No.721285

リリカル東方恋姫 第十三話 『物語の原因は半分ほど主人公のせいである』

難産でした。

これでようやう本編が本番へと書けるなぁ~

ここまできて一年、一章にいくまで長かったぁ~

続きを表示

2014-09-24 01:16:00 投稿 / 全11ページ    総閲覧数:1984   閲覧ユーザー数:1883

機械のトカゲと鬼尾のトカゲを眼前として、一刀はバスターバロンの頭部に仁王立ちで睨み、ホワイト・グリントのコックピット内では、ホワイトグリントのパイロット白竜ことレックスは、操縦棍を握っている両手をくぱくぱと動かす。

 

「白い機体に乗った竜だから白竜っか。安直な名前だな…」

『ホワイト・グリントの乗り手が竜だと、一刀さまはわかっていますよ。レックス様』

「あぁ、やっぱり、マイクで声を出すより、ディスプレイで済ましとけばよかったかな…?」

『後の祭りです。レックス様』

 

マイクだったが、緊急事態だったために発音したことに、フッと微笑するレックスと操縦席の画面に映る茶々丸。

レックスはサングラスとグイっと指でかけ直す。

 

「茶々丸、夜天の王とその騎士団はどうだ?」

 

 

 

 

 

結界の外のビルの屋上で茶々丸が、レックスと画面上で通信しなら浮遊系のディスプレイを操作して、周囲を索敵と結界の解析をして立っていた。

そして、彼女の目線の先にははやてとシグナム、そして、包帯でグルグルになったシャマルとザフィーラを担いだチャチャゼロたちが結界から出てきた。

 

 

「所有者と雲の騎士団は三頭身の人形と共に、たったいま、結界の外に到着。結界内にはレックス様と一刀様と一刀様が叫んで召還したとされる巨大兵器『バスターバロン』と敵オウガティル三体とRAY同じく二体しかおりません」

『それなら派手にあばれられるな』

「ただし、PA(プライマルアーマー)は御使用しないでください。使えば、コジマ汚染で結界内がマッハで損傷するのが決定的明らかです…。ただでさえ、一刀様が生身で巨大兵器に乗っているため、一刀様の命と身体がなおさら危険です。起動時間とコジマ汚染速度からして、活動時間は約4分56秒です。この時間内で作戦を完了してください」

『短いが、即効で終わらせよう。常に活動時間と衛星兵器の発射時間を計りつつ、データの収集を頼んぞ』

「了解。…ところで、すこし気になっていたんですが…」

『どうした?』

「所有者の近くにいたあの人形、どこか私に似てますね」

『それをいま話すことか。まぁ似てるといえば似ているが…。そいつは、お前の姉妹かなにかか?』

「私には姉妹などいませんよ。…と、話をふった私ですが、時間がないため話の流れを戻します。結界の解析を終わりましたので、こっちからの補助が可能になりました。ただいま、敵イノベーターの衛星兵器による攻撃および、敵殲滅までのタイムリミットをレックス様、一刀様の前方にディスプレイに表示します」

 

かってに話を進めた茶々丸は両耳のアンテナを伸ばし、操作していたディスプレイに【表示】と書かれたアイコンを指で押した。

 

 

 

 

 

 

 

「ん?あれは…」

 

オウガティル&RAYとホワイト・グリント&バスターバロンの間上空に超大型ディスプレイが出現し、一刀はディプレイに目を向けた。

 

 

 

 

 

 

 

――勝利条件――

 

5ターン目以内に敵を全滅

 

 

 

――敗北条件――

 

味方の全滅

5ターン目を終える

 

 

 

――SRポイント収得条件――

 

3ターン以内に敵を全滅させる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「スパロボZっかいっ!?」

 

一刀が声を上げてディスプレイの内容にツッコんだ。

これにはレックスも呆気て口を開け、やった茶々丸は「最近、スパロボにはまりまして、それに子供である一刀様も楽しんでもうとこのような趣向にしまいした」と、趣味と親切を隠さず、結界の外でお辞儀していた。

 

「なんで、スパロボZの作戦設定!?しかも、ターン制限!最初は普通全滅だろう!相手がスーパー系なのに3ターン以内に倒せって無茶だろう!レベルあわせろよ!」

『ツッコむとこそかい…!?』

 

勝利条件に不満をぶちまける一刀にレックスがツッコミを入れた。

 

「ぐっ、こうなれば郷に従ってルール道理に勝利条件とSR収得条件を満たすか…。精神ポイント使いきれば倒せるかな~?」

『オイ。目的の趣旨を間違えるなよ…』

「白竜よ。目的を達成すればいいのじゃない。そう、楽しめば遊戯!負ければ歯医者!勝てれば正義!そのためガンガンいこうぜ!の作戦でいくぞ!(これが勝利へと秘訣)」

『駄目だ。こいつはやくしないと・・・・』

 

連続のツッコみで調子に乗るツボが押されたのかハイテンション状態になった一刀。レックスがハイテンションの一刀についてこれなくなるが、一刀は気にせずバスターバロンの背中のバーニアにエネルギーが溜める。

そして…、

 

「もう止められない止まらない。よって、とっつげ~き♪」

 

バーニアが噴射して、バースターバロンは前方に飛んだ。その姿は一言で言えば銀色の弾丸であった。

弾丸と化したバスターバロンに頭部の上で一刀は風圧を耐えながらしがみ付き、バスターバロンはそのまま、二体のRAYの頭を掴んで、RAYと共に東方に飛んだ。

 

「うんじゃ、こいつらは俺が相手するから、トカゲ神はまかせたよ♪」

 

そういって、バスターバロンは、RAYを連れて、海辺方面の結界の壁に飛び、ホワイト・グリントの視界から消えた。

 

