No.755166

『真・恋姫†無双 ~時の外史~』 第13話

七詩名さん

いらっしゃいませ、七詩名です。

第12話の件、大変失礼いたしました。

第13話と共に再投稿でございます。

続きを表示

2015-02-01 01:55:53 投稿 / 全6ページ    総閲覧数:1928   閲覧ユーザー数:1819

 

 

 

 

 その巨大な体から放たれた、光る無数の”それ”は・・・。

 

 

 

 

 

 まるで敵軍に向かって降り注ぐ”矢”のように・・・。

 

 

 

 

 

 ”その世界”を焼き尽くした―――――。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

真・恋姫†無双 × クロノトリガー

 

『真・恋姫†無双 ~時の外史~』

 

 

 

第13話「未来を変えろ!再び廃墟を越えて」

 

 

 

 

 

 

 

 

一刀「な・・・なんなんだこれ・・・。」

 

桃香「あ・・・ぁ・・・。」

 

マール「な・・・なに、これ・・・。」

 

愛紗「これは、あまりにも・・・。」

 

鈴々「愛紗・・・。」

 

蒲公英「”ラヴォス”って・・・こいつのこと・・・?」

 

ルッカ「ラ、ラヴォスって・・・これが世界をこんなにした大災害!?」

 

クロノ「まてよ。俺たち、ゲートを使って来たよな?てことは・・・。」

 

マール「じゃあやっぱり、ここは私たちの住んでる時代の未来なの!?ひどい、ひどいよ!こんなのってないっ!!・・・これが、私たちの未来だなんて。」

 

 

 ヴンッ!

 

 

 想像を絶する・・・いや、想像することすらできなかった現実に、ただ茫然とモニターを見つめる俺たちを前に、映像は無情にも沈黙した。

 

 

一刀「・・・とにかく、一度上へ戻らないか?」

 

 

 映像が消えると同時に訪れる沈黙をどうにかしようと、気休め程度の提案をしてみる。

 

 

ルッカ「そ、そうね。とりあえず目的は果たしたわけだし、ここにはもう用はないもんね・・・。」

 

 

 ルッカが乗ってくれたことで俺はほんのわずかに安堵し、それを皮切りに皆も動きを見せ始める。

 

 

一刀「行こう。ほら、愛紗。」

 

愛紗「は、はい。さ、桃香さま。」

 

桃香「愛紗ちゃん・・・愛紗ちゃん。」

 

愛紗「大丈夫です桃香さま。あれは過去のもの、今怖がる必要はありません。ですから、さ。」

 

桃香「う、うん・・・。」

 

 

 いまだ震える桃香を優しくなだめる愛紗。

 無理もない。桃香たちの世界はもちろん、俺が元いた世界ですらゲームでしか存在しないような非現実的な状況だ。

 脳の処理が追いつかず、かなり混乱してるんだろう。

 愛紗に支えられながら、なんとか足を動かしていく。

 

 

クロノ「大丈夫かマール?」

 

マール「うん、私は大丈夫。クロノは?」

 

クロノ「まあ、大丈夫、かな?はは、全然現実感湧いてないや。」

 

鈴々「アイツなんなのだ?イヤな感じしかしないのだ。うまく言えないけど。」

 

蒲公英「それだけでも十分だって。たぶんみんな同じこと感じてるだろうし・・・。」

 

 

 さっきの沈黙とは逆に、とにかく何か話すことで恐怖や不安をごまかそうとしながら、俺たちはドン達のいる場所まで戻っていった。

 

 

 ・・・・・・・・・。

 

 

 ・・・・・・。

 

 

 ・・・。

 

 

 

 

 

 

ドン「も、戻ってきおった・・・!」

 

 

 無事に戻った俺たちを、ドン達は驚きと安堵の表情で迎えた。

 

 

璃々「あ!ごしゅじんさまたち帰ってきた!」

 

紫苑「ご主人様!」

 

翠「お、蒲公英も無事だったか。」

 

白蓮「ん?でもなんか様子が変じゃないか?」

 

ルッカ「・・・。」

 

住人「おお!無事だったか!」

 

一刀「・・・。」

 

住人「本当に生きて戻ってくるとは・・・!」

 

桃香「・・・。」

 

ドン「で、どうじゃった?」

 

クロノ「・・・。」

 

ドン「・・・? ど、どうしたんじゃ?」

 

マール「・・・ここは。」

 

ドン「ん?」

 

マール「ここは・・・私たちの”明日”なの。」

 

ドン「ん?なんじゃと?」

 

 

 俺たちの様子とマールの言ったことに首を傾げるドン。

 マールは続けて言葉を発しようとするが。

 

 

