―二人とも・・・頼みがある―
―俺はもうすぐ、ここでの記憶を失う―
―それで、外史としての力が弱まるなら―
―記憶を失うことで繋がりが消えるというなら―
―それで、守れるのなら―
―俺の・・・正史での・・・・―
―全部・・・・―
―消してくれないか・・・・―
揺れる世界。
その中心にいる者達は誰もが、何かを失わないよう
現実を守るために
幸せを守るために
愛する者の望みをかなえるために
【左慈】「く・・・・貴様、正気か!すでに記憶すらない人形どものために現実を捨てるなど・・」
【一刀】「人形なんかじゃ・・・ないさ」
ただ、そこにいるために
【一刀】「皆、人間だよ。俺達と同じ・・・」
すでに、記憶はない。
【一刀】「人間なんだよ。笑って、怒って、泣いて・・・」
顔も、名前も・・・
【一刀】「苦しんで、喜んで・・・」
何も覚えてはいない。
【一刀】「頑張って、生きてるんだよ」
それでも
【左慈】「・・・ふん、それも貴様の描いたシナリオの一部なんだよ。無意識だろうとな」
それでも
【一刀】「俺は・・・・・」
それでも
【干吉】「左慈、そろそろ離脱しなければ、我々も巻き添えをくらいます」
【左慈】「ち・・・・本当に、貴様と関わって・・・・ろくな目にあわないな」
そして、
二人は影に消えていく。
【一刀】「それでも、俺は好きだったんだよ」
【一刀】「まだ、残ってるよな。俺の記憶」
【貂蝉】「ええ・・・けど・・・」
【一刀】「頼む」
【貂蝉】「わかったわん」
【卑弥呼】「よかろう・・・・」
そして、また二人は俺に手をかざす。
【一刀】「・・・・・・・・・・・・」
―――――――。
やがて、外史の揺れはおさまる。
【卑弥呼】「これで・・・よかったのだな?」
【一刀】「ああ・・・二人ともありがとう。でも、二人はよかったのか?ここの人じゃないんだろ?」
【貂蝉】「あらん、この私がご主人様の側からはなれるわけないでしょん!」
【卑弥呼】「私もここにはだぁりんがいるからな、他の外史へ行く気など元々ありはせん」
【一刀】「そっか・・・」
守りきった。
外史を元の大きさにし、終端を迎える状態にし、
その上で、正史からの独立。
その代償として、知識以外の記憶は
全て消えた。
もう、どうしてここにいるのか。
どうして、記憶を失うことになったのか
何も覚えてはいない。
でも、ここにいることが出来る。
それから、卑弥呼はだぁりんって人に会うため俺達とわかれた。
貂蝉は、なんか俺にくっついてくるらしい。
この性格と趣味と外見さえどうにかなれば、いいやつなんだけど・・・
【一刀】「これから、どうしようかな・・・・」
【貂蝉】「とりあえず、ご主人様は許昌で仕事を探すべきじゃないかしらん」
【一刀】「許昌?なんでまた・・・遠いし」
【貂蝉】「あらん、それともわたしと踊りをしながら二人旅でもする?」
【一刀】「さ、行こうか。」
【貂蝉】「まあ、わたしとしてはそれもすっごく魅力てk・・・」
一人で妄想してる貂蝉をおいて、歩き出す。
まあ、一瞬で追いつかれちゃうんだけど。
3ヵ月後――――。
許昌・大広間
【秋蘭】「華琳様。今回の文官の公募の件ですが・・・」
【華琳】「秋蘭。・・・今回はどう?いままでずっと不作だったけれど」
【秋蘭】「それが、今回は一名ですがかなり使えそうなのがいます・・・・」
【華琳】「・・・ふむ。そのわりに浮かない顔ね?」
【秋蘭】「その何といいますか・・・」
【華琳】「貴方が言い濁すなんて珍しいわね。いいわ、率直に言ってみなさい」
【秋蘭】「はぁ・・・では。その、素性が怪しすぎるんです。」
【華琳】「どういうこと?」