『今夜の一刀様は、いつもよりハジケていますレックス様』

「まぁ、道化の仮面を被っていても、自分の役割をわかってるからいいんだがな…」

 

邪魔者がいなくなり、ホワイトグリントは荒ぶって吼えるオウガティルと銃口を向けた。

 

 

 

 

 

 

バスターバロンはまだ二体のRAYの頭部を掴んだまま、結界内を飛んでいた。

頭部を掴まれたRAYがあばれてるて、機関銃を乱射するが、バスターバロンはものともせずに掴み続け、弾丸は銅色の装甲にはじかれる。

あのまま。バスターバロンでオウガティルと戦えば、負けることはないが、苦戦することになると一刀が推測した。

時間制限付きなので、苦戦すれば負けになるため、ホワイト・グリントの機動力と対アラガミ兵器という設定を信じてオウガティルを白竜(レックスだと気づいていた)に任せたのだ。そのため、邪魔にならないよう、自分は残り物のRAYを連れて、離れたのだ。けして、面倒を押し付けて逃げたわけじゃない。ここ重要。

 

「ん~、ここらへんでいいかな…」

 

飛んでいる途中で掴んでいた二体のRAYの頭部を離しすと、RAYは無事に道路に着地する。一直線に飛ぶバスターバロンは急旋回して、前方をRAYに向けて、地面に足と右腕を着けて、引きずりならも速度が落として着陸した。

 

「「ギャッォォオオオオオオオオオ!!!」」

 

RAYがバスターバロンに吼える。一刀は核金を五枚取り出すと、一刀が乗っているバスターバロンの肩に落とすと、五枚の核金がバスターバロンの肩に吸い込まれた。

 

「右腕兵装・開放。ソードサムライX!」

 

一刀が宣言すると、バスターバロンの右手から巨大な刀が飛び出し、バスターバロンはその刀を持った。

本家とは違ってサブパイロットが居なくても、さきに核金を装填されば、武装錬金の武装を増幅させ、巨大化できるのだ。

 

「キャッォオオオオオオオオオオオ!!」

 

RAYは大量のミサイルを撃つが、

 

「ハッ!」

 

サムライソードXですべてを切り払った。

 

「【切り払い】はスパロボの基本能力。左腕兵装・開放。サンライトハート改!」

 

バスターバロンの左手から短槍が飛び出し、それを手に持った。

 

「北郷流料理術、三分クッキング~♪やきとり篇。パチパイパチ~!今日の料理はRAYの焼き鳥でござま~す~。ちなみに北郷家は素材の味を活かす型なので、味付けは弾幕のスパイスだけ(キリッ!)」

 

カメラ目線の一刀を無視して、RAY二体は片腕を巨大ブレイドに展開して、バスターバロンに飛び掛り、二刀で両断しようとする。

しかし、

 

「まずは、ほどよい大きさに肉をさばく」

 

両断される寸前、一刀はサムライソードXで日本の巨大ブレイドを細切れに斬った。

 

「うんでもって、肉に串を刺す」

 

つづけて、サンライトハート改の刀身がビーム状に伸びて変形し、バスターバロンの身長ほどに伸びるビームで、二体のRAYの横腹を一突きで突き刺した。

 

「「ギャッォオオオオオオオ!?!?」

 

横っ腹を貫かれ串刺しにされるも、RAYは生物以上の生命力でいまだ起動してあばれている。

一刀はサンライトハート改ごとRAY二体を前方に放り上げた。

 

「ここで味の決め手となるのは…両肩兵装・開放・ジェノサイドサーカス!」

 

バスターバロンの両肩から長方形のミサイルポットが飛び出す。

そして、

 

「道化の様に嘲笑えっ」

 

 

 

ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド!!!

 

 

ミサイルポットから50×2の計100のミサイルが三十秒ほど連続で発射された。

RAYは逃げることができる、そのままミサイルの的になった。

 

「「キャッシャァアアアアアアっ!」」

「無限の弾頭でまんべんなくふりかけて、下味付けをつけて・・・・外部兵装・開放。ブレイズオブグローリ」

 

バスターバロンの背中からナパームが空中へ放出され、ナパームは火炎を纏ったとたん、鉄そも溶かす業火をRAYの上に降り注いだ。

 

「「ギャッァァアアアオオオオオオオ!」」

「最後に5100℃の炎で炭化になるまで焼くべし!そうするべし…!」

 

RAYの悲鳴が空に轟き響き、RAYは焼き壊され、身体が黒く崩れた。

 

「鳥の絶叫の叫びが聞こえなくなれば、はい。これでRAYの焼き鳥が完成~!…って、ありゃ?」

 

「キッシャッァアアアアアアアアアア!!」

 

業火の中から、真っ赤に熱を帯びたRAYが一体と飛び出した。

 

「まったく…なんでこうもメタルギアは生命力が強いんだ…。しつこいやつはビンタされて頬に紅葉が咲くことをしらないのか鳥!」

「キッシャッァアアアアアアォオオオオオオオオオ!」

 

特攻するRAYに対し、一刀はサムライソードXを仕舞う。

 

「雷電を尊重してこいつで引導を渡してやるよ…左腕兵装・開放!シークレットトレイル!」

 

新たなにバスターバロンに装備したのは忍者とかが使いそうな刀。この刀にも特殊機能があるのだが、今回はネタ的な意味での使用なので関係ない。

 

「ハッ!」

 

特攻するRAYにシークレットトレイルを振り下ろし一閃。RAYを縦の両断され、まっぷたっつになり、巨大な二つの残骸は後ろのビル両側に激突し、RAY完全に機能停止になった。

 

