No.651886

真・恋姫†無双 巡る外史と仮面の魔神 二十二話

XXXさん

仮面編

優しくしてあげる

2014-01-05 07:00:01 投稿 / 全4ページ    総閲覧数:1812   閲覧ユーザー数:1651

今日のリトの予定は至って単純、午前は訓練をし、午後は軍師+αに自分の世界の技術、分化、政事、その他諸々を教えることになっている。

ちなみにαとはおしゃれ好きな沙和、機械関係をすぐ作ってしまう真桜、個人的に知りたい曹操だ。

それでもって始めようとするのだが…何故か陸孫だけ椅子に縛られている。

 

「ど…どったのそいつ…?」

「気にするな、いつものことだ」

「はう…」

「あ、はい」

「そんな~~、ほどいてくださいよ~」

 

痰として言う周瑜に顔を赤らめる呂蒙を見て返事をしてしまう。

なんかこの方がいいような…

超直感が響くのでこのままにしておいた。

陸孫はほどけと上下左右に動いているので大きい胸がそれに合わせて動いている。

それを見て、諸葛亮や鳳統といった『ない人』が彼女をじっと見つめた。

 

「それで…早く内容の方を聞かせてくれないかしら?」

「おお、悪いな。じゃあ最初は――――」

 

少し呆れながらも曹操はリトに話をするようにする。

まあ、この空気のままだとやる気が削がれるのだが…

以降はその会話の一部である。

 

「ひこうき……ってなんや?」

「簡単に言えば空を飛ぶ乗り物。一人乗りとか、大人数で乗るのとかあるんだよ」

「何でそんなに乗るんですかねー?」

「短時間で遠い場所に移動するためだよ。数時間…数刻で何千里も離れた場所に移動するためにな」

「へぇ…」

 

「ねぇねぇ、お洒落とか何かないの?」

「お洒落…か。俺はそういうの乏しいけど友達とかがやってたのは…ゴスロリとか?あと、メイド服…チャイナ服…あと普通にコスプレだな。あとは普段着が色々…」

「じゃあそれ全部描いてほしいの!」

「え゛?…後でいいか?ググっとくから」

 

「学校…とはなんだ?」

「私塾…見たいなものかな?義務教育って言ってさ、六歳ぐらいから十五歳ぐらいまで誰でも勉強できるんだよ。それ以降は…また勉強したり就職したり」

「は、はわわ!?誰でもなんでしゅか!?」

「あ、ありえましぇん!?」

「うん、取りあえず落ち着こうか。かみかみだぞ」

 

「俺の国…日本て言うんだけどさ。色々人気なんだよ、主にサブカルチャーで」

「さ…ぶ…?…なによそれ?」

「ジャパニーズアニメーションだったり漫画だったり。あとメイドさんとか、アイドル…偶像とかが人気だな」

「あい…どる…ですか?」

「うう…今になって恥ずかしいのです…もうやらないのです…」

「そうか…可愛かったのに…」

「やっぱりまたやるのです!リト兄ィと二人きりで!」

「恥ずかしいから?」

(それとは別だと思います、平沢殿…!)

 

「合金…と言うのは、どういった物なのですか…?」

「何で怯えてんの…?まあ、複数の金属を混ぜ合わせたものかな?俺のマント…外套もそうだし」

「それも?なんかそう思えないんだけど…」

「お菊おばあちゃんの使ってた超合金Z製のワイヤーで編んでるからな。分かりづらいだろうよ」

「それってどれくらい固いんですか~?」

「かなり固いよ?ちなみにこれをさらに加工すると超合金ニューZ、さらに加工すると超合金ニューZαになる」

「名前長いだけじゃないんか…?」

「知ってるか?超合金ニューZαはマグマ…溶岩でも溶けないんだぜ?」

 

「え、同性婚ができる国があるですって!?教えなさい、ケダモノ男!」

「確かブラジル辺りだっけか?」

「華琳様、今すぐそこへ行きましょう!そして…」

「あ、でも今はどうなのか分かんないや」

「なによそれ!?期待させるんじゃないわよ全自動孕ませ人間!」

「悪い悪い」

「…それよりも言うところが有るんじゃないの?」

 

