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ALO~妖精郷の黄昏~ 第39話 日常へ帰ってきた

本郷 刃さん

第39話です。
日常へと帰ってきた和人と明日奈の日常、イチャイチャです。

どうぞ・・・。

2014-09-14 14:37:28 投稿 / 全7ページ    総閲覧数:13423   閲覧ユーザー数:12379

 

 

 

第39話 日常へ帰ってきた

 

 

 

 

 

 

 

和人Side

 

「ん……朝、か……ふぁ~…」

 

ベッドから上半身を起こしたことで薄めの掛布団が落ちたことで俺は全裸であることに気付いた。

そして隣には同じく生まれたままの姿の明日奈がなんとも愛らしい寝顔を浮かべて眠っている。

あぁ、そういえば昨日から明日奈が家に泊まりにきて、数日振りだからと朝方前くらいまでヤッてたんだっけ。

まぁ俺にとっては2年ぶりと言っても過言じゃないからつい歯止めが効かなかったわけだが、無理をさせてしまったな。

 

「ふにゅ……かじゅと、くん…?」

 

彼女の頭を優しく撫でていると舌足らずな口調のまま目を覚ました。

情事後の明日奈は大体が余韻というか影響でこんな感じだからなぁ。

 

「起こしちゃったか?」

「うぅん、だいじょうぶ……おはよう、和人くん」

「おはよう、明日奈……と言ってももう11時だけどな」

「ふぇ、11時!?……あっ//////」

 

その時、明日奈は自分と俺が裸であることにようやく思い出したようで、布団を掴んで体を隠した。

ああ、この女性(ヒト)は本当になんでこんなに可愛いんだろう…。

そう思い彼女の紅く染まった頬に右手を添えると上目遣いのままに見上げてきた。

 

「ん…//////」

「先にシャワーを浴びてきな」

「う、うん、それじゃあお先に…///」

 

彼女の唇に軽くキスをしてから言うと照れたまま俺が夜に脱いでいたシャツを着て自分の着替えを持ち浴室に向かって行った。

俗に言う彼シャツをしていく恋人の姿にまた惚れ直したなと思いながら、パンツとズボンを穿く。

スグは刻の家に泊まりに行っているが、今は部活に行っている頃だろう。

 

「おっと、忘れちゃいけないよな……おはよう、ユイ」

『こんにちは、ですよパパ! ママはまだ起きてないんですか?』

 

これまた可愛い愛娘との挨拶。彼女の言う通り時間は昼近いのでこの娘が呆れるのも仕方がないか。

 

「いや、先にシャワーを浴びてるよ。まぁ今日は、な…」

『分かっています。この前の事件からまだ1週間しか経っていません。その間のママの様子を思い出すと…』

「護衛目的とはいえ1週間も俺は防衛省に缶詰状態だったからなぁ~。

 報告書の作成以外は自由行動だから課題も出来たし、ALOにもダイブできたけど直接会ってはいなかったからな」

 

そう、あの『オーシャン・タートル襲撃事件』の日から1週間の間、俺は保護ということで防衛省に厄介になっていた。

普段なら朝霧の方にお世話になるところだが、今回は事情が事情なためそちらでということになった。

一方、明日奈は『A.L.I.C.E』などに関わりが薄いため、朝霧の方で護衛が付くことになったため、彼女は家に戻らされたわけだ。

 

そして一昨日、ようやく作業や報告が完了し、保護も終了となり家に帰れた。

母さんには帰宅して早々に抱き締められ、ALOで会っていたスグには少しばかり怒られ、

渦中のアメリカに居る親父からはそっちの政府の高官が直接謝罪しに来たということで文句を言われた…それは俺のせいじゃない。

それでもって昨日から明日奈が泊まりにきて一晩中ことに及んでいたということだ。

1週間でも彼女には大分寂しい思いさせてしまったということもある。

 

「和人くん。シャワー浴び終わったから和人くんも…あ、ユイちゃん。おはよう」

『パパにも言いましたが、こんにちはですよ、ママ』

「あ、あはは、そうでした…///」

 

白いワンピースを着て戻ってきた明日奈はまさしく令嬢という言葉に相応しい雰囲気だが、

ユイにまだ挨拶していなかったことやツッコミを入れられたりして恥ずかしそうだ。

とはいえユイも俺と明日奈の娘というべきか、大人な対応をしてくれる。

 

『パパもママも今日は2人きりの時間をしっかり楽しんでくださいね。特にパパ!

