No.716629

真・恋姫†無双 巡る外史と仮面の魔神 五十八話

XXXさん

三巡編 

馬鹿弟子が

2014-09-12 20:44:53 投稿 / 全4ページ    総閲覧数:1345   閲覧ユーザー数:1263

「…これで良し。後は外さないようにするんだぞ」

「……………」

 

魏の城の中、華陀に治療してもらったにも関わらず、恋は返事をしようとしない。

いや、それ以前に周りの空気が重かった。

十中八九クウガ…いや、リトに原因がある。

半日前…何故リトは逃げ出したのだろうか、ただそれだけを考えていた。

まるであの様子は、自分達を避けているような…そんな気がしてならない。

 

「それで、平沢の行方は分かったか?」

『ちょっと待ってよ、病み上がりに無茶言わないでって』

「まったく…焦ったわよ、さすがに」

 

現在リトの行方は白い魔法使いのガルーダが探っている。

ちなみに白い魔法使いだが、あのあと下半身をくっ付けて直った。

と言っても、まだ離れやすいので激しい運動はできないのだが。

そんな中、愛紗が席を立ち扉に進んだ。

 

「待て愛紗…何処に行く」

「決まっている、リトを探しにだ」

「今何処にいるのに分からないのにか?無謀だ、無謀過ぎる。それでは…」

「殺される、と言いたいのか?ふざけるな!今でもリトは何処かで苦しんでいるのかも知れないのだぞ!」

「そんなことはわかっている!だがもしリトがそれを望まないのなら…」

『あー…おとりこみ中なんだけどさー』

 

愛紗と星が言い争う中で、白い魔法使いは恐る恐る手を上げる。

二人だけでなく、その場にいる全員が白い魔法使いに注目し、そして白い魔法使いは口を開く。

 

 

『いるよ、彼。自分の部屋に』

 

 

「灯台もと暗しとはこう言うことなのですね!」

「だが何故今になって奴は戻っている!」

 

白い魔法使いの発言後、于吉達はリトの部屋へと走っていた。

何故今になってリトが部屋にいるのか…それは分からない。

だが行って確かめなければならないのだ。

現に音々音達は黙って、そして自分の出せる全力の早さで走っている。

そしてあと数メートルというところで、左慈達管理者は何かを察した。

この気配は…デルザー軍団のものだ。

 

「…っ!」

「この気配…まさか!?」

『デルザー…だね。来るの早くない?』

「そうねん…誰か、ワタシ達と来てくれないかしらん?」

「万が一町に危害を加えるつもりなら儂らだけでは対処できん!」

 

そう言って卑弥呼達は外に向かう出口へと向かう。

現在の三国の武将達のモチベーションは最悪だが、文句は言ってられない。

仮面ライダーに変身できはしないが戦うしかないのだ。

そう思い、主な武将達は卑弥呼達に続く。

たった一人、足はやに部屋に行った恋を除いて。

 

卑弥呼達が着いたのは街のど真ん中だった。

隠す気のない気配を放ち、簡単にこれた結果がこれだ。

それもそのはず、何故なら目の前にはついさっきクウガUFに倒されたメンバーを含めたデルザー軍団が揃っていたのだから。

 

「まさか、全員蘇っているとはな…!」

「そうね…私達だけでどこまで行けるか…」

「だけど…様子がおかしくないか?」

 

一刀の台詞に全員顔を向ける。

様子がおかしい…?いったい何故?

そう思い再びデルザー軍団に視線を向けると、その言葉の意味が分かった。

生気が無いのだ…マシーン大元帥とジェネラルシャドウ以外のデルザー軍団が。

 

「まさか…これは!?」

「ほう、分かる者がいたのか。そうだ、肉体のみ再生させたのだよ。魂の無い我らデルザーだ。少々弄ればこの様な事は容易い」

「不本意ではあるが…奴との決着を付けるには必要なのだ」

 

そう言ってジェネラルシャドウは剣を抜く。

恐らくリトと決着をつけるつもりだろう。

まだ今のリトの状態が分からないのでそれだけはさせてはならない。

ジェネラルシャドウは剣を構え、左慈達に先手を打とうとする。

だが…

そんな彼の背後からレーザーが四肢を、そして心臓を貫通した。

何が起こった…?ジェネラルシャドウと左慈達はそう思い、ジェネラルシャドウの後ろを見る。

そこには…レーザーを発射した後ろのマシーン大元帥がいた。

 

「マシー、ン大、元帥…きさ、まぁ…!」

「悪いなジェネラルシャドウ。あの仮面ライダーは危険だ。貴様の遊びに構っていられる余裕は…無い!」

 

そう言い、マシーン大元帥は止めのレーザーをジェネラルシャドウの眉間に射つ。

その事で、ジェネラルシャドウは地面に倒れた。

仲間割れか…と思われたのだが、マシーン大元帥の嫌な余裕には何かある。

 

