No.670186

九番目の熾天使・外伝 ~改~

竜神丸さん

ファーストアラート

2014-03-12 20:08:13 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:1341   閲覧ユーザー数:897

「それじゃ皆、練習通りにやれば大丈夫だから!」

 

「「「はい!!」」」

 

「ッ…はい!」

 

数分前。とあるリニアレール付近にて、ガジェットが複数出現した事を知らせる警報が鳴り響いた。そこでなのはとフェイト、ミナキと神崎、リイン、そして新人フォワードメンバーの四人は現在、ヴァイスの操縦するヘリに乗って現場まで移動を開始していた。

 

「ッ…」

 

(…やっぱり、怖いものは怖いよね)

 

その中で、キャロが若干震えているのには流石のなのはも気付いていた。それも当然、フォワードにとって今回は初めての任務。加えてキャロはまだ10歳、本来ならそんなアッサリ覚悟を決められるような年齢ではないのだ。

 

「大丈夫、大丈夫!」

 

「え…?」

 

「!」

 

その時、ミナキがキャロの頭にポンと手を置く。

 

「いざという時は、なのはちゃんやフェイトちゃん達だっているし、私だっている。それにスバル達だって一緒なんだからさ。キャロは一人じゃないよ……それに」

 

「あ…」

 

ミナキが視線を向けると、エリオがキャロの手を優しく握る。

 

「僕も一緒だから。一緒に飛ぼう?」

 

「…うん!」

 

キャロも何とか落ち着きを取り戻せたのか、エリオの手を握り返す。それを見たミナキは上手くいったといった感じの仕種をしてから、なのはに目配せする。

 

(なのはちゃん、これでOK?)

 

(うん、ありがとうミナキちゃん!)

 

「ミナキちゃんの言う通りだ、いざという時は俺が助けてやるから安心し―――」

 

「アンタは黙ってなさい」

 

「げぶぅっ!?」

 

しゃしゃり出てきた神崎の顔面に、ミナキの裏拳が炸裂。神崎は倒れて昏倒する。

 

「全く、この馬鹿は本当に空気の読めない…!!」

 

「あ、あの、ミナキさん……今気絶させては流石にマズいのでは…?」

 

「あぁ良いの良いの。この馬鹿の事、どうせいらんタイミングで復活するわ。本当に嫌になる」

 

「は、はぁ…」

 

ミナキの言葉を聞いたティアナ達はよく分からなさそうにするも、神崎の話題にあまり関わりたくないからか、これ以上神崎について追求はしないのだった。フォワードメンバーにまで放置される辺り、神崎は本当に哀れな男である。

 

「なのはさん、もうじき到着しますぜ!」

 

「ん、了解!」

 

(さて、私も頑張るとしま…ッ!?)

 

そうこうしている内に、ヘリは現場の近くまで到着しかかっていた。なのはが先にハッチまで向かおうとしたが、そこでミナキがある事に気付いた。

 

「なのはちゃん、止まって!」

 

「え、ミナキちゃん?」

 

「ガジェットだけじゃない……この先に、人が複数いる!」

 

「「「「「!?」」」」」

 

ミナキの言葉に、ヘリ内の空気が戦慄する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、その現場である暴走リニア付近では…

 

 

 

 

 

 

 

 

「おうおう、派手に暴走してるねぇ♪」

 

暴走するリニアを空中から眺める、一人の戦士がいた。異様に長い大型の手足、それに反比例する細い胴体、そして赤いボディ。

 

げんぶが変身した紅の戦争屋“アルケーガンダム”だ。

 

『呑気にしてんなよ。今回の任務はリニアに積まれたレリックの確保だ、ちゃっちゃと確保して楽園(エデン)までずらかるぞ』

 

「へいへい、分かってますよ…っと」

 

通信から聞こえてくるmiriの声に適当な返事をしつつ、アルケーはライフルモードとなっているGNバスターソードをとある方向に向け、銃口から一発のビームを放つ。

 

『ピ、ギギ…』

 

ビームに撃ち抜かれた機械兵器“ガジェットドローン”がショートを起こし、爆発して煙が上がる。

 

「ポンコツ共がウジャウジャいるぜ……おいmiri、コイツ等も木っ端微塵にして構わねぇよなぁ?」

 

