「―――ャン、頼むから起きてくれよ!」
「・・・・・・??」
まだ眠気でぼんやりする呂布の頭の中に、誰かが起こそうとする声がした。
まだまだ寝足りない呂布ではあったが、なんとか欲求を振り払い、体を起こした。
「・・・一刀?」
起こしに来た者の正体は北郷であった。
「やった、ようやく起きてくれたか」
しかし、呂布の目に映った 北郷の姿は、明らかにいつもと違う要素があった。
「それより、オレと恋ニャンの
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・一刀・・・・・・・・・にゃん・・・???」
北郷の頭には、二対の三角形の物体が、あたかもネコ科の耳のように・・・というより、ネコミミが生えていた。
「・・・・・・それ・・・ネコ・・・」
「え、そうだよ。恋ニャンにもついてるじゃニャいか。まだ寝ぼけてるのかい?」
北郷の言葉の真偽を確かめるべく、呂布は恐る恐る自身の頭に手をあてがう。
すると、北郷の言うように呂布自身にもネコミミが生えていた。
「・・・・・・恋も・・・ネコ・・・?」
「しっかりしてくれよ。実は、長老に大事ニャ
またドヤされるから、早く行こう!」
そう告げて踵を返した北郷を見てみると、お尻のあたりから尻尾が生えているのを呂布は見逃さなかった。
念のために確認してみると、自身にも生えているらしい。
「・・・・・・長老?」
そして、呂布は北郷に導かれるまま、部屋を出ていった。
外に出てみると、そこは小さな集落であり、いくつかの小さな小屋が建っていた。
どうやら北郷は、そのうちの一回り大きな建物へ向かっているようであった。
北郷の時々ひょこひょこ動く尻尾に導かれるまま建物の中に入っていくと、中には数人がすでに座ってなにやら議論を交わしていた。
「桔梗ニャン様、もう一刻の猶予もありません!先週だけでも二人も子供がさらわれているのですよ!」
「分かっておる、焔耶ニャン。だから落ち着けと言っておるだろう。
思っておるのだ」
「焔耶ニャン、私のことニャら気にしニャいでいいのよ。璃々ニャンは強い子ニャのだから」
「紫苑ニャン・・・」
議論を交わしていたのは、厳顔、魏延、黄忠の3人である。そして、その誰もがネコミミに尻尾付きという状態であった。
「長老!恋ニャンを呼んできバァェァァッッ!?」
「誰が長老だ!!」
そんな中に勢いよく飛び込んだ北郷であったが、ここの集落の長ろ――もとい、若くしてリーダーを務めている厳顔は、
考えられないような失礼極まりない暴言を吐いた北郷を思いっきり殴り飛ばした。
「・・・・・・みんな、ネコ・・・」
「まあよい、恋ニャンよ、お主に頼みがあるのだ」
「・・・?」
すると、先ほどまでの北郷をブッ飛ばした時の目を三角にした表情から一変、厳顔は真剣な面持ちで呂布に切り出した。
「お主も、近頃のモフモフ教の悪行の数々、知らぬとは言わせぬぞ?」
「・・・・・・モフモフ教?」
「長――桔梗ニャン!恋ニャンはショックから少し混乱しているかもしれニャいんだ!」
今朝は呂布のことを寝ぼけていると言っていたが、一転、北郷は呂布が状況をあまり理解していないことを庇うかのように声を荒げた。
「・・・??」
「ほら、教祖・モフモフの明命を中心に、
そして、状況が理解できない呂布に、すかさず北郷が補足を入れてくれた。
「・・・もふもふのみんめー?」
「今月に入って5人は被害を聞いておる。月初めには紫苑ニャンのところの娘、璃々ニャン、隣町では七乃ニャンのところのお嬢、美羽
ニャンがさらわれておる。先週は音々音ニャンと那々那ニャンも。つい先日も、隣町の桃香ニャンの義妹、鈴々ニャンが襲われたとか」
厳顔の口から陳宮と高順の名前が出た途端、呂布は目を見開いた。
どうやら、ここ最近、モフモフ教なる集団によって、璃々、袁術、陳宮、高順、張飛がさらわれたとのことであった。
北郷は、日頃から仲深い陳宮や高順がさらわれたショックで呂布が少し混乱していると思っているようである。
「そこでだ。お主を呼んだのは、その武でモフモフ教と暴挙を止めてほしいのだ」
「・・・恋が?」
「この地より遥か
そこでは、私たちの御先祖様に当たる
「この前も隣町の霞ニャンが大規模ニャ討伐隊を率いたのだが、一向に討伐成功の一報が入らぬ。恐らくは、やられてしまったのだろう」
「だから、ワタシ達にはもう恋ニャンを頼るしかないんだ。恋ニャンの武に勝るものなどいないのだからな」
未だあまり状況を理解でいないでいた呂布ではあったが、答えに迷いはなかった。
「・・・わかった。・・・恋に任せろ」
「さすがは恋ニャン!道案内はオレがするから安心してくれ!」
「すまんが、宜しく頼んだぞ」
そうしてその日の午後、呂布、北郷の両名は遥か南蛮の地へと旅立つことになった。
つづく、、、
次回予告
「ニャるほど、アンタ見てると、村の言い伝えを思い出すわ。深紅の髪を
村境の橋を陣取っていた刀狩りは、討伐に失敗した霞ニャンであった、、、!
