No.733436

― 一人乙女 ― 番外編 《Jack-o'-Ripper》

Hankさん

《必ず最初に読まないと、八尺様が貴方を婿入りさせにやってきます(八尺様でググってみよう!)》

どうも、Hankです。
・・・暫く御休みしててすみませんでした・・・、多忙な身の為に書く暇と気力が無かったの・・・(´・ω・`)
さて、言い訳はこれぐらいにして・・・今回は本編を中断して、番外編を用意しました。

続きを表示

2014-10-29 17:15:02 投稿 / 全7ページ    総閲覧数:1156   閲覧ユーザー数:1117

――――――午後3時半。

 

夕暮れ時が迫り、町中では帰宅しようとしている人も居れば早々に帰宅するか何処かのゲームセンターに遊びに行こうとしている学生などが目に見えた。

そんな中で一人、大きな時計がある歩行者が休憩するスペースで待ち焦がれている女性が一人・・・

今か今かと待つ中、一人の男性がやってきた。

 

――――――ジャック、年齢不詳、性別♂、職業・・・ネットカフェのオーナー。

 

そんなジャックは、今日・・・一人の女性と共に変える約束をしていた。

女性の名は「アリス」・・・とある学校の女子生徒であり、優等生で他人に慕われており、彼女にチヤホヤされる男性は少なくない。

 

「ちょっと・・・、遅かったじゃない! レディを待たせるなんて・・・デリカシーに欠けてるわね!」

「ああ・・・申し訳ない、ちょっと店の子が居なくてね、一旦閉めるのに時間を要してしまいましたよ」

「ふぅん・・・しっかし、アンタの所・・・入った事は無いけど、聞いた事はあるわよ・・・ネットカフェ『デストロイヤー』・・・センス無いわね」

「はははっ・・・僕個人としては、案外気取った感じで良いと思ったけれども・・・」

「・・・まぁいいわ、そろそろ行きましょ? エリスは今日用事で帰るのが遅くなるって言ってたし・・・こういう機会も滅多にないでしょ?」

 

ジャックは、彼女と親密な関係にあった。

・・・いや、彼女の”妹”に関係を持っていた。

アリスの妹、エリスは姉とは違い、少し暗い性格で姉とは少し成績が違い、恋愛関係でも姉に負けていた。

そんなエリスにジャックが知り合ったのは一カ月半前にもなる・・・

ジャックが仕入れから帰る途中にエリスと町中でぶつかり合う形で出会い、そこから段々と仲良くなっていき、そして二週間前にエリスからの告白を了承し、二人はカップルとして成立した。

 

――――――ただ、それだけだった。

 

それから数日も経たぬ内に、アリス自身からジャックに詰め寄り、エリスから自分に乗り換えるように言われた。

そう・・・姉アリスの略奪行為だった。

そんなアリスにジャックは渋々了解をしたが、彼女の色気には負けなかった。

一度も口付けを許さず、抱きつかせる事も許さなかった。

それが彼女の”命令”であっても・・・

・・・ただ、共に帰るなどの行動は許していた・・・単にジャック自身が帰宅友達でも欲していたのだろうか?

そんなことで、時間が空けば彼女と共に寄り道をしたりしながらの帰宅にジャックはわざわざ付き合っているのだ。

 

「それより・・・エリスの件、あれはどうするの?」

「彼女との恋中について・・・ですか?」

「ええ。 そろそろハッキリさせたら? 潔く諦めるのも男の役目よ?」

 

アリスは、ジャックと付き合い始めた頃からこの話題を言ってくる。

「姉妹だけれども恋愛に二人はいらないでしょ?」、「私だけを見なさい」・・・など、吐いてくる台詞の殆どがこれである。

完全にエリスの中を切らせ、自分の物にしようとする口実・・・ジャックは少しばかり不謹慎に思えていた。

 

「またですか。 ・・・やれやれ・・・諦めないと言ったら貴方はとことん拗ねちゃいますからねぇ・・・」

「なによそれ・・・それじゃあ、私がアンタとエリスの仲を引き裂きたいと思ってるようじゃない!」

「おや、違うのですか?」

「違うわよ! 私は・・・ただ、あんたにだけちゃんと見てほしいから・・・」

「ああ、それはつまり嫉妬―――」

 

そう言いかけると脇腹を殴られた。

 

「し、嫉妬じゃないわよ! 馬鹿いうんじゃないわよ!」

 

脇腹を思いっきり殴られ、あまりに激痛にジャックは近くの壁にもたれながら「ふぉぉぉぉ・・・」と小さく唸っていた。

・・・そんな事もありながらも、何とかアリスとエリスが住むマンションに辿り着いた。

 

「じゃあ、これで」

「ええ、また明日ね」

 

そう別れる直前だった。

ジャックはアリスに近寄り、首筋を撫でた。

 

「ん・・・な、何よ!」

「いえ・・・埃でしょうか? 何かくっついてましたので・・・」

「そ、そう? ありがとう・・・じゃなくって! い、いきなり私に触らない事! 良い? 分かった?!」

「はい、次回以降から気をつけます」

 

そう言って二人は別れた。

それから・・・道中、ジャックは何か小さい携帯機器に付けているイヤホンを取り出し、両耳に挟んだ。

まるで、音楽を聴くように。

 

――――――午後7時45分過ぎ。

 

日もすっかり暮れ、夜が支配し始めた時。

ジャックは、鼻歌交じりで公園のブランコで軽くブラブラと遊んでいた。

片手に大きく黒いハサミを握ったまま。

杖のようにハサミに持たれかかり、キィキィとブランコを鳴らし、何かを思いつめる。

まだ両耳にはイヤホンが付いており、数時間前に別れたアリスの独り言とテレビの音が聞こえる。

すると、いきなりブランコから離れ、公園内にある倉庫の前に立つ。

引き戸ではなく、ドアノブ式の扉であり、ジャックは何も思う事も無くドアを横一線に真っ二つに切り裂いた。

こちらに倒れ込む切られたドアを片手で持ち、ゆっくりと傍に置いた。

 