 

と言った具合だった。

かれこれ話続けて外はもう日が落ちかけている。

今日はもうお仕舞いになった。

 

「なんか疲れたわー」

「すまないな、協力感謝する」

「いいよ、これはこれで楽しかったし。……てもう陸孫自由にしてやれよ」

「あ…今はまだいけませ…!」

 

リトがもういいだろ、と思いながら陸孫を縛ってある縄に手をかける。

呂蒙はそれを止めようとしたが、遅かった。

縄をほどかれ自由になった陸孫は、リトに飛びかかる。

「はぁ~~~ん♪♪♪」

「ウェァアアア!?」

「あーーー!?」

「「ああ、やっぱり」」

「ちょ、どうしたのよあれ!?」

「穏はな……新しい知識を吸収すると、発情する性癖を持っているのだ…」

「はい…ほとんど見境なく誰かを襲います…」

「ツッチョ…ミデナイウェ、ダジゲデ……ミミウォアマガミスナァァ!?」

 

押し倒されたリトは耳を甘噛みさせられ、服の中をまさぐられている。

あ、このままじゃやべぇ…そう思ったリトは陸孫を気絶させようと動く。

少しばかり暴れていたが、なんとか気絶させれた。

だがその拍子に、リトの髪を束ねていた紐がほどけてしまう。

 

「ぜぇ…ぜぇ……あ、あぶね…!」

「「「…………」」」

「Ο□Ο」

「ん…?どした、お前ら?」

 

全員が絶句し、音々音は表情が固まってしまった。

何故そうなったのか…その原因はリトにある。

 

「平沢……お前、女…だったのか…?」

「…あ、やべ。取れてたわ」

 

そういって紐を拾うリト…その声はいつもより高い。

そう……今のリトの体は男ではなく女になっている。

身長が拳一つ分小さくなり、髪は肩甲骨近くまで伸び、括れや胸までもしっかりある。

しかも巨乳で顔もいつもの怠そうな顔でなければ美人と言ってもいいほど。

 

「いやさ、けっこう前にとある月の医者、てか賢者…えーりんって言うんだけどさ。そいつの薬飲んで女にされちまったんだよ。ただ、この紐つけてるとその薬の効果が消えるけどさ」

「そ…そんなものがあるんでしゅか?」

「鳳統落ち着け。まあ、能力によって作った薬だからな。俺えーりんに勝って一応使えるんだけど…アイツ天才だから作れた訳であって凡人の俺にゃあ作れない。医学知識皆無だし、それに元々治らないって言ってたし」

 

そう…リトはその昔、『東方』の世界に行ったことがある。

暫くそこに滞在していると、えーりん…まあ、某仮面ライダーのヒートトリガーカラーもしくはシンメトリカルドッキングする勇者ロボの配色をした医者に騙され、変な薬を飲んでしまった。

それが所謂女体化の薬…適当に作っていたので元に戻す薬はなく、それも予想して効果を消す紐を用意した結果がこれだ。

 

「不便じゃないし、この紐あればなんとかなるから気にしてないんだけどさ」

「そうなの…?」

「そうなの。で……曹操の視線が凄すぎてやばいんだけど…」

 

そういって汗をたらりとかくリト…この場合リコは曹操を見る。

そこにいた曹操は…一言で言えば狩人の目をしていた。

ライオンに狙われるシマウマの気持ちが分かった気がする。

 

「平沢…やっぱり貴女は私の物になるべきだわ」

「「華琳様!?」」

「おおー、お兄さん…いえ、お姉さんモテモテですねー」

「こんなモテ方ゴメンだね。あと断る。俺は男として生きるから」

 

軍師二人が驚き、一人は冷静にリコを煽る。

リコはそれに嫌な顔をして曹操に断る。

だが…曹操は止まらない。

 

