No.650244 ~少年が望んだ世界と力~2013-12-31 23:01:15 投稿 / 全2ページ 総閲覧数:2597 閲覧ユーザー数:2309 |
三人称Side
フェイト、ブルーフレームセカンドL、カスタムフラッグ、フラッグVSシグナム
「はぁぁあああっ!」
「っ!!」
カスタムフラッグ達との戦闘でデバイスのレヴァンティンが弾き飛ばされ、丸腰状態になったシグナムの右上からフェイトが接近、接近を許してしまったシグナムは目を大きく見開く。
フェイトはバルディッシュを横から振り、魔力刃がシグナムに迫る。
ヴィー、ヴィー、ヴィー
「!!敵が接近している!」
「なんと!」
「気をつけろ少女!新手だ」
「えっ!?」
「来たれ!古より伝わりし聖なる魔法の剣、『ヴァトラスソード』!」
ブルーフレームセカンドLのセンサーが接近してくる敵を捉え警報を鳴らし、それを聞いたカスタムフラッグは大声でフェイトに注意を呼びかける。
それを聞いたフェイトが一瞬シグナムから目線を離した時、何やら呪文を唱える声が聴こえ、目線を戻す。
ガキンッ!
「あっ!」
目線を正面に戻した時、何者かがフェイトとシグナムの間に入り、フェイトが振るったバルディッシュの持ち手の部分を右手に持っている剣で受け止めて、その際、金属同士がぶつかり合う音が響く。
そのバルディッシュを受け止めた相手を見てフェイトは目を見開き、声を漏らす。
「まさか!」
「この世界にもMSが居たとはな」
「しかもあれは!」
「ガン・・・ダム?!」
フェイトとシグナムの間に入り、バルディッシュを剣で防いだのは背中にマントを這おい、形状は少しウイングガンダムと似ているガンダムだった。
そのガンダムは今健悟が戦っているキャプテンガンダムと同じ「SDガンダムフォース」に登場した騎士(ナイト)ガンダム「翼の騎士 ゼロ」。
ゼロが現れてフラッグ、カスタムフラッグは驚きの声を上げ、ブルーフレームセカンドLは落ち着いた様子ではあるがこの世界にMSがいたことに驚き、目の前に健悟が召喚した以外のガンダムが現れたことにフェイトは驚き、僅かに震えた声で呟く。
「はあッ!」
「ああっ!」
バルディッシュを受け止めていたゼロは右手の剣「ヴァトラスソード」を大きく振り払う。
振り払われた勢いでフェイトは後ろに飛ばされ、すぐに体勢を立て直し、バルデイッシュを構える。
「1人の女性を相手に向って大勢で挑むとは・・・・・美しくないぞ!」
「まあ別に間違っちゃいないけどな」
ゼロの言葉の後に続いて声が聴こえてくる。
フェイト達が視線を向けるとレヴァンティンが突き刺さっているビルの屋上に突き刺さったレヴァンティンを回収したキャプテン達と同じ「SDガンダムフォース」に登場し、ザッパーザクと同じ元ダークアクシズ部隊長「グラップラーグフ」がいた。
「ゼロ、グフ」
「大丈夫かシグナム?」
「随分苦戦してるなぁ。ほら」
「すまない」
ジグナムがゼロとグラップラーグフの名を呟き、ゼロはすぐにシグナムに無事かどうかを確かめる。
グラップラーグフは苦戦しているシグナムを見て少し意外そうに言いながらシグナムに向けてレヴァンティンを投げる。
グラップラーグフから投げられたレヴァンティンを受け取り、2人に一言謝ってレヴァンティンを構える。
「あれって・・・ガンダム?」
「あの形状からして間違いない」
「しかし、随分とユニークな姿をしたガンダムだ。私もあのようなガンダムを見るのは初めてだ」
「フェニックス、聴こえるか?」
フェイト、カスタムフラッグ、フラッグが突然現れ、これまで見たことがない姿をしているゼロを不思議そうに見ている中、ブルーフレームセカンドLはフェニックスに通信を入れる。
「敵の増援が来た。敵はMS、ガンダムタイプとグフタイプと思われるが、少し奇妙な姿をしている」
通信を入れたブルーフレームセカンドLはフェニックスに現状を簡単に説明している。
「了解した」
返事を返して通信を終えるかと思ったがブルーフレームセカンドLはまだ通信を切らず、通信を聞いている。
「どうする?」