♪~♪~

 

また鼻歌を歌う。

曲名は「Virtual Insanity」――――――Jamiroquaiが歌う曲。

 

意味は、「仮想の狂気」――――――。

 

切り裂いてポッカリ開けた下の空間に体を潜らせ、中に入る。

中に入ると、そこには薄らと町の明かりと月の光で見える物置だった。

そんな物置の内部を足で道具などを蹴飛ばして探っていき、一番端っこにある結構な重量のある何に使うか分からない道具を退けた。

・・・退けた下には、人が一人分ずつ入れる大きさの戸があり、鍵などは見当たらなかった為、躊躇なく開けて中に入った。

 

――――――御先は真っ暗だった。

 

微かに蛍光灯の明かりが見える、だが・・・それを除いては殆どが先の見えない暗い空間がそこに広がっていた。

ジャックの鼻歌がそこで止まり、辺りには・・・静寂と―――――死臭が漂った。

 

臭う、いつも嗅ぐ血の臭いと一緒に絡む人が腐っている臭いだ。

臭いを辿り、近づくと・・・そこには幾数の一昔前に使われた中身の見えない黒いゴミ袋が散乱してあり、ジャックは目の前にあったゴミ袋を開けた。

 

――――――案の定だった。

 

中身は、人一人分の血で満たされ、男の物と思える衣服の破片、男性特有のゴツイ手足・・・男性の陰茎・・・。

そして肝心な顔・・・

 

――――――認識が難しい程にグチャグチャに殴られていた。

 

手足も見るからに滅多打ちにされたのだろう、鈍器で何度も何度も殴られたのだろうな。

 

「彼女、”桜ノ宮 亜梨主”に――――――」

 

確信はあった。

彼女らと出会う一カ月半前、俺は調べていた。

この事件について・・・、失踪場所、失踪までの時刻、失踪する条件、失踪する前の行動・・・。

そして行き着いた、彼女に。

 

(今思えば、俺が妹に近づいたのも回りくどいやり方だったかなぁ・・・)

 

自分なら瞬時に終わらせていた、獲物を取り出し、彼女とすれ違い様に殺れた筈だ。

 

「はぁ~・・・」

 

ため息をついた、・・・いや、ため息も出る。

 

「依頼人は御冠だってーのによー・・・」

 

この失踪事件が始まって間もなくして、俺の元に一人の依頼人が訪ねてきた。

それは一人の主婦、聞いたら・・・失踪した男子学生の母親だった。

依頼人は、自分が頼んでもいないのにベラベラと個人情報を吐いた。

 

「自分は昔、あの子の父親と死別してしまいました」

「私はあの子を一人身で育てました」

「あの子はとても良い子なんですよ」

「でも、あの事件の知らせを聞いた時、夫と同じ気持ちになりました」

「あの子は失踪して、そのまま死んだんだ・・・と・・・」

「お願いします! どうか、あの子の仇を取ってください」

「私は、あの子を奪った犯人が許せません」

 

――――――。

 

どうして、こうも俺の予想通りの台詞をバンバン喋るのかと思った。

要するに、「犯人は息子の命を奪った、だから同じく犯人の命を奪ってくれ」・・・という事だ。

俺の仕事は、基本的には暗殺業が多い。

その他の依頼も来る、「殺さずに痛い思いをさせろ」・「○○を助けて!」などなど・・・

今回の仕事も快く引き受けた。

生活の為だー何だーのと色々と理由なんて付いてくる、だが、その仕事を引き受けるのは・・・”俺の興味”が関係しただ。

そいつはどうやって男子学生を帰らぬ人にさせて、尚且つ見つからず、何処で彼らをバラしたのか。

 

――――――そんな事をしても尚、平気な顔で社会に溶け込んでいるのか。

 

これが一心に俺の興味を引いた。

何食わぬ顔で、しかも堂々と町中を歩き、平然と人生を全うしている。

そんなシリアルキラーに会ってみたい。

 

――――――会って、殺したい。

 

――――――会って、悲痛な顔を浮かべさせたい。

 

――――――会って、泣き叫ぶ声が聞きたい。

 

――――――会って、死に顔を見てみたい。

 

そして一カ月半前に出会えた、やっと見つけた。

 

 

 

 

――――――俺の獲物。

 

 

 

 

「さて、そろそろ行くか」

 

その時だった。

 

『私からあの人を盗らないで・・・!』

 

妹、エリスの声がした。

捜索に夢中で聞こえてなかったのか・・・状況を把握するに、どうやら妹が帰ってきて自分とアリスの仲がバレていたようだ。

・・・この前から視線は感じていた。

視線の主も、エリスの物だって理解はしていた、他の一般人ではあんな嫉妬が覆い重なったような殺気は感じられない。

どうもエリス自身も、彼女に私物化されて心のどこかで反逆の一心が芽生えていたのだろう、俺にではなくアリス本人へと向けていた。

 

『ちょっと・・・いきなりどうしたのよ、エリス・・・』

『惚けないで! 姉様・・・!』

 

アリスも酷い女だ、これらの死体を築いた現任はエリスにあるだろう。

本当にモテていたのはエリスの方だろう、落ちつきがあり、体系も申し分なし、男からしたら一目惚れの対象だろう。

それに・・・学校の生徒たちからも、エリスが告白される場面を目撃した者達が多くあった。

アリスにもエリスに負けずとあったが、殆どはアッサリとフラれるのが殆どだった。

その為、レベルとしてはアリスはハードモード、エリスはイージーモードだったりする。

・・・エリスは、姉を出し抜けれるのならば誰とでも付き合える程に追い込まれていた。

けれども、告白され、受け入れて間も無くして姉に男を奪い取られてしまう。

これほど理不尽かつ、恨み強まる事は無いだろう。

 

『どうして姉様は私から全てを奪うのですか!? どうして・・・!』

『ば・・・馬鹿ね・・・それは貴方を守る為じゃない・・・!』

 

「貴方を守る為」――――――?