【秋蘭】「記憶を失っているとのことなんですが、姓と名はあるのに字(あざな)がない・・・とか、それにずいぶん見慣れない服を着ておりまして。」
【華琳】「・・・・怪しいわね。」
【秋蘭】「はい。」
【華琳】「いいわ。直接会ってみましょう。」
【秋蘭】「は。では、すぐに文のほうを・・・」
【華琳】「いえ、どこかで待たせておいて。私から会いに行くわ」
【秋蘭】「華琳様から・・・ですか?」
【華琳】「ええ。頼んだわよ」
【秋蘭】「御意。」
【一刀】「・・・・遅いな」
城壁の上で待っていろといわれて、もう1時間近く。
しかもなぜに城壁なんだ。
そう思っていると、待ち人がきた。
【華琳】「待たせたわね。」
【一刀】「君が曹操さん?」
【華琳】「ええ。貴方が北郷一刀ね」
女の子・・・か
【一刀】「ああ・・・・そうだよ」
【華琳】「記憶がないんですって?」
【一刀】「ああ」
【華琳】「よく秋蘭の審査に通ったわね。」
【一刀】「秋蘭?・・・ああ、あの審査官か」
【華琳】「ええ。彼女の審査は特に厳しいはずよ」
【一刀】「ああ、ひどいもんだったよ」
【華琳】「でしょうね。」
・・・・・・。
【一刀】「昔さ」
【華琳】「?」
【一刀】「俺とどこかで会ったことある?」
【華琳】「何、ナンパ?しかも言い回しが古過ぎて笑えもしないわね。」
【一刀】「大陸の覇王をナンパするような命知らずに見えるか?」
【華琳】「見えるわね」
【一刀】「ひどいな」
ふと、笑いあう
【華琳】「でも」
【一刀】「・・・・・・え?」
【華琳】「昔あっていたかは知らないけど、今ものすごく言ってやりたい事はあるわね」
【一刀】「俺に?」
【華琳】「ええ」
【一刀】「告白?」
【華琳】「違うわよ!」
・・・・・。
【一刀】「・・・・初対面だよね?」
【華琳】「初対面ね」
楽しい。
【一刀】「実はさ」
【華琳】「え?」
【一刀】「俺も今、めちゃくちゃ言ってやりたいこと・・・・ある」
【華琳】「私に?」
【一刀】「ああ、ついでにしたいこともある。」
【華琳】「・・・・・エロバカ」
【一刀】「違うよ!」
・・・・。
【華琳】「・・・・・初対面よね?」
【一刀】「初対面だね」
楽しい。
【華琳】「そうね・・・・私もしてもらいたいこと、ある・・・・かも・・・・」
【一刀】「・・・・すけべ・・・って、ちょっと!それは洒落になってない!!」
まったく・・・どこに鎌なんてもってたんだか・・・
・・・・。
【一刀】「・・・・・・」
【華琳】「・・・・・・」
・・・・・・。
【華琳】「一刀」
【一刀】「・・・・え?」
【華琳】「貴方、私の側で仕えなさい」
【一刀】「え・・・あ、ああ。喜んで」
【華琳】「では、今から私は貴方の主ということよね?」
【一刀】「え?ああ、そうなる・・・のかな」
【華琳】「なら、命令よ。さっき言った、したいことと言いたい事を言いなさい。」
【一刀】「な・・・っ!」
【華琳】「あら、主の命を聞けないような臣下はいらないのだけど?」
【一刀】「ぐ・・・わかったよ・・・・じゃあ、少しこっちに寄ってくれないか」
【華琳】「こう?・・・きゃっ」
少し強引に抱き寄せる。
【一刀】「こう、したかった」
【華琳】「・・・・・エロバカ」
【一刀】「はは・・・あんまり否定できないかも」
【華琳】「それでいいたいことは?」
【一刀】「それは・・・・さきに曹操から言ってもらえると・・・」
【華琳】「そう・・・なら、私のことは華琳と呼びなさい。呼べば、言ってあげる。」
【一刀】「いいのか?」
【華琳】「ええ」
【一刀】「聞かせてくれ。華琳」
―帰ってきなさい・・・・―
―待ってるから・・・・ちゃんと、帰ってきて―
【華琳】「・・・・・・・待ってた」
【一刀】「待たせたか?」