フェニックスが返答を中々しなかったのかブルーフレームセカンドLの方からフェニックスに尋ねる。
「分かった」
最終的な命令を出されたブルーフレームセカンドLは通信を切り、右手に持っていた複合武器「タクティカルアームズ」の自身の全長ほどの大きさの大剣形態「ソードフォーム」を右手でビルの屋上に突き刺す。
「こちらは傭兵部隊サーペントテール所属、ガンダムアストレイブルーフレームセカンドL。呼びにくければセカンドLで構わない。そちらの所属と行動目的を告げてもらおう」
「私はラクロア1、そしてガンダムフォースの騎士。その名も、翼の騎士(ナイト)、ゼロ!」
「俺はグラップラーグフだ」
「私達の行動目的は彼女を守ることだ」
タクティカルアームズを突き刺したブルーフレームセカンドLはフェニックスの命令に従い、ゼロとグラップラーグフに所属と行動目的を尋ねるとゼロとグラップラーグフは素直に所属と行動目的を告げる。
「所属とお前の行動目的は理解した。ならばただちに戦闘行動を停止し投降、もしくは撤退しろ。従わない場合は排除する」
「そちらが先に戦いを止めるならな」
「「・・・・・」」
所属と行動目的を聞いたブルーフレームセカンドLはゼロ達に戦闘行動の停止、投降、撤退を通告するが、それに対しゼロはブルーフレームセカンドL達に先に戦闘を停止するように言う。
互いに戦闘行動の停止を呼びかけ合うとそのまま互いに睨み合う。
「失礼」
互いに睨み合い、沈黙した状況を破ったのはフラッグだった。
「なんだ、君は?」
「失礼だと言った。先に仕掛けてきたのはそちらの守護騎士だ。我々はそれに対し自衛権を行使したにすぎない」
「・・・」
フラッグの言葉にシグナムは顔を俯かせる。
「セカンドLが言ったように速やかに戦闘行動を中止し撤退したまえ。他の仲間も一緒に」
「・・・シグナム」
カスタムフラッグはヴィータ達も含めて再度戦闘停止と撤退を勧告する。
勧告を受けたゼロはシグナムを見て声を掛ける。
「・・・悪いがこのまま魔力を蒐集出来ないまま退くわけにはいかない」
俯かせた顔を上げ、戦闘を停止し、撤退しないことを告げたたシグナムはレヴァンティンを構え直し、力を込める。
「シグナム・・・。ならば私も付き合おう。仲間を、女性を見捨てるなど騎士として美しくない!」
「しょうがない。俺も付き合ってやるさ」
「すまないな2人共」
「気に悩む必要はない。これも騎士の務め」
「カッコつけてんじゃねぇよ」
戦闘を続けるシグナムにゼロとグラップラーグフも加わることを告げるとゼロはヴァトラスソード、グラップラーグフは装備している「シールド」に収納されている「ヒートサーベル」を取り出し、フェイト達に構える。
自分の我侭に付き合せてしまう2機にシグナムは謝罪し、ゼロは気にする必要はないと返し、そのゼロの返しにグラップラーグフは若干呆れている。
「どうやら戦闘は免れないようだな。どうする?」
「警告はした。命令に従い排除する。俺とフェイトは守護騎士を相手する。いいなフェイト?」
「はい!」
「ならば、あのガンダムは私が相手をしよう」
「先を越されてしまったな。では私はグフタイプで構わない」
「おい。俺はオマケ扱いか!」
警告したにも関わらず戦闘を続けるシグナム達を命令に基づいて排除するためブルーフレームセカンドLとフェイトがシグナム、カスタムフラッグがゼロ、フラッグがグラップラーグフの相手をすることになったがフラッグの言葉にグラップラーグフが怒る。
「いくぞ」
グラップラーグフを気にすることなくブルーフレームセカンドLが動き出す。
ビルの屋上に突き刺していたタクティカルアームズ ソードフォームを右手で引き抜き、ソードフォームからMS用砲台形態「タクティカルアームズ ガトリングフォーム」に変形させ、射撃を開始する。
シグナム達が回避するとタクティカルアームズをフライトユニットに変形、バックパックに接続、シグナムに向って行き、それにフェイトも続く。
向かって行く際に右手を左太腿の方に伸ばし、両太腿側面に装備されているストライクガンダム等の物を独自改良した短刀「アーマーシュナイダー」を耐ビームコーティングした改良型を抜き、斬りかかる。
