No.659771

九番目の熾天使・外伝~マーセナリーズ・クリード~

okakaさん

第九話です

2014-02-02 09:47:42 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:573   閲覧ユーザー数:520

第九話

 

―――――――――ラインアーク近郊の小島―――――――――――

 

 

「こんな施設が・・・」

 

「ほぇ~・・・すげ~」

 

「なるほど、ここが今のあんたらの拠点ってわけか・・・」

 

「ああ、といっても『最後の』だがね。ここが無くなれば僕らは本当におしまいさ」

 

「・・・・・・・・・・・・・・私はまだ納得してませんからね」

 

「君も強情だねぇ、フィオナ君」

 

 

企業連のAFから身を隠すため、岡島達はラインアーク最後の拠点である小島の偽装ドックに入港することになった。船長や船員達とともにあたりを見回し、岡島はドック内部の状況を確認した。機材は荒れ、辺りに見える人々は皆疲れ果てた顔をしている。正しく【敗残者】といった顔だ。アブ・マーシュは軽く言ってるがどうやら本当にラインアークには後が無い状況らしい。心なしかフィオナの顔が辛そうに伏せられた。それを横目に岡島はアブ・マーシュに問いかける。

 

 

「それでアブさん」

 

「おっと、私のことは【プロフェッサー】と呼んでくれたまえ。ミスター・・・あー・・・」

 

「そういえば名乗ってなかったな、一城だ、岡島一城」

 

「フム、では一城君、私のことは【プロフェッサー】でよろしく」

 

 

どうやら自身の呼び名にこだわりがあるらしく、訂正を求められた。岡島はそいつは失礼、と前置きを入れて改めて問い直す。

 

 

「プロフェッサー」

 

「なんだい?」

 

「今の状況を整理したいんだが・・・」

 

「ああそうだね、それじゃぁまず管制室に行こう。あ~君達、ハンガーにネクストを搬入しておいてくれ。二機とも後で分解して詳しく調べるから」

 

「了解しました。プロフェッサー」

 

 

兵士達の返事を聞くとプロフェッサーは満足そうに頷き、先頭を歩き出した。

 

 

「それでは行こうか、船長達も来るといい。フィオナ君、いつまでも拗ねてないでくれ?今はこの状況を打破することが先決だと言ったろう?」

 

「拗ねてません!」

 

(((拗ねてんじゃん・・・)))

 

 

その場にいた全員が思ったが口には出さなかった。沈黙は金なりである。そんな気配を感じたのかフィオナは岡島に向き直り、睨みつけた。

 

 

「さっきも言いましたが私はまだ納得してませんから。あなたを信用できるかどうかは今後のあなたの行動を見て決めさせていただきます」

 

「ん?ああ、別に構わんよ?慣れてるし」

 

 

突っかかってくると思っていたが意外にも素直な反応にフィオナは少しだけ拍子抜けした。

 

「そ、そうですか・・・」

 

「お~い!早く来たまえ!置いていくよ~!」

 

 

フィオナが呆気に取られているとプロフェッサーが二人を呼ぶ声がした。そちらを見ると既に自分たち以外はエレベーターの前にいる。

 

 

「ああ、すぐ行く!ほら、行こうぜ?」

 

「え、ええ」

 

(こんな軽い傭兵見たことないわ・・・ホントにあてになるのかしら・・・でも私達にはもう選択肢が無いのも事実・・・はぁ・・・先が思いやられるわね・・・)

 

 

先を行く岡島に一抹の不安を感じながらフィオナはエレベーターへと急いだ。―――――――――――

 

 

 

 

 

――――――――――管制室―――――――――――

 

 

「そこのソファーにでも腰掛けてくれたまえ、コーヒーでも用意しようか?」

 

「いや、今はいいや」

 

「ああ、俺達もお構いなく・・・」

 

「?そうかね、では私の分だけ用意しよう」

 

 

部屋に入るなりプロフェッサーは部屋の隅にあるコーヒーサーバーに駆け寄ると嬉々として自分の分のコーヒーを入れはじめた・・・好きなんだろうか。

 

 

「そこの姉さんの分はいいのか?」

 

 

岡島の問いにプロフェッサーはサーバーから目を離さず答えた。

 

 

「ああ、彼女ブラック飲めないんだよ。今は砂糖もミルクも無いからねぇ・・・」

 

「ふ~ん・・・結構可愛いとこあんのな」

 

「プロフェッサー!余計なこと言わないで下さい!」

 

 

心なしかフィオナの顔が赤くなっているがそれは重要ではない。そんな事より・・・

 

 

「物資が少ないのか?」

 

「ああ、補給のあてなんか無いからねぇ・・・」

 

「それもそうか・・・かなり深刻なようだが・・・大丈夫なのか?」

 

「安心したまえ、ネクストのパーツはまだ残ってるから」

 

「先に餓死なんてのはゴメンだぞ?」

 

「それも心配無いよ。切り詰めれば3ヶ月は保つくらいにはあるからね」

 

「3ヶ月・・・それがタイムリミットか・・・」

 

「まぁそうなるねぇ・・・」

 

「・・・えらく軽く言うんだな」

 

「こればっかりはどうしようもないからねぇ・・・」

 

 

プロフェッサーはそう言って対面のソファーに座るとコーヒーをすすった。そしてコーヒーの香りと味を堪能すると本題を切り出した。

 

 

「さて・・・どこから話そうか・・・」

 

「・・・あんたらが管理局を知るきっかけから、で頼めるか?」

 

「OK、じゃぁそこからだ、きっかけはそう―――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――――――――――――――マグリブ解放戦線の崩壊だった」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あとがき

第九話です、今回は今のラインアークの状況説明回です、次回はラインアークの崩壊の真実と今後の方針を決める予定です。・・・うまく書けるかなぁ・・・俺・・・

 

 


 
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