No.653434

悲しみを消す為に・・・

恋姫の二次創作です。

一刀は愛紗と同じくらいの力を持っているのにみんなに秘密にしているという設定以外何もいじらずに書いていきます。

わけあって徐州逃亡戦から書いていきます。後々前の話を載せていくと思います。

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2014-01-10 18:30:05 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:2222   閲覧ユーザー数:1992

 
 

~第1章 一刀死亡!?~

 

 

 

 

俺たちは徐州を捨て成都へ逃げている最中である。

そこで俺はある策を提案した。

 

策と言うにはあまりにも拙いが相手が曹操だからこそ有効だと言える。

 

 

 

 

「そんなのだめだよ!」

 

 

 

 

「そうです、ご主人様様は桃香様と前に!」

 

 

 

 

桃香と愛紗は猛反対だった。

 

 

 

 

「囮になるってことですか。。。」

 

 

 

 

「囮って言うより餌かな?」

 

 

 

 

「同じ事です!!」

 

 

 

 

雛里と朱里も止めてくる。

 

今思うと我ながら馬鹿な事を言い出したと思っている。

 

 

 

 

俺は覚悟と決意を話した。

 

これは、俺にしかできない事で俺がやるべき事だと…

 

 

 

 

「主の覚悟。しかと受け取った。」

 

 

 

 

星は唯一だろうか、俺の背中を押してくれた。

 

そして俺と、鈴々と恋と音々音の四人と一万強の兵士が残り

 

長坂橋渡った所にに鈴々と恋、

 

すぐ後ろの本陣に俺と音々音で陣取った。

 

 

 

 

戦闘がはじまり

 

鈴々と恋は凄まじい武力と闘気で魏の将たちを圧倒していた。

 

俺と音々音は先に後退した。

 

こちらに戦況が偏っていたはずだった。。。

 

 

 

 

「放てぇーーー!!!

 

 

 

 

声に続き大量の弓が降り注ぐ

 

 

 

 

「ねね!!」

 

 

 

 

ドサッ……

 

 

 

 

「何するです!!今はふざけ…てる…場合では………」

 

 

 

 

音々音の上に被さった俺は背中に大量の矢が刺さり何処に刺さっているかわからないほど麻痺していた。

 

 

 

 

「ねね。作戦変更だ……

 

伝令を放ち恋と鈴々と合流して撤退だ。」

 

 

 

 

「な、何を言ってるです!!」

 

 

 

 

「伝令!!前線の鈴々と恋に撤退命令を伝えろ!!俺は先に離脱していると言え!!」

 

 

 

 

「し、しかし!!」

 

 

 

 

「生き残る為だ!言う通りにしろ!!!」

 

 

 

 

伝令は前線へ向かった。

 

 

 

 

「ねね、ごめんな。」

 

 

 

 

「何をすっ……。」

 

 

 

 

俺の愛馬の白帝にねねを縛り、上から俺の上着を着せ走らせた。

 

 

 

 

「全軍撤退だー!!」

 

 

 

 

誰もが走っているのを俺だと考えあとに続く

 

 

 

 

「ごめんな。爺ちゃん約束破るよ。」

 

 

 

 

祖父との約束、俺が剣術の神童と呼ばれていた事、師匠を殺した事、人前でこの力を示さない事。

 

この三つだった。

 

現在の日本では剣豪という身分などなく時代と共に消えていくものだと言う。

 

しかし、祖父いや師匠はその剣術を次世代に継承する事が夢だった。

 

その夢を叶え、同時に命を奪ったのが俺、北郷一刀だ。

 

死合いの前に誓った約束がそれだった。

 

 

 

 

「ほう、お前が大将か?」

 

 

 

 

可愛げのあるアルトボイスの女の子。

 

旗は曹。

 

多分、曹操の家系のものだろう。

 

 

 

 

「…北郷一刀だ。」

 

 

 

 

「ほうほう。まさかの大物を手に入れるとはついている。」

 

 

 

 

正直、立つことすらままならない状態だが。

 

何とか時間を稼がなくてはいけない。

 

 

 

 

「…曹操なら撤退したみたいだが?…何故ここに来た?」

 

 

 

 

「それは私が姉様の部下では無いからだ。」

 

 

 

 

「なるほど…ゲホッゲホッ!!」

 

 

 

 

明らかに異常な咳がでる。

 

限界を俺に伝えるかのように。

 

だが、諦めて死ぬわけにはいかない。

 

まだ俺にはやるべきことがあるのだから…

 

俺は静かに刀を構えた。

 

 

 

 

「見ねぇ構えだな。面白い!」

 

 

 

 

相手の獲物は鎖鎌。

 

やつの後ろには数百の敵兵。

 

自分の生き残れる希望は無い。

 

ならば、逃げているものたちの為に時を稼ごう。それが俺のなすべき事!!

