夜減児との戦闘は楽勝で一刀が勝利した

次の二戦目の相手は鈴々や真桜、蒲公英を先読みの能力『瞬考』で倒した通称『過激派の曲者』襲………

一刀は如何にして

『瞬考』を攻略するのか？

　　　 四節　〜一刀VS襲〜

夜減児「ぐ………がぁ………はっ!!」

ﾄﾞｫﾝｯ!!

夜減児の身体が真っ二つ別れ、バラバラに倒れ込んだ

一刀「『斬蹴・峠割』…………

結構威力あったんだなぁ」

愛紗「お見事ですご主人様!!!」

秋蘭「やるな一刀!!」

愛紗や秋蘭達が一刀に向かって微笑む

卑弥呼「うむ！修行の成果が出とるようじゃのう!!ガッハッハッハっ!!」

思春「…………強くなったな、一刀………

もうあの頃の一刀ではないのだな………」

思春は昔の一刀の事を思い出しながら一刀を見つめていた

若干頬を赤く染めながら

一刀「さて…………あと三人か……

次は誰が真っ二つになりたいんだ？」

襲「調子に乗んなよ………『天の御遣い』………」

襲がズイと前に出て睨んだ

一刀「次の屍になる覚悟は出来たか？」

一刀は冷酷な笑みを浮かべながら襲に言った

襲「こっちの台詞だ………クソガキが……………!!」

襲は元々悪い目付き更に細みをかけ、悪くなった

宝鈴「……………………『破源術』をし、『活死術』を重ねた夜減児を倒すとは………」

襲が一刀と向かい合っている時、宝鈴は独り言を呟いていた

宝鈴「どうも妙だ……………

確かに修行をしていたのならある程度は強くなる筈だが、あの状態の夜減児を倒すなど…………人間では不可能だ

そしてあの雰囲気…………妙だな………」

などと考えていると

晩禍「…………………宝鈴」

晩禍は低いトーンで宝鈴を呼ぶ

宝鈴「っ!!…………何ですか？晩禍……」

宝鈴は考え事をしていた為、一瞬驚き対応した

晩禍「グダグダ独り言言ってないでとっととこいつ等消せ………」

晩禍は夜減児が殺られたのを見て若干苛立っていたのだ

宝鈴「………まぁ、少し待って下さいよ…………

次は襲の番なのですから………」

晩禍「ふん……………『あいつ』はまだ来ねぇのか？あのクソ方向音痴は」

宝鈴「恐らく襲と戦っている最中にでも来ますよ」

晩禍「全く…………………」

晩禍は怒りを忘れ若干呆れながら言った

一刀「目付き悪いなぁ…………今迄見たことないよ」

襲「人のこと言う前に自分の命を心配したらどうだ？『天の御遣い』さんよ」

一刀はしかめっ面をして

一刀「あのさぁ………『天の御遣い』で呼ぶの止めてくんない？

俺にも一応北郷一刀って名前があんだからさ…………過激派の………何だっけ？」

一刀の発言に襲は顔が引き攣りながら

襲「俺の名は襲だ、北郷…………

馬鹿にしてんのか？おい……」

改めて自己紹介をした

一刀「了解、襲だな

悪い悪い、名前知らなかったからさ」

一刀は苦笑いをしながら頭を掻いた

襲「ふっ………だが、夜減児を倒したからっていい気になるなよ」

一刀「勿論その気はないさ

俺は全体の1/10以下の力しか発揮していないんだから」

襲「けっ!!ここで自慢するとはいい度胸だ!!

吠え面かくなよ!!北郷一刀!!!」

ｺﾞｵｯｯ!!

襲は一刀に向かって『龍走』をして突っ込んで行った

一刀「さぁ、二回戦開始といこうじゃねぇか!!!襲!!!」

襲「おらっ!!」

ﾌｫﾝ!!

一刀「っ!!危ねっ!!」

襲は『龍走』を解除しないまま蹴りを放ったが、『瞬考』により一刀が避ける方向へ蹴りを放った為、一刀は紙一重で回避した

襲「俺の『瞬考』は全ての技、行動を見切る事ができる!!

てめぇの行動なんぞ掌の上だ!!北郷!!!」

一刀「行動の先読み？夜減児よりは厄介だけど、凄く厄介って訳じゃないな」

襲「ほぉ？ホラ吹きまで言いやがるとはいい度胸だ!!!」

ｼｭﾝｯ!!

襲は『空走』をして一刀との距離をおいた

一刀「先読みか…………じゃあ襲、今俺は何を考えてるか分かるか？」

一刀は頭の中で【『空走』して左脚で蹴り上げると見せかけ、顔面を右脚で蹴飛ばす】という作戦を瞬時に立てた

襲「あぁ？…………俺を倒す作戦だろう？

【『空走』して左脚で蹴り上げると見せかけて、俺の顔面を右脚で蹴飛ばす】って心算だろ？

手に取るように分かるぞ」

襲は一刀の考えている事を寸分の狂いもなく言い当てた

一刀「ほぉ〜、正解だ

『瞬考』ってのは正確に情報を読み取るみたいだな」

襲「あったり前だ！ナメんじゃねーよ!!」

一刀「そしたらこれからが本番だ!!はっ!!」

ｺﾞｵｯｯ!!

一刀は『龍走』をして襲に急接近した

襲「ただ突っ込むだけなら張飛や夜減児と同じだぜ!!?北郷!!!」

一刀「そりゃあな!!じゃあ今俺は何を考えてる!!?」

一刀は拳を構えながら言った

襲「けっ!!てめぇが裏をかこうが、何をしようが俺には無意味だ!!」

一刀「ゴチャゴチャ言ってないで質問に答えろ！」

一刀は笑いながら距離を縮める

襲「そんなに読まれたいなら……ご希望通り読んでやるよ!!!」

襲はニヤリと笑い『瞬考』を発動させた

しかし

ｻﾞｻﾞｻﾞｻﾞｻﾞｻﾞｻﾞｯ!!

襲「っ!!?な、何だ!!?こりゃあ!!?」

愛紗「ん!?何だ？」

凪「襲が苦しみ出しましたよ？」

月「とてと苦しそうです………」

霞「何が起こっとるんや？」

愛紗や凪が言った通り襲は突然頭を抱え、苦しみ出したのだ

(効果音【ｻﾞｻﾞｻﾞｻﾞｻﾞｻﾞｻﾞｯ!!】は愛紗達には聞こえていない

襲の頭の中での音)

宝鈴「襲？襲!!どうしたのですか!?」

襲「何だこの『雑音』は!!?」

ｺﾞｵｯｯ!!

一刀「余所見する暇なんか…………」

襲「っ!!?北g…………」

一刀「無いんだぜ!!?」

ﾌｫﾝ!!

ﾄﾞｶｯ!!

襲「ごはっ!!?」

一刀は『瞬考』を持つ襲をいとも簡単に殴り飛ばしたのだった………

　　　　　　　　　　　……終……