「ふう、今夜は武装錬金の出血大サービスだったなぁ~」

 

バスターバロンを解除して、核金にもどすして、一刀は地面に着地する。今回使った核金の六つのうつ三個は使用限界がきて、亀裂を生じて、こなごなに砕け散った。塵となった核金が風に乗って、流されると、一刀は「ごくろうさま」と微笑んでつぶやいた。

 

「結構時間かかったし、あっちはあっちでかたづけるころだから、いまのうちに、衛星兵器防御のために魔力を練っとこぉ…」

 

一刀はそう言い残して、サイコキネシス(念動力)の応用によるテレーポートで、一瞬のうちにその場から消えた。

 

 

 

 

 

「…どうやら向こうは終わったらしいな」

「ガッォオオオオオオオ!」

 

街中で低飛行するホワイトグリントは突撃型ライフルで中距離からオウガティルを撃つが、オウガティルはジャンプして回避する。

 

「やっぱり、射撃は苦手だ…」

『レックス様。そうバカスカ、弾丸を撃たないでください。アーマード・コア・ネクストの武装はすべてアラガミのオラクル細胞を材料にしているため、入手と製造が困難です。在庫には限りがありますので無駄に資材を浪費は控えてください』

「わかってること詳しく説明してご苦労さん」

 

噛み付こうとするオウガティルをよけず、あえて突っ込み、オウガティルの口から突撃型ライフルを内部へと突き刺した。

 

「ギャッ、ギャォアアアアアア!?!?」

「これだけ近づけば、はずれないだろう」

 

バンッ!

 

ライフルから発射された偏食因子を練りこまれた金属の弾丸はオウガティルの口から体内へ肉体を捕食されずに貫き、身体を維持する中心であるコアごと貫いて破壊した。

 

「ギャッォオオオオオオ・・・・・・・・・・・」

 

突撃型ライフルを抜くと、コアを失ったオウガティルは雄たけびを上げて倒れ、身体は紫色の霧散となり消えた。

 

「つぎは・・・・・」

「ガッォオオオ!」

 

もう一体のオウガティルがホワイト・グリントの背後に飛び掛ろうとするが、クイックブースとで真横に移動して回避し、オラクル細胞をエネルギー状に変換されたレーザーをレーザーキャノンで中距離で発砲する。火属性である赤く複雑されたレーザーは、オウガティルに命中し、その威力に怯む。

 

「ガッォオオ!?」

 

その隙に、レーザー発生装置から赤いエネルギー状の刀身が伸び、レーザーブレイドを斜めに振り払い、コアごとオウガティルを切り裂いた。

 

「ガッォオオオオ・・・・・・・・・」

 

そして、さきほどのオウガティルと同様、声を出して身体が霧散した。

 

「やっぱり俺は接近戦のほうが向いてんな…」

『コアの破壊は絶大ですが、資材の補給のために、せめて核の捕獲を優先してください』

「わかってんだろう、俺は壊すのが専門で、捕獲は無理だってこと。おまえがそばにいれば、核の収集が楽なんだがなぁ」

『データの収集で手が空いていませんのでそちらに行くのが無理です』

「ギャッォオオオオオオオオオ」

 

レックスが茶々丸と通信している中、残り一体のオウガティルが尻尾から巨大な針(棘)を一本ずつ三方向に飛ばす。ホワイト・グリントは突撃しながら避け、オウガティルの懐に入り、レーザーブレイドを振り払うも、オウガティルは尻尾に体重を乗せて、反動でバネのようにして、ホワイト・グリントの頭上を飛び越えてレーザーブレイドを回避した。

 

「すばっしこいやつだ…」

『PAがない状態であまり接近しなでください。捕食を妨害するオラクル装甲でも、すこしでも当てれば致命傷になる恐れがあります。見てる私はひやひやして心臓に悪いです。レックス様は私の心臓を止める気なのですか?』

「おまえに心臓なんってないだろうが・・・・。なんだ?俺のこと心配してるのか?」

『そんなわけあるわけないでしょう!ただ、ホワイトグリントが壊すのか心配なだけよ!あ、あんたなんかこれっぽっちもしんぱいなんてしてないからね!…とツンデレ台詞でお答えしましたが、いかかでしたかか?』

「いかがでしたって言われても、俺にそんな趣味はねーって。お前、このところ性格と趣味が傾いてないか…?」

『人を覚えろといったレックス様の命を忠実に実行しているだけす。とくに休日の秋葉原では多くのことを学びました。メイドや萌え、エロゲー、ギャルゲー、同人誌、エトセトラ、wwwwwwww』

「・・・・・・・・・・・・・店に帰ったら、ぜってー人格プログラム修正してやる」

 

これが終われば、すこし思考がおかしい相棒の頭を調整すると、ホワイト・グリントを操縦しながら決めるレックス。

その間、オウガティルは尻尾の回転攻撃や突進、噛みつき攻撃や針飛ばしで、ホワイト・グリントに猛攻する。が、ホワイト・グリントは低飛行で距離を取りつつ、近づかせない。

 

「ブレイドをオラクルモードからコジマモードに変更」

 

レーザー発生装置の内部のオラクルポイントがはずされ、変わりに動力のエネルギーが連結され、緑かかった青い巨大な刀身があらわした。その刀身からは深緑の緑の粒子があふれていた。

 

「っ!?!?」

 

それを見たオウガティルが一瞬だが怯み、ジャンプして後ろに下がった。

 

「グッウウウウウウウウウ!?」

 

オウガティルは身体を低くして、ホワイト・グリントの左腕の光る巨大な刀身を警戒する。その顔には恐怖となぜ怖がっているのかという疑問と驚愕があった。

 

