No.752408

恋姫外史終章・いつまでも一刀第40話

アキナスさん

打ち上げ開始。そして・・・・・・

2015-01-19 00:23:41 投稿 / 全5ページ    総閲覧数:3563   閲覧ユーザー数:2870

王位争奪戦の終わった日の夜、城では宴会が行われていた。

 

各国の将たちが酒を飲み、ごちそうを食べ、おおいに語り合っていた。

 

「巨乳は我らの敵である!」

 

「「「「敵である!!」」」」

 

・・・・・・まあ、中には妙な盛り上がり方をしている一団もあるのだが。

 

さて、そんな宴の最中、

 

「華琳様~~!」

 

「華琳様!どこですか~~!?」

 

今回の宴の主賓ともいうべき華琳が姿を消していた。

 

また、失踪者は他にも・・・・・・

 

 

 

 

「そういえば、一刀さんの姿が見えませんわね?」

 

 

 

 

 

 

 

会場から姿を消した一刀と華琳は、城壁の上を歩いていた。

 

夜空を見上げると、雲の切れ間から満月が顔を出している。

 

「いいのかよ。主賓が抜け出して」

 

「良くはないでしょうね」

 

さらりと言ってのける華琳に、一刀は肩を竦めた。

 

「で?俺に何の用だ?」

 

「二つ、聞きたいことがあるのだけど」

 

「答えられることなら」

 

「そう。なら一つ目の質問よ。貴方は王になりたくなかったの?」

 

「何でそう思う?」

 

「あなたにのって、おまけに優勝しておいて言うのもなんだけど、こんな大会開かなくても、あなたは確実に王になる方法はいくらでもあったはずでしょう?」

 

「そりゃそうだ」

 

「では何故?」

 

「・・・じゃあ、それに答える前に聞きたいんだが、王になった後はどうなる?」

 

「どうなるって・・・・・・」

 

「王に自由はあるか?」

 

「ある訳ないでしょう」

 

「俺は自分の好きなように生きてきた。それはこれからも同じだ。もし優勝したら、最小限やって、あとは麗羽に任せるつもりだった」

 

「・・・・・・」

 

「俺の目的は出来る限り早く国をまとめる事だった。別にトップにこだわってたわけじゃねえ」

 

「つまり、あの大会を開いて、その結果を皆が享受したなら誰が優勝してもよかったということ?」

 

「あの中の誰が優勝しても、暴君にはならないと踏んでた。ならいいだろうと思ってた」

 

「・・・・・・はぁ」

 

ため息をつく華琳。

 

「そんなふうに言われたら、私は貧乏くじを引かされたみたいじゃない」

 

「まあ、それは本人の気持ちの問題だな。というわけで、王になりたいかと言われると、別になりたくはなかったかな?」

 

「そう・・・・・・」

 

「で?二つ目の質問は何だ?」

 

「貴方の正体を教えてくれない?」

 

「正体?」

 

「生まれから育ちまで貴方は謎だらけだわ。確実に分かっているのは白い流星が墜落した地点に頭から突き刺さっていたという事だけ」

 

「・・・・・・」

 

「それに、貴方の人脈の作り方も知りたいわね。短期間の間にどうやってあれだけの女たち、それも重要人物たちと良好な関係を築く事が出来たのか」

 

「・・・ん~~」

 

頭を掻く一刀。

 

「分かった。俺が何者か教えるよ」

 

「あら、本当に?」

 

「ああ。だが、その前に言っておく事がある」

 

「何かしら?」

 

「俺がこれから話すことは全て俺が歩んできた現実。信じられないような話だが、嘘偽りない真実だ。そして、この世界において何も知らない人間では、話すのは曹孟徳。あんたが初めてだ」

 

「へえ・・・・・・」

 

何か含みのある言い方に、華琳はどんな話が聞けるのかと少し楽しみだった。

 

「普通の人間なら、つまらない三流小説だと笑い飛ばすような話だ。だが、一を聞いて十を知る、常人とは一線を画すようなあんただ。もしかしたらと言う期待を込めて話させてもらうよ」

 

「期待に沿えるかしらね?」

 

「さあな。さて、それじゃあ始めようか・・・・・・」

 

 

 

 

一刀は語り始めた

 

 

 

自分が初めてやってきた前の外史から

 

 

 

自分が立っている今までの軌跡を・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

「これが、全ての種明かしだ。どうだ?感想は?」

 

「・・・・・・聞きたい?」

 

「ああ」

 

「三流小説の朗読を聴いた気分」

 