「むっ!」
振るわれるアーマーシュナイダーをシグナムはレヴァンティンで受け止める。
「・・・んっ!」
「くっ!」
アーマーシュナイダーを受け止められるとブルーフレームセカンドLは力を込め、レヴァンティンとシグナムを押し返す。
シグナムが押し返され後ろに下がり2人の間に僅かに距離が開くとブルーフレームセカンドLは右脚でミドルキックを出す。
すると右足の爪先から爪先に隠されていたアーマーシュナイダーの刃が展開される。
「!!ちっ!」
それを見たシグナムはすぐに上昇してブルーフレームセカンドLの蹴りを避ける。
しかし上昇すると正面からバルディッシュを構えたフェイトが急速に近づいてきていた。
「レヴァンティン!」
<Schlange form!>
「はああっ!」
「くっ!はっ!」
近づいてくるフェイトを見てシグナムは新しいカートリッジをレヴァンティンに装填してカートリッジをロード、シュランゲフォルムにして連結刃を振るいフェイトの接近を防ぐ。
襲い掛かる連結刃をフェイトは一撃目を避け、二撃目をバルディッシュで弾いて一度後退する、
<Photon Lancer>
「撃ち抜け!ファイヤ!」
フェイトは後退しながらもフォトンランサーを4つ展開し、シグナムに放つ。
<Panzergeist!>
フェイトのフォトンランサーは最初と音字ようにレヴァンティンが防御魔法の一種である「パンツァーガイスト」を展開され弾かれた。
「シグナム!・・・!!」
ゼロがシグナムを心配して目線を向けていると何かの発射音が聞こえ、後ろに下がるとゼロがいた所をリニア弾が通り過ぎる。
「一曲いかがかな?ガンダム」
そういいながらカスタムフラッグは斜め上からガンダム00の世界の企業「アイリス社」が開発した試作ライフル「新型試作リニアライフル『XLR-04』」を連続で撃つ。
「くッ!」
放たれるリニア弾の1発をゼロは盾「プリティス・シールド」で防ぎ、残りは左に避ける。
「君は1人の女性を相手に大勢で挑むのは美しくないと言ったな。その言葉に間違いはない。しかし、卑怯者と罵られようとも、軍の決定には従わせてもらうぞ、ガンダム!」
カスタムフラッグはリニアライフルを撃つのを止め、ライフルを左腰にマウントし、左手を右腕に伸ばす。
右腕のウェポンベイから超高硬度カーボン製折り畳み式アサルトナイフ「ソニックブレイド」を取り出し、刀身から発生したプラズマを剣状に収束した青い光の剣「プラズマソード」にしてゼロに向かっていき、プラズマゾードで斬りかかる。
それに対し、ゼロもヴァトラスソードで応戦する。
互いの剣が上下左右斜めと様々な角度から振るわれ、それらを互いに防ぎ、避けを繰り返し、ヴァトラスソードとプラズマブレードで鍔迫り合う。
しかし、僅かであるが押しているのはカスタムフラッグだ。
「どうした、身持ちが堅いな、ガンダム!」
「くっ!」
ゼロはヴァトラスソードでプラズマソードを振り払い、カスタムフラッグと距離を取る。
「七曜万象に宿りし大いなるマナよ。翼の騎士(ナイト)との盟約により、精霊達よ、今こそその力を我に与えよ!超魔法!『ヴァイオレットトルネード』!!」
「竜巻!?」
ゼロは呪文を唱え、すみれ色のバラの花びらと共に竜巻を起す魔法「ヴァイオレットトルネード」を発動させ、竜巻がカスタムフラッグに襲い掛かる。
「ぬぅッ!ガンダムが魔法を使うとは!」
予想外の攻撃にカスタムフラッグは驚き、ヴァイオレットトルネードの激しい風にカスタムフラッグは飛ばされまいと踏ん張り、身動きが取れない。
「もらったぁッ!」
「くぅッ!」
動けないカスタムフラッグを倒そうとゼロはヴァトラスソードを構え、接近する。
しかし、そのまま大人しくいるカスタムフラッグではない。
通常のフラッグでは正式採用が見送られた背中の高出力型フライトユニットを全開にしてヴァイオレットトルネードを突き進み、突破した。
「何!?」
「抱き締めたいな・・・ガンダム!!」
突破されるとは思わなかったゼロは驚き、突破したカスタムフラッグはゼロに向って行き両腕を広げる。