 今日一日は絶対にママから目を離しちゃいけませんよ!』

「分かってるよ。みんなにも口を酸っぱくして言われてるしな」

 

いやはや、みんなに心配を掛けさせたのは俺だけではなく明日奈も同じはずなんだが、

彼女はすぐに帰宅できたこともあったからだろう。

1週間も帰れなかった俺に集中砲火というわけだ。

そういうこともあり、みんなから明日奈に埋め合わせをするように言われている。

まぁ言われなくともそうするつもりだったけどな。

 

『では、わたしはリズさん達と一緒に居ますから何かあった時に連絡してくださいね』

 

そう言い残してユイは俺の端末から姿を消して、ALOへと向かったようだ。

 

「空気を読むのが上手いというか、聡いというか……気配りができて優しいのは嬉しいが、

 もう少し甘えてくれてもいいと思うんだけどな」

「ユイちゃんはいつも甘えてくれてるよ。それにそういうところは和人くんに似たんだと思うけど」

「明日奈にも、な」

 

お互いに微笑を浮かべながら話す。俺も明日奈もユイが居てくれたらそれはそれで嬉しいわけだから気を遣わなくてもいいと思う。

けれどユイとしては俺たち2人の時間を大切にもしてほしいとのことらしい。

日々是成長、しかしもっと年相応に甘えてほしいな…。

 

「お昼ご飯作っちゃうから和人くんもシャワーを浴びてきてね」

「頼むよ」

 

再び階下に降りていった明日奈に続くように俺は着替えと昨日着ていた服、そしてシーツを持って浴室へと向かった。

 

 

 

 

シャワーを浴びる前にシーツと昨日の衣類を洗濯機で洗い、浴び終わってからそれらを庭にある物干し竿に干した。

リビングに入るとキッチンで明日奈が昼食を作っている様子が見えた。

楽しそうに料理をする様はどこか新妻に見えなくもない……実際ALOでは俺の奥さんだけどな。

 

「もう少ししたら出来上がるから、待っててね」

「いや、手伝うよ。なにか出来ることはあるか?」

「それじゃあご飯を御碗についでくれる?」

「わかった」

 

待っているだけというのもアレなので軽く手伝うことにし、自分用と明日奈の御碗に炊けている白ご飯をついだ。

序でに味噌汁も2人分御椀に入れて運んでおく。

明日奈の御碗というのは、彼女がよく泊まりに来るので桐ヶ谷家用の物を買っておいたというわけである、あと箸も。

ちなみに結城家には俺用の御碗と箸があるのはご愛嬌である。

 

「はい、出来ました~」

 

見事な焼き加減の魚、それにふんわりとしている卵焼きが完成したようだ。

朝食は揃って食べ損ねたが、昼食は和食という采配みたいだ。俺も明日奈も椅子に座り、両手を合わせて…。

 

「「いただきます」」

 

白ご飯にわかめの味噌汁、焼き魚と卵焼き、そして彼女が昨日の内に作っておいた胡瓜の酢漬けを昼食として食べ始める。

 

「うん、やっぱり明日奈の作ってくれる料理は美味しい」

「ありがとう、和人くん。わたしもキミが食べてくれると嬉しいんだよ。はい、あ~ん」

「(あむ、むぐむぐ、んぐ)……はい、お返し。あ~ん」

「あ~ん」

 

お互いにおかずを食べさせ合うことになったのは自然の成り行きだと思う。やりたいと思ったんだよ。

 

 

 

「「ごちそうさまでした」」

 