 

 

 

 

「姉様に伝令送ったから待って居たかったんだけど、仕方ないよね。」

 

 

 

 

「………そうか。」

 

 

 

 

視界がボヤけ、耳も聞こえなくなって来た。

 

いよいよ自分の最後の時が近づいている。

 

 

 

 

「一撃でしとめる!!」

 

 

 

 

「~~~~ッ!!」

 

 

 

 

ああ、こんなもんなのかな。

 

俺はそこで意識を手離した。。。

 

 

 

 

ーーーーー

 

 

 

 

ーーー

 

 

 

 

 

 

 

「……いつまでここにいらっしゃるつもりだ?」

 

 

 

 

「ご主人様達がまだ戻ってくるまで、ここから動くつもりは無いよ」

 

 

 

 

「翠が加わり無事に無血入城できた。桃香様のなすべき事は果たしました。そろそろ中に入りませんか?」

 

 

 

 

「やだ。ここで待ってる」

 

 

 

 

桃香様はここを動こうとしない。

 

桃香様こうと決めたら断固としてやり通す。

 

どんなに不器用でも回りを気にせずやり通す力を持っている。

 

それはいいのだが。。。

 

 

 

 

「うーむ…しかしいつ頃ご帰還されるか、わからんのですよ?」

 

 

 

 

「それでも待ってる。…今の私には待つことしか出来ないけど……。でも待つことだけはずっと出来るんだから」

 

 

 

 

「ふむ…では肩掛けをお持ちしましよう。」

 

 

 

 

「ん。ありがと」

 

 

 

 

「では……」

 

 

 

 

星が中へ入ろうとしたその時!

 

 

 

 

「申し上げます!!」

 

 

 

 

兵士が走ってきた。

 

その様子から何か不吉な思いが脳裏をよぎる。

 

 

 

 

「ただいま殿が戻られました!陳宮様、に続き張飛様、呂布様もご無事です!

 

また、民間人達も無事に到着しました!」

 

 

 

 

「桃香様!」

 

 

 

 

「うんっ!」

 

 

 

 

星は違和感を感じていた。

 

何故、主の名前をあげなかったのかと。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「どういうことだっ!!」

 

 

 

 

愛紗の怒鳴り声が響いてくる。

 

星感じた違和感は疑念に変わり、

 

目にして確信に変わった。

 

 

 

 

そこには血に染まった一刀の上着を羽織る音々音の姿があった。

 

 

 

 

「なんで!ご主人様がおられない!!答えろ!!」

 

 

 

 

「落ち着け、愛紗!!」

 

 

 

 

状況を確認する為に星は愛紗を止める。

 

 

 

 

「星、桃香様。」

 

 

 

 

「鈴々ちゃん!恋ちゃん!ねねちゃんおかえり!ご主人様は?」

 

 

 

 

鈴々は顔をあげず、恋は凄まじい闘気を発している。

 

その横で泣いている音々音が話しはじめた。

 

 

 

 

「ねねが…ねねが悪いのです。あの時、奇襲を予測していれば、あいつは死なずに済んだのですぅ…」

 

 

 

 

死なずに済んだ。

 

その言葉を聞いて平常心でいられるものはこの場にはいなかった。

 

 

 

 

「どういう事だ!!音々音!詳しく話せ!」

 

 

 

 

星は声を張り上げる

 

 

 

 

「奇襲を受け、先に撤退したねねとあいつの部隊は半壊。その時ねねを庇ってあいつは数十本の矢を受け動くことさえままならない状態でねねを気絶させあいつの馬に乗せ皆があいつだと思うように服を着せて。。。それでぇ……ぇぐ……」

 

 

 

 

「うそ、だよ……嘘だよね。嘘だよ………」

 

 

 

 

桃香はその場に崩れ落ちた。

 

 

 

 

「確認したのか?ご主人様の亡骸を確認したのか!!」

 

 

 

 

「……なかったのだ。」

 

 

 

 

鈴々が口を開く

 

 

 

 

「お兄ちゃんがいなくて…引き返して探したけど、お兄ちゃん何処にもいかったのだ!!」

 

 

 

 

「…鈴々。」

 

 

 

 

「どうすれば良かったのだ?教えて欲しいのだ!どうすれば良かったのだっ!!」

 

 

 

 

鈴々は駄々っ子のように泣きながら叫ぶ。

 

 

 

 

「なら、まだご主人様は生きておられる曹操の所にいるはずだ。」

 

 

 

 

「愛紗!!!」

 

 

 

 

星は今までで一番大きな声で叫ぶ!

 

 

 

 

「望みの薄い希望を与えるのはやめろ!!」

 

 

 

 

「星、貴様!!!」

 

 

 

 

星の胸ぐらを掴みかかる愛紗。

 

 

 

 

「我々は今何をすべきか考えろ!!淡い希望など周りをヌカ喜びさせるだけだ!」

 

 

 

 

「星!!お前は主人様が大切では無いのか!!心配では無いのか!!」

 

 

 

 

「そんな訳があるか!!だが、今、我らは主が作ってくれた時間を有効に使っていかなければならない。それが出来なければ我らはこの乱世から消えるしか無いのだ!!」

 

 

 

 

愛紗は星の胸ぐらから手を離し床に拳を打ち付けた。

 

 

 

 

「わかっている。わかってはいるが!!ああああああああああぁぁぁぁぁ!!」

 

 

 

 

この日を境に皆の心に何かがかけてしまった。

 

死んでいるかもしれない、もしかしたら生きているかも、徐州に曹操が攻めてこなければ、乱世でなければそんな幾つもの思いが一人一人の心を蝕み苦しめて行った。

 
 

 
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