「細胞が震えているな。古代の戦いをオラクル細胞が思い出したか。お前ら暴れ神を殺すために作られたこいつを・・・・・・・・」

「ガッォオオオオオ!」

 

オウガティルはたまらず、無策の突進にでた。レックスはブースターを加速させ、コジマモードの巨大レーザーブレードを構えながら特攻する。

そして、お互いが触れ違う寸前、

 

「無数の神を殺してきた、この悪魔の毒をなぁ…!」

 

刹那の間にオウガティルは振り払ったレーザーブレイドによって、頭から胴体が削り消えた。

その胴体にあったコアごと。

 

「みさかいなく食うから、食あたりになるんだよ。この、暴食馬鹿が…」

 

巨大レーザーブレードの刀身がなくなり、ホワイト・グリントは地面に足をつけて減速し、着地する。

ホワイト・グリントを操縦していたレックスは息を吐いて肩を落とした。

 

『おつかれさまです。あとは、衛星兵器のレーザーを防げば任務は完了です。私たちのミッションは終了しましたので、私たちは帰還しましょう。ホワイト・グリントの脱出ルートは確保しておきまいした』

「初見の結界だったのに、もう解析したのか。あいかわらず優秀だな」

『マスターのサポートするのも相方の勤め。これくらいのことをこなせなくては、あなた様の側にはいられません。いまだ完全には解析不能および完全解除不能のままですが、結界にホワイト・グリントが通れるほどの穴を空けるなど造作でもありません。事実上で敵武装神姫も問題なく、脱出ルートを通れました』

「・・・・・・・・・・・オイ。いまなんつった?」

『マスターのサポートするのも相方の勤め。これくらいのことをこなせなくては、あなた様の側にはいられません』

「冒頭じゃない。最後の行だ」

『事実上で敵武装神姫も問題なく、脱出ルートを通れました』

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

ホワイトグリントのカメラアイで確認すると、結界に閉じ込められていたはずの、機械少女たち四名が結界ごといなかった。

 

「・・・・・・・・・・・なんでいわなかった?」

『ご命令がありませんでしたので』

「ハァ~、まぁ、結界を壊した時点で一刀も気づいているだろうし。反応なしなら、あいつもあえて逃がしたんだろうから、俺もなにをいわん」

『自分の失敗を他人の事情を利用して、あたかも、自分は他人のことを考えていると、思わせて主旨をズラすとは、さすがは謎のクールキャラで通っているレックス様です。感服いたします』

「分解されたいのかロボ娘?まぁいい。あとは一刀にまかせて帰還するぞ。基地のまっていろ」

『イエス。マイ、ロード』

 

茶々丸との通信を切り、レックスは結界から離脱するため茶々丸が作った脱出口を向かうためホワイト・グリントを飛行して移動させた。

 

「最後のシメはおまえの譲っとくぞ。北郷一刀」

 

 

 

 

 

 

レックスたちが帰還しているころ、浜辺ではある一戦が終わり、その片付けが行われていた。

 

「ふぅ、ようやく片付いたな」

「おつかれさま、マスター宇崎。今日も、いい活躍だったよ♪」

 

大量のRAYの残骸の上で、宇崎が座り、一息をついて休んでいた。その宇崎にいかにも軍曹のような武装を纏った金髪の少女が宇崎に話しかける。

 

「活躍なんて…。俺は君たちと違って、戦力はないから戦っていないよ。せいぜい後ろで指揮するくらいしかできないからなぁ」

「そんなことないって。マスター宇崎の指揮は最高だって~!マスター宇崎があたしらの部隊の指揮官になってくれれば、もう鬼に金棒だって♪」

「ははっは、それはうれしいかぎいりだ。え~とZ―323」

「ミフミでいいよマスター宇崎♪」

 

にっこりと微笑むミフミ。彼女は人間ではなくゼルノグラード型という武装神姫であり、宇崎たちの組織に所属している一体である。そして、宇崎とミフミの傍らで、ミフミとは髪の色と瞳の違うゼルノグラード型がRAYやメタルギアの残骸を回収して、戦闘で荒れた浜辺を修復していた。宇崎の組織の所属しているゼルノグラードはそれぞれZー○○と番号でつけられており、名前といった概念が薄く、番号をもじって、名前にしているのは、宇崎と仲がいいミフミくらいしかいないのだ。

すると、宇崎たちの背後から両腕が大砲になっている重厚装甲のネクストが歩いてきた。

 

『よぉ!生きてるか大将!さっきおもいっきりふき飛ばしたから心配したZE☆』

「まぁな。あと、すこし吹き飛ばされていれば閻魔さまに対面できたよ。フィードバック」

 

宇崎はネクストの名前を苦笑しながら呼んだ、レックスたちと連絡している最中、RAYら数体が沖に上がって来たとき、フィードバックが空から落下して宇崎がいる浜辺に着地して、宇崎を吹き飛ばしたのだ。幸運にも、吹き飛ばされた先はやわらかい砂浜だったため、目立った外傷はなかった。ちなみに、任務中では操縦者の名前を呼ばず、機体の名前で呼び合うのが、組織の決まりであった。

 

『それは良かったな。会ったら会ったで、いろいろと説教されるからな』

「まるで閻魔とは腐れ縁みたいな言いかただな」

『あんまし、親しいぃ仲じゃねーけどなぁ。説教好きだし、かかえりたくねーんだよ。・・・・・ん?』

 

反省の色をみせないフィードバックがレーダーで何かを察知し、空を見上げると、そこには茶々丸のおかげで結界から脱出した、アンネ、ローゼ、こまちとこまちに抱っこされたかぐやが飛んでいた。

 

「あれは、町に侵入していた本隊か!」

「あたしが狙撃して撃ち落とすよ!」

 