カスタムフラッグに接近していたゼロはすぐに近づくのを止め、回避しようとしたがそれよりも速くカスタムフラッグがゼロに抱き、抱きついれたままゼロを背中からビルの壁に叩きつける。
「ぐああッ!」
その衝撃と痛みにゼロは動きを止める。
「まさに・・・眠り姫だ!」
カスタムフラッグは右手でゼロの頭部を掴んで軽く持ち上げて顔を覗く。
「わた・・・しは・・・・・!」
「!!」
「騎士だ!」
「ッ!」
僅かに意識を保っていたゼロは顔を掴まれた状態でカスタムフラッグにヴァトラスソードを振るう。
カスタムフラッグは即座に頭部から手を離し、後退するがヴァトラスソードの剣先が本来はコクピットであるドラムフレームに左斜めの線の傷をつけた。
「よくも。私のフラッグ!!」
自身に傷を付けられたカスタムフラッグは左手に持っていたプラズマソードを右手に持ち替え、左手に左腰にマウントしていたリニアライフルを持ち、ゼロに攻撃する。
「君の力がどれ程のものか。試させてもらう!」
「俺を甘く見てることを後悔させてやる!」
少し離れた所でフラッグとグラップラーグフも激しい近接戦を繰り広げている。
先窓までの戦闘で「リニアライフル」を失ったフラッグは両腕のウェポンベイからソニックブレイドを同時に取り出して両手に持ち、2基ともプラズマソードにし、グラップラーグフに接近、左手のプラズマソードを振り上げ、降ろして斬りかかるがグッラプラーグフは右手のヒートサーベルでプラズマソードを受け止める。
プラズマソードを受け止めたグラップラーグフは左腕の鉤爪アームでフラッグの頭部を狙うが、すかさずフラッグは右手のプラズマソードで鉤爪を防ぐ。
「こいつっ!」
「中々やるようだ。しかし!」
攻撃を決められなかったグラップラーグフは悔しそうにフラッグを睨み、フラッグはグラップラーグフの力に少し嬉しそうに言うと腹部ドラムフレーム左側に内蔵されている「20mm機銃」を至近距離でグラップラーグフに撃つ。
「ぐおっ!ちぃっ!」
至近距離で撃たれているグラップラーグフはすぐに後退し、フラッグから離れる。
「私が戦ったガンダムに比べれば、君の近接戦を防ぐのは容易い!」
「ガンダムと比べやがって。俺を舐めるな!」
離れるグラップラーグフにフラッグは向って行きながらフラッグが戦ったガンダム、エクシアとの近接戦を比べ、左右のプラズマソードで斬りかかり、ガンダムと比べられたグラップラーグフは怒りながら自身もフラッグに向って行き、ヒートサーベル、鉤爪で斬りかかる。
再び場面をフェイト。ブルーフレームセカンドL対シグナムに戻すとフェイトとシグナムがバルディッシュとレヴァンティンで鍔迫り合っていた。
「はああっ!」
「ぐああっ!!」
鍔迫り合っていたシグナムはレヴァンティンに力を込めて振り払い、フェイトを弾き飛ばす。
「レヴァンティン!」
<Explosion!>
フェイトを弾き飛ばした直後、カートリッジをロードし、レヴァンティンからカートリッジが排出され炎が刀身を包み込む。
「紫電、いっせ---」
「フェイト、そこから離脱しろ!」
ダダダダダダダッ
シグナムがフェイトに紫電一閃を喰らわせようとした時、ブルーフレームセカンドLが接近しながらシグナムに頭部両頬に内蔵されている「75mm対空自動バルカン砲塔システム『イーゲルシュテルン』」2門を発射。
「ッ!!」
イーゲルシュテルンを避けるためシグナムはレヴァンティンを振り下ろすのを止め、後ろに後退。
シグナムが後退するとブルーフレームセカンドLはフェイトを抱かかえてシグナムから離れて行く。
「え?ど、どうして?」
「あそこは射線上だ。あのまま居ては巻き込まれるぞ」
「射線上?」
いきなりのことにフェイトは戸惑いブルーフレームセカンドLに尋ねる。
尋ねられたブルーフレームセカンドLはフェイトに説明するがフェイトには何のことかよく理解出来ていない。
「逃がさん!・・・・・ッ!?」
シグナムがブルーフレームセカンドLを追いかけようとした時、正面からシグナムを軽く飲み込む程の極太のピンク色のビームが放たれた。
