No.688395

英雄伝説~運命が改変された少年の行く道~

soranoさん

第21話

2014-05-22 00:15:35 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:2904   閲覧ユーザー数:2749

~旧校舎・地下一階~

 

「ええっ!?じゃ、じゃあその人、プリネとアムドシアスさん達の関係みたいに、リィンの使い魔になったの!?」

「あ、ああ。俺自身、実感がまだ全然わかないんだが……」

「………………………」

事情を聞き終えて驚いたエリオットの言葉にリィンは戸惑いの表情を見せ、エマは信じられない表情でベルフェゴールを見つめ

「フフ、それじゃあこれならどうかしら?」

リィンの様子を見たベルフェゴールは光に包まれてリィンの身体と同化した。

 

「なっ!?き、消えた!?」

「プリネの使い魔達が見せた現象と同じだな……」

ベルフェゴールの行動にマキアスは驚き、ガイウスは目を丸くしてリィンを見つめた。そしてベルフェゴールが再びリィンの傍に現れ

「これで、私はもう敵じゃないってわかったでしょう?」

サラ教官を見つめて尋ねた。

 

「………………………まだ、肝心な事を確認していないわ。今後あたし達に危害を加える気は一切ないのね?」

ベルフェゴールから敵意を一切感じられないながらもサラ教官は警戒の表情でベルフェゴールを睨んで尋ね

「ええ。この子の使い魔になったから、今後はこの子が生きている限りはこの子の言う事をちゃんと聞くわ。―――例えば、”夜伽”を命じられた時とかね♪」

尋ねられたベルフェゴールは頷いた後魅惑的な笑みを浮かべてリィンを見つめた。

 

「なっ!?」

「ええっ!?」

一方ベルフェゴールの発言にリィンは顔を真っ赤にして驚き、リィンと同じように顔を真っ赤にしたエリオットは信じられない表情でベルフェゴールを見つめ

「オレ達がいる前であんな事を発言するなんてある意味、凄い度胸だな……」

「フン、正真正銘の痴女だな。」

「むしろ”痴女”等、生温い呼び方だ。」

ガイウスは目を丸くしてベルフェゴールを見つめ、ユーシスは鼻を鳴らし、ユーシスの言葉を聞いたアムドシアスは蔑みの表情で答えてベルフェゴールを見つめ

「よ、夜伽!?そ、そそそそそ、それって……!」

「…………………」

「……………助けに来て損した。」

「え、えっと……じょ、冗談ですよね……?」

アリサは顔を真っ赤にした後リィンを睨み、ラウラは顔を真っ赤にした状態で固まり、フィーは蔑みの視線でリィンを睨み、エマは冷や汗をかいて表情を引き攣らせた。

 

(やれやれ………相手が睡魔族となると冗談にならないのではないか?)

(そ、そうよね……というかそれ以前に使い魔契約した方法ってもしかして…………)

(恐らく”性魔術”でしょうね。異性同士が使い魔契約する時はその方法が多いという話ですし。)

呆れた様子で小声で話しかけてきたレーヴェの言葉にプリネは冷や汗をかいて表情を引き攣らせ、ツーヤは頬を赤らめて苦笑しながらリィンとベルフェゴールを見つめていた。

 

「な、なななななななっ!?リ、リィン!まさかとは思うが……!」

「ち、違うからな!?ベルフェゴールが勝手に言っているだけで、俺は絶対にそんな命令をするつもりはない!」

そして顔を真っ赤にして混乱している様子のマキアスに視線を向けられたリィンは慌てた様子で否定し

「あ~、ここにいる子達には刺激が強すぎるから、そういう話は止めてもらえないかしら?というかその格好、何とかならないのかしら?ウチの生徒達には勿論そうだけど、町の人達にも刺激が強すぎるわよ。」

リィン達の様子を見たサラ教官は疲れた表情でベルフェゴールを見つめて指摘した。

 

「面倒ねえ………睡魔はこの格好が普通なのに、どうして貴女達に合せなくちゃならないのよ。」

サラの指摘にベルフェゴールはつまらなそうな表情をしたが

「お、俺からも頼む。さすがにその姿で町や学院に出たりするとみんなが混乱するから。」

「はいはい、ご主人様のご命令なら仕方ないわね。――――これでどうかしら?」

リィンに言われ、指を鳴らした。すると肌をふんだんに見せていたベルフェゴールは肌の露出をかなり抑えた私服姿になり、翼も隠して見た目は人間に見えるようになった。

 

「凄いな。一瞬で服装が変わったぞ。」

「い、一体どういう原理なんだ?全然、理解できない……」

「…………………」

一瞬で服装を変えたベルフェゴールにガイウスは目を丸くし、マキアスは疲れた表情をし、エマは真剣な表情でベルフェゴールを見つめ

「町に出る時とかはこの格好で出てあげるけど、戦闘の時はさっきの格好にさせてもらうわよ。あっちの格好の方が戦いやすいし。」

「うっ。わ、わかった。」

ベルフェゴールの言葉に一瞬唸ったリィンだったが、すぐに気を取り直して頷いた。

 

「じゃ、私はご主人様の中で休んでいるから、用がある時に呼んでね~。」

そしてベルフェゴールがリィンの身体に同化してその場から消えると、その場に静寂が訪れ

「帰って寝よっと。」

「フン!こんな事なら駆け付けなきゃよかったわ!」

「全く人騒がせな……この埋め合わせはいつかしてもらうからな?」

フィー、アリサ、ユーシスがそれぞれその場から離れて地上へと向かい

「え、えっと……もう大丈夫なようですし、これで失礼しますね。」

「……どうやら危機は去ったようなので私も失礼する。」

「ま、まあ何はともあれクラスメイトが無事でよかったよ。」

「私達も戻りましょうか、ツーヤ、アムドシアス。」

「は、はい。」

「うむ!時間は有限だ!あの好色魔の事はさっさと忘れて、練習に専念するぞ!」

「……………」

3人の行動を合図にエマ、ラウラ、マキアス、プリネ、ツーヤ、アムドシアス、レーヴェもその場から離れた。

 

「そ、その……みんなもそうだけど、二人にも迷惑かけて、本当にごめん。サラ教官、本日は迷惑をかけて本当に申し訳ありませんでした。」

「アハハ、気にしないで。リィンが無事で何よりだよ。」

「ああ。」

その場に4人だけになったリィンは申し訳なさそうな表情で3人に謝罪し、謝罪された二人はそれぞれ受け入れたが

「リィン。”実技テスト”ではあんただけ、今予定している内容以外にもやらせるから今から覚悟していなさい。」

「ええっ!?」

ジト目のサラ教官の言葉にリィンは驚いた。

 

「”Ⅶ組”全員を心配させた上、あんた達以外のクラスメイトの”自由行動日”の予定を崩した罰なんだから、このくらい受け入れて当然よ。」

「う”っ。わ、わかりました。」

そしてサラ教官の指摘に肩を落として頷いた。その後学院長に旧校舎での出来事を説明したリィンは学院長から今後の探索も頼まれて引き受けた後、翌日に備えて身体を休める為に学生寮へと向かった。

 

こうしてリィンは心強き仲間を手に入れた……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

後書き なお、ベルフェゴールの町娘姿はヴァンパイアシリーズのモリガンの人間化の時の服装だと思って下さい


 
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