「フンッ、ニャによ、どうしてあんた達にそんニャこと言われニャいといけニャいの?別に助けてくれニャんて頼んでニャいんだけど?」
モフモフ教から救い出したのは、まさかの出演決定、桂花ニャン!
「我が名は愛紗ニャン!世のネコミミ族をモフモフすべく立ち上がったモフモフ教が一の矛!」
桂花ニャンを奪い返しに来たのは、まさかのラスボス・裏切りの愛紗ニャン、、、!
「・・・モフモフするのは、ダメ・・・恋が、止める・・・!」
恋ニャンの冒険・エピソードⅡ ~裏切の愛紗ニャン~
制作未定!!!
「恋ニャン・・・オレのことは・・・気にせず・・・早く・・・桂花ニャン・・・を・・・」
呂布「・・・一刀ニャン!!」
ガバッと勢いよく呂布は布団から飛び起きた。
呂布「・・・・・・??」
朝の陽光が呂布の顔に当たっていた。
鳥たちも朝の発声練習でもするかのように美しい歌声を響かせている。
ここは成都城内にある呂布の寝室。
呂布「・・・・・・夢?」
未だ状況を理解できない呂布であったが、その時、部屋をノックする音が聞こえてきた。
北郷「やぁ、恋。おはよう。支度が出来たから、さっそく犬たちの散歩に行こう」
部屋に入ってきたのは北郷であった。
呂布「・・・一刀ニャン」
北郷「へ?ニャン?」
すると、呂布はムクッと起き上がり、北郷に接近したかと思うと、急に北郷の頭をわしゃわしゃし始めた。
北郷「????」
呂布「・・・耳が、ない・・・」
北郷「へ?耳ならここに・・・」
当然ながら北郷の頭にネコミミは生えていない。
しかし、それでもあきらめきれないのか、呂布はもう一つの確かめるべきポイントを目指し、北郷のお尻のあたりを確認してみる。
もちろん、尻尾が生えているはずはない。
北郷「恋、さっきからいったい何を―――?」
呂布「・・・・・・・・・隠してる・・・!」
しかし、ここで引き下がらないのが呂布の妙に頑固な一面である。
呂布は北郷がズボンの中に尻尾を隠していると判断し、それを暴こうとズボンに手をかけた。
北郷「ちょ!!??恋!?待て待て待て待てッ!!いったい何―――おい!!ちょ、落ちつ――アアァアアアアアアアアッッ!!!!」
朝っぱらから北郷の断末魔が城内に響き渡ったという。
【第三十四回 おまけ:真・恋姫夢想劇場 ~呂布編~ 終】
あとがき
さて、おまけ:夢想劇場はいかがだったでしょうか?
要するに夢オチなのですが、恋ってきっとこんな夢見てるよなぁとか思いながら書きました。
獣っ娘って可愛いですよね!いえ、ただの独り言です、、、
ちなみに夢部分では話し手の名前を書きませんでしたが誰が話していたか分かりましたでしょうか?
本編ではオリキャラが蔓延っているためなかなかstsの表現力ではできないのですが、
この夢想劇場では今後もこのスタイルでいこうと考えております(ネタバレですけど 笑)
あと、一話完結ですのでエピソードⅡの制作予定はありません 笑
それでは今回は短い馬鹿丸出し残念仕様で申し訳ありませんでした、、、
次回はねねのちゃんとした拠点なのでご安心を!
それではまた次回お会いしましょう!
次の恋のおまけでエピソードⅡ考えるかも 笑
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みなさんどうもお久しぶりです!または初めまして!
今回は予告通り、拠点のおまけ話を独立させました。
タイトルにありますように女子会ではありません。ですが相変わらずのカオス仕様です 汗
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