「なんだと!?くッ!」
放たれたピンクのビームをシグナムは左に全速で回避する。
放たれたビームはシグナムを通り過ぎ、後ろにあったビルを貫き、更にその後ろにあった2つのビルをも貫き、3つのビルは音を立てて倒壊していく。
「なんだ・・・今のは・・・」
「今のはビーム攻撃か!?」
「おいおいなんだよあの威力は!」
倒壊していくビル、先程のビームを見たシグナム、ゼロ、グラップラーグフは驚きの声をそれぞれ漏らしている。
「あの粒子ビームは・・・」
「い、今のは一体?」
「フェニックスが新たに召喚したガンダムタイプが放ったビームらしい。情報が送られてきている」
「やはりソレスタルビーイングのガンダムか」
先程のビームに見覚えがあったフラッグが呟くと状況が分かっていないフェイトは少し戸惑っている。
そんなフェイトにブルーフレームセカンドLは説明をするとあのビームを撃った機体を推測し、情報を確認してヴァーチェだと把握したカスタムフラッグが嬉しそうに言う。
「各機、任務を継続するぞ」
「「了解した」」
「あ、はい!」
ヴァーチェが放ったGNビームによって一時的に戦闘が中断されるとブルーフレームセカンドLの指示でカスタムフラッグ、フラッグ、フェイトは返事を返して、再びシグナム、ゼロ、グラップラーグフに向かって行く。
ゴッドガンダム、シャイニングガンダム、ZZガンダムVSザフィーラ
勝負に出たゴッドガンダムが必殺技「爆熱ゴッドフィンガー」でザフィーラが展開したシールドを破壊して頭部を掴み、斜め上に持ち上げ、力を込めて行く。
「ヒィイイイット!エェエエエンッ----!!」
「火、火ーン!」
「!!」
ゴッドガンダムが止めを刺そうとヒートエンドと叫ぼうとした時、何処からか馬の鳴き声が聞こえてきた。
ザフィーラを掴んだまま鳴き声が聞こえた右側を見ると右側からゴッドガンダムの愛馬に似ている「SDガンダムフォース」に登場したモビルホース「炎天號」が向かって来ている。
「とうっ!」
その炎天號の背に乗っていた誰かが炎天號の背から跳んだ。
「うおおおおりゃあああっ!」
「何!?」
炎天號の背から跳んだ者は空中から落下しながら両腰から刀を引き抜き、振り上げてゴッドガンダムに振り下ろす。
ゴッドガンダムはザフィーラの頭から右手を離し、後ろに跳躍して刀をかわす。
「ぐっ!」
「大丈夫かザフィーラ殿!」
「ぬぅ、ば、爆熱丸」
ゴッドガンダムのゴッドフィンガーから解放されたザフィーラは道路に膝をつき、右手で頭を押える。
ゴッドガンダムの攻撃を受けたザフィーラを心配してゴッドガンダムから助けた者がザフィーラに尋ねる。
声を掛けられたザフィーラは自分を助けてくれた人物、否、ガンダムの名を口に出す。
ザフィーラを助けたのはキャプテン達と同じ「SDガンダムフォース」に登場した武者頑駄無「爆熱丸」だった。
「ちょ、ちょっと!どういうこと?」
「あれは・・・ガンダムか!」
「そのようなだ。・・・!?」
突如乱入してきた爆熱丸を見たZZガンダム、シャイニングガンダム、ゴッドガンダムが驚いているとゴッドガンダム達に向かってロケット弾が左から数発飛んできた。
「「「うわっ!」」」
飛んできたロケット弾はゴッドガンダム達の周囲に着弾し爆発を起こす。
「くっ!何だ!」
「ンッフフフ!」
突然の攻撃を受け、ゴッドガンダム達はすぐにロケット弾が放たれた方向を見る。
そこにはキャプテン達と同じ「SDガンダムフォース」に登場し、ザッパーザク、グラップラーグフと同じ元ダークアクシズ部隊長「デストロイヤードム」が笑いながら立っていた。
「あれって旧ジオンのドム!?でもなんか違うような」
「フェニックス!」
デストロイヤードムの姿を見たZZガンダムはすぐに「機動戦士ガンダム」のドムと思ったようで驚いたが何処か違うことに気付く。
ZZガンダムがデストロイヤードムのことを考えているとゴッドガンダムはフェニックスに通信を繋ぐ。
「何者かがこちらの戦いの最中に乱入してきた。敵は2機のMSで1機はガンダムだが変わった姿をしている」
