No.656157

真・恋姫無双~Re:道~

ツナまんさん

今回は楓のターン

『Re:道』と書いて『リロード』ということで

注:オリキャラがでます。リメイク作品です

2014-01-20 02:15:53 投稿 / 全4ページ    総閲覧数:1347   閲覧ユーザー数:1220

 第二章‐肆話 『御遣い達の実力検定? Ⅱ 』

和輝と霞の試合が終わり、今は楓が兄と同じ場所に立っている。

「…親分に妹がいるとか、知らなかったし」

「あれ?白雪いたんだ。…太白と白妙は?」

「…親分が仕事頼んだとかで出かけてるし」

「仕事?」

太白はわりとしっかりしてるけど、白妙もってのがすこし気になった。

「…ん、なんとかって人達を連れて来いって言ってたし」

「なんとかじゃわかんねぇよ」

和輝が誰にも言わずにやってるということになんとなく嫌な予感もする。以前も似た様な事があったがその時には組同士の抗争に巻き込まれた事もあった。

「………何事もありませんように」

と、祈ってはみるがそんなことは恐らくは無駄でしかないだろう。

今はただ、これから試合を行う楓ちゃんを応援しよう。

そう思い、小さく手を振ってあげた。

 

 

「きゃ~、先輩が手ぇ振ってくれた」

「おいっ!」

せっかくいい気分だというのに突然声をかけられてムッとなってしまった。

「えっと、粥…さんでしたっけ?」

「誰が粥だ!華雄だっ!」

「どっちでもいいです。人がせっかく小さな幸せを感じていたのに無粋ですよ」

「私には関係無いな。そもそもこれから試合だというのに緊張感が足りん」

「それこそ私には関係ありません。」

始まる前からなんともギスギスした空気になってしまったが私は自分の考えを改めるつもりは全然無い。

それにこれ以上なにも話すことも無いと、私は長巻を鞘から引き抜く。刀身三尺(一尺約30cm)全長六尺にもなるがそれでも長巻としてはギリギリ一般的なものだ。

対する華雄さんは大斧だが、まともに受けなければ大丈夫だと思う。

 

「それでは、始め!」

 

「はあああ!」

合図と同時に華雄さんが突っ込んで来る。でも、私はまだ動かない。斧が振り下ろされて初めて動く、といっても横に一歩移動するだけ。ブンッと凄い勢いで華雄さんの斧が地面を穿つ。

すこし退いてみるとその分だけ間合いを詰めてくる。そんなやり取りを暫く続けて一つ確信した。華雄さん(この人)は鉄砲玉と変わらない、多分相性的にも勝てると思う。でも一つ問題がある。その心配が楓に手を出すことを躊躇わせていた。

 

「一刀。ちょっといい?」

「なんだい?詠?」

「あの子、さっきから避けてばかりだけど何か理由でもあるの?」

詠の疑問は先程から自分も感じているものではあった。和輝から何度か話を聞いたことはあるが、その限りでは彼女は攻め手に回った方が強いという印象だった。その事をそのまま伝えてみるが、今この試合を見る限りとてもそんなふうには見えない。

「あの、一刀さん一つ聞いてもいいですか?」

「えっと、月?何かな?」

「一刀さんは楓さんの試合を見たことは無いんですか?」

「えっ、うん、手合わせはおろかこうして試合とか見るのも初めてだよ。」

それを聞いた月はすこし考えた後に小さく手招きをしてきたので顔を近づけるとすこし顔を赤らめながら耳うちしてきた。

「………本当にそんなことが理由なのかなぁ?」

「『そんなこと』じゃないです!女の子にとっては死活問題です!」

「ちょっと、月!どうしたの?!」

「じゃあダメ元でやってみるよ。ありがとう月」

「へぅ…どういたしまして」

 

