案を考えていた時に見ていた、某アニメの魅力的な師匠から一字拝借致しました・・・

 

  容姿は祭と同じくらいの背丈で、端正な顔立ちと豊かな青髪をうなじ辺りでリボンで括っている

  均整のとれた体格であるが胸は祭とは違いそこそこ・・・ちょっと惜しい残念さんである

 

 ○凌統 公績 真名は瑠璃(ルリ) 

 

  荊州での孫呉崩壊時(※外伝『砂上の楼閣』)に親衛隊・副長であった父・凌操を亡くし、贈った鈴をもった仇がいると

  知った凌統は、甘寧に対して仇討ちを試みるものの・・・敵わず返り討ちにあう間際に、一刀に救われ拾われることとなる

  以来、父の面影をもった一刀と母に対してだけは心を許すものの・・・未だ、父の死の傷を心に負ったまま

  呉の三羽烏の一人として日々を暮らしている

 

  容姿はポニーテールに短く纏めた栗色の髪を靡かせて、山吹色を基調とした服に身を包んでいる小柄な少女

  (背丈は朱里や雛里と同じくらい)武器は不撓不屈(直刀)真名の由来で目が瑠璃色という裏設定もございます

 

  ○朱桓 休穆 真名は珊瑚(サンゴ)

 

  『呉郡の四姓』と呼ばれる有力豪族の朱氏の一族

  槍術の腕を買われ、楓の指揮下にいた 一刀の部隊編成召集時に選抜された中から、一刀に隊長に抜擢された『呉の三羽烏』の一人

  部隊内では『忠犬・珊瑚』の異名がある程、一刀の命令には”絶対”で元気に明るく忠実に仕事をこなす

 

  容姿:亞莎と同じくらいの背丈で、黒褐色の瞳に端正な顔立ちであり黒髪のセミロング 人懐っこい柴犬を思わせる雰囲気をもつ  

  胸に関しては豊満で、体格が似ている為よく明命から胸の事で敵視されている  

 

  ○徐盛 文嚮 真名は子虎(コトラ)

 

  弓術の腕を買われ、祭の指揮下にいた 一刀の部隊編成召集時に選抜された中から、一刀に隊長に抜擢された『呉の三羽烏』の一人

  『人生気楽・極楽』をモットーにする適当な性格であったが

  一刀と他隊長である珊瑚と瑠璃・隊長としての責に接していく上で徐々に頭角を現し

  後に部隊内では『猛虎』と異名される美丈夫に成長を遂げていくこととなる 

 

  容姿:思春と同じくらいの背丈で黒髪のショートヘア 体格も思春とほぼ同じく、遠めからでは瓜二つである 

  二人の区別の仕方は髪の色である(所属部隊兵談) またしなやかな動きを得意としている為、思春の弓バージョンと言える 

 

  ○諸葛瑾 子瑜 真名は藍里(アイリ)

 

  朱里の姉 実力にバラツキがあった為、水鏡から”猫”と称される

  その後、水鏡と再会時に”猫”が変じて”獅子”になりましたわねと再評価される

  天の御遣いの噂を聞きつけた藍里が冥琳の元を訪れ、内政・軍事・外交とそつなくこなす為

  未熟であった一刀の補佐にと転属させられる 

 

  初期には転属させられた事に不満であったが、一刀に触れ与えられる仕事をこなす内に(わだかま)りも消え

  一刀に絶大な信頼を寄せるようになる

  後に亞莎が専属軍師につくと、藍里の内政面への寄与が重要視される中で、藍里の器用な才を愛し、軍師としても積極的に起用している

 

  容姿は朱里より頭一つ高いくらい 茶髪で腰まであるツインドテール 朱里とよく似た童顔でありながらおっとりした感じである

  服装に関しては赤の文官服を着用しており、胸は朱里と違い出ている為、朱里とは違うのだよ 朱里とは・・・

  と言われているようで切なくなるようである(妹・朱里談)  

 

  ○太史慈 子義 真名を桜(サクラ)

 

  能力を開放しない雪蓮と一騎打ちで互角に闘った猛者  桜の加入により瑠璃が一刀専属の斥候隊長に昇格し

  騎馬弓隊を任されることとなった(弩弓隊・隊長 瑠璃→子虎、騎馬弓隊・隊長 子虎→桜に変更)

  本来の得物は弓で、腕前は祭を凌ぎ、一矢放てば蜀の紫苑と互角、多矢を同時に放てば秋蘭と互角という

  両者の良い処をとった万能型である

 

  武器:弓 不惜身命

  特に母孝行は故郷青州でも有名であり、建業の役人街が完成した際に一刀の薦めもあって一緒に迎えに行く

  隊長として挨拶した一刀であったが、桜の母はその際に一刀をいたく気に入り、是非、桜の婿にと頼み込む程であった

   

  容姿はぼん・きゅ・ぼんと世の女性がうらやむような理想の体型でありながら身長が瑠璃ぐらいという美少女系女子

  眼はブラウン(濃褐色)であり、肩下までの黒髪 気合を入れる時には、白い帯でポニーテールに纏める

  一刀の上下を気に入り、自身用に裁縫し作ってしまう程の手先の器用さもみせる

 

  真剣に話している時にはござる口調であるが、時折噛んだりして、ごじゃる口調が混ざるようである

  一時期噛む頻度が多く、話すのを控えてしまったのを不憫に思った為

  仲間内で口調を指摘したり笑ったりする者は、自然といなくなったようである

 