明日奈の手料理を食べ終え、彼女が食器を洗って俺がそれを布巾で拭く。

それが終わると今度は明日奈が衣類の洗濯を、俺が掃除機で掃除を始める。

本来なら朝にすべきことなのだが、生憎と寝過ごしてしまったのでいまやっているというわけだ。

そういった具合に一通りの作業を終え、俺たちはリビングに戻り椅子に座りながら麦茶を飲んで一息を吐く。

 

「ふぅ、夏はやっぱり冷えた麦茶が一番だな」

「ふふ、そうだね」

 

会話に任せて穏やかに流れる時間。

本当なら今日は朝にしっかりと起きて、明日奈と一緒に出掛けるはずだったのだが、セーブが効かずに揃って寝過ごしたわけだ。

だが俺も彼女も、急いで出かけようとも思わず、こうしてゆっくりと過ごしている。というのも…、

 

「でも、本当に良かったのか? いまからでも色々と回れると思うんだが……俺のことを気にしているんなら大丈夫だぞ」

「いいの。確かに和人くんの体も心配してるけど、こうやって2人でゆっくりしたいのもわたしの本音だから。

 あ、だけど肩の怪我が治るまでは無理は駄目だからね!」

「無理無茶無謀はしないよ、少なくとも怪我が治るまではな」

 

明日奈の言う通り俺は先の事件で負傷した。銃撃戦の際に右肩が弾丸によって抉られた為、その治療も保護の内に含まれた。

とはいえ掠り傷程度だと俺自身は思っているがみんなからみればそれなりの怪我なので早く完治してほしいものだ。

ただ、俺のこの傷は景一のように痕が残るわけではないらしい。

 

「それならいまの内に夕飯の買い出しにでも行くか? 今日はスグも帰ってくるし、こっちに刻も泊まりにくるからな」

「そうだね…うん、行こうか」

 

俺たちは椅子から立ち上がると軽く身支度を整えて近場のスーパーへと買い物に向かった。

 

 

 

 

ウチから10分ほど歩いた先にスーパーがあり、商店街もそこにはある。

幼い頃はスグと共に母さんに手を引かれて買い物に行っていたのをおぼろげにだが覚えている。

だが自分の出生を知ってから…いや、それを知る前の“力”を手にし始めた頃からはそうすることもなくなった。

家族と距離を取って、常に鍛練か趣味のゲームに明け暮れ、志郎達と遊ぶような日々だった。

 

それが変わったのはSAOとALOから生還したあとだった。

母さんと話しをして謝られたし、俺に万が一のことがあった場合を考えてスグにも実の兄妹ではないことが伝えられていたり、

そういうことがありながらも俺は家族の元に帰ることが出来たのが嬉しかった。

 

そして退院後には母さんやスグと一緒にスーパーや商店街に買い物に行く機会が増えた。

八百屋の老夫妻や魚屋の親父さん、肉屋の小母さんといった人達が俺の成長を喜んでくれていたのはくすぐったい感じがしたけどな。

そういった何気ない日常が嬉しくて、明日奈が泊まりに来るようになってからは彼女とだったり、

母さんかスグがさらに加わって、彼女のことも知られるようになったっけ?

 

「今日の夜ご飯はどうしようかなぁ~?

 直葉ちゃんは部活のあとだからしっかりした物の方がいいよね?それならハンバーグにしよっか……和人くん? 聞いてるの?」

「あぁごめん……聞いてなかった」

「珍しいね、和人くんが聞き逃すなんて…」

「ん、昔のことを思い出していたんだ……それより、夕飯はなににするか決めた?」

「うん、ハンバーグにしようと思うんだけど、どうかな?」

「それは久しぶりだから楽しみだな。前に作ってもらった時も凄く美味しかったから」

「それじゃあ腕によりを掛けて作るからね」

 

話しているとスーパーに着き、俺たちはハンバーグに必要な材料を選んでいった。

彼女が作るのはいつも本格的なものであり、手近なスーパーの材料と言えども高級な店並の味が出るのだから自慢の恋人である。

他にもサラダ用の野菜などを見極める明日奈の姿は主婦と言っても差し支えないな。

 