 

嘘を付け。

保身の為だろう。

本気でエリスを愛しているのだろう、肉親なのだからな、だがこちらからして見れば姉としての地位を守る為にしか見えない。

今、この姉は妹に対して「貴方が上に立ってはならない、姉より優れた妹が在ってはならない」と言ったも同然の台詞を吐いた。

 

『・・・ッ!』

 

刃物を抜く音が聞こえた。

 

『ちょっと・・・! それオモチャでしょ! 仕舞いなさいよ、そんな危ない物!』

 

どうやらエリスが隠し持っていた包丁辺りの刃物を抜いたようだ。

今から駆け付けても間に合わない、いや・・・どっちにしろ、これで良いのかも知れない。

散々振り回された挙句、この仕打ちだ、いい加減決着を付けさせた方がエリスの為でもあるだろう。

それに・・・どちらにせよ俺がアリスを始末する手筈だ、エリスが幕を切らして問題は無いだろう。

・・・だが。

 

『酷い・・・! 酷いお姉さま! 嘘ばっかりのお姉さま! ・・・・・・でも、私・・・そんなお姉さまを嫌いになれないの・・・!』

 

・・・どうあっても妹は妹・・・か・・・

台詞が段々と一人で許してしまっている感じになっている、それよか、自ら自害してしまおうとしている。

こうなってしまっては、もう姉の言葉でも動かないだろう。

エリスが力が抜けるように震える口で姉を「唯一の自慢」だと言う・・・

 

『やめなさいエリス・・・、死ぬ気なの・・・?!』

『私・・・どうしてもお姉さまを憎む事が出来ません・・・! だけども! 耐えられない・・・! お兄様にも、お姉さまにも裏切られたこの世界で生きていく事なんて・・・私には出来ない・・・!』

 

哀れなエリス、可哀想なエリス、俺は君を助けられない、助けてあげない。

激しく口論する二人、自害を止めるように説得するアリス、だが「これは命令よ!」などと私物化したような口で言う。

もはや追いこんでいるとして思えない、反吐が出る程の悪とはこういう事を言うのだろう。

自分では意識していようが、相手からしたらそれは憎悪にしか思えない。

 

『さようならお姉さま・・・私・・・お姉さまの妹で・・・幸せでした・・・』

『駄目よエリス! 止めて!!』

 

――――――首を挿し、血が飛び出る音がした。

 

その後に聞こえたエリスの悲鳴。

 

『しっかりしてエリス! こんなの・・・こんなの駄目よ・・・!』

 

拒絶しても尚止まらぬ血の噴水。

 

『あ・・・あ・・・エリスの体が・・・どんどん・・・冷たくなる・・・』

 

思いっきりやったのだろうな、今頃エリスは血が致死量にまで抜けるまで激痛が続き、意識が途絶えていく中で姉の言葉を聞いているのだろう・・・。

 

『目を開けて! 私のエリス・・・私だけのエリス・・・』

 

この期に及んで、まだそういう事を言うか。

ライトノベルなら「これは罰だ」とかどうとか言う場面だろう。

だが、俺はそうは言わない。

 

「良い幕切れだったな・・・」

 

演劇のような最期。

散々酷い目に遭った悲劇のヒロインは悲劇の元凶である姉の前で命を断ち、その生涯に幕を下ろした。

 

『やだ・・・やだ・・・やだああああああああああああああ!!! こんなの・・・嫌あああああああああああああああ!!!!』

 

泣きじゃくる姉は荒れた息を必死に落ちつかせるように鼻で呼吸し、血まみれで息絶えた妹の名を必死に呼んだ。

・・・さて・・・彼女が落ちつくまで・・・そうだな、コンビニに行って漫画でも立ち読みしよう。

その後は・・・待ちに待った仕事だ。

 

――――――午後8時35分過ぎ。

 

思わず面白かったので漫画を買ってしまった、あと小腹が空いてたのでピザまんを2個買って食べる。

アッツアツに温もったトマトソースにとろけるチーズがなんとも言えぬ絶妙なハーモニーを・・・って・・・うかうかと堪能している場合ではないな。

漫画を立ち読みしている途中で、落ちついた彼女が殺気満々に俺を逆恨みする声が聞こえたが・・・

 

「返り討ちだっつーの、ドが付くほどの下呂ブス」

 

もうこの時間帯だと、リントは相方のぬこと戯れながら飯食ってる時だろうが・・・今は恋姫無双の世界でのんびりやってる。

たーくっ・・・なんでまたリントなのだろうかなぁ・・・あ奴は女ぞ。

確かに綺麗な成りしてるけど、男勝りで俺以上に惨忍な一面持ってるけどよぉ・・・あ、最後のは関係ねぇか・・・

しかもあいつ、ロリ董卓の領域でイチャコラ・・・はしてないが、近い事はやってるときた・・・

これは一度、あ奴に一言・・・って、いかんいかん・・・また脱線してた。

 

「さて・・・と・・・」

 

俺は携帯を取り出し、アリスの番号に掛けた。

コール音が幾つか鳴り、4~5回目にやっと出た。

 

『・・・何・・・?』

「あ、どうもですー、私ですー」

『・・・ハァ・・・何なのよ、こんな時間に・・・!』

 

ほう、先ほどの乱れっぷりとは打って違って、いつもの態度を取るか。

 

「ええ・・・単刀直入に言います、アリスさん・・・私、貴方とお付き合いする事にします!」

 

ンな訳ねぇし、誰が手前ェみたいなド豚のドブス相手にするかっつーの。

 

『あら、やっと決心がついたのね! 嬉しいわ!』

 

嘘を付け、嬉しくもなんとも無いクセに。

 

「ええ、それで・・・いきなりで申し訳ないのですが、今、貴方のマンションの一階に来てるんですよ・・・」

『そうなの!? ・・・分かったわ、エリスには私が話聞くように言っとくから、じゃ、私達の部屋でね』

「はい!」

 