「・・・・・・だろうな」

 

一刀は少なからず失望した。

 

そして、期待をしてしまった自分に対して腹が立った。

 

「話はそれだけだ。じゃ、先に戻るぜ」

 

華琳に背を向け、一刀は宴会場へ戻ろうとした。

 

「信じないとは言っていないわよ」

 

その一刀の歩みを、華琳のこの一言が止めた。

 

「・・・・・・何?」

 

振り向く一刀。

 

「常識で考えたなら、現実離れしすぎて馬鹿らしいと決めつけて考える事を放棄するでしょうね。でも、最後まで考えるのをやめなければ話の整合性や矛盾が見えてくる」

 

「・・・・・・」

 

「常識外れの要素は多いけれど、矛盾は無かった。となれば、信じる価値はあるわね」

 

「・・・すまん」

 

「?」

 

「勝手に失望した。俺の目は曇っていた、曹操孟徳でも駄目だったか・・って」

 

「失礼ね。貴方の物差しで勝手に私を計らないで欲しいわ」

 

「はい、反省してます・・・・・・」

 

素直に頭を下げる一刀。

 

「でも、疑念が無いわけではないわ。私はその前の外史の記憶とやらを持っているわけではないのだから」

 

「だろうな」

 

「私か、私の陣営の誰かの記憶が目覚めれば話が早いのだけれど・・・・・・それにしても、その記憶の取り戻し方。貴方の話を聞く限り、多くは前の外史の出来事が鍵になっているようね」

 

「みたいだな。だが、シャオの例があるし、それ限定ってわけでもなさそうなんだよな・・・・・・」

 

「特別な例は置いておいて、当面大きな戦いもないようだし、色々試してみましょう」

 

「ああ。後、あんたは記憶が戻ってるやつらと話をしといた方がいいんじゃないか?」

 

「そうね。なら、とりあえず戻りましょうか」

 

「おう」

 

横に並んで宴会場へ歩を進める二人。

 

「ところで、王に対してあんたなんて無礼だと思わない?」

 

「じゃあ、我が王とでも呼べばいいか?それとも曹操さまとでも?」

 

「・・・・・・あなたからそう呼ばれると不快感しかないわね」

 

「ひでえ!」

 

「真名でいいわよ」

 

「そっちのほうが無礼なんじゃないか?」

 

「そうだけど、貴方に他人行儀な言い方されると不快なのよ。試しに真名を呼んでみなさい」

 

「じゃあ・・・華琳?」

 

「それでいいわ。やっぱりこっちのほうが不快じゃないから」

 

「そんな理由で・・・」

 

「そんな理由?私が真名を呼んでいいと言ったのがどういう事か・・・察しなさいよ」

 

「・・・少なからず認められてるってことでいいのか?」

 

「さあ?自分で考えなさい」

 

 

 

 

結局、真名の件について

 

 

 

 

一刀ははっきりとした答えをもらう事はなかった

 

 

 

 

そして、この日を境に

 

 

 

 

華琳を中心とした新たな国が作られていくのであった・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

おまけ

 

 

 

一刀の記憶を元に試した結果、曹操陣営では四人の記憶を目覚めさせる事に成功した

 

春蘭

 

パンダの着ぐるみ、チェリーちゃんを着て、子供たちと遊んでいたらいつのまにか戻っていた。

 

秋蘭

 

春蘭と一緒に・・・以下同文

 

 

「はぁーーーー!!」

 

「どっせーーーーい!!」

 

一刀とタッグを組んで、貂蝉と卑弥呼のタッグとマジバトルした結果戻った(この際一刀は全治一週間の怪我を負う)

 

華琳

 

「模擬戦だとしても!」

 

「負けるつもりはねぇーーーー!!」

 

大規模な模擬戦を行い(参加人数両軍合わせて八十万人)その最中に戻った。

 

なお、前と同じように一刀が歌おうとしたのだが・・・

 

「生き残りたい♪生き残りたい♪まだ生きていたくなる~~♪」

 

その前に記憶が戻った華琳が機先を制する形で歌い始め、気圧された一刀たちが敗北すると言う結果になったりしたのであった・・・・・・

 

 

 

 

 

どうも、アキナスです。

 

またずいぶん長い間が空いてしまいましたが、何とか投稿しました。

 

・・・のはいいんですが、おそらく次で最終回となります。

 

この外史の結末。

 

どうか最後まで見てやってください。

 

では次回に・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

「バクエンゴールドラッシュ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 


 
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