住人「それより食料庫は・・・?」

 

 

 ドンの後ろにいた住人に遮られてしまう。

 その問いに、マールは「あ、そうだ。」と思い出し、手に入れた物をドンに手渡す。

 

 

マール「これしか、なかったの・・・。」

 

ドン「これは・・・種子、か。」

 

ルッカ「とりあえず、それを育ててみたらどうかしら?”エナボックス(この時代にある睡眠装置。ただし空腹は満たされないようだ。)”もいつまで持つかわからない以上、それしかないと思うの。」

 

マール「とにかく生きて!頑張って!私たちもやれることをやってみるから!」

 

 

 マールとルッカは、必死の面持ちでドンを説得する。

 その様子にドンはフッと笑みを見せ。

 

 

ドン「・・・アンタたちは不思議じゃ。なにかこう、ワシらとは・・・。」

 

マール「”元気”ってこと?」

 

ドン「”げんき”・・・?聞いたことのない言葉じゃが、なんだか気持ちのいい響きだ・・・。」

 

 

 マールから聞いた”元気”という言葉を、ドンは心に染み込ませるように目を瞑り感じていた。

 いまだ現実味は感じないが、”ラヴォス”は文明だけじゃなく、人が人で在るために必要な”言葉”も失くしてしまったようだ。

 

 

ドン「わかった。なんの種子かはわからんが、こいつを育ててみよう。」

 

子供「これなーに?」

 

ドン「ん?・・・今のワシらに必要なのは、こういった物なのかもしれん。」

 

子供「?」

 

ドン「お前さんたち、これからどうするんじゃ?」

 

クロノ「プロメテドームって所に行こうと思ってるんだ。」

 

ドン「プロメテドームか。ならば『32号廃墟』を越える必要があるのう・・・そうじゃ。」

 

 

 俺たちの向かう場所を聞いて、ドンは何かを思いつき、懐を探って何かを取り出し渡してくれた。

 

 

一刀「これは?」

 

ドン「”ジェットバイク”のキーじゃ。ワシが若いころ乗っていたものでの、32号廃墟に置いてあるはず。まだ動くとよいが・・・。」

 

マール「いいの?」

 

ドン「なぁに、ワシ一人では外に出られんし、それにもう乗るだけの”元気”、はないからの。ほっほ、使い方は合っとったかの?」

 

マール「ありがとう、ドンさん!」

 

ドン「気を付けるんじゃぞ?向こうはここより強力なロボットが暴れまわっておる。元気でな。」

 

 

 ドン達と別れ、紫苑たちを加えたことでさらに大所帯となった俺たちは、アリスドームをあとにした。

 

 

 

 

 

 

翠「な、なんだよ。その”ラヴォス”ってやつは。ヤバすぎじゃねぇか!」

 

蒲公英「そうだよ!ヤバいんだよお姉さま!」

 

紫苑「本当にそんなことがこの世界に?・・・いえ、この景色を見る限り、そうなんでしょうね・・・。」

 

白蓮「ダメだ、私にはとても理解できた話じゃないな・・・。」

 

 

 アリスドームを出てすぐ、俺たちは情報センターで見たことを紫苑たちに話した。

 反応は予想通り、とても信じられるような内容じゃないよな。

 

 

桃香「でも、本当の本当に、これがマールたちの世界の未来なんだとしたら・・・なんとかできないのかな?」

 

白蓮「なんとかって・・・そんな、世界をこんなにしちまうヤツを倒すっていうのか桃香!?」

 

蒲公英「倒すって・・・アレって馬の何倍の大きさなんだろ・・・?」

 

翠「でもまあ、たしかにヤバい相手だけどさ、アタシや愛紗、紫苑もいれば何とかなるんじゃないか?星もいるんだろ?」

 

愛紗「うむ、我ら五虎将がそろえば勝てぬモノなどない!」

 

蒲公英「いやさすがにアレは・・・(いなかったお姉さまは別として、実際に観た愛紗がここまで脳筋とは思わなかったよ。)」

 

愛紗「何か言ったか、蒲公英?」

 

蒲公英「いいえ別になんにもこれっぽっちも!」

 

マール「・・・そうだよ。変えちゃおうよ!」

 

 

 三国勢に、ようやく普段通りの感じが戻ってきたとき、突然マールが何かを思い立ったのか、声を大にして皆に呼びかけた。

 

 

クロノ「変えるって?」

 

マール「クロノが私を助けてくれたときみたいにだよ!たしかにラヴォスはとんでもない相手だけど・・・もしかしたら、戦わなくても未来を変えられる方法があるかもしれないよ!?」

 

クロノ「マール・・・。」

 

ルッカ「そうね・・・可能性はあるかもしれないわ。」

 