電話を切り、即座にもう必要ないアリスとエリスの番号を削除した。

 

「さ、て、と!」

 

立ち読みで少々鈍った腕をグリングリン回して慣らし、俺は標的が待つ部屋へと急いだ。

 

――――――午後8時40分。

 

エレベーターの中、俺は依頼人に電話で会話をしていた。

監視カメラも付いていたが、この時間帯だ、今更帰ってくる人も珍しくない上に、音声を拾わないタイプの奴だから安心して電話が出来る。

 

「ええ、はい、依頼は完了しました。 ・・・明日辺りの殺人事件のニュースで報じられるでしょう、ええ、マンションでの事件です」

 

依頼人は感謝感激の雨あられ、泣きじゃくりながら何度も「ありがとうございます、ありがとうございます」と返してくる。

間も無く標的が居る階に付くので適当に話を流して電話を切った。

「ポーン♪」という音と共に扉が開き、俺はすぐに標的の部屋に向かった。

・・・そして、扉の前に着いた。

 

「・・・フゥ~・・・」

 

小さく息を吹くように吐き、ドアをノックした。

 

「はーい!」

 

標的の声がし、自らドアを開いて顔を出した。

 

「いらっしゃい! 上がって良いわよ」

「どうもどうも~、夜中に申し訳ないです」

「良いのよ別に、あっ・・・ごめんなさい、エリスは今日色々と疲れちゃって寝てるみたいなの・・・」

「おや、そうなのですか? ん~・・・まぁ次の日にでも言えば良いですね、じゃあその為にどう説明するか二人で考えましょうか」

「ええ、あの子も最近は気分が滅入ってるようだから・・・いきなりショックの大きいのはあの子に悪いわよね、それにしても・・・男って皆、心変わりしちゃう物なのね」

「あはは・・・男は皆飽きっぽい物ですから」

 

そんな事ないけどな。

 

「ふぅ~ん・・・あ、そうだ! 貴方に見せたい物があるのよ!」

「ほう、それはなんですか?」

「ちょっと待ってて、今持ってくる」

 

そう言って、自室へと向かったアリス。

 

「でも、男って遠慮しないのねぇ~・・・じゃあ、私も遠慮はいらないかな?」

 

その言葉と共に出てきたアリスの両手には、9番アイアンが握られており、薄気味悪い笑みを浮かべていた。

成程、それがお前の獲物か、悪意の豚。

 

「えっ・・・ちょっと・・・なんですか、その9番アイアン・・・」

「ああ、これ? あたしの父のゴルフ道具、今は使われてないから、あたしが管理してるの」

「へぇ、でも・・・それが、何か?」

「ええ・・・これはね、こうやって使うのよ!!!」

 

振り下ろされた9番アイアン、だが――――――

 

「はぁ・・・三下のやり方だな・・・つまらん」

 

ガンッ!

そういう音を立てて、目の前に突然現れた棺桶が、9番アイアンの攻撃を受けとめた。

 

「・・・えっ?」

 

開け、鉄棘の門――――――。

 

次の瞬間、棺桶が突然開き、茨のように黒く鋭い有刺鉄線が無数に飛び出て、アリスの体を挿し、キツく絡み付いた。

 

「ぎゃああああああああああああああああああ!!!」

 

部屋に鳴り響くアリスの悲鳴。

 

「案の定だな、まったくうるせぇったらありゃしねぇ・・・ここが防音じゃなきゃ別の所でやってたよ」

 

片手で片耳だけを塞ぎ歩み寄るジャック。

 

「あ・・・ぐ・・・が・・・」

 

首に有刺鉄線が絡み付き、痛みと呼吸困難で悶え苦しんでいる・・・そんなアリスの頭を掴み、上半身だけ持ち上げる。

 

「お前ってつっくづく愚かで醜くて、汚く、酷い女だな。 お前の妹さんの方がまだ綺麗な方だ」

「あ・・・ッ! ぎ・・・ッ!」

「さーて、積もる話がいっぱいあるんだけど、ここじゃあアレだな、場所を変えよう・・・っとぉ、その前にガムテープか何かあったかな?」

 

このまま絞めていると、呼吸困難と大量出血で語る前に事切れてしまう可能性があったので、どの家庭でも一つはあるだろうガムテープを探す。

そして、ガムテープは・・・意外にも、アリスの部屋からではなく、遺体が置かれてあるエリスの部屋から見つかった・・・。

薄暗く、リビングの照明から漏れる光が唯一の明かりとなった部屋の中、首を挿し、血まみれで死んでいるエリスの遺体を前にジャックは一礼した。

 

「やあ、お待たせ。 死んでないよなぁ? まだ死ぬなよ~? 死ぬのは、話が全部終わってからだ」

 

そう言って、まだ苦しみながらも生きているアリスの口にガムテープを貼り、首に巻かれた有刺鉄線だけを解いた。

 

「ン゛ー! ブー!」

 

次の瞬間、涙を流しながら、殺気を乗せながら睨みつけてくるアリスが暴れ始める。

 

「はぁ・・・」

 

ジャックは呆れながら、床に転がっている9番アイアンを片手に持ち、思いっきりフルスイングでアリスの頭を殴った。

ゴトンッ!という音と共にアリスは頭から血を流しながら気を失った。

 

――――――午後9時。

 

「・・・-い、起きろー」

 

遠くから、聞こえる声。

 

「起きろ、つーの!」

 

体に激痛が走る。

またジャックが9番アイアンでアリスを殴ったからだ。

痛みに悶えるアリス・・・視界は暗く、唯一、一つだけ明かりを灯している蛍光灯の光だけが見えた。

ここは・・・自分が何時も、エリスに纏わりつく男たちに仕打ちを与えてきた場所・・・公園の地下だ。

 

「あ、起きた? やー、頭殴って気を失った時、『あ、これ殺っちまったんじゃね?』と思ったけど、良かった、まだ息があったな」

 

暗闇の中、彼の声が響く。

 

