No.762039

真・恋姫無双 別たれし御遣い 第二十六話

ZSANさん

襄陽攻略戦③

2015-03-03 20:13:22 投稿 / 全4ページ    総閲覧数:3318   閲覧ユーザー数:2849

~一刀視点~

鶴翼の陣で関羽軍を取り囲んだ呉軍は、蓮華の号令で鶴翼の翼を閉じ始めた

関羽軍は完全に包囲され、城への退路も閉ざされている

取れる道は一点突破しかないが、統率が乱れてそれも無理だろう

兵にしてみれば、勢い勇んで出撃したら敵は準備万端待ち構えていた

不味いと感じて撤退しようと思ったら、城門が閉じられて逃げ道が無くなった

これで平静でいろと云うが無理な話だ

 

呉軍の攻勢が始まり、関羽軍はその数を減らして行く

俺も部隊の指揮を執りながら、敵を倒していく

だが、一つだけ誤算があった

関羽軍が此方の予想よりしぶとい

双方の兵の力は大差無い

しかし、関羽軍は統制が取れていないので圧倒的に呉軍が有利だ

この関羽軍のしぶとさの原因は『窮鼠猫を噛む』

完全に追い詰められた故の、必死の抵抗に呉軍も被害が出る

だが、ここまで来たら力押しで勝負を決するしか無い

まだ呉軍が有利なので、力押しで勝てる筈なのだから

 

そんな中、俺は関羽を探していた

総大将の関羽を倒せば終わりだ

だが、敵の最高戦力で有る事は疑う余地も無い

慎重に包囲殲滅しなくては

その姿を見つけた時、関羽は前方に明らかに無理な突撃を敢行していた

何故? その先に何が有る?

その方向を見た時、驚いた と同時に疑問が氷解した

その方向では蓮華が戦っていた

中央の蓮華の部隊の前には防波堤の為、粋怜さんの部隊を配置していた

だが、蓮華が前線にまで進んで来ていた

関羽は総大将の蓮華を討つ事で戦況を逆転させる気だ

これは不味い!

~蓮華視点~

鶴翼の陣で敵を包囲 後は殲滅するのみ

私は総大将として、後方から指揮を執る

氷雨と静里にはそう言われていた

だが、総大将が後ろで高みの見物をしていて良いのだろうか?

姉様は最前線に出て、味方の兵を鼓舞していた

それを諌めた事もあるが、姉様が戦っていたにも拘らず私は後方で指揮だけしている

これでは、兵は不信感を抱くのではないか

そう考えていたら、戦場に突撃していた

 

「蓮華様、御下がりください!」

粋怜の声が聞こえるが、無視する

私が戦う事で、将兵を鼓舞するのだ そう信じて

それに、私もそれなりに武を研鑽して来た

一般兵に不覚を取る事など無い!

一人、また一人と敵を倒していく

私にも出来るんだ!

しかし、

「孫権 覚悟ー!」

猛烈な勢いで、関羽が突っ込んで来た

完全に不意を突かれて、反応が遅れた

この攻撃は防げない

自らの浅はかな行動を後悔したが、もう遅い

私は死を覚悟した

その時、横から飛びついて来た何者かと共に、横に地面を滑っていた

関羽の攻撃は私に当たらなかった

 

~一刀視点~

「孫権 覚悟ー!」

関羽が孫権に斬りかかる寸前、俺は孫権に飛びついていた

背中に斬られた痛みが有るが、斬撃から孫権を守れた筈だ

 

「孫権 無事か!?」

「あ、ああ、助かった」

どうやら、無事なようだ

孫権に背中を向けて、関羽と向き合う

「孫権、何故こんな前線まで出て来た」

「それは姉様を見習って・・・」

「あれは悪い見本だ!」

蓮華を叱りつけるが、それは此処まで

此方の問題に対処しなければ

俺は正面の関羽を見据える

「貴様は北郷一刀!」

関羽は恐ろしげな形相で、睨んでいる

まあ、あれだけ挑発したからな

「貴様だけは此処で斬る!

 だが、部隊は逃げさせて貰う

 貴様の指揮していた部隊の所からな」

関羽は部隊に一点突破の指示を出した

その方向は、俺の指揮していた部隊の方向

指揮する者がいない方向が弱いと判断したのだろう

だが

「一君がいないから、私が指揮を代行するよ!」

後方の敵を殲滅した鞘姉が、部隊を引き連れてやってきていた

更に、そのまま指揮を引き継いでくれた

「これで部隊も逃げられないな」

俺の言葉に関羽は

「おのれ、おのれ、おのれ~

 どこまでも私を~~~~!!!」

関羽は逆上して攻撃して来た

その攻撃はおそらく関羽の最高の破壊力を持っていただろう

だが、その攻撃を抜刀術で弾く

いくら力が有っても、打点がづれた所に打たれては弾かれる

無防備になった関羽に、上段回し蹴りを叩き込む

振らついた関羽に背中合わせからの襟首を掴んでの背負い投げ

後頭部から地面に叩きつけ、止めとばかりに鳩尾に正拳突きを決める

関羽は息をしているようだが、完全に失神していた

傍から見ると、俺が関羽に圧勝したようにも見える

しかし、俺と関羽の武力を比べた場合、差は殆どない

寧ろ関羽の方が僅かに優っている

ましてや俺は負傷している

しかし、平静さを失えばその力を充分に発揮出来ない

関羽の敗因は、俺の挑発で平静さを失った未熟な精神

それだけだ

 

関羽が倒された事で敵は最後の士気も挫かれた

襄陽の戦いは呉の勝利で終わった

~あとがき~

 

襄陽の戦いが終わりました

 

蓮華の未熟な部分が出ました

蓮華は呉ルートでも雪蓮に劣等感を持っているような描写が有りました

その結果の行動です

これを糧に成長するでしょう

 

一刀と愛紗の一騎討ちですが、これは難しかったです

一応フォローは入れましたが、愛紗が弱すぎに見えてしまします

愛紗を貶める気は無いのですが・・・

愛紗ファンの方には申し訳ありません

 

更新はゆっくりになるかもしれませんが続けるつもりです

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 
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