No.765817

真・恋姫無双 別たれし御遣い 第三十四話

ZSANさん

赤壁の戦い終結、そして・・・

2015-03-20 20:13:21 投稿 / 全4ページ    総閲覧数:2908   閲覧ユーザー数:2617

~雪蓮視点~

必死の追撃戦を私達は仕掛けている

一刀の事は気がかりだが、鞘華に一任するしかない

私がするべきことは、曹操を討ち取る事

曹操を此処で逃がしたら、また侵攻して来る

国力の差は歴然としている

次は今回のような策は通用しない

何としても此処で決着をつけないと・・・

 

追撃戦を始めて、曹操の殿の部隊は予想以上に粘る

だが此方の猛攻に徐々に崩れていく

そんな時、曹操の軍から大きな声が響く

「戦闘を止めなさい!」

そして曹操の軍勢が道を開ける様に、左右に割れゆっくりと歩み寄って来る人影が見えた

曹操だ

「大将が出て来るなんて、何を考えてるの?」

曹操の意図が読めないので、挑発するように問いかけると

「降伏するわ

 但し、私以外のの将兵の命は保証して欲しい」

予想外の降伏宣言だった

そして曹操は愛鎌を私の方に差し出して、地面に捨てる

「華琳様、何故です!」

確か、この娘は夏候惇ね

夏候惇の言葉も尤もだ

まだ私達を振り切れないと決まった訳でも無い

振り切って、許昌に逃げ切れればまだ何とかなる筈

だが、曹操は

「春蘭、もう全てが決したのよ」

覇気を無くした少女の顔で曹操が言うと、夏候惇はその場に膝を付いて号泣し出した

「曹操の降伏を受けれる

 双方ともに戦闘を中止せよ」

私は宣言した

これによって戦は終結した

その私達の後方から、ゆっくりと幽鬼の様に歩んでくる人影が有った

私達の方に歩み寄って来る人影

それは鞘華だった

俯き加減の為、表情は読めない

だが雰囲気がおかしい事は誰でも分かる

私の所まで来ると歩みを止める

此処で私は鞘華に尋ねる

「鞘華、一刀は?」

その言葉にビクッと反応したかと思うと、鞘華は

「うわ~~~~!」

絶叫と共に、曹操に斬りかかった

 

「様子がおかしいと思い、警戒していたが正解だったな!」

振りかぶった剣は、振り下ろされなかった

鞘華を後ろから粋怜が羽交い絞めにしたからだ

「鞘華、正気に戻れ!

 お前にも分かる筈だ それはやってはならん事だ!」

そう、降伏した大将をどうするかは降伏を受け入れた大将が決定する事

一将である鞘華が問答無用で斬る事は許されない

だが、それども鞘華は曹操に向かおうとする

「仕方あるまい 許せよ!」

祭が鞘華に当身をして、失神させる

「この様子だと一刀を助けられなかったのね

 そしてその悲しみのあまり・・・」

「雪蓮様、私は鞘華さんを天幕に連れて行って休ませます」

静里が鞘華を連れて行く

「悪かったわね 曹操」

「別に構わないわ 鞘華が北郷一刀に執心なのはとっくに知ってたもの」

しれっと言うわね

「孫策、降伏を受け入れてくれた礼に一つだけ情報を教えるわ

 私の配下だった司馬懿が謀反を起こしたわ

 司馬懿は司隷を傘下に治め、許昌も落とした

 その伝令が有ったから、私達の将兵は気力をへし折られたわ」

降伏の理由は分かった

司馬懿は私達にどう出る

そして、私達の取るべき行動は・・・

冥琳に相談ね

~戦場よりいくらか下流にて~

「曹操が降伏した様ね」

そう呟いていたのは、曹操に司馬懿の謀反と許昌陥落の報を伝えた伝令兵だった

いや、この少女は曹操軍の兵装を身にしているが曹操軍の兵では無かった

「曹操も情けない

 五倍を超える兵を用いながら、こんなに短期間で負けるとわね

 葵姉様が念の為にと私を曹操軍に紛れ込ませたのが功を奏した訳ね」

この少女の名は司馬敏 字は幼達 司馬姉妹の末妹だった

50人程の部隊と合流し、行動を始める

「私はこれから洛陽に向かうわ

 一応、2人程は許昌で戦闘中の姉様達に事の詳細を伝えておいて」

司馬敏は指示を出すと動き始める

 

司馬敏が曹操に許昌陥落を伝えた時、まだ許昌は落ちていなかった

だが司馬敏は司馬懿より

「戦いが予想外に早く終結した場合、許昌陥落前に曹操軍が帰還する可能性が有る

 その時は何とか時間を稼ぎなさい」

との命を受けていた

司馬懿が曹操が負けると予想していたのかは不明だが、保険が司馬敏だった

曹操が孫呉を振り切って、許昌へ帰還した場合、許昌の戦いは司馬懿軍に不利になる

いくら数を減らし、疲労困憊とは云え、許昌防衛の部隊からすれば援軍に違いはない

そこで司馬敏は司馬懿の謀反と、偽情報の許昌陥落の報を伝え曹操軍の将兵の精神を砕いた

 

司馬敏が出発して間もなく、二人の人物が彼女の目に入った

一人がもう一人の傷の治療をしているようだった

司馬敏は近づいて行き、怪我をしていた人物の顔を見ると

「こいつは確か・・・

 ふふふ、いい土産が出来たよ」

そう言って、二人共洛陽に連れて行く事にした

治療をしていた人物は華佗

偶然見つけた知己の人物の治療をしていたのだ

逆らおうにも、怪我をした人物を守りながら戦うのは不可能なので同行した

~あとがき~

 

赤壁の戦い終結です

 

司馬家の人物が登場しました

司馬懿の謀反は全姉妹の”司馬八達”で起こした物です

 

鞘華の件は次回以降に

 

華佗と共に連れて行かれた人物が誰なのか・・・

分かりますよね

 

更新はゆっくりになるかもしれませんが続けるつもりです

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 
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