ゴッドガンダムはブルーフレームセカンドLと同じ様にフェニックスに現状を報告し、指示を待つ。
「分かった」
フェニックスからの指示を受けたゴッドガンダムは通信を切ると2歩前に出る。
「神聖なファイトを邪魔するとは。貴様達、何者だ!」
ゴッドガンダムは右腕を伸ばし、右手人差し指で爆熱丸達を指差し、爆熱丸達に尋ねる。
「我が名は爆熱!ガンダムフォース、天宮(アーク)の武者頑駄無、炎の武人!爆!熱!丸!見参!」
「デストロイヤードムだ~!」
ゴッドガンダムに尋ねられた爆熱丸とデストロイヤードムはすぐに自らの名をゴッドガンダム達に告げる。
「何故ファイトの邪魔をした?」
「我らの仲間を守るためだ。それ以外に理由などいらぬ!成敗!」
ファイトの邪魔をした理由を尋ねるゴッドガンダムにザフィーラを助けるためと告げた爆熱丸はその昔、神天地武道刀と呼ばれる名刀が分裂した言われる5本の刀「五聖剣」の内の2本、右腰に備えている刀「五聖剣之武」を左手に、左腰に備えている刀「五聖剣之道」を右手に持って構え、ゴッドガンダムに向かって駆け出す。
「とうりゃああッ!」
「むッ!」
ゴッドガンダムの頭上を跳び越えたシャイニングガンダムが爆熱丸を狙って上から跳び蹴りを放つ。
爆熱丸はゴッドガンダムに向かって行くのを止め、左に跳んで避ける。
避けられたことで外したシャイニングガンダムの跳び蹴りは地面に当たり、コンクリートに一部を破壊した。
「ゴッド、ここは俺に任せろ!」
「ああ!任せたぞシャイニング!」
ゴッドガンダムと爆熱丸の間に入り、爆熱丸の相手をすることを自ら名乗り出たシャイニングガンダムにゴッドガンダムは任せた。
「ターゲット、確認。撃つべし!」
デストロイヤードムがゴッドガンダムに愛用のバズーカ「ジャイアントバズ」を向ける。
「させるかぁ!」
「ドホッ!」
デストロイヤードムがジャイアントバズを向けた直後、ZZガンダムがダブルビームライフルを構え、ビームを発射、放たれたビームはデストロイヤードムの足元に着弾して爆発、それにより発生した爆風、衝撃波によってデストロイヤードムは後ろに倒れる。
「こいつは俺に任せといてよゴッドさん!」
「頼む、ZZ!」
「あいよ!ガンダムZZ、行きまーす!」
ゴッドガンダムから了承を得たZZガンダムはスラスターを噴射してデストロイヤードムに向かって行く。
シャイニングガンダムが爆熱丸、ZZガンダムがデストロイヤードムの相手をすることになり、ゴッドガンダムとザフィーラはまた1対1の状態になった。
「邪魔が入ったが、これでまた1体1の勝負が出来る。もう次はないぞ」
「先程は抜かったが、今度はさっきと同じようにはいかん。今度は私がお前を追い詰めてみせる」
「面白い。それにその気迫やお前の拳からは、何かを守ろうとする強い想いが伝わってくる。お前にも譲れないものがあるんだな」
「んっ」
互いに身構えながら言葉をかわし合い、ザフィーラと戦ったことでゴッドガンダムはザフィーラの想いを感じたようだ。
ゴッドガンダムの言葉にザフィーラは頷く。
周りで爆音が響き渡り、風が吹く中、構えたまま両者とも動かず、互いを睨み合っている。
そして・・・・・風が止んだ。
「「っ!!」」
風が止んだと同時に最初の戦いと同じ、ゴッドガンダムはスラスターを噴射し、ザフィーラは地を蹴って互いに向って行った。
「はああああっ!」
「でああああっ!」
先に拳を振ったのはザフィーラ、彼の右拳がゴッドガンダムの顔を狙う。
振るわれる拳をゴッドガンダムは左腕を振るって弾く。
ザフィーラの拳を弾くとゴッドガンダムは右脚を上げ、ザフィーラに左脇腹を狙ってミドルキックを出す。
「ぬああああっ!!」
ゴッドガンダムと同じタイミングでザフィーラも右脚でミドルキックを出し、ゴッドガンダムの右脚に当てて防ぐ。
「「ぐううっ!」」
ミドルキックを防がれたゴッドガンダム、防いだザフィーラは互いに後ろに下がり距離を取る。
「うおおおおお!!」
距離を取った直後、ザフィーラは再度ゴッドガンダムに向かっていく。
「どぉおりゃあああっ!」