『あぁ、別に問題ねぇ』

 

通信の最中、アルケーのいる場所から少し離れた先でも大きな爆発が起こる。

 

『こっちもガジェット共を殲滅中だ。そっちには多分、あの高町なのはとフェイト・T・ハラオウンが向かうだろうから、何とか足止めしといてくれ』

 

「? 足止めは別に構わねぇが、誰がレリックを確保すんだ?」

 

『リニアの方にはロキとガルムを向かわせた。あの二人ならひとまず問題はあるまい』

 

「あぁそうかい。んじゃま、了解したぜ―――」

 

 

 

 

 

 

-ドシュンッ!!-

 

 

 

 

 

 

「…悪いな、一旦切る」

 

『あ、ちょ―――』

 

アルケーは飛来した魔力弾をバスターソードで一閃した後、miriとの通信を切ってから魔力弾を撃って来た人物―――なのはと正面から向き合う。

 

「悪鬼、こんなところにまで…!!」

 

「エースオブエースが来たか……良い、実に良いぜ…!!」

 

アルケーの四つ目が赤く発光する。

 

「楽しもうぜ……とんでもねぇ戦争って奴をなぁっ!!!」

 

「!?」

 

アルケーは素早くなのはに接近、すかさずバスターソードを振り下ろす。しかし彼女がプロテクションを張った事で、攻撃はアッサリと防御される。

 

「ッ…悪鬼、あなたを逮捕します!!」

 

「やってみろよ、エースオブ何たらぁっ!!」

 

アルケーはなのはに対し猛攻を加え、なのはもレイジングハートで防御し続ける。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「たく、勝手に通信切りやがって…」

 

miriはマシンピストルで蜂の巣にしたガジェットを足で踏み潰してから、今度は他のメンバーに通信を入れる。

 

「ロキ、ガルム、そっちはどうだ?」

 

『こちらガルム。たった今、ロキが何とかリニアまで到着した。したんだが…』

 

「したが、何だ?」

 

『…見た感じ、六課の新人共と鉢合わせしちまったっぽいぞアレは』

 

「そっちもかよ!! 他にメンバーは?」

 

『もうじきokakaの率いるライオトルーパー部隊が、増援として到着する。他のメンバーはモンスター退治や不正転生者討伐で忙しいっぽいから、どうにか俺達で任務を遂行するしかないだろうよ』

 

「…一応聞くが、kaitoはどうした?」

 

『kaitoの場合は相変わらずだ。戦場に出る気はサラサラ無いらしい』

 

「あの野郎、帰ったらシバく!!」

 

miriは悪態をつきつつ、迫ってきたガジェットを力ずくで叩き潰すのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、肝心のリニアでは…

 

 

 

 

 

 

 

 

「ありゃま、ぞろぞろ引き連れて来たな…」

 

リニアの屋根に立っていたロキはリイン、スバル、ティアナ、そしてミナキの四人と対峙していた。ちなみにロキは認識阻害用のサングラスをかけており、三人には素性がバレないようになっている。

 

「私達は時空管理局の者です! 今すぐ武装を解除し、投降して下さい!」

 

「投降ねぇ……しなかった場合、どうなるんだ?」

 

「従わない場合、武力を行使させて貰います!」

 

リインが告げると同時に、スバルとティアナも戦闘態勢に入る。

 

(アイツもイレギュラーかしら? 原作ならこんな展開は無い筈だし…)

 

(紫藤ミナキ、確か不正じゃない方の転生者か。今の時点じゃまだ、何を企んでるのかまでは分からんが…)

 

ミナキは警戒した様子でロキを見据え、ロキもミナキに対して視線を向けていた。ミナキは自分の知らない展開で戸惑っている為、ロキは転生者であるミナキの事もそれなりに警戒している為である。

 

「ちょっと待ったぁっ!!」

 

「「「「!?」」」」

 

そこへ突如、狙っていたかのようなタイミングで神崎が割って入って来た。纏っているバリアジャケットは全身が金色に輝いている皇帝のようなイメージを持っており、持っているデバイスはロキのデュランダルと似たような形状だ。

 

(((うわぁ、もう復活した…)))

 

(しまった、もうちょっと強めに蹴っておくべきだったわ…!!)