クロノ「え、ホントかルッカ!?」

 

ルッカ「幸い、アタシたちはゲートを使って時代を超えられるんですもの。きっとどこかに可能性は眠ってるわ。でも、あくまで可能性、下手したら戦うはめになるかもしれない・・・どうする?」

 

クロノ「・・・。」

 

マール「クロノ・・・。」

 

一刀「俺は・・・やってみた方がいいと思う。」

 

 

 ルッカから決断を迫られ、答えに悩むクロノに、俺はそう進言した。

 

 

桃香「なんで、そう思うの?ご主人様。」

 

一刀「それは・・・おそらく、こうなったことには何か意味があるんじゃないか、って思ったんだ。」

 

愛紗「意味、ですか。」

 

一刀「千年祭でゲートが現れたこと、マールを助けて運命が変わったこと、今この時代にいることやラヴォスの存在を知ったこと。そしてなにより、違う世界の人間である”俺たち”がいること。俺が桃香たちの世界に”天の御使い”として降り立ったことと同じなんじゃないか、何か意味があってそうなったんじゃないかって、そう思うんだ。」

 

桃香「ご主人様・・・。」

 

クロノ「そうだな・・・やってみる価値はあるよな。」

 

マール「クロノ・・・。」

 

クロノ「せっかくここまで来ちゃったのに、今さら元の日常に戻ったりなんかしたら絶対後悔するかもしれないし。なにより、俺たちには”天の御使い様”が付いてるしな!」

 

一刀「はは、なんだよそれ。」

 

クロノ「桃香たちの世界の救世主だったんだろ?なら、この世界でも救世主になるかもしれないじゃないか。」

 

桃香「そうそう、ご主人さまがいれば未来を変えるなんてちょちょいのちょいだよ♪」

 

一刀「いやいや、神様じゃあるまいし、俺にできることなんてたかが知れてるよ。それに実際に桃香たちの世界を救ったのは桃香たち自身だよ。」

 

愛紗「そうかもしれませんが、ご主人様の存在があったからこそ、皆がまとまったのも事実ではありませんか。」

 

一刀「う~ん、そう言われると何かこっ恥ずかしいものがあるな。」

 

翠「で、結局どうすんだ?やるのか?やらないのか?」

 

クロノ「もちろんやるさ!な、マール?」

 

マール「よし、やろう!クロノ、ルッカ、みんな!」

 

一刀「ああ。」

 

桃香「うん!」

 

愛紗「皆で力を合わせよう!」

 

鈴々「鈴々も頑張っちゃうもんねー!」

 

蒲公英「蒲公英もー!」

 

翠「あたしも久々に思いっきり暴れてやるぜ!」

 

紫苑「私も微力ながら協力させていただきますわ。」

 

璃々「よくわかんないけど、璃々もー!」

 

白蓮「はあ、どうせ私はまた振り回されて終わりそうな予感がするけどな・・・。」

 

ルッカ「それじゃ、早いとこアタシたちの時代に戻ってラヴォスについて調べないと!行くわよ、”プロメテドーム”へ!」

 

全員『おおおーーーっ!!!』

 

 

 仲間も増え、一致団結を果たした俺たちは『プロメテドーム』に向かうため、アリスドームの北東にある『32号廃墟』へ足を進めた。

 

 

 

 

 

 

[32号廃墟]

 

 

 

桃香「やっぱりここもボロボロで人なんか居なさそうだねぇ。」

 

 

 前回通った『16号廃墟』と同じような景色の『32号廃墟』。

 皆がそれぞれ談笑混じりに進んでいく。

 

 

ルッカ「そりゃこんなとこに居たらロボットに襲われかねないもの。」

 

 

 ビーッ!ビーッ!ビーッ!

 

 

ルッカ「こんな風にね・・・って警報!?言ったそばからロボットに襲われるなんて冗談じゃないわよ!?」

 

 

 突然鳴り響いた警報のような音に、皆が身構えると。

 

 

翠「何か来るぞ!?」

 

 

 ドドドドドドドドド・・・!