ザフィーラが向かって行くとゴッドガンダムもスラスターを使い、ザフィーラに向かって行く。
互いの拳が届く距離まで近づくとザフィーラが右拳を振るう。
しかし、ゴッドガンダムは首を右に傾けてかわし、その隙に右拳を下から振るう。
「がはっ!!」
ゴッドガンダムの拳がザフィーラの腹に当たり、ザフィーラの表情が歪む。
「くっ!でああああっ!」
「何っ!ぐおっ!」
だがザフィーラはただではダメージを受けなかった。
ゴッドガンダムがザフィーラの腹に攻撃した直後、ザフィーラは痛みを堪えながら、まだ振るっていない左の拳をゴッドガンダムの顔を狙って振るう。
近づきすぎたゴッドガンダムは回避が間に合わず、右頬にザフィーラの拳がヒットする。
右頬を殴られたことでゴッドガンダムの身体が左によろめき、ザフィーラの腹を殴った右手から力が僅かに失われる。
「はあっ!」
「どあああっ!」
ゴッドガンダムの力が弱まるとザフィーラは左脚でゴッドガンダムの右脇腹にミドルキックを入れ、ゴッドガンダムは蹴り飛ばされて、ビルの壁に激突する。
「うおおおおっ!!」
「ぐぅっ!まだまだぁあああ」
ゴッドガンダムに攻撃を加えるためにザフィーラは接近する。
近づいてくるザフィーラにゴッドガンダムは叫びながらスラスターを全開にして前進、向ってくるザフィーラに急接近して右肩でタックルを喰らわせる。
「!!があっ!」
スラスター全開での急加速によるタックルにザフィーラは反応することが出来ず、正面からタックルを受け、今度はザフィーラが後ろにあったビルの壁に背中から激突した。
ザフィーラをビルの壁に激突させたゴッドガンダムはバックステップで後退してザフィーラと距離を開ける。
「どうした!もう終わりか!!」
「・・・まだ・・・・・だ!」
ビルの壁に凭れ掛かっているザフィーラにゴッドガンダムは叫ぶ。
少しの間の後、ザフィーラはゆっくりと口を動かして声を出し、足を前に出して凭れ掛かっていたビルから離れる。
「まだ、終わらん!!」
「ふっ」
これまでの戦いも含み、既にかなりのダメージを負っているザフィーラだがゴッドガンダムに構えを取る。
ザフィーラの瞳にはまだ闘おうとする眼差しをしている。
それらを見たゴッドガンダムは嬉しそうに少し笑いながら自身も構え直す。
「いくぞぉぉおおおおっ!」
「おおおおお!」
身構えた2人は互いに駆け出し、右腕を引き、距離が縮まると右腕を突き出し、互いに拳を激しくぶつけた。
ゴッドガンダムとザフィーラが激しく闘っている一方で、シャイニングガンダムと爆熱丸は身構えた状態で互いに睨み合っていた。
「・・・」
「・・・貴殿の名は?」
睨み合い、沈黙していた中、沈黙を先に破ったのは爆熱丸でシャイニングガンダムに名前を尋ねる。
「俺はシャイニング、シャイニングガンダムだ!」
「では行くぞ、シャイニング!」
「ガンダムファイトォオオオッ!レディィイイイッ・・・・・!!」
「いざ尋常に・・・!」
「ゴォォオオオオッ!!」
「勝負ッ!」
シャイニングガンダムと爆熱丸は互いの掛け声でシャイニングガンダムはスラスターを吹かし、爆熱丸は走って互いに向かっていく。
最初に攻撃を仕掛けたのは爆熱丸、拳よりもリーチが長い五聖剣で斬りかかる。
「むっ!ふっ!はっ!」
五聖剣で斬りかかられたシャイニングガンダムは向かって行くのを止め、後ろに下がって五聖剣をかわす。
「ぬっ!まだまだぁ!!とぉおおおりゃぁあああ!!!」
シャイニングガンダムが五聖剣をかわすと爆熱丸は更に連続で斬りかかる。
対するシャイニングガンダムも連続で振るわれる五聖剣を後ろに下がりながら身体を捻ったり、しゃがんだりと僅かな動作で爆熱丸の攻撃を回避していく。
「うおおおお!!」
「動きに無駄が!」
爆熱丸の連続斬りを避け続けたシャイニングガンダムは左腕を振るい、裏拳で爆熱丸の右手の五聖剣之道を弾き飛ばす。
「な!」
「多い!!」
五聖剣之道を弾き飛ばされ、爆熱丸は五聖剣之道に視線を奪われている。
その隙にシャイニングガンダムは右脚を高く蹴り上げ、今度は左手の五聖剣之武を蹴り飛ばした。