 

「リイン、スバル、ティアナ、ミナキ、大丈夫か? もう安心しろよ、あの雑魚はこの俺が片付けてやるからな!」

 

神崎はリイン達に対してニコリと笑顔を見せるが、肝心のリイン達は面倒臭そうな感じの視線を神崎に対して向けており、ミナキはもうちょっと強めのキックで気絶させておくべきだったと目元を押さえて後悔していた。しかしそういった様子も全てツンデレと見なしている神崎は、当然自分が彼女達に嫌われている事には気付かない。

 

(神崎誠也……何でよりによって、こんなアホが転生を遂げてるんだか…)

 

「おいそこのモブ!! テメェは特別に手加減して相手をしてやる、死なずに済むだけありがてぇと思いやがれよ!!」

 

「あぁそうかい…」

 

呆れているロキに対し、自分こそが最強だと思い込んでいる神崎は自信満々の様子で、剣型デバイスを構える。

 

その時…

 

 

 

 

-ゴォォォォォォォ…-

 

 

 

 

何処からか、マシンのエンジン音が聞こえてきた。

 

そして…

 

「あ? 何だ…ごぶっ!?」

 

「「「「あ」」」」

 

「…あれ、今誰か撥ねちゃったか?」

 

何処からか飛んで来た巨大ビークル“ジェットスライガー”に撥ねられ、神崎はそのまま地面まで落下してしまった。ジェットスライガーを操縦していたのは、okakaが変身したファイズである。

 

(ファイズ!? 何で仮面ライダーがこの世界に…!?)

 

「まぁ良いや。取り敢えずアンタ等、ここで通行止めだ」

 

「「「「!?」」」」

 

ファイズが指を鳴らすと、何人ものライオトルーパーが飛行ユニット“フライングアタッカー”を装備して出現する。

 

「コイツ等は…!?」

 

「うちのメンバーから借りたライオトルーパー部隊だ。さぁ行け!!」

 

「「「「「ハッ!!」」」」」

 

ファイズの指令でライオトルーパー達はフライングアタッカーのパーツを変形させ、ブースターライフルを形成。空中を飛び回りながら、ミナキ達に向かって砲撃を開始する。

 

「うわわわわ!? 撃って来たぁっ!!」

 

「落ち着け馬鹿スバル、とにかく戦うわよ!!」

 

慌てるスバルの後頭部を叩いてから、ティアナも二丁のクロスミラージュで応戦。しかしライオトルーパー達はティアナの射撃を次々と回避し、誰一人として命中しそうにない。

 

「く、速過ぎる…!!」

 

「私に任せて!!」

 

このままじゃ追い詰められると判断したミナキが、すぐさま空中に飛ぶ。

 

「おんどりゃあっ!!」

 

「グワッ!?」

 

「「な…!?」」

 

ミナキの右足が光った瞬間、その蹴りが空中を飛んでいたライオトルーパーに命中。フライングアタッカーを粉砕されたライオトルーパーは地面に落下する。

 

「光の速度で、蹴られた事はあるかしら?」

 

「な…ゴハァ!?」

 

「グフッ!?」

 

「グワァァァァァッ!?」

 

「ぐ、この…!!」

 

次々とライオトルーパー達が撃墜されていき、一人のライオトルーパーがブースターライフルで狙いを定める。

 

「無駄よ」

 

「なっ!?」

 

しかし、砲撃はミナキの身体をすり抜けた。彼女はすかさず砲撃してきたライオトルーパーも回し蹴りで撃墜する。

 

「「す、凄い…」」

 

「はわぁ~…流石ミナキちゃんですぅ~…」

 

スバルやティアナ、リイン達が素直に驚いている中、ジェットスライガーに乗っているファイズはミナキの戦闘を離れた位置でじっくり眺めていた。

 

「悪魔の実の能力者か……見た感じだと、ピカピカの実の光人間ってところか? 一応、彼女自身もそれなりに戦闘力はあるみたいだが…」

 

八咫鏡(やたのかがみ)

 

ミナキが両手から放った光が、地面の水溜りやリニアの車窓などを反射。その反射した光を辿ってファイズの下まで光速移動する。

 