「見覚えある? そう、君の仕事場だ」

 

蛍光灯の下にある机に向かう彼、その間に9番アイアンを何処か遠くに投げ捨てた。

そして、鉄製の机にもたれるように座り、口笛を吹く。

曲名は分からなかった。

ほんの十秒ぐらいだったからだ。

 

「良い場所だ、ここなら誰も来ない、誰も気づかない、誰かに助けの声も届かない」

 

そう、いつもの笑みで語る彼は・・・何時も見せる優しい声と顔だった。

 

「可哀想な男子生徒達、可哀想な・・・エリスちゃん・・・」

 

体をゆさゆさ揺らしながら、黙とうする彼。

 

「俺はね、とある依頼で君を殺すように言われたんだ、分かる? 殺し屋? アサシン」

 

すぐに口を開き、自分が何者なのか語る彼。

 

「君はね、見知らぬ誰かに『死ね』って言われたの、 君に死刑宣告が降りたの」

 

そう言いながら彼は机から離れ、ツカツカとこちらに近づく。

 

「そんで、俺が選ばれて、君の事をとことん調べて、今日やっと君を殺せれるってワケ、やったー、バンザーイ♪」

 

最後を可愛く言う彼だが、顔が一つも笑っていない。

 

「さて! 話はこれで終りだ、俺は君の声なんか聞きたくないし、顔も見たくない、だから殺さない」

 

『殺さない』・・・? それはどういう・・・

 

――――――彼の後ろにうごめく者が見えた、死体が・・・動いてる・・・。

 

「代わりに君を殺したいって言う子が居てさぁ、・・・分かるよね? 君が殺した男の子たちだよ」

 

乾いた笑い声を上げ、やっと彼の本当の笑顔を見た。

狂喜に満ちたピエロのような笑顔でこちらを笑う彼。

 

「ン゛ーーーッ!! ン゛ーーーッ!!」

 

泣きながら何かを言おうとする彼女、だが・・・

 

「何言ってんのか聞こえねぇよ、糞がっ、散々弄んだ奴らにグチャグチャにされて死ね」

 

そう憎悪を込めた声と顔を見せ、現れた棺桶の扉を開き、中へと入って行った。

その後、公園の地下から女の悲痛の悲鳴と肉がすり潰れる音がしたが、地上の世界には何も聞こえなかった。

 

――――――午後9時5分。

 

「さて・・・」

 

改めて標的であったアリス、そしてそのアリスの犠牲となったエリスの住んでいた部屋に戻ってきた。

あんな殺り方をしてしまったが、アリスの方は見つかるのに少し時間が掛かるだろう。

 

「ま、わざと見つけやすく最初のドアを破壊したままに置いといたんだけどな」

 

最初のドア・・・地下の出入り口である隠し戸を隠してある倉庫のドアの事であり、ジャックは初めからこういうやり方で標的を仕留めようと思っていたのだ。

そして、依頼人が「こいつが犯人か」とはっきり分からせる為。

何せ標的は双子の姉、口で伝えた方が良しと思えがちだが、万が一の事を想定しての事である。

仕事の際、指紋は残していない、ドアノックはしたが実際は靴先でのノック。

靴も跡が残らない特注のブーツを使用している為、足跡も指紋も問題ない。

なら何故、この場所に戻ってきたのか・・・それは彼女らの携帯電話から自分の番号の削除である。

何せ、今回の仕事では彼女らに近づき、恋愛関係を築いてまで接近した作戦だった為、彼女らの携帯に自分の番号が残っているのだ。

なら番号を変えたり、携帯電話を変えれば良いだろうと思われるが、実際の所・・・彼女らが死亡した同時期に携帯番号の変更などをしたら何らかの拍子で疑われる可能性が生じるし、機種変更の場合は金銭的負担も生じるから尚、嫌なのである。

 

「さーてさて・・・姉のは物理的な意味で番号削除しといたけど、エリスちゃんの方はなぁ・・・あの薄暗い中だと分かりづらいし・・・」

 

番号に掛けて探すという最良の手があるのだが、とっくの昔に番号は削除し、さらにその番号も綺麗さっぱり頭から忘れ去っているのもあって、この手は使えなくなってしまっていた。

「やっちまったなー」と愚痴りながら、ジャックはエリスの部屋へと再度入る。

相も変わらず、血の臭いが充満しており、あれから大分経過したのか死臭と思える変な悪臭もし始めていた。

そんな中、携帯を探そうとしていると、ふとエリスの亡骸辺りに目が云った、見てみると・・・そこには御目当ての携帯があった・・・しかし、不審な事に携帯は彼女の顔の横にポツンと置かれてあった。

不審に思いながらも、サッ!と携帯を取ったジャックは死体を二度見しながら、もう動かない事を確認し、警戒しつつ携帯を弄り始めた。

番号を消し終え、携帯についた自分の指紋を吹きとり、不審に思われぬように机に置き、去ろうとした・・・その時である。

 

「ガアアアアアアアアアッ!!!」

 

その大声と共に死んでいたエリスが、突然起き上がり、襲いかかってきた。

 

「チィッ! 案の定ッ!!」

 

棺桶から取り出した自身の武器であるハサミを取り出し、エリスを攻撃した。

これでエリスが自殺による死亡と断定されなくなってしまった。

ジャックからしてみれば、それは望んでもないし、少々都合が悪い結果だった。

だが、再度致命傷になる攻撃を与えられたエリスは、再び起き上がる。

 

(どういうこった!? 死体が動きだすだと? ネクロでも居やがるのか? いや・・・それ以前にこの臭い・・・)

 

先ほど、死臭だと思っていた悪臭。

だが、彼女が動き始めて、この悪臭が死臭の物ではないと実感した。

煙のように漂った感じで、しつこく鼻に残りそうな臭い・・・

 

「出てきな、ネタはとっくに割れてんだぞ」

「おやおや、面白くない。 もう少し馬鹿らしく踊ってくれても良かったのに・・・」

 