「協力と言う言葉の欠片の無い我らデルザーが仮面ライダーに勝てる方法が何か知っているか?」

「何…?」

「それは一人に残りのデルザーの力を集めさせること。偶然なことに我らを形成するこの体は靄のようなもの。ならば…!」

 

マシーン大元帥が手を翳すと、後ろに控えていた残りのデルザーと倒れたジェネラルシャドウが黒い靄となってその手に集まり出す。

それらはマシーン大元帥の体にまと割りつき、まるで粘土のように形を変えた。

 

「ぐ…ごぉおおおおおぉぉぉおおおおおお!!!!!」

「嘘だろ…!?」

「どんどんでかくなってやがる!」

 

馬親子の言う通り、マシーン大元帥は靄を吸収し大きくなっていた。

そして変化が終わると…そこにはマシーン大元帥だった怪人が存在する。

かろうじてマシーン大元帥の頭部があるが、体の周りは他のデルザー軍団が混ざったようになっていた。

およそ三メートルもある怪人の手の甲に、肩に膝に…各部分に顔があり、おぞましい。

 

「「「ふぅぅ…やっと終わったか…」」」

 

ゴキゴキと身体中の関節を鳴らす怪人の声はマシーン大元帥だけでなく、他のデルザー軍団の声も重なっていた。

本当に混ざりあっているかのような怪人…ミックスデルザーは左慈達を文字通り見下す。

これは一筋縄ではいかないな…

左慈はそう思いながら、変身した。

 

 

 

「―――リト兄ィ!」

 

その頃、音々音達はリトの部屋に到着した。

見てみると、そこにはリトが寝床に腰をかけてうつ向いているではないか。

一足先に来た恋はリトの顔を下から見ているが、何のリアクションもない。

 

「リト兄ィ!…リト兄ィ!?」

「おにーちゃん!」

「リト!…どうしたと言うの?」

「退いてくれ!俺が診る!」

 

音々音と璃々、蓮華がリトに声をかけるが何の反応もない。

おかしいと思い、華陀は周りの音々音達をどかしながら診察した。

それは一分も満たないものだったが…華陀は苦い顔をする。

 

「……………」

「華陀さん、リトさんは何処か悪いんですか!?」

「いいや。…これは病ではない…」

「な、ならにゃんで…あわわ…」

「これは…一時的な放心状態だ…」

 

どういうことか…華陀の医療では治せないのか…

桃香はそれを質問すると、華陀から説明を受ける。

リトの今の状態は放心状態。

ただそれは普通のものではなく、このまま放置しておくと生きると言う気力が無くなってしまうもの。

それを聞かされ、音々音は華陀に詰め寄る。

 

「どうしてなのですか…?どうしてリト兄ィがそんな…!」

「…あの時、一瞬意識が戻った時…リトはお前と、呂布をみた。恐らくそれが原因だ。自分が守るべき者を傷つけたことで…」

 

その時…華陀の言葉が言い終わる前に、部屋に誰かが入ってくる。

それはショッカー戦闘員…マシーン大元帥がリトを探す為に放ったもの達だ。

戦闘員達は部屋に入るなり攻撃しようとナイフを振り回す。

 

「「「イィー!」」」

「くっ…!こんな時に…!」

「…………ご主人様に近づくな!」

「五斗米道が役にたたない今、俺も手を貸そう!」

 

武器を持った冥淋を筆頭に、戦える者は戦闘員達に攻撃する。

たかが戦闘員…恋がいれば大丈夫だろう。

桂花辺りがそう思っていたが…それが命取りだった。

…いたのだ、戦闘員以外の見えない敵が。

その事に気付いたのは、恋だった。

 

「……っ!ふっ…!」

「ギェエエ!?」

 

野生の勘か…恋は方天画戟を天井に投げつけると、そこから声が聞こえた。

声の主は上半身を千切らせて落ちてきたカメレオン男だ。

カメレオン男は千切れた状態にも関わらず、腕を使いリトに近づく。

このままではリトが危ない…

そう思って駆けつけようとするが…戦闘員が邪魔で行けない。

そんな時にリトの目の前に立ったのは、音々音だった。

 

「リト兄ィに…リト兄ィに指一本触れさせないのです!」

「……ねね!」

「ねねちゃん!?」

 

リトを庇うように立った音々音は、やはり震えていた。

純粋に死の恐怖が音々音に襲いかかる…だが、それ以上に怖いものがあるから、引けない。

リトを失う事が、一番怖いから…音々音は怖くても前に立っているのだ。

そして…音々音の瞳に、カメレオン男の手が写った。

 

 

「ぐああああああああああッッ!!」

 

キックホッパーは壁に叩きつけられ、変身を解除していた。

どうやら肋がほとんど折れたらしく、声が出ないほどの痛みを我慢している。

苦しみながら…左慈は今も戦っている場所を見た。

 

「「「ハッハッハ!!どうした、どうしたぁ!!」」」

「くっ…さすがに前の戦いで体力が…」

「ゼェ…弱音は吐かないでよう!ワタシだって疲れてるんだから…ゼェ」

「ヌゥ…まだ鍛えたりんか馬鹿弟子がぁ!!」

 