「ほう…」

 

「貰った―――」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「悪いが、そうはいかねぇぜ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ッ!?」

 

ファイズに蹴りを炸裂させようとしたミナキだったが、真横から飛来したガルムの光弾で失敗。ミナキは素早くリニアの屋根に着地する。

 

「ガルムか」

 

「いよ♪ 何か楽しそうじゃん、たまには俺にも戦わせろっての」

 

いつもの着物姿で現れたガルムは手足が黒く染まり、ミナキに向かって突撃する。

 

「この…!!」

 

「ほっ」

 

ミナキは指から光のレーザーを放つが、ガルムはこれを余裕で回避。一瞬でミナキの前まで移動する。

 

(そんな!? でもこっちは光人間、ダメージは受けない!! 何とか相手の動きを読めれば…)

 

しかし、ミナキのその考えは瞬時に崩れ去る。

 

「そらよっ!!」

 

「がっ!?」

 

ガルムの黒く染まった拳が、ミナキの腹部に命中。想定外のダメージを受けた事で、ミナキは口から少量の血を吐く。

 

「な、何で攻撃が…!?」

 

「お前の能力はちゃんと見てたぜ。そっちが光なら、こっちは“闇”で挑んじゃえば良いって話だ」

 

「!? じゃあ、まさかアンタも…!!」

 

「あ、言っておくが俺は能力者じゃねぇぞ」

 

「!? どういう事よ!!」

 

「さぁ? 自分で考えてくれ」

 

そう言って、ガルムは無数の弾幕をミナキに向かって放つ。

 

「ッ…八尺瓊勾玉(やさかにのまがたま)!!」

 

ミナキも無数のレーザーを放ち、何とかガルムの放った弾幕と相殺する。しかしその間にガルムは再びミナキに接近、それに気付いたミナキは瞬時に真上に飛ぶ。

 

「逃がさんよ」

 

「な…がはっ!?」

 

光速で移動したにも関わらず、ガルムは一瞬でミナキに追いついて彼女を蹴り飛ばす。今度は両腕で防御したミナキだが、その両腕にも多量のダメージが響く。

 

「光の速さで動けるのが自分だけだと思ったか? だったらそいつは間違いだな」

 

「ぐ…!!」

 

ガルムはミナキの首元を掴み、そのまま地面の方へと落下していく。それを見ていたリイン達は、ミナキが追い詰められているという事実に驚きを隠せない。

 

「そんな、ミナキちゃんが追い詰められるなんて…!?」

 

「まぁそういう事だ。もし彼女が頼みの綱だってんなら……お前達の実力も、たかが知れる」

 

「「「ッ!!」」」

 

リイン達三人を、ジェットスライガーに乗ったファイズや他のライオトルーパー達が一斉に取り囲み、彼女達の逃げ場を封じていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はっはぁ、行けよファングゥッ!!」

 

一方、アルケーは両足のスカートアーマーから複数の特殊兵器“GNファング”を放ち、それによってなのはを囲む。

 

「な、ミサイル…ッ!?」

 

ファングをミサイルだと思ったなのはだったが、それぞれのファングが一斉にビームを放ち始めた事ですぐにその考えも間違いだと認識する。

 

 

 

 

「ふがっ!?」

 

ちなみにファングの放ったビームが一発、地面から起き上がろうとしていた神崎に命中したのはここだけの話である。

 

 

 

 

「オラオラどうしたぁ!! 所詮はこんなもんかぁっ!?」

 

「くっ!?」

 

ファングが牙状のビームサーベルを出して攻撃して来る中、ひたすら防御していたなのはにアルケーがバスターソードを振り下ろそうとするが…

 

「バルディッシュ!!」

 

≪Yes,sir≫

 

「!? チィッ!!」

 

そこへフェイトが突撃し、ザンバーフォームとなったバルディッシュを振るう事でアルケーを弾き飛ばす。アルケーもすぐに空中に留まり、バスターソードを構え直す。

 

「フェイトちゃん!」

 

「ごめんなのは、ガジェットに手間取って遅くなっちゃった!」

 

「ほう、執務官の嬢ちゃんまで来たか……良いねぇ、面白いじゃねぇか!!」

 