ミフミがスナイパーライフルを構えて撃ち落とそうとすると、先にフィードバックが、全武装をアンネたちにロックした。

 

『逃がさないZE!。弾幕はパワーだ!オラオラオラオラオラオラオラーー!!』

 

両腕の武器腕バズーカーと背中のミサイルポットから火が吹き、一斉射撃の弾幕が炸裂する。

高火力の弾幕がアンネたちに襲い、アンネたちはフィードバックの弾幕に一瞬驚くも、瞬時に回避行動をとる。的が小さく小回りがついているので、弾幕はあたらず、アンネたちはそのまま沖の向こうへと海鳴市から離脱した。

 

『ちっ。逃げられたか』

「ちょっとー!あたしのじゃましないでよ!勝手の行動は軍事違反で罰則だよ!」

 

一機も落とせずフィードバックは舌打ちをし、その足元でミフミが狙撃を邪魔したフィードバックを怒鳴った。

 

『あたしは不良だから違反と罰則があたりまえ。うんでもって不良で軍人じゃないから、そんなもん【なにソレ?】で気にしないし【罰 受けない】から関係ナイ。規律と始末書は軍人がまかせるZE量産型☆』

「はらたつ~!拾ってやった恩人に対する礼儀ってないの!あとザクを舐めるな!ゼルノグラート型が量産系みたいなものだけどそれでもファンがいるから!それと☆もうざいよ!」

 

自己的な正論をいうフィードバックに、ミフミは怒り爆発で怒鳴った。

その傍らで、宇崎が今の状況(後ろの二人を抜き)に整理する。

 

「まずいなぁ。本隊が離脱したってことは、敵の攻撃準備が完了している可能性がある。くそっ。いまからでは非難がまにあわない。おれたちに空のモノを止める手立てがないのか!」

 

拳を握り締め声を出して叫ぶが、宇崎たちには、衛生上の攻撃をとめる手段がなく、悔やむ。

そんな中、フィードバックはというと・・・・・・、

 

『なぁ、この壊した鉄鶏の部品ていらないやつだよな?なら勝手にもらっていくZE。あっ、やばい。両腕が大砲じゃーモノが持てね~!?』

「そんなことやってる場合!?もうすぐ、この町が崩壊するんだよ!緊張感もとーよ!」

 

バズーカーの両腕でまだ使えそうな残骸を拾おうとするフィードバックに、ミフミが青筋を浮かべてツッコンだ。

 

『いいじゃねーかよ。こんないいパーツがタダ当然で拾えるんだぜ。もったいないねーじゃんかー。どうせ、町の崩壊なんて起きないんだしよ。ゆっくり回収させろよな』

「・・・・・あんた、それどういう意味?」

 

フィードバック、いや、フィードバックの操縦者である金髪で白黒の魔女の格好した少女は、操縦席で口元を上げて笑う。

 

『この町には最強の護り刀がいるんだぜ。それも、黄金の鉄の盾にも負けーねー白銀の鉄の刀がな』

「もしや、レックスが話してた・・・・・・しかし、どうやって?」

『へへ~!それは見てのおたのしみだZE☆!』

 

期待しとけと、宇崎に言う操縦者は、自分を助けてくれた仲間を信じて海鳴町に展開されている結界を見つめた。

 

 

 

 

 

 

そのころ、沖の向こうの海の上でアンネたちが帰還ポイントへと飛行して向かっていた。

「ぷっは~!さっきのミサイルはヒヤヒヤした~!?」

「ようやく脱出したのに、そのまま、あの世に直行なんて冗談ではありませんわ」

「こまち。重くない?」

「これくらい問題ない。それと、02と呼べ」

 

満身創痍の武装で先ほどのフィードバックの攻撃を切り抜けたことに、アンネとローズは安心する。

かぐやは自分を抱っこしてくれているこまちを心配し、こまちは、平気だという顔で答える。

かぐやはもう見えない遠くの海鳴町を振り向いて見つめた。

 

「私たちが離脱したら、あの町に攻撃する必要なんてないのになんで…」

「そんもの知らん。私たちはただ、まかされた任務を遂行するだけだ。あとのことなど知っちゃこっちゃない」

「その任務遂行も完了してねーけど?」

「03.空気を呼んでくださいまし」

「いまは隊長のもとへ帰還するのが先決だ。おまえの身体も直さなければいけないからな」

「うん…」

「それじゃー隊長の懐にめがけて競争だー!」

「まちなさいアンネ!先にスタートするのはズルイですわ!」

 

シリアスな空気を明るくしようとアンネが元気な声を上げて加速し、ローズがアンネを追う。その後ろでこまちはため息を吐き、かぐやはクスッと微笑した。

 

 

 

 

 

 

 

エノベーターの基地の司令室

そこで、かぐやたちの隊長であり、マスターである八神英二が海道義光の隣に立っていた。

 

「八神隊長。各武装神姫、全班長が作戦領域に離脱が確認されました」

 

オペレーターの部下たちが、かぐやたちが海鳴市から離脱したことを指揮官である英二に報告すると、八神はうなずく。

 

「そうか。・・・・・ならば例の物を海鳴市に照準せよ!」

「了解。衛星に接続」

 

司令室のオペレーターたちは英二の指示に従い、ある兵器にアクセスする。

司令室の大型モニターには衛星軌道上にただよる、巨大な人口衛星が写っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

海鳴町を包む結界の外部の上で一刀が、四角い結界を足場にして立っていた。一刀は空を見上げ、夜空に輝く星星に隠れた鉄の塊を見つめていた。

 

 

 

「さぁ、来な。おまえのすべて、受け止めてやるよ。…不明遺品兼軍様式改造型殲滅兵器、パラダイス」

 