 ○高順

 

  「陥陣営」の異名をもつ無口で実直、百戦錬磨の青年 

  以前は恋の副将であったのだが、恋の虎牢関撤退の折、霞との友誼、命を慮って副将の高順を霞に付けた

  高順は恋の言いつけを堅く守り続け、以後昇進の話も全て断り、その生涯を通し霞の副将格に拘り続けた

 

 ○馬騰 寿成 真名を翡翠(ヒスイ)

 

  緋蓮と因縁浅からぬ仲 それもその筈で過去に韓遂の乱で応援に駆けつけた呉公に一目惚れし

  緋蓮から奪おうと迫り殺りあった経緯がある

 

  この時、緋蓮は韓遂の傭兵だった華雄にも、何度と絡まれる因縁もオマケで洩れなくついて回ることとなるのだが・・・  

  正直な処、緋蓮としては馬騰との事が気がかりで、ムシャクシャした気持ちを華雄を散々に打ちのめして

  気分を晴らしていた経緯もあったのだが・・・当の本人は、当時の気持ちをすっかり忘れてしまっているが

 

  この事情を孫呉の皆が仮に知っていたのならば、きっと華雄に絡まれる緋蓮の事を自業自得と言いきったことだろう・・・

 

 ○孫紹 伯畿 真名を偲蓮(しれん)

 

  一刀と雪蓮の間に生まれた長女で、真名の由来は、心を強く持つ=折れない心という意味あいを持つ『偲』

  ”人”を”思”いやる心を常に持ち続けて欲しい、持つ大人へと成長して欲しいと2人が強く願い名付けられた

  また、偲という漢字には、1に倦まず休まず努力すること、2に賢い、思慮深い、才知があるという意味もある

 

  緋蓮、珊瑚、狼をお供に従え?呉中を旅した各地で、大陸版・水戸黄門ならぬ

  ”偲”が変じて”江東の獅子姫様”と呼ばれる

 

 ○孫登 子高 真名を桜華(おうか)

 

  一刀と蓮華の間に生まれた次女で、子供の扱いが分らぬ蓮華の犠牲者1号となり

  早々に侍従長の咲と思春の手により育てられることとなる

 

  そんなエピソードがあるのにも関わらず、聡明な娘で人望も厚く育ち、王となってからは自身の才能をいかんなく発揮させる

  一刀や蓮華に似ているというより、姉である雪蓮に似ているとの蓮華談有り

  後年孫呉の王として、天皇となりし姉・偲蓮を支えることとなる

 

 ●その他武将

 

  蒋欽ー祭の副将、董襲ー楓の副将

  歩シツー珊瑚の副将、朱然ー昔は瑠璃、現在子虎の副将、丁奉ー昔は子虎、現在は桜の副将 周魴ー瑠璃の副将

 

 ○咲

  母娘共に侍従長として、長きに渡り孫呉に仕える 月、詠の上司に当る

  主な著作に侍従長はみたシリーズがある

 

 ○青(アオ)

  白蓮から譲り受けた青鹿毛の牝馬の名前 

 

  白蓮から譲られる前から非常に気位が高いので、一刀以外の騎乗を誰1人として認めない 

  他人が乗ろうとしたりすれば、容赦なく暴れ振り落とすし蹴飛ばす、手綱を引っ張ろうとも梃子でも動かない

  食事ですら・・・一刀が用意したモノでないと、いつまで経っても食事をしようとすらしないほどの一刀好き

 

  雪蓮とは馬と人という種族を超え、一刀を巡るライバル同士の関係にある模様

 

 ○狼(ラン)

  珊瑚の相棒の狼 銀色の毛並みと狼と思えぬ大きな体躯であるが

  子供が大好きでお腹を見せたり乗せたりする狼犬と化す

 

 

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【あとがき】

 

常連の読者の皆様、お初の皆様 こんばんは 雪月でございます

 

この度の更新は約3週間ぶりの更新となってしまいました 本当にすみませぬ(最近謝ってばかりですね(滝汗

仕事休みの土日どちらかのみの制作日数ですので、どうしても更新頻度が2週間ほど容易に経ってしまいます

ここ最近は年末から祟られたように、病気などなどに見舞われており

厄年なん?と錯覚するほど、どん底感を味わっておりまする

 

全然、厄年とか引っかかるような年齢でもないのですがががが

自身の年齢に関するネタはこれまでと致しましても

更新期間はおよそ2~3週間辺りを最低UP目途に設定し、更新して参りたいと思っております

 

ただ次回更新は、もう少し早めにUP出来るのでは?と予想しておりますが、果てさて・・・汗

 

さてさて話は本編へと移りまして、予想通りといいますか・・・

界橋での戦闘は、総兵力で押す魏が晋相手に苦戦中であります

 

風と春華の戦いも双方痛み分けに終わり、

魏軍内に不穏な空気が流れ纏わりつき、陰りを払拭出来ずにおりますけれども

一体どうなりますことやらといった次回予告でしょうか

 

これからも皆様の忌憚のない御意見・御感想、ご要望、なんでしたらご批判でも!と何でも結構です

今後の制作の糧にすべく、コメント等で皆様のご意見を是非ともお聞かせ下さいませ 

 

今年一年どうぞよろしく御願い致します まだまだ寒い日が続いております 皆様御自愛くださいませ 

それでは完結の日を目指し次回更新まで(´;ω;`)ノシ マタネ~♪


 
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