「「ッ…!!」」

 

複数のファングがなのはとフェイトに向かってビームを放つが、なのはが得意の砲撃で一部のファングを撃墜し、その隙にフェイトがアルケーに接近する。

 

「はん、エースオブエースもそこまで弱くはねぇか?」

 

「悪鬼、貴様を逮捕する!!」

 

「おっと!!」

 

接近して来たフェイトのバルディッシュを、アルケーはバスターソードで防御。そこから互いの武器による打ち合いが続く。

 

「あなたの所為で、多くの人達が死んだ!! 罪の無い人達が!!」

 

「罪の無いねぇ……まるで自分達は正しいって口ぶりだな。自分がいる組織の汚れっぷりも、碌に知らない癖になぁ?」

 

「管理局を侮辱するな、犯罪者の癖に!!」

 

「はん、無知ってのは惨いもんだなぁ? 何も知らねぇもんだから上から良いように操られる!!」

 

「どういう意味だ!!」

 

「管理局が悪事を働いてるかも知れない、という考えには行き着かねぇのか?」

 

「!? そんな筈ない、管理局は正義の組織だ!!」

 

「正義なんて曖昧なもん掲げてる時点で、怪しさ全開だろうがよ!!」

 

「黙れ!!」

 

激昴したフェイトがアルケーを弾き飛ばす。そしてアルケーの弾き飛んだ先は、なのはによる砲撃の軌道上だった。

 

「ディバイン…バスタァァァァァァァァァァッ!!!」

 

「!? チィッ!!」

 

なのはの砲撃をも回避したアルケーは一旦ファングを収納し、なのはやフェイトと正面から向き合う。

 

「うざってぇよな……物分かりの無い奴ってのはよぉっ!!!」

 

アルケーはその場で瞬時に、別の姿へと変わる。先程までと違ってかなり大きい体格、両肩と右腕に装備されているビーム砲が特徴の戦士。

 

「ヴァーチェ、目標を破砕する」

 

げんぶは“ガンダムヴァーチェ”として、なのはやフェイトとの戦闘を再開する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「やれやれ、外は騒がしいねぇ」

 

リニアの車両内。ガルムやファイズ達が戦っている隙にこっそり侵入したロキは、積まれている荷物の中からレリックの入ったケースを探していた。

 

「ちゃっちゃと回収して帰りたいところだが……おっ?」

 

適当に荷物を退かし続けている内に、目的のケースを発見した。ロキはそれを開いて、中にレリックが入っているのを確認する。

 

「レリック発見。ユーズ」

 

『イエス、バディ』

 

ユーズによってレリックに封印処理が施されてから、ロキはすぐにレリックの入ったケースを持って立ち上がる。

 

「んじゃま、帰るとするかね―――」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『白黒の傭兵、だな?』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「―――ッ!?」

 

低く無機質な声に、ロキが素早く後ろを振り向くと…

 

『お前の力、試させて貰う』

 

暗闇の中から、黒騎士が姿を現した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

-ドゴォォォォォォォォォォォンッ!!!-

 

 

 

 

 

 

「「「「「!?」」」」」

 

リニアにて大爆発が発生した。何事かと思い、戦闘中だった者達は一斉に振り向く。

 

「な、何!?」

 

「今のは……え?」

 

ファイズ達ライオトルーパー部隊やガルム、そしてヴァーチェと戦闘中だったフェイトまでもが言葉を失った。

 

何故なら…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『どうした、その程度か』

 

「が、ぁ…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

全身がボロボロの状態で、黒騎士に踏みつけられているロキの姿があったのだから。

 

 

 

 

 

 

「…キリヤァァァァァァァァァァァァァァァッ!!!」

 

 

 

 

 

 

フェイトの叫び声が、悲しく響き渡るのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、楽園(エデン)のとある部屋…

 

 

 

 

 

「分かりました。団長のお言葉のままに」

 

クライシスとの通信を終えた竜神丸が、面白そうに笑みを浮かべる。

 

「いやぁ、驚きましたねぇ♪ まさかとは思っていましたが…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「デルタさんに続いて、ガルムさんまで“アレ”に選ばれるとはねぇ♪」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

誰も知らない場所で、暗躍は更に続いていた。

 


 
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