僕の生きてきた世界は
ある少女の終わっていく世界でも
ある少年の狂った世界でもなく
ただ真っ白で何もない世界だった
そんな僕の世界が
変化を始めたのは最近
全てを消し去る黒色や
狂いそうなほどの赤色が
現れては消え 現れては消えを
静かに繰り返していく
それはあまりにも
可笑しくて不思議な光景で
ゆっくりと何かを記している様に
僕の目には映っていた
そしてそれを止めるすべもなく
終わるのをひとり眺め―――
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ああ、真っ白が壊れていく。