「和人くんも刻君も結構食べるよね。

 直葉ちゃんは体重を気にしそうな気もするけどその時は刻君がなんとかするよね、うん……わたしと和人くんみたいに…///」

「当然、明日奈がなんとかしてほしいのなら全力で手伝うぞ(黒笑)」

「にゃっ、きき、聞こえて…///!?」

 

小さな声で言ったみたいだが、さっきのように考え事をしていたわけではないからちゃんと聞こえていた。

からかい2割でそういうと顔を赤くさせるものだから本当に可愛い……残り8割は勿論本気だが、悪いか?

 

「そ、それよりもデザートはどうしようか///?」

 

焦りながら話しを逸らすのでもう少し弄りたいなと思ったがここは乗ってあげよう。

 

「食べやすい、お腹に入り易い物がいいんじゃないか?」

「ならプリンがいいかな。お腹に響かないと思うし」

「そうだな。プリンならスグも体重を気にせずに済むだろう」

 

互いに意地悪とも思える笑みを浮かべてから、どちらともなくクスッと笑ってから買い物を再開した。

ハンバーグとサラダ、その他の食材とプリンの材料などを購入してスーパーをあとにした。

 

 

右肩を怪我しているので右手で明日奈と手を繋ぎ、左手に買い物袋を持ち2人で帰宅の路につく。

そこで商店街を歩いていると顔見知りの肉屋の前に来たので丁度良いと思った。

 

「おばちゃん、牛肉コロッケ2個お願い」

「あら、和人君じゃないのさ! それに彼女さんも一緒なんてね…牛肉コロッケ2個、ちょっと待ってね」

 

気前の良いおばちゃんは笑顔で小さな紙袋にコロッケを4個詰めてくれた……4個?

 

「この2個はオマケだよ。最近和人君を見なかったからなにかあったんじゃないかと思ってたけど、元気そうで安心したのさ」

「はは、ちょっとアルバイトが忙しかったんだ。ありがとうございます、また買いにくるから」

「コロッケありがとうございます」

「彼女さんも気を付けて帰りなさいな」

 

おばちゃんにお礼を言ってコロッケを頬張りながらゆっくりと歩みを再開した。

さすがに夕飯を考えると1人2個ずつ食べるのはお腹が重くなりそうだからスグと刻にあげよう。

 

 

 

 

家に到着して早速2人で料理に取り掛かる。

色々と手順があるので明日奈の指示に従うのだが、これが見たり聞いたりしていて面白い。

俺自身も料理が苦手なわけじゃない(ゲームではスキルを上げていないだけ)ので今後、明日奈にも作ってあげたいと思う。

煮込みハンバーグとポテトサラダは既に調理済みであり、ハンバーグは弱火で煮込み、

ポテトサラダは完成したものを冷蔵庫で冷やし、プリンも同様である。

パンは買っておいた物を出すのであとはスグの帰宅と刻の訪問を待つだけである。

 

その間に干しておいた洗濯物を明日奈が取り込んでそれを畳み、

俺の分はちゃんと自分でしまい、スグの分は彼女に任せて部屋に運んでもらった。

というわけで時間が出来たことだし、鍛練でもするかな。

 

「明日奈、俺少し鍛練し「ダメ」」

 

即却下ですか、いやまぁ怪我が完治している身ではないからそういうのも当然だと思うけど…。

 

「あのですね…俺も缶詰状態で体が鈍っているわけでして、せめて体を慣らしておきたいんだよ」

「シャワーを浴びられるくらいに回復したと言っても、なにかの拍子に傷が開いちゃうかもしれないんだよ。ダメです」

「右は使わない。左だけだから…な、頼む」

 

頭を下げて頼み込んでみると小さな溜め息が聞こえ、だけど優しい口調で言葉を紡いだ。

 

「無理は駄目だからね。少しでも痛みを感じたら正直にその場で終わること、いい?」

「分かりました!……ありがと、明日奈」

「あっ……もぅ、誤魔化してあげられないんだからね…///」

 