窓際の方から声が聞こえ、見てみると・・・そこには何処かのドクターと思える白衣を身に纏った黒髪の男と、その隣に虚ろな目をして無言のままでこちらを見つめる男が居た。

 

「あんたか、こんな事しやがったのは」

「ああ、これは私ではない、隣に居る”彼”がやってるんだよ」

 

そう言って指される男は、何も言わず、こちらに向かって指した

すると、同時に先ほどまで大人しかったエリスが唸り声を上げながら再びこちらに攻撃を仕掛けてきた。

なんとかハサミで攻撃を弾き、素早く回し蹴りで蹴り飛ばした

 

「ふむ、さすがは名の通った殺し屋・・・ネットカフェのオーナーをしているのは、何故かと問いたくなるくらいだ」

「(俺の素性を知ってる・・・?)なんだか知らないが、報酬無しの追加仕事ってー事で良いよな?」

「はははっ! やっと面白くなってきたじゃないか、だが・・・戦いの場にしては、ここは狭すぎる」

 

男二人は、スルリと窓の外に出て、勢いよく屋上へと飛んで行った。

それに続くようにエリスも窓の外に出て、屋上へ向かった。

 

「成程、『屋上へ行こうぜ』って事か・・・良いだろう」

 

ジャックは、棺桶を縦に置き、扉を開いて中に入る。

棺桶の先にはマンションの屋上が繋がっており、真正面には「来たか」と言わんばかりの三人が居た。

 

「凄いな、噂には聞いていたが・・・”次元の門の管理人”が、存在しているとは・・・」

 

「次元の門の管理人」――――――

その単語を耳にした直後、ジャックの顔色が変わった。

 

「お前・・・どこで”それ”を聞いた・・・?」

「なに、今は無き、我が友から小耳で聞いた程度の話さ」

「(今は無き?)ほう・・・そいつが生きていたら記憶が消えるまでバラバラに引き裂いてやりたかったが・・・死んでるなら都合が良い」

「知られちゃいけないタブー・・・って事か?」

「そういうこったよ、三流悪党! 俺の素性をそこまで知ってるんだ・・・タダでこの場から去れるとは思わないこったな!」

 

そう激情で語るジャックは、オーラが肉眼で目視出来る程までに殺る気満々だった。

 

「はははっ! いいね、いいねェッ! そう来ないと面白味も出ないってもんだ!」

 

次の瞬間、無言の男が手をかざすと、二つの影が突然現れた。

一人はエリス、もう一人は・・・先ほど処刑した筈のアリスだった。

だが、アリスの体はキチンと裁きを受けたようだ、人体模型のように半分が骨だけになっていた。

 

「おいおい・・・エリスだけなら兎も角、下衆女までゾンビ化させるかよ・・・」

 

片手を頭に当ててため息をつくジャック。

 

「君の実力は知っているからね、これぐらいのハンデは余裕だろう?」

「・・・逃げる気満々の口上だな・・・いいぜ、さっさとそいつら解体してお前らをズタズタに引き裂く!」

 

ジャックはハサミを片手に距離を詰め、横切りで二人を切った。

その衝撃で二人は後ろに飛ぶが、息を合わせるようにバク転で後退し、体制を整える。

エリスが跳び、引っ掻き攻撃をしてくるが、棺桶でガードし、扉が開き、謎の血まみれの手のパンチでカウンターを決める。

一気に距離を詰め、ジャックのラッシュ攻撃が流れるように決まる。

そしてラッシュの止めにハサミを開き、片手で器用に回転ノコギリの様に回転させてエリスを切り刻む。

勢いで吹き飛び、地面に倒れたエリスを後目にアリスが突っ込んできた。

 

「ガアッ!」

 

バツ字を描くように両手の爪でジャックを切りつける。

 

「ぐっ・・・!」

 

怯んだジャックに隙を与えまいと、アリスは連続引っ掻き攻撃を繰り出す。

そして止めに血まみれの9番アイアンで殴りつける。

ゾンビ化し、力も増したのもあってか、ジャックは後ろに高く吹き飛んだ。

だが、棺桶を開き、中に入る。

 

「甘いんだよッ!」

 

その言葉を発した次の瞬間、アリスの頭上に棺桶が現れ、扉が開くと同時にハサミを閉じて構えるジャックが落下速度を利用してハサミを勢いよく突き刺した。

狙い少しズレ、アリスの片腕を裂くぐらいしか出来なかったが、それでも大ダメージを与える。

ジャックはすぐに地面に刺さったハサミを抜き、先ほどのようにハサミを片手で回転させてアリスを思いっきり切り飛ばした。

吹き飛び、地面に倒れるアリスだが、すぐに起き上がる。

エリスも同じく立ち上がり、今度は二人いっぺんに突っ込んできた。

だが、ジャックはこれを待っていたと言わんばかりのニヤケ顔を見せた。

 

開け、地獄の門――――――!!

 

次の瞬間、二人の前に現れた棺桶が開き、中からこの世の物ではない者達が姿を現した。

血まみれで干乾びた人間、全身目玉だらけの肉の塊、血で赤黒く染まった有刺鉄線を見に纏う西洋の騎士のような甲冑男・・・

それらが一気に飛び出し、彼女らをズタズタに引き裂き、これでもかと言うばかりに殴りまくる。

そして止めに無数の有刺鉄線が飛ぶ中を掻い潜って突っ込んでくるジャックの必殺の一撃が決まり、鋭く尖った有刺鉄線が彼女らに容赦なく突き刺さり、同時に意思を持ったように絡み付く。

 

「終りだな・・・」

 

有刺鉄線が完全に絡み付き、彼女らは微動ながらも、もがいているがこれ以上の攻撃は不可能に見えた。

やがて、有刺鉄線が段々と締め上げて絡みつき、動けなくなった。

 

「さぁ! 次はあんたの番だ! 今更『はい、さよなら』は無しだぜ!!」

「はははっ! 見事だ、やはり即席のゾンビでは君には勝てないようだな、少々見くびり過ぎていたようだ」

 