【華琳】「・・・・ずっと、待ってた」
【一刀】「・・・ごめん」
―必ず、帰るよ―
―何があっても・・・帰るから―
【華琳】「ほんとに・・・ずっと・・・」
【一刀】「ああ・・・」
【華琳】「か、ず・・・とぉ」
【一刀】「ん?」
それは何を失っても
変わらなかった、少女の願い。
ずっと想い続けた願い。
【華琳】「おかえり、なさいっ・・・」
【一刀】「・・・・ただいま・・・っ」
そして、失ったからこそ
それを埋めるように、以前よりもずっと強く
想い続ける――――
【春蘭&桂花】「ああああああああああああああああああああああああああ!!!」
【一刀】「・・・・え?」
そして、また・・・・
【春蘭】「貴様ーーーー!華琳様に何をしている!!!!?」
【桂花】「春蘭!今すぐあの全身精液発情孕ませ男の首をはねて!」
【春蘭】「当然だあああああ!!!」
【一刀】「ちょ、ちょっと!!うわああああああ!!」
【華琳】「・・・・・・ふふ」
ここで
かつて、皆で生き抜いたこの地で
恋姫達との物語がはじまる―――――
That's あとがき!
というわけで、一応、魏伝・アフターストーリー『覇王の願い』完結でございます。
あらためて読み返してみると、やっぱり華琳以外の扱いがちょとひどいっすねw
他のヒロインが好きな方には申し訳ないです(、、
ああ、もちろん僕は華琳命ですけどね?
あと、途中のコメントでもいただいてたんですが、
今回、まったくと言っていいほど、呉及び蜀に触れておりません!
というのも、さすがに3国にもなるとキャラ数がアレでまとまりきらないんじゃないかとw
まぁ、僕の力不足なんですけど(´・ω・`)
あと、この投稿ペースでなぜここまでこまかく区切ったか。
それはひとえにリアルタイムで執筆してたからですね(ぁ
さすがに後半はそれだとネタがががggggってことになったので、メモ帳ひっぱりだしましたが。
あ、それから、途中からコメントに返事がなくなったのはあまりにも内容に関するものだったので、下手に返事するとネタバレになってしまうと思って、してませんでした。
(決して無視してたわけではないです。
実際、この物語の中に皆さんのコメントから思いついたネタもいくつか入ってますしねw
話の流れ的に入れられなかったんですが、華駄と一刀のからみも書いてみたかったなぁ
↓こんな感じで
「お前!今なんと言った!!」
「え、だから五斗米道・・・・」
「な!・・・・ばかな・・・っ!世に俺より発音のいいやつが存在したなんて・・・」
「あ、あの・・・」
「ク・・・まだまだ修行が足りんということか!・・・お前、北郷といったな。次に会ったときは絶対に負けん!」
うん、なんてその場限りのネタでしょうw
カダは、まだちゃんとイメージ掴めてないんですが、このネタはかなり印象にのっていたのでw
こんなところかな。
この約1週間弱、ほんとに恋姫のことだけ考えて、楽しんでました。
ほんとにここまでありがとうございました。
最後にプチ自慢をひとつ。
ニックネーム見てもらえると、ある程度予想ついた方いるかもしれませんが
僕の名前、「かずと」といいますw
プレイ中は幸せでした。はい
では、また別の機会があればノ
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真・恋姫無双(魏ED)アフターです。
予定通り最終話です。
今までありがとうございました(`・ω・´)
■帰還編 第1話⇒http://www.tinami.com/view/73594
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