お礼にと頬にキスをすればまたも頬を微かに染め、しかし彼女の表情は緩んでいるので俺も嬉しく思ってしまう。

 

そこからは鍛練を行った。

まずはストレッチで体をほぐし、なるべく右肩を使わないように筋トレを行う。

腹筋と背筋は一応肩の筋肉を使うので回数を少な目にして行って、スクワットも行う。

ちなみに腕立ては右肩を使わない片腕立てをやったのだが、さすがに大変なのでこちらもセーブして行った。

そのあとは『神霆流』の闘技の型を行ったわけだが当然、左だけで行う。

一通りのことを終えた時、俺のことを見ていた明日奈の様子が変……というよりかは惚けている、顔が紅いな。

ふむ、いや、そういうことか…。

 

「なぁ、明日奈」

「な、なに、和人くん?」

「見惚れてたよな、俺に」

「え、あ、その…///」

 

縁側に座っている明日奈に顔を近づけて問いかけると言葉を濁して紅くなりながらしどろもどろになる。

さらにそのまま口付けられるほど近づけば彼女は座ったまま後ずさろうとして、だけど縁側に足が引っ掛かりそのまま床に倒れる。

俺は彼女の顔の左右に手を置き、いわゆる壁ドンならぬ床ドン状態にし、加えて彼女の両足の間に右脚を入れることで逃げられなくする。

 

「か、和人、くん……こんな、状態…///」

「ちゃんと言ってくれないかな?」

「ん、あっ…//////」

 

膝を上げ進めていくと彼女の女性の部分にあたり、明日奈は小さな嬌声を上げた。

 

「ほら、言いなよ」

「あ、ふぁっ…//////」

 

続けて耳元で囁き、その耳たぶを甘噛みすると蕩けたような甘い声を出した。

 

「言う気がないのかな」

「んぅ、はぁ…//////」

 

耳から首に掛けてなぞるように舌を這わせ、真ん中辺りに到達したところでキスをした。

ふふ、ホントに可愛くて弄り甲斐があるな。

 

「い、いぅ…いうから……和人くんの、鍛練してる姿が、かっこよくて…見惚れて、ました…//////

 汗が流れてるのも、カッコイイって、思って…//////」

「はい、よく言えました……ご褒美な」

「え、んんっ……ちゅっ、ぅん…ふぁっ…/////////」

 

蕩ける寸前の彼女が素直に言ってくれたのでご褒美にとキスをする。

舌を押し進めて彼女の舌と絡め、唾液を飲み干し、逆に与える。深く、深く、濃厚なキスを交わしていく。

最初は抵抗していた明日奈も徐々にそれはなくなり、自分から俺の首に手を回して求めてきた。

しかし、俺は敢えてそこで唇を離し、明日奈は名残惜しそうにしている。

 

「それじゃ、いまはここまでな」

「どうし、て…/////////」

 

顔を蕩けさせながら問いかけてきたので意地悪く笑みを浮かべて言う。

 

「そっちの方が楽しいからな……汗掻いてるし、もう一度シャワーを浴びてくるよ。ハンバーグの熱、止めておくから」

 

俺は立ち上がって煮込みハンバーグの熱コンロを止め、リビングをあとにする。すると、明日奈の声が聞こえた。

 

「こんなの、生殺し、だよぉ…//////」

 

そりゃそれが目的ですから。

とはいえそのままじゃ不味いのは俺自身百も承知なので、まだ寝転がったままの明日奈に近づいて再び耳元に向けて…、

 

「シャワー先に浴びてるから、来いよ」

 

そう言った。ボンッと言う音を発しそうな勢いで顔を真っ赤に染めた明日奈は硬直した。

改めてリビングを出て浴室に向かい、洗面所などを兼ねている脱衣所で服を脱ぎ、浴室でシャワーを浴び始める。

そして1分もしない内に脱衣所に彼女が現れ、ここに入ってきたことは言うまでもない。

 