「男として?そんな生き方は人生を無駄にしているようなものじゃない。私は貴女に全てを与えてあげるわ。何の不自由もなく…ね。だから貴女は私の物になりなさい、むしろなるのよ」

「華琳様いけません!この全身白汚男は女の姿で華琳様の元に近づいて孕ますつもりです!」

「するか!近づきもしないし、女になるきもねぇよ!」

「あら……その紐を斬って燃やせば、貴女は女のままになるのだけど?」

 

瞬間、リコは紐を縛り、リトになりながら部屋の外に出る。

そう…窓から、飛び出て…

 

「――洒落にならんわぁぁぁぁぁぁ!」

「くっ!待ちなさい!」

「ああ、華琳様お待ちください!」

「…私達はどうすればいいんでしょうか?」

「さあな」

「はーい、稟ちゃんとんとんですよー」

「フガフガ…」

 

 

「うぉぉぉぉぉぉ!」

 

リトは野生の本能故か、全力で走っていた。

その早さは先程までいた場所からかなり遠くまで逃げたほど。

取りあえず身を隠そうと手頃な木の上に登り、周りを見渡すと…どこからか矢が飛んできた。

 

「おわ!?」

「秋蘭、傷は負わせないでね…傷物になったら困るから」

「御意」

「げっ、夏侯淵!」

 

矢を放ったのは夏侯淵…なるほど、曹操に命令されたのか。

リトは最初の矢をかわし、二発目、三発目はブレストリガーで粉砕させ移動する。

その間に曹操がやって来たので、そこから別の木に飛び乗って移動し始めた。

 

「あ~~ばよ、とっつぁ~~ん!」

「逃げ足は早いわね…追撃しなさい!」

「平沢、悪いな。これも命令なもので…な!」

 

後ろから矢が何発も来るが、リトは超直感でそれを振り向かずによけ続ける。

建物に入れば矢はあまり飛んでこないだろう…そう思い、進路を近くの建物に変えようとした所で、リトの今いる木に夏侯惇がやって来た。

しかも、斬りかかって…

 

「くたばれぇぇっっ!!」

「ウェアアアアアアア!?」

「貴様ぁ…!華琳様と季衣達を孕ませようとしているだとぉ…!!」

「なにそれ!?誰情報!?」

「桂花だ!」

「アイッツゥゥゥゥゥゥゥ!」

 

心の奥底から怒りの言葉が出てくる。

ほんと何したいんだよ…!

リトはそう思いながら地上に場を移した。

建物に急ぐが……そこにはすでに曹操が陣取っている。

しかも、夏侯淵付で。

後ろからは夏侯惇も来たのでけっこう逃げ場がない。

 

「なんだよ、マジでこんなことに本気出すんだよ!?」

「さあ、平沢。私の物に…!」

「斬る…平沢ぁ!」

「はぁ……」

「男の何が悪い!今更俺は女になる気なんてこれっぽっちもねぇぞ!!」

「怯えてるのかしら?大丈夫よ……優しくしてあげるから…」

「さっさと首を斬られろ!女々しいぞ!!」

 

ドブチィッ…!とどこから堪忍袋の緒が切れる音がする。

夏侯淵は焔耶が鋼鉄参謀にとり憑いた時の事を思いだし、嫌な汗をぶわっと流した。

リトは『魔王達の仮面』をつけると手を翳す。

その瞬間…曹操達三人の持っていた武器が原形がわからなくなるまで粉々に砕け散った。

 

「「「えっ…?」」」

「……………」

「ひっ…!?」

 

リトは『ありとあらゆるものを破壊する程度の能力』を使い武器を壊した。

さらに隠れて様子を見ていた荀彧を見つけ、殺気だつ。

とっさに逃げようとした荀彧だが、『距離を操る程度の能力』により一気に距離を縮められ、襟元を捕まれ連行された。

 

「……………」

「ひっ…平沢…?」

「全員正座」

「お、おい!何を言って」

「全員正座」

「聞きなさいよこの」

「正座」

「平さ」

「セイザ」

「「「…………」」」

 