 

 

 

 

 

 

楽園と冠した円陣に設置された長方形のパネル八枚と円の中心の中央施設がある人口衛星らしき巨大な軍事基地のような鉄の物体のソレは何もない暗い宇宙空間から地球の衛星軌道を漂いながら、外部からの命令道理にエネルギーをためていた。パラダイスの内部にある、二つの巨大コンピューターがカメラで宇宙から地上の海鳴市を観測し、その町を張っている結界を認識する。命令道理に、その結界を破壊するため、内装されている武装のひとつである巨大なレーザー砲を封印解除した。その最中で、コンピューターは結界の上にたって、自分たちを見つめる一刀を認識し、観測を始めた。

 

 

 

 

ここからブレイブルーの【BGM 蒼-iconoclast】が流れます(作者)

 

 

「対極式拘束機関開放、次元干渉虚数法陣展開」

 

一刀の頭上に銅色の対極図に中心が十字になっている文様の巨大な魔方陣が現れた。

 

「固有境界に接続」

 

魔法陣がさらに巨大になり、海鳴町を包むほどの弩級の魔法陣障壁となった。

 

「偽ツクヨミユニットⅢ(スリー)起動」

 

それは絶対防御の冠した模造品であった。

 

 

 

 

 

 

「照準機能完了。しかし、対象物に巨大な魔法防御壁があります」

「かまわん。エネルギー最大限に!」

「動力炉最大。エネルギー充填完了」

「エネルギーを武装に転回。いつでも撃てます」

「よし・・・・・・・・・」

 

画面上でパラダイスが巨大レーザー砲にエネルギーを充填している最中、英二は一枚のIDカードを取り出すと、英二の前に青い文字で【認証確認】と円に中に表示されたディスプレイが現れた。英二がカードを【認証確認】の円にかざすと文字が青くなり【認証完了】と表示され、【起動】と表示された発射アイコンが現れた。

 

「メインレーザー発射っ」

 

英二が起動アイコンを親指で押すと、パラダイスのレーザー砲『メインレーザー』が発射された。

それはまるで黄金の柱。大地を叩こうとする棍棒であり貫こうとする槍。金色の槍は赤く錆びた銅の盾を貫こうとする。

 

 

 

 

 

そして、あやるゆモノを貫こうとする槍と絶対の偽者である盾が接したとき、

 

 

 

 

両方に矛盾はなく、金色の槍は錆びれた盾に弾かれた。

 

 

 

 

「管理局の魔法防壁をも貫くレーザーを弾いただと!?」

 

 

質量的に科学的に敵組織の魔法壁さへ貫き消滅させるレーザーが、一人の少年の魔法壁に防がれたことに英二は声を上げて驚愕した。

 

 

 

 

パラダイスのメインレーザーは高圧質量のレーザーが天から一本の柱となって降り注ぐも、大地に届かず、偽ツクヨミユニットⅢによって、鏡が光を反射するように弾かれ、山や海や空の方に向かって四散する。

 

 

 

「無駄だ。絶対防御のツクヨミユニットをとことん追求解析し、工夫を繰り返して、オリジナルにより近く再現したこのユニットの究極防御。タケミカヅチに劣るそんな攻撃なんって、皆無に親しい」

 

 

赤く燃える灼銅の様に黄金の光を防ぐ魔方防御陣。レーザーは収縮していき、エネルギーを出し尽くして消失した。一刀は偽ツクヨミユニットⅢを解除して、巨大魔法陣は消えた。

パラダイスのコンピューターは攻撃モードから守備モードに変更し、メインレーザーのエネルギー砲を武装解除して、高機能のステルスモードで以下の文字道理、宇宙の闇へと溶け込み姿を消した。

 

 

 

 

 

 

「ぐっ!たかが子供一人にイノベータの切り札の一つを防ぐられるとは!」

 

英二は悔しがり、机を叩く。その横で座っている海道は立ち上がり、英二の肩を叩く。

 

「これでいいんだよ八神君。これで十分、アピールになったんだからね」

「海道先生…それはいったい?」

 

海道の顔には落胆や悔やみ、怒りもなく、ただ微笑んでいた。

むしろ、この結果に喜び、笑いを零した。

 

「くくくっ、さぁ、はじまりの鐘は鳴った。君はもうこの祭りから逃げられんよ。北郷一刀君」

 

 

 

 

 

 

結界の外の付近

 

「すっげ~…!」

「こんな魔法壁見たことないわ…!?」

「うむ」

「主はやて。いまのはいったい…?」

「一刀がやったんや。そうやろうチャチャゼロ」

「アァ(今ノ攻撃、本当ニ俺タチヲ殺スタメノ攻撃ダッタノカ?)」

 

 

 

 

海鳴町の浜辺

『まったく、あいかわずの無茶振りやZE』

「・・・・・・・・・・これは良いも悪いも含めて大変なことになった」

「マスター宇崎?」

 

 

 

 

高町家のお宅

 

「ねぇ、恭ちゃん。いま、外で何か光らなかった?」

「いや、こっちはテレビを見てたから分からないなぁ」

「はい、コーヒーをどうぞ♪」

「ありがとう母さん」

 

 

 

 

なのはの部屋

 

『三十分から一時間ほど間、二種類の結界が連続して発動を確認されました。また、近くにSランクオーバーの魔力反応と未知のエネルギーを確認。三分まえには地を防ぐほどの最大級の防御魔法壁が展開され上空から巨大なエネルギーを感知し、エネルギーは魔法壁により衝突、沈黙されたました。ただいま現状を記録中。現状の推測から近くに戦闘を行われていると推測します。ただち、現場の調査が必要であり、只今マスターに報告しています。…ですから、いいかげんおきて下さいマスター!』

