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んっ…。
どちらかの声かわからないような色っぽい声が響く。
そこは屋上に入る前の廊下。誰一人居なく、コトネが我慢できそうに
なかったから私は仕方なくコトネとキスをしていた。
ううん、嘘。本当は私もしたかった。
色々考えてしまう癖があって考えると暗くなってしまうから
コトネに身を委ねたかったのだ。
いつも私ばかりが甘えて申し訳ないけれど、貴女を想うと
どうしても甘えたくなってしまうのだ。
ちゅっ・・・ちゅっ・・・。
「んふぅ・・・」
「ふぅ・・・」
舌を入れかき回して、一度離れてからもう一度お互いの口をふさぐ。
液が溢れそうなほど分泌して、音の大きさも徐々に大きくなっていった。
やがて私の方が疲れてきちゃって、口から離すとコトネは少々物足りない
といった表情で私を見つめる。
綺麗な髪を撫でながら私は微笑む。
「しずくちゃん、不安?」
「まぁ・・・」
「何があっても私はしずくちゃん一筋に想ってるからね」
「ありがとう・・・」
勇気を踏み出せない私の代わりにコトネが全部言ってくれる。
本当はコトネも不安でいっぱいなはずなのに・・・。
「私も・・・」
「うん?」
言いかけて止めると、コトネが私の顔を覗き込むように見て、
それがなんだか可愛らしくて愛しくて。抱きしめたくなる。
「私もコトネのことをずっと想ってるから」
「うれし~~」
「真面目にいってるの!茶化さないで!」
「うん、ありがとう。しずくちゃん」
私とコトネは壁に背を預けながらお互いに手を握った。
今は相手の体温と柔らかさを感じる。匂いを感じる。
だけどこの先はどうだろう。不安は尽きないけど、今は目の前の
幸せを感じなきゃ。コトネと前にそうやって話し合ったことがある。
例え離れることがあったとしても気持ちが離れることはないだろう。
それだけ私達の想いは強いのだ。
だけど本当はずっと傍にいたい。恋をしたらみんな同じ気持ちになるだろう。
なぜ同性だといけないのか。それは人類について永遠に解決しない
問題になるだろう。私は愛情があれば一緒になってもいいと思ってる。
難しい問題かもしれないけれど、私はコトネと一緒にいたい。
伴侶になりたいって思ってる。
「コトネ、愛してるよ」
「私もだよ。しずくちゃん・・・愛してる」
チュッ
本日何度目かのキス。その味はとても切なくて甘いキスだった。
終
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ブログで書いてたもの。
しずくとコトネでキスしながらちょっとシリアスにしてみようかなって
思ってたけど、よくわからなくなってしまった作品。
ちょっとでも楽しんでもらえれば幸いです。