異論を唱えた夏侯惇達だが、最後の方でドスの聞いた声になったので黙って正座をした。

王とその部下を正座させているのは普通はあり得ない、だがこの時の曹操達は身の危険を感じていたのだ。

リトは仮面を付けたまま話し続けた。

 

「曹操…お前、嫌だって言ってるの解んないのか?少しは自重しろ」

「…そうね、少しやり過ぎたわ。反省します」

「夏侯淵は何で止めない?一応止めるのはお前の仕事だろ?」

「…以後、気をつけよう」

「夏侯惇…お前荀彧に騙された回数わかるか?」

「三十から先は数えていない」

「ご苦労だな。それで何で今回も騙された?そして何で騙した、荀彧?」

「あ、あんたが華琳様を孕ませようと…!?」

「「「ッ!?」」」

「OK…もう喋るな」

 

途中で荀彧の言葉が途切れる。

何事かと曹操達三人は荀彧を見ると、荀彧の口は塞がっていた。

所謂口だけのっぺらぼう状態である。

『境界を操る程度の能力』で荀彧の上唇と下唇の境界を繋げたのだ。

故に荀彧はパニックになっており、鼻で息をしている。

 

「ッ…!ッ!!」

「これ以上騒ぐとお前を肉塊にする。生きたままな。これは脅しじゃない」

「………」

「よろしい。じゃあ…部下の責任は上司の責任ということで、曹操…ごめんなさいは…?」

「………ごめんなさい」

「声小さい、もう一回」

「…ごめんなさい」

「…まあいいか。そういや、荀彧の苦手な物は?」

「たしか…蛇や虫の類じゃあ…」

 

仮面の奥でニンマリとしたリトはゴルディオンハンマーをとりだし、人一人分入りそうな位の穴を作る。

そして、ある能力でとある物を呼んでいた。

それは……たくさんの昆虫達。

 

「「「なっ…!?」」」

「『蟲を操る程度の能力』…さて、荀彧にはこの穴に入って夕飯までいてもらう。虫達と一緒にな」

「ッ!?……!?」

「心配するな。虫達にはお前に触れないようにさせておく。もっとも……お前が穴から逃げなければの話だが」

「…!?」

「恨むんなら日頃の自分の行いを恨め。口は夕飯の時に直してやるよ……じゃあな」

 

そういって荀彧を穴に入れる。

少しばかり暴れたが、威圧と言うかなんと言うか…そのようなものを感じ黙ってしまった。

その後、荀彧は穴の中でgkbrしながら夕飯まで待ったそうな。

 

 

「Ο□Ο」

「ねねちゃん……まだ固まってるね」

「ど、どうしよ…あわわ…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

XXX「作者と!」

一刀「一刀の!」

X一「「後書きコーナー!」」

 

一刀「うん、桂花ドンマイ」

XXX「でも一番の被害者は危うく女にされて、将来曹操の物にさせられそうになったリトだよ」

一刀「まあな…で…今回は…」

XXX「今回は東方の能力をやってみましたー」

一刀「今更だけどさ、リトの能力って…」

XXX「簡単に言えば妖怪とか天使とか、現実世界にいない空想上の存在を倒すとその固有能力を自分の物にできる能力」

一刀「それって奪うってことか?」

XXX「んーん?奪うって言うより写しとるだね。そうじゃなかったら今ごろゆかりん何もできないニートだよ」

一刀「そか……あと女体化できんの?」

XXX「うわ…こいつリトのこと襲う気満々だ…」

一刀「襲うか!」

XXX「はいはい…まあ書いてた通り月の医者のせいだね。でもこのお陰で潜入とか楽になったのも事実だよん」

 

一刀「てか華琳に正座させるなんて…次回、真・恋姫†無双巡る外史と仮面の魔神二十三話は」

XXX「仮面編 “君だけを守りたい”。べつに歌回じゃないです」

一刀「歌…ああ、某ウルトラのな…」

 

ー△ーノシ再見


 
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