「うにゃうにゃ…うへへへ~…一刀くん~♪」

 

 

 

 

京都

 

「○○○様!東の空で金色の柱が!?」

「それと灼熱の赤銅色の陣もです!?これはいったい!?」

「・・・・・・・どうやら、戦乱の世が再びはじまろうとしているのですね」

 

 

 

 

アメリカ

 

「会長!さきほどパラダイスの武装が日本の町に向かって発射されました!」

「しかしも被害はゼロ!報告では一人、いえ、子供の魔導師が防いだようです!」

「ははははははは、やっぱり日本というのはおもしろい国だ。あ~すまないけど二週間くらい留守をたのむよ」

「い、いったいどちらへ!?」

「きまっている。日本だ」

 

 

 

 

ローマ

 

「たいへんです姫様!?」

「なんじゃ、騒動しい?こっちとら、たまった書類を消費してるんじゃ。老人共の戯言なら、穴を掘って、穴の中にぶちまけてくれ」

「ロバの耳の王様をやってる暇などありません!先ほど日本の信者たちから連絡があり、日本で軌道衛星のレーザーが発射され、巨大な魔法防御壁で防がれました。それはまるで、銅の円盤の鐘を叩き打ち鳴らす黄金の柱の槌のようだったみたいです!」

「・・・・・・・・・・・・なんじゃとーーー!?!?」

「ものすごい仰天顔ですね!?…これはきっと予言の書かれていた始まりを告げる赤銅の鐘と黄金の槌かと思われます…!」

「くっ。予言道理っか…。それでは、はじまるというのか…?魔と人と神と機械と人外との混沌の大宴祭が・・・・・・」

 

 

 

 

海鳴町から関西へ、日本から外国へと、戦乱の予兆が波紋のように広がっていく。

その波紋の発生源である北郷一刀は無数の星が輝く夜空を見上げていた。

 

「あんたらが、何が目的で何を考えているかわからないし、俺にとってどうーでもいいけど。俺の領地に土足で踏み越えるなら、それなりのモノを払って貰うぞ」

 

 

真剣な表情で一刀は、もう、自分の目で見える世界で、自分の手が届く範囲で、自分の足でいくことが出来る領域で、自分自身の意思と肉体で、守りたいモノを他者に傷つけさせない。そんな護りたいという決意を己のルールとして自身の魂に誓う。

 

「そして・・・・・」

 

テレポートで結界の上空からはやてたちがいる場所へ移転する。

 

「あっ、一刀ぉ!」

 

シグナムたちはいきなり魔力を感じさせず現れた一刀に驚き、シグナムに姫様抱っこされていたはやてが声を出す。

シグナムの横にいたチャチャゼロは一刀の頭に乗る。

 

「随分ト時間カカッタナ。今回ハバグデイカナカッタノカ?」

「アホ、自分の結界をこわすほと、馬鹿じゃないぞ俺は。これでも師匠とちがって自重と冷静はあるし」

「嫌、御主人ト元御主人ノ頭ハ、アル意味同型ダゾ。暴走トイウ名ノ『うっかり』ガナ」

「失礼な。そんなしょっちゅう、ヘマをするわけ・・・・ないわけでもないか」

 

チャチャゼロは一刀をからかいながらペシペシと一刀の頭を叩き、一刀は言い返せなかった。

一人に一体のコントに、はやては自分が忘れたみたいにおもい顔をムスッとする。シグナムははやてのことを察して、はやての手が一刀に十分届くように、一刀の近くによった。

 

「一刀・・・・」

「ん?なにはやて?」

 

一刀ははやてのほうを振り向くと、はやては一刀をみつめ、一刀の頬を手のひらで触った。

 

「一刀…おつかれさま♪」

 

だれもが惚れてしまうそんな、はやての笑顔に一刀はにっこりと微笑んだ。

 

 

――この笑顔を奪うなら神であろうと世界であろうと歪み乱し壊すからな

 

 

こうして、ものがたりのはじまりである長い夜は終わった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そこは、世界と世界の間に出来る溝であり、狭間の世界。

暗く黒く混沌としている世界で、白い椅子に座り、白い机の上で、カードを並べている管路がいた。

 

「うふふふ、結構いいわねこれ…」

「あらあら、なにをしているのかしら占い師さん?」

 

管路が楽しんでいると、突如、管路の横からスキマが現れ、そこから金髪で紫を中心として服を着た、まるで胡散臭い女性が出てきた。

 

「あら、妖怪の賢者さん。おひさしぶり♪」

「えぇ、こちらの時間で二年、そちらの時間で4年くらいのおひさしぶりになるわね。ところで、それはタロットよね。星読みからタロット占い師に転職したのかしら?」

 

妖怪の賢者こと、八雲 紫は口を扇子で隠して微笑んで管路に質問する。

 

「これは本職じゃなくて趣味よ。星以外で水晶玉とか手相とか、芸能人占いとか、私こっちにも才能あるらしいのよ。最近じゃーサイトをひらくほどのめりこんじゃってね~。最近じゃー星占い師から全ジャンルの占い師ではじめよーかなーって表いる自分がいたりして?」

「あなた、占いならなんでもいいの…?。本職で使われいる星たちが泣くわよ。・・・・それで、いまはタロットに夢中てことかしら?」

「そうよ。タロットは意外と奥が深いしおもしろいわ。せっかくだから、これを使ってこの世界の物語の重要のファクター(因子)は誰かこれであらわそうと思ってね♪」

「それはおもしろそうね。なら、この物語で北郷一刀とその殺戮人形はどんなカードに属しているかおしえてくだされない?」

「いいわよ。北郷一刀とチャチャゼロの物語の配役これよ…」

 