ジャックは、ハサミを投げ、同時に棺桶から有刺鉄線が飛び出す。

だが・・・

 

「無駄だよ」

 

それらの攻撃はすり抜けてしまい、攻撃は明後日の彼方に飛んでしまった。

 

「ホログラム・・・!?」

「その通り、まぁ念力などで作り上げた物だがね」

「チッ・・・通りで存在感が薄いと思った・・・!」

「本当は直接、実体で君に会いにきたかったのだが、生憎ながら君の仲間に集中していて動けないのだよ」

「仲間・・・? まさか、リントか!?」

「ああそうだよ、美しく強い君の大事な仲間だ」

「じゃあ、お前は今・・・!」

「ご理解いただけてありがたい、だが・・・残念だったね、君の力はあらゆる時空を行き来する能力で、それらを遮断する力を無効化出来る唯一の存在・・・だけども流石に世界観による力の弱体化は無効化出来ないよなぁ?」

「お前・・・本当に何者だ!? ”それ”を知ってるのは、この世界でも”神越え”とその息子である”不死鳥”ぐらいだぞ!」

「いや、案外この事を知っているのは君の思っている以上の人数なのだよ、そして君の気になっている『私が何者なのか』という事だが・・・”メアリ・スー”・・・この言葉を聞けば、自ずと理解してくるだろう」

 

「メアリ・スー」――――――、それは世界の救世主であり、世界の破壊者でもある特別な能力を持った者。

 

「お前・・・! ”メアリ・スー殺し”の一派・・・!」

「おっと、時間も時間だ。 はははっ、では・・・いずれ御目に掛かる時まで・・・かぼちゃの殺人鬼、”ジャック・オ・リッパー”さん」

 

そう言い終え、二人の男は幽霊のようにスッ・・・と消えていった。

 

「・・・あいつ、俺の名を・・・!?」

 

ジャックは、胸騒ぎが止まらずにいた。

先ほどの男の発言、そしてジャックが知る最悪の事々の元凶。

それらは既に終わっている筈なのに、今更になって飛び出した最悪。

 

「・・・リントなら俺の助け無しでも解決できるだろうが、こうなっちゃ仕方ねぇな・・・」

 

ジャックは、棺桶を開き、中に入ろうとする・・・が、寸前で止まり、有刺鉄線が解けて倒れている魂の抜けた二人を見る。

 

「エリスちゃん・・・ごめんな、こんな最悪な出来事に巻き込んじまって・・・」

 

そして、ジャックは棺桶に入り、扉が閉まり、スッと棺桶は消えた・・・。

 

 

 

 

 

――――――幾つかの謎を残して・・・。

 

 

 

 

 

 

○【ジャック・オ・リッパー、キャラ設定】

性別:男 ┃ 性格:気分屋、しっかり者、面倒見よし

好きな物:漫画・アニメ(ジャンル問わず)、ホラー系・アクション系の映画、カボチャの煮物・かぼちゃ味のスイーツ

嫌いな物:ハロウィン(カップルと子供が喧しいから)、殺人鬼・犯罪者(同族嫌悪)、コンニャク(ゼリーなら大丈夫)

職業:ネットカフェのオーナー(表の稼業)、殺し屋(裏の稼業。基本は殺しだが救出の任務もたまに受ける)

 

《小話》

今回の御話で登場したキャラですが、基本的には発狂したり殺人衝動を起こしたりしません。

どっちかというと、シリアルキラーに近いキャラです。

それと、後半で色々と彼の素性が出てましたが、簡単に言うと「移動規制の掛からないどこでもドアの能力者」って感じです。

「ジャックえもーん、二次元に行きたいよー!」 「君は実に馬鹿だなぁ」みたいなもんです。(これは違うか・・・)

あと、バトル展開に地獄の門とか開いてましたが、あの棺桶が門となっており、戦いの時だけ地獄の門を開いて相手を攻撃する感じです。

 

○【今回のバトルBGM・エンディング曲】

 

(本日のお相手:ゾンビ化した桜ノ宮 慧梨主(妹)・桜ノ宮 亜梨主(姉))

 

「Streets Of New Meridian Stage」:『スカルガールズ』 夜の町ステージ曲

 

「瞳の記憶 -Hitomi No Kioku-」:『スカルガールズ』 エンディング曲

 

《少し長い小話》

スカルガールズに新キャラ「イライザ(Eliza)」がDLCで出たので今回のBGMはスカルガールズ一色にしました。

知らない人はググってくださいと言いたいですが、手間もあるので一応簡単に説明・・・。

海外から出た格闘ゲームで、日本で言う「アルカナハート」に少し異物を混入して海外流にアレンジしたようなものです。

出てくる人物が・・・

「寄生獣のミギーのように髪に寄生体が取りついて記憶の殆どを無くした少女」や

「拉致られて人格が一変してしまう程に改造された暴走系女子」だったり、

「帽子が100kg級に重くて生体武器の物を被って戦うサーカス団の娘」、

「不思議な宝石を食べてしまい不死の体を得た首が取れても平気な猫キャラ女」、

「一国の王女でベテラン舞台を率いる隊長をしている以外は普通のお姉さん」、

「パロディキャラなのに設定があまりにも重すぎる、頭以外は全身メカのイケメンロリ」、

「他のキャラと違って身長とバストサイズが最高値の普通のNinja系ナース」、

「普段は懺悔などを聞いてくれるシスターだが、正体はクトゥルフ級のグロ系モンスター娘」、

「元々はオペラ歌手だったが、殺されるも、ある少女により復活するも、寄生生物の影響で配下にならずに済んだカンフー女子」、

「とあるキャラの精神体やら2Pキャラか分からないそっくりさん」、

「ラスボスで骨だらけだったり、300%だったり、巨大ロボみたいなものを動かすメイドロリ」

・・・など居り、イライザが参戦する前に・・・

「善良な警官だったが、とある陰謀によって悪徳警官にリンチされて私に掛けるも手術を受けるも肺が潰れていて代わりに鉄の肺に作り返させて今ではとあるラボの父親的存在の一人バンド歌手系男子」