 

 

 向こうの方から数体のロボットが迫ってきた。

 

 

愛紗「やるぞ!鈴々!翠!」

 

鈴々「がってんなのだ!」

 

翠「おう!」

 

 

 身構える俺たちと迫るロボットたち。お互いの距離が縮まり、今まさに戦闘に入ろうとした―――そのとき。

 

 

???「待チナ!」

 

 

 突然かかった声に、俺たちは驚き、迫ってきたロボットも瞬時に動きを止め。

 

 

子分「ア!」

 

子分達『アニキ!!』

 

 

 と叫んだ。

 

 

クロノ「アニキ?」

 

マール「っていうかロボットも喋るんだ・・・。」

 

ルッカ「まあ、そういうプログラムがあればね・・・モブのくせに。」

 

一刀「ルッカ、メタいメタい。」

 

 

 そんな、どこか抜けた驚きをしていると。

 

 

アニキ「待タセタナ!」

 

子分達『アニキィ!!』

 

 

 人の頭のようなものが付いたバイクが走ってきて、止まると同時に人型へと変形した。

 

 

一刀「おお。」

 

愛紗「なにを感心しているのですかご主人様。」

 

一刀「君にはわかるまい。変形ロボットは男の夢とロマンなのだ。」

 

愛紗「?・・・おっしゃる意味がよくわかりませんが。」

 

一刀「・・・気にするな。」

 

アニキ「ソコノ オ前ラ。」

 

クロノ「な、なんだ?」

 

アニキ「俺ノ名ハ”ジョニー”、コイツラノ頭ダ。ココヘ何シニ来タ?コンナトコニ居ルト、ウチノ子分達ミタイナ ロボットニ襲ワレルゼ?」

 

ルッカ「(ロボットにしては話が通じそうなヤツね・・・。)」

 

マール「(事情を話せば通してくれるかな?)あの・・・。」

 

ジョニー「ン?」

 

マール「私たち、プロメテドームまで行かなきゃならないんです。通してもらえませんか?」

 

 

 これまでのロボットのイメージと大分違う相手に戸惑いながら、マールが恐る恐る訪ねてみる。

 するとジョニーと名乗ったロボットは顎に手を当て。

 

 

ジョニー「プロメテドーム カ。タシカニ ソコヘハ ココヲ通ラナイト行ケナイナ。イイゼ?」

 

マール「え!いいの!?」

 

ルッカ「随分あっさりね。拍子抜けもいいとこだわ。」

 

ジョニー「タダシ!条件ガ アル。」

 

ルッカ「やっぱり考えが甘かったみたいね。そう上手く行くとは思ってなかったわよ。」

 

クロノ「ルッカうるさい。」

 

ルッカ「な・・・!」

 

一刀「条件って?」

 

ジョニー「コノ先ニアル『ハイウェイ跡』デ俺ト勝負シナ。”バイクレース”ダ。」

 

桃香「ば・・・!」

 

愛紗「ばいくれーす!?」

 

 

 ・・・。

 

 

愛紗「とはなんですかご主人様?」

 

一刀「はいはい、向こうで説明してあげるよ。」

 

 

 と、俺は三国勢を連れて恒例の説明会を行った。

 

 

ルッカ「待って、アタシたちはバイクなんて持ってないんだけど?」

 

ジョニー「心配スルナ。ソコノ”ジェットバイク”ヲ使ワセテヤル。」

 

ルッカ「ジェットバイク?」

 

マール「あ!ドンさんにもらったキー!」

 

クロノ「でも・・・”そこの”って?」

 

ジョニー「ン?ダカラ ココニアル・・・。」

 

 

 そういってジョニーはジェットバイクが置いてあるであろう場所を見るが・・・。

 

 

ジョニー「・・・無イ!?」

 

 

 そう、俺たちがここに来てから、ジェットバイクらしきものは見かけていないのだ。

 

 

ジョニー「オイ子分タチ!ジェットバイク ハ ドコダ!?」

 

子分A「オレ見テナイ!」

 

子分B「昨日マデ アッタ!」

 

子分C「ソウイエバ サッキ来タトキ無カッタ!」

 

子分D「無カッタ!」

 

ジョニー「クソ・・・マサカ盗マレタノカ・・・?」

 

 

 ・・・・・ィィィン。

 

 

 ジョニー達が思わぬ事態に狼狽えていると、遠くの方から何やら音が聞こえてきた。

 

 

クロノ「・・・ん?もしかして、アレがそうか?」

 

ジョニー「・・・ア!アレダ!」

 

 

 ・・・・・ィィィイイイン!

 

 

 廃墟の遥か向こうから、一台のバイク?が凄いスピードでこちらに向かってきた。

 

 

一刀「・・・あれ?あれって・・・もしかして・・・え?」

 

 

 しかも、乗っているのはあろうことか見知った人物。

 

 

 シュイイイィィィィィ・・・・・・バシュー・・・ン。

 

 

???「いやー、めっちゃ気持ちええなーこれ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「「”霞”!!」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

霞「あ!あーーーーーっ!一刀やーーーーーっ♪」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

...Continued to the next time⇒

 


 
このエントリーをはてなブックマークに追加
 
 
7
0

コメントの閲覧と書き込みにはログインが必要です。

この作品について報告する

追加するフォルダを選択