我ながら引っ込み思案なくせについお節介を焼いてしまったと思うが、彼等御遣いが来てから自分の中で何かが変わり始めた気がしていた。和輝さんとの出会い頭での問答。そしてここ数日は一刀さんの働きを見ていて言葉に出来ない何かを感じた。そして会ったばかりの楓さんは多分一刀さんのことが好きなんだと思う。だからこそ動かずにはいられなかった。でもそう思えたのは…、そう考えるともしかしたら。なんて事を思ってしまう。自分は彼等を本当はどう思っているんだろうか。

 

 

負けたくない、でも…。そんな葛藤を繰り返しながら今だに楓は攻め手に転じきれずにいた。

「どうした?そんなことでは御遣いの実力も底が知れるぞ!」

好き勝手言われて腹が立つがそれでも…

そんな時だった

「楓ちゃん!」

先輩の声が聞こえて振り向いた

「どんな結果でも嫌いになんてならない。だから、精一杯がんばって!」

そんな声を掛けてくれた先輩の隣には困ったような、あるいは申し訳無さそうな笑顔を浮べる少女―、月がいて会ったばかりの彼女に気を使わせてしまったことを理解した。

それでも先輩の言葉はきっと先輩の本心なんだと思うなら私は勝ってその期待に応えたい。

「華雄さん、悪いですけど勝ちますね」

「は?」

突然の勝利宣言に一瞬呆けている華雄さんに肉薄する。間合いは完全に私の刀の間合い。私が刀を振るより先に華雄さんが我に返る。だが今は華雄さんの大斧では近すぎるはず、なら彼女が取る行動は

「くっ」

「ですよね!」

後ろに跳躍する華雄さんに向けて柄先に握り直して振り抜く。狙うのは足元。それをさらに真上に跳んでかわしてくれた。その着地に合わせて上段から振り下ろす。

ガキンッ

それを止めさせる。

「『崩穿華(ほうせんか)』」

柄の先端に付けられた石突での突き。その一撃は既に体制を崩していた華雄を後ろに押し倒し仰向けに倒れる華雄の目の前には刀の切っ先が突きつけられていた。

「…私の負けか」

「はい。というか華雄さん行動が単純すぎます。攻撃も振り下ろすか薙ぎ払うかしかしてないですし。もっと工夫した方がいいですよ」

「なっ!」

「あと、そんな重い武器持ってるのに簡単に跳んじゃダメですよ。膝に負担掛かりますから」

言いたいこと言ってすっきりしたのか楓は先に戻って行くが、その後ろではわなわなと震えている華雄が後に続いていた。

 

「月さん、なんか気を使わせてごめんね」

「いえ、そんな私はなにも」

次の試合の準備が整うまでの間、楓は月に話しかけていた。

「それで月さん。一つ聞いていい?」

「なんでしょうか?」

「先輩とお兄のことどう思ってるの?」

「へうっ…。どうと言われても今はなんとも…。ただ」

「ただ?」

「お二人とも悪い人ではないと思います。」

顔を赤くしながら真面目に答えてくれる月になんとなく親近感を感じた。多分それは――。

「一緒にがんばろうね!」

「え?はい?」

女の勘だけど、きっと彼女とはいい関係でいられる気がした。

あとがき

 

にゃんp…ゲフンッゲフン。最近去年見逃した分のアニメを一気視していました。今年も豊作であって欲しいと思っています。

話が逸れましたね…。最近は固定の読者様が着いてくれてきたようで自分も張り切って執筆に励んでおります。残念なのは自分に絵心が無いことですね。挿絵があればもっと表現しやすいんでしょうが、無いものねだりしても仕方無いので拙い文章だけで我慢して下さい。それと実は華雄さんには真名を考えていたりします。

使うかどうかはまだ未定ですが・・・

 

 

ではまた次回!!


 
このエントリーをはてなブックマークに追加
 
 
10
0

コメントの閲覧と書き込みにはログインが必要です。

この作品について報告する

追加するフォルダを選択