No.656099 英雄伝説~光と闇の軌跡~ 912soranoさん 2014-01-20 00:00:01 投稿 / 全2ページ 総閲覧数:1696 閲覧ユーザー数:1597 |
~最果ての道~
「え――――」
矢が背中に刺さった事に気付いたマリアベルは呆け
「ケ、ケビンさん!?い、いつの間に後ろに回ったの~!?」
ケビンの登場にミントは驚きの表情で声を上げた。
「いや~、みんなが話に夢中になっている間に背後に回らせてもらったわ。――――おかげで”白面”の時と違って、楽に滅する事ができたわ。」
ミントの言葉を聞いたケビンは苦笑した後冷酷な笑みを浮かべ
「やはりその為に動いていたのですか……」
「へえ………わたし達にしかわからないぐらいに気配を消して動いていたなんて、気配の隠し方、結構上手いね。」
ケビンの言葉を聞いたヨシュアは複雑そうな表情をし、フィーは感心し
「え?え?ど、どういう事??」
エステルは戸惑った様子でケビンを見つめていた。するとその時マリアベルの両足が白くなり始めた!
「なっ!?こ、これは一体……!あ、足が動かない……!?」
自分の足が動かない事に気付いたマリアベルは信じられない表情をし
「―――――”塩の杭”。かつてノーザンブリア北部を塩の海に変えた禁断の呪具や。こんな物まで持ち出す羽目にさせるなんて……あの”白面”のように、七耀教会から相当目を付けられたのが運の尽きやったな。」
「その杭の呪いはあまりにも凄まじく、命中すれば対象者を短時間で塩へと変えてしまいます。ちなみに呪いの解呪は不可能です。いくら貴女が卓越した才能を持つ魔導師と言えど、”塩の杭”の呪いは防げません。」
「教会は基本どの勢力に対しても中立だけど、お嬢さんはやりすぎてしまったのさ。悪いけどお嬢さんはここで”終わり”だよ」
ケビンは冷酷な笑みを浮かべてマリアベルを見つめ、リースとワジは真剣な表情で言い
「!!あ、貴方達………いえ、”七耀教会”はこのわたくしを”外法認定”して滅する為にそんな物まで持ち出してこの場に来たのですか……!」
ケビン達の説明を聞いたマリアベルは目を見開いた後怒りの表情でケビン達を睨み
「ああ、そうや………あんたは魔導師として厄介そうやったからな………”白面”を殺(や)った方法と同じやねんから、光栄に思いや?奴と同じぐらい警戒されていた証拠やねんからな。」
睨まれたケビンは冷酷な笑みを浮かべて答え
「ちなみに既に”結社”はレン達メンフィルによって滅ぼされているから、万が一”塩の杭”の呪いを止めて、この場から逃げる事ができても貴女を庇ってくれる人や組織はどこにもないわよ♪」
「なあっ………!?”結社”まで……!?」
凶悪な笑みを浮かべて言ったレンの話を聞いたマリアベルは驚きの表情で口を大きく開けた。
「へっ!?じゃ、じゃあ”教授”は………!」
「”塩の杭”で滅せられたのか………」
ケビンの説明を聞いたエステルは驚き、ヨシュアは真剣な表情になり
「うわ~………”塩の杭”って言ったら、ノーザンブリアを塩の海に変えたって言われている”古代遺物(アーティファクト)”でしょ?よくそんな物を平気で使うね~。」
「………まさか、暗殺を確実に成功させるために”古代遺物(アーティファクト)”まで持ち出すとは………七耀教会の”闇”は思った以上に相当深いようだな………」
表情を引き攣らせながら言ったミリアムの言葉に続くようにヴィクターは重々しい様子を纏って呟いた。
「なっ!?」
「そ、そんな……!?」
「ケビン神父!シスターリース!それにヘミスフィア!これは一体どういう事だ!?」
一方3人の説明を聞いていたロイドとエリィは声を上げ、ダドリーは厳しい表情でケビン達を睨んで声を上げた。
「………今までの所業を考えると教会もマリアベル・クロイスの存在をこれ以上見過ごせんようでしてな……先日マリアベル・クロイスの”外法認定”が決定し、現場に向かうオレ達で”処分”するようにと上から言われたんですわ。」
「………なお”塩の杭”はマリアベル・クロイスを確実に滅する為に先日極秘のルートで届けられたのです。」
「ちなみに法皇猊下からも必ず滅するようにと、通達が来ているよ。」
「そ、そんな!?七耀教会が………それも法皇ほどの高潔な位についている方が暗殺を認めるなんて………」
ケビン達の説明を聞いたノエルは信じられない表情で声を上げ
(………”守護騎士”第五位”外法狩り”………いえ、”千の護手”ケビン・グラハム………道が違えば、彼と争う事があったのかも……)
リーシャは真剣な表情で黙ってケビンを見つめ
「………エイドス殿、貴女自身を崇めている宗教があんな事をしているのに、その所業をむざむざと見過ごしてよろしいのですか……!?」
ラウラは厳しい表情でエイドスを見つめて言った。
「…………悲しい事ですが……クロイス家は”やり過ぎました”。私の答えはそれだけです。」