という女性キャラオンリーのプレイアブルキャラクターの中で唯一の男性キャラも参加し、近々もう一体男性キャラが追加されます。

ちなみに、今回参戦したイライザは・・・

「昔はとんでもない事をしでかした元凶であり、現在は人気歌手として贅沢な日々を過ごし、輸血運動をしているが、それで採取した血液の一部をかすめ取って飲んでいたり、マフィアと関係を持っていたり、何百年以上も生きていたり、生血が大好物だったり」

・・・と・・・ギルティギアでいう腹黒系キャラのイノみたいポジションの方です。

本来はスカルガールズ2辺りでラスボスをする手筈だったようですが色んな都合もあって今回プレイアブルキャラクター参戦という事になったそうです。

ストーリーも動画配信されており、ニコニコで日本語字幕版が出ております。

気になる人はニコニコで「スカルガールズ」で検索して探して見てください。

最後に・・・このゲームはダウンロード版のみですが、未定ではあるけれどもアーケード版が出るそうです。

私も色んな事情でやった事ないのですが、出たら是非ともやってみたい・・・!

 

○【あとがき】

 

・・・の前に、遅くなったお詫びとSeigoさんに私の作品を支援させてもらっているのも兼ねて、今回はセルフィで一刀と龍奈ちゃん作ったよ!

龍奈ちゃんダヨー。

キャラクターファクトリー辺りの最大の難点は差ほど胸が大きくないという事・・・

まぁ男性キャラ制作とかもするから、しょうがないっちゃあしょうがない・・・

でも、やっぱり巨乳キャラは作ってみたいと思うんだよ・・・

 

(追記)

Seigoさんからご指摘がございましたので、セルフィとは別にキャラなんとか機で再度作成し直しました。

つっても、ラインナップに乏しい面もあるソフトなのでこれが限界・・・セルフィも変なオプションとか付ける前にまともなの出せよと・・・

北郷一刀は、学生服にしようと思いましたが、それじゃあつまらんだろうし、折角だから和風衣装を着させてみました。一番苦労したのは髪型で、原作絵の髪型と色を見て、一致したの唯一この髪型でした。 孤高の御遣いverの一刀も考えましたが、ロングは女性オンリーで同じ色合いが無いんDA・・・

どうもー・・・いやぁ・・・色々とすみませんでした。

後半が完全に皆さん置いてけぼり展開でしたね・・・でも、これぐらいしか思い浮かばなかったんです・・・!

ちゃんと後半の設定は、いずれか明らかになります・・・! 確信まではいかないかもしんないけど!(えっ)

あ、あと、更新が遅くなってスミマセンでした、色々とあって・・・(誤魔化し)

制作意欲が湧かなかったのもありますが、最近喘息が止まらず今でもケホケホ言ってます。

酷い時には「ゲホッ! ゲーホゲホッ! おええええええ!!!」とガチで吐くように言ってます。(おえー鳥みたいに吐いてませんのでご安心を・・・)

ネットで調べると、8週間を経過してもまだ続く厄介な病気らしいですが、対して命に別条はない物っぽいです。

ただ、死ぬほど辛いのは自分でも理解してます、はい。

 

さて、まえがきでも言いましたが、桜ノ宮 亜梨主という人物・・・こいつがどんだけおぞましく理不尽なのか・・・

公式の裏イラストを見ても狂気染みており、「既に狂っている」と公式が言う程に酷いです。

本編では大分アレンジしてますが、まず完全に相手を私物化してます。

これは妹の桜ノ宮 慧梨主が良い例です。

妹に対して命令口調な上に、桜ノ宮 慧梨主のシナリオでも逆ギレして完全に妹の事を思ってない事を言ってきます。

要するにわがまま女王様系ビッチです。

流れも変わり、桜ノ宮 慧梨主が自殺したシーン。

こちらは、ほぼ台詞は原作の台詞となっております。

散々、妹を物のように扱って最終的にこれはドン引きってレベルじゃありません、聞いている時の私は妹の自殺より姉の態度に恐怖しました、なんだこのおばさん!(驚愕)

その後、完全に狂い、主人公に逆恨みを持つシーン。

台詞カットしましたが、「あいつよ・・・あいつのせいで・・・!」と完全に相手に擦り付けてます。

本当に「なんなんだ、あんた」

そして迎えるヤンデレシーン。

本編はここで原作終了してますが、本来だと「こう使うのよ!」の場面で主人公は殴られ、地下室に閉じ込められて死ぬまでボコられるという残酷なシーン。Nice boat.

スクールデイズ辺りで耐性は多少付けましたが、このシーンに行くまでの彼女の言動で耐性どころじゃなくなりました。

もうね、殴っている間にツラツラとブーメラン発言を言ってるんですよ・・・

「あんたのせいでエリスは死んだ」は勿論、「もうエリスがいないこの世に居てもしょうがない」と自殺宣言をし、「その前にあんたを殺すわ!」と迷惑発言をして殴りつけてきます。

もうね、お前が勝手に逝けよと、お前のせいでエリスちゃん死んだようなもんだろと、色々とツッコミどころ満載で最期には乾いた笑いが出ましたよ・・・。

あと、エリスのシナリオだとアリスは腹刺されて死にます。(やったぜ)

 

・・・さて、えらく長く愚痴りましたが・・・

私は、このヤンデレCDに出遭った事に酷く公開してます。

現に、このCDを最後に制作が停止してします。

現在、このCDを出した会社はライトノベルなどの作品のドラマCDを出しているようです。

最後に言いたい、「どうしてこんなもんを世に出した!?」・・・以上です。

では、次回が何時になるか分かりませんが、次回もまた~(^皿^)ノシ

 

 


 
このエントリーをはてなブックマークに追加
 
 
5
0

コメントの閲覧と書き込みにはログインが必要です。

この作品について報告する

追加するフォルダを選択