現在戦っているのはウィザードIS、ギャレン、デルタ、白い魔法使い、貂蝉、卑弥呼。

だが貂蝉と卑弥呼はすでに戦闘不能に等しい。

何故ならば、ミックスデルザーの放ったドクターケイトの毒がそれぞれ足と肩に回っているからだ。

管理者としての再生能力でなんとか保っているが、それだとしても協力な毒…すでに身体に影響が出ている。

 

『俺なんて病み上がりなのに…』

「無理いわな…きゃあ!!」

「司馬懿!」

 

デルタはミックスデルザーが作り出した岩石男爵のこん棒で叩きつけられる。

そのまま弧を描くように飛び、地面に落ち変身解除。

打撲が激しく、気絶していた。

そう…ミックスデルザーはデルザー軍団の合成怪人。

故にデルザー軍団全ての武器が使えるのだ。

それに加えて怪力…ほぼ一撃で倒されていた。

遠距離から秋蘭達が矢を放つがそれにも見向きもせずにミックスデルザーは戦い続ける。

 

「「「つまらんな…もっと本気をだせぇ!!」」」

『言ってくれるね!』

〈イエス!サンダー!アンダースタンド?〉

 

挑発された白い魔法使いはサンダーを放つ…が、それはノーダメージ。

当たった所を撫でるだけで何の変化もない。

 

『…ウッソーン』

「「「弱い弱い。これなら、あのライダーに勝てる!」」」

「勝てる…?はっ…冗談も大概にしろ。貴様程度じゃ勝てん」

 

左慈は這いつくばりながらそう言うが…そんな彼にミックスデルザーはヨロイ騎士の二本の剣を突き刺す。

しかもそこは肺…左慈は苦しそうに息を吐く。

 

「かっ…!っ…!」

「「「黙れ!私はあの男に復讐…いや、クソ女に…違う!決着を…恨みを…」」」

 

様子がおかしい…いや、むしろそうであってはならない。

ミックスデルザーはそもそもマシーン大元帥が主な人格の怪人だ。

だがそれは意思のない時に限る。

つまり現在のミックスデルザーは各デルザー軍団の人格が戻りつつあるのだ。

 

『二重人格コントなら他でやりなよ!』

「「「ぐうううう、斬る、しちょる!」」」

『ぐぅ!?』

 

最早何を言っているのか分からないミックスデルザーは腕をヘビ女の鞭に変えると白い魔法使いを縛る。

そして力をこめ…白い魔法使いはまたも上半身と下半身に別れた。

未だに人格がバラバラなミックスデルザー…それを見て、瀕死の貂蝉と卑弥呼は呟く。

 

「ばら…ばらねぇん…」

「それじゃあ…無理じゃ、のぉ…」

「私達は彼の事を少ししか知りませんが…彼は北郷殿並のフラグ建築士と言うことは知っています」

「それはともかく、アイツは…リトは…あんなのに、負ける男じゃない」

 

 

 

「あ…あ、あ…」

 

音々音の足元の床に、血が滴る。

戦闘員をあらかた片付けた恋達も、避難していた桃香達も目を見開いていた。

血の出所は、音々音の目の前のカメレオン男の腕。

その腕を、音々音の後ろから伸びた腕が指を食い込ませながら掴んでいたのだ。

音々音はゆっくりと後ろを振り返る。

そこには…

 

「―――この子に…手を、出すな…!」

 

まだ目が虚ろな、リトが目を覚ましていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

白魔『白魔とー!』

司馬懿「司馬懿の」

白司『「後書きコーナー!」』

 

白魔『今回は俺達が担当っぽいね』

司馬懿「て言うかあんた何回もやってたでしょ」

白魔『それは俺の体使った作者だって』

 

司馬懿「いきなりのマイナス展開のスタートね」

白魔『ま、ショックは大きいからね。ピリピリするのも仕方ないよ』

司馬懿「それにしても何で彼戻ってたのかしら?」

白魔『帰省本能じゃない?ほら、放心してたから無意識にとかさ』

司馬懿「意外だったわね、デルザーの裏切り」

白魔『まぁ、テレビでもあんまりいい雰囲気じゃないしね。騙し騙され、みたいな?』

司馬懿「問題はあの混ぜたのよ」

白魔『作者面倒だからって纏める事無いのに。ネーミングセンス無いくせに』

司馬懿「と言うか私あれに気絶させられたのよ?」

白魔『ドンマイ』

 

司馬懿「さて、現れたミックスデルザーを相手に北郷達はどうするのか」

白魔『あと助っ人くんも目が覚めたみたいだね。どうすんのかな?』

司馬懿「さあ?彼次第だけど。……次回、五十九話は」

白魔『三巡編 “さよならだ”。こんなタイトルだけど7、8話ぐらい続くよ』

司馬懿「どこまで引きずるつもりなのかしらね」

 

ΟДΟノシ再見

 

 


 
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