 

 

 

「ただいま~」

「お邪魔しまっす」

「おう、おかえりスグ。刻も良くきたな……それとただいまと言え、義弟(おとうと)よ」

「お、おかえり。直葉ちゃん、刻君///」

 

シャワーを浴びてしばらくした後、一緒に帰宅してきたスグと刻と言葉を掛けあう。

 

「ただいまと言うことに関しては百歩譲って嬉しいんで良いっすけど、まだ義弟じゃないっす」

「いずれはそうなるから良いと思うんだけどな。“まだ”というのは今後を認めているようなものだとも思うし」

「それはモチロンっすよ」

「も、もう///! お兄ちゃんも刻くんもやめてよぉ///」

 

照れるスグに俺と刻はケラケラと笑う。スグももう少し耐性をつけないとな。

 

「まったく……あれ、明日奈さん顔紅いですけど、大丈夫ですか?」

「へ、平気だよ/// さっきシャワーを浴びてたから、そのせいだよ。今日はハンバーグだから楽しみにしててね」

「わぁ、ありがとうございます! あたしもシャワー浴びてきますね」

 

明日奈の様子に気付いたスグは夕飯によって意識を逸らされ、部活帰りということで早速シャワーを浴びにいった。

ちなみに刻はというとニヤニヤとした笑みを浮かべながら俺を見ている、コイツ気付いているな。

 

「夕飯の前にお腹一杯になりそうっすね」

「ソイツは悪かった……ゲームでもするか? 最近タケルに勧められたレトロゲームにはまっててな、コイツが以外と面白くて」

「お、いいっすね~。やるっすよ」

 

俺たちはタケルから借り受けたスー○ァミ(正式名称は別にあり)を準備してそれを始めた。

赤い服の髭を生やした配管工のゲームは良いと思うんだ。

ちなみに明日奈はその間に気を取り直してハンバーグを温め直していた。

 

そのあと、スグはシャワーを浴び終えて、俺たちも丁度良いところでゲームを終え、4人で夕飯の準備を終わらせた。

夕飯の煮込みハンバーグとポテトサラダとパン、

スグと刻にはおばちゃんからおまけでもらったコロッケもだし、4人での楽しい夕食を終えた。

 

 

その後、俺の部屋で俺と明日奈が、スグの部屋で刻とスグがALOにダイブし、みんなと共に狩りや買い物などを行った。

俺はアスナとユイと3人の親子水入らずで散歩をしたり、ゆっくりと時間を過ごした。

ユイと3人で寝ようと思ったのだが、またしてもユイは俺と明日奈を2人きりにして先に眠ってしまったのは、

やはり気を遣われているからだろう。

 

ログアウトした俺と明日奈は現在自室にて、イチャイチャさせていただいている。

 

「んっ……やけに積極的だな、明日奈」

「んちゅっ……和人くんのせいだよ///昨日の夜だけじゃなくて、夕方にも…///

 今日はゆっくり寝ようと思ったのに、わたしだって仕返しするんだから///」

「それはまたんむっ…」

 

ベッドの上で俺が仰向けに寝転がり、明日奈が覆い被さる形でキスをしてくる。

 

()に聞こえるぞ」

向こう(直葉ちゃん)も同じだと思うけど///」

「それもそうだな。でも、声はなるべく抑えさせるからな……優しくするよ」

「はぁ~い//////」

 

深い夜の中で俺たちの愛は少しだけ続くことになった。

 

和人Side Out

 

 

 

To be continued……

 

 

 

 

 

あとがき

 

今回は久しぶりに甘くなりました! まぁ明日奈の登場自体が前回同様に久しぶりですからね。

 

なんだか少し危ないようなギリギリのような気もしましたが多分大丈夫だと判断しました。

 

SAO編の時の方が過激だったと思いますしw

 

とはいえ日常回はこれでお終い、次回からは本格的に“黄昏”となっていきます。

 

みなさんが楽しめるように頑張ろうと思います!

 

それではまた・・・。

 

 

 

 


 
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