「つまり女神自身すら許せない程、罪を重ねたという事ですか……」
目を伏せて呟いたエイドスの言葉を聞いたガイウスは重々しい様子を纏ってエイドスを見つめた。
「……エイドスが気に病む事はないと思うよ。」
「そうですね………彼女は罪を重ねすぎました。」
「世界を戦乱に導き、歴史を思いのままに改変しようとし………そして世界中どころか歴史中の人々の命を弄ぼうとした罪は一生をかけても償えません………――貴女の罪は世界……いえ、歴史上最も重い罪なのですよ。」
アドルは目を伏せて呟き、エレナとフィーナはそれぞれ真剣な表情でマリアベルを見つめ
「因果を操ろうとした結果……その操ろうした因果(キーア)の行動がきっかけで自分が討たれる事になるなんて、まさに”因果応報”だね………」
「ええ………”星”も決して彼女の存在を許さないでしょうね………」
「……あの人の罪はあまりにも重すぎるから当然の結果だと思うの。」
ナユタとクレハは重々しい様子を纏って呟き、ノイは目を伏せて呟き
「あなた………わたしたちにとって……迷惑な事………やりすぎ………タルちゃん………あなたの魂来たら……”裁く”って言ってた………」
「――――因果を操り、歴史を変えようとした罪はあまりにも重いです。貴女は死後、”冥王”タルタロス様御自身の手によって裁かれますので転生すら許されません。」
ナベリウスは静かに呟き、リタは真剣な表情でマリアベルを睨みながらナベリウスが呟いた言葉に込められている意味をその場にいる全員が解かりやすいように説明し
「”冥王”自身の裁き………―――”魂の消滅”か。」
「あのような外道、新たなる生を受ける事すら許されなくて当然ですわ。」
「ま、私達……というか、神々が現存するディル=リフィーナに歯向かったのが運の尽きね。」
二人の話を聞いたセリカは真剣な表情で呟き、フェミリンスは納得した様子で頷き、カーリアンは静かな表情で呟いた。
「フン、まさかこんな結末になるとはな。」
「………ゼムリア大陸を混乱に導いた元凶の最期にしてはあまりにもあっけない結末ね。」
ユーシスは鼻を鳴らして呟いた後目を細めてどんどん塩化が進んでいるマリアベルを睨み、サラは目を伏せて呟き
「キーアさん!まさかわたくしやお父様が”こうなる事”も識(し)っていたのですか!?」
一方塩化が進んでいるマリアベルはイアンの治療をしているキーアを睨んで叫び
「……………………………」
キーアはマリアベルの叫びに答えず、セシルと共にイアンを治療しながら静かに首を縦に振った。
「!!」
頭を縦に振ったキーアを見たマリアベルは目を見開き
「”D∴G教団”を陰から操っていた最低最悪の一族の末裔、”魔女”マリアベル・クロイス。あんたは空の女神(エイドス)どころか他の神々にまで怒りを買わせるほど”やりすぎた”。神々に怒りを買わせるほどの所業をしたあんたは教会も見過ごす訳にはいかん。大人しく滅びとき。」
ケビンはマリアベルに冷たい視線を向けたまま、淡々と言った。
「おの……れぇっ……!紛い物の存在が紛い物の愛によって紛い物を生み出した主(わたくし達)に逆らった挙句、わたくし達の死のきっかけを作ったなんて……!絶対に許しませんわ!紛い物が望んだ幸福は所詮は紛い物であった事を思い知りなさい!!」
するとその時マリアベルは怒りの表情で叫んだ後杖に膨大な魔力を込めて解放した。
「う……ああああぁぁぁ―――――――――ッ!?」
マリアベルが杖に込めた膨大な魔力を解放すると幹に埋まっているキーアは悲鳴を上げると共に何かの繭に包まれ
「キーア――――――――――――ッ!?」
その様子を見たロイドは声を上げ
「うふふ、大好きな人達を自分の手で殺して絶望に陥り、紛い物の分際で主に逆らえばどうなるか思い知るがいいですわ!さあ、”碧の虚神(デミウルゴス)”よ!何もかも、滅茶苦茶にしなさい!アハハハハハハハハ―――――――」
マリアベルは狂喜な笑みを浮かべて笑いながら完全に塩化して塩の像となった!
「ベル――――――ッ!」
塩の像となった事で完全に絶命したマリアベルを見たエリィは叫んだ。そして塩化したマリアベルの像はキーアが包まれた繭が発し続ける膨大な神気によって崩れ、マリアベルがいた場所は塩の山となった!
こうして………マリアベル・クロイスは壮絶な最期を遂げ………女神を超える”至宝”を求めた古代の錬金術師の一族―――”クロイス家”は完全に滅んだ……………!
フハハハハハ!という事でマリアベルは”塩の杭”で殺された挙句、死後”冥き途”ではタルタロスの手によって2度と転生できないように魂の消滅までさせられる事になりました!(黒笑)ちなみにマリアベルを殺す手段を思いついたきっかけは”教授”の後釜なんだから、いっそ”教授”と同じやられ方にしたら面白いかなと思ったからですww
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第912話