管路はタロットカードから二枚、机に表で正位置で置いた。

そのカードは。

 

 

【塔】と【悪魔】

 

 

【塔】 意味:悲嘆・災難・不名誉・転落

 

【悪魔】 意味:暴力・激烈・宿命・黒魔術

 

 

「なかなか、おもしろい役じゃない。塔は不吉な象徴だけど、結末はつねに凶じゃない。どんなことにも転落というテンプレは転機であり、災難でもそれで吉か凶かでるかわからない。変化と矛盾という善悪も関係ない第三者の力といって過言ではないといえるわ。まさにそんな人生を歩んだ北郷君にとってピッタリなカードね。そして、悪魔のカードはチャチャゼロの性質と本質を表したまさに、チャチャゼロの存在意義を完璧にあらわしているわ。・・・・それにしても、改めてみるとこの二人、性質が正反対だけど存在的に、愛称抜群の最悪最凶なコンビねぇ。なにをするかわからないから戦わなくってよかっわ~」

「・・・・・だけど、あいては無数で不明、過去は不明で敵も無数で不明。いわば物語の敵は世界。舞台という世界の上で彼らだけで演じるのは無理があるわ」

 

そういって、管路は一枚のカードを塔と悪魔の上に置いた。まるで、対決するかのように。

そのカードは、

 

 

【世界】 意味:完成・約束された成功・旅

 

 

 

「あなたちや、私たちは所詮世界の物語のための駒でしかない。でも、だからこそ、自分たちの意思で物語を作らなければいけない。それがこの世界の筋書きであったとしても。故に、私たちは世界にゆだねてはいけない。それゆえに彼らが必要。世界が敵ならこちらも世界で対抗するまでのこと」

「あなたの【英雄】と私の【幻想】の手札の中ってことね」

「それでは、最初はだれにする?」

「そうねぇやっぱり最初から主人公を出さないといけないから、彼にするわ」

 

紫が一枚のカードを塔のカードの横に置いた。

 

 

 

【皇帝】 意味:統治・堅固さ・防御・同盟

 

 

 

「意味は似合うけど、彼は騎士なのに、王なんておかしな役ね」

「至高のPLディフェンダーであり白と似合う黄金よ。これで勝つるわ」

「私はまだ時間がかかるわ。最初の出演者そちらにまかせるわよ」

「えぇ、いいわよ。なんせ未来であり生涯の伴侶のためだもの♪」

 

そのとき、二人の間に亀裂が生じた音が鳴った。

 

「なにいってるの?彼と彼という因子は一生、外史のモノ。別次元であるあなたと相容れない。故に、あなたの夫にはならない。物語が終われば、また、新たな始まりがある。これは彼と彼という存在の宿命であり、運命であり、幸福なのだ」

「発言を否定。無限転生地獄に幸せなどない。あの彼は私と私の世界のモノにする。彼と彼の人形と契約したのもん」

「否定。彼との契約はあなたの押し付け。彼の人形との契約など管理者は認めないわ」

「管理者など、私たちには知ったことではない。外史が一度否定された彼はもはや私たち幻想の者。ゆえに彼は幻想の管轄であり、仲間であり、二次人物である」

「補足。二次ってメタいってんじゃねーぞこの地味な紫色」

「補足。原作でも二次では存在不定な奴が発言しないの。この謎の老人(確定)」

「あぁ?やるか?」

「うふふふふ・・・・!相手なって【いいんだよ】」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いっぺん腐れ散れ!この自称17歳(笑)の地味紫BBA!!」

「そっちこそ木っ端微塵に塵となりなさい!この自称天才占い師(爆)の屑GGE!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「藍さま~。紫さまたちなにしてるんですかね~?」

「燈には関係ないことだ。さぁ、こちらも仕事を再開するぞ」

「は~い!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さっきから爺爺うるさいわよ!こっちとら仕事の事情でコロコロ姿を変えてんだよ!管路っていうのはほんとうはこんな妖艶な美女なんだよ!ほかの二次世界では結局は北郷一刀においしく食べられちゃう一級ヒロインだよコノヤロー!お前みたいにリアルで二十歳過ぎが高校生年齢はサバ読み過ぎてるやつには負けるかー!!二次設定の威力を思い知れ!水晶玉砕拳!」水晶玉で殴る

「サバ読み過ぎでも、こっちとらそれで食ってんのよ!お漏らし正体不明以上の、二次の二次で生まれた存在不定因子如きが私ら元祖二次グループに勝てると思てるのか老害!!境界「永夜四重結界」!」結界で防ぐ

 

 

 

 

 

 

 

 

「卑弥呼。管路ちゃんたちがもめてる間に、この外史の担当者、そろそろ決めないとね」

「うむ。たしか新たな管理者が入ったらしい。そやつはまるで鋼鉄の巨人らしくてな、そやつならこの外史の分野には適任だろう。しかもそやつは肉体派のチェリーボーイだ!」

「あらら、それはまたいい新人なこと・・・・・ジュルリ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「くらいなさい!屍とその姫たちの世界の技をパックった星降ろし(かもおとしのいし)を!」

「あまいわ。隕石落下の本家メテオを奢ってやるわ!」

 

 

 

 

 

 

恋する乙女?の戦いは激しさをまし、狭間が壊れてしまうのではというほどになった。

そして、彼女たちの戦いは体力不足により、約一時間でお互い戦闘不能になり引き分けという形で終わった。

 

 

 

 

 

 

つづく

 


 
このエントリーをはてなブックマークに追加
 
 
3
0

コメントの閲覧と書き込みにはログインが必要です。

この作品について報告する

追加するフォルダを選択