「何!?」
「今度はこちらの番だ!」
2本の刀を弾き、蹴り飛ばしたシャイニングガンダムが反撃を開始する。
最初に右ストレートで爆熱丸の顔を狙うが爆熱丸に避けられ、次は左腕で胴を狙って突き出すがこれも避けられ、更に再び頭部を狙っての右脚からのハイキックを出すがこちらも爆熱丸は後ろに跳んで回避した。
「ほぉ、中々やるな。ならば俺も本気でいこう!」
爆熱丸の力量は測っていたシャニングガンダムはそれなりの腕があることを確認すると地を蹴り、スラスターを噴射して爆熱丸に一気に近づいた。
「速い!」
「はあああああああっ!」
「ぐうううっ!」
さっきよりも速いスピードで近づいてきたことに爆熱丸が驚いているとシャイニングガンダムはこちらも先程とは違う速さで右と左の両拳で爆熱丸に連続で殴る。
爆熱丸は咄嗟に両腕を交差させ、シャイニングガンダムの拳を防ぐ。
「・・・!!」
シャイニングガンダムの拳が20近くまで爆熱丸を殴り続け、右拳を爆熱丸の身体に当てて引き、左拳が突き出され、爆熱丸の身体に当たりそうになった時、爆熱丸の目の前からシャイニングガンダムが消えた。
「何!?・・・おわっ!!」
いきなりシャイニングガンダムが消えたことに爆熱丸が驚いていると突然バランスを崩した。
バランスが崩れ、視線が低くなるとそこにはシャイニングガンダムがいた。
爆熱丸を殴ろうとした左拳はフェイントだった。
シャイニングガンダムは左拳を止め、瞬時にその場でしゃがみ、右足を伸ばし、左足を軸にして回転、伸ばした右足で爆熱丸の足を払いバランスを崩したのだ。
「であああっ!」
「ぐおあああっ!!」
バランスを崩し倒れそうになった爆熱丸をシャイニングガンダムは一回転して直ぐに両手を地につけ、陸上のクラウチングスタートのようにして前に出て爆熱丸に近づき、右腕を腰の高さで引いてすくい上げるように一気に突き出し、爆熱丸の腹部に右アッパーを決める。
右アッパーを受けた爆熱丸は宙に殴り飛ばされ、弧を描いて地面に落下する。
「勝負あったな」
「ぐぅっ!まだ・・・だ!」
地面に倒れた爆熱丸がゆっくりと身体を起す。
「まだ、勝負はついていない!」
ゆっくりと立ち上がった爆熱丸は倒れた場所の近くに落ちていた飛ばされた五聖剣を拾い、再びシャイニングガンダムに刃を向ける。
「大した奴だなお前は、爆熱丸。・・・だが、次で終わらせる。俺の黄金の指がお前を倒す!」
「ならば、自分もこの一撃に全てを賭けよう!我が刃が貴殿を倒してみせよう!」
「いくぞぉおお!爆熱丸ぅぅうううう!!」
「こぉおい!シャイニングゥウウウ!!」
未だに倒れず、自分に立ち向かってくる爆熱丸にシャイニングガンダムは歓心する。
シャイニングガンダムが次の攻撃でこの戦闘にケリをつけようと身構えると爆熱丸も次で勝負を決めるため身構える。
2機が叫び、手加減なしの全力攻撃の準備に入る。
「俺のこの手が光って唸る!お前を倒せと輝き叫ぶぅ!!」
「フンッ!ェイッ!オオオオオ・・・・・」
シャイニングガンダムの頭部のフェイスカバー、右腕のアームカバーが開きバトルモードへと変わり、指の間接が外れ、間接からエネルギーが放出されてシャイニングガンダムの右拳が発光する。
爆熱丸は五聖剣を二度振るい、五聖剣で円を描いていく。
「シャァアアアイニィイイイングゥッ!フィンガァアアアアアッ!!!」
「天驚剣ーッ!!」
シャイニングガンダムは必殺技「シャイニングフィンガー」を突き出して向って行き、爆熱丸は五聖剣を交差に斬りつけると同時に炎の刃を飛ばす技「天驚剣」を放った。
飛んでくる炎の刃とシャイニングフィンガーがぶつかる。
「うおおおおおおおおっ!!!」
2つの技がぶつかるとシャイニングガンダムは叫び、スラスターを噴射、足に力を入れ、自身を斬ろうとする炎の刃を押し返そうと前に出ようとする。
一方の炎の刃もシャイニングガンダムを斬るため、進行を妨げるシャイニングフィンガーを弾こうと進んでくる。
2つの技によるぶつかり合うこと約10秒、シャイニングフィンガーと炎の刃が爆発を起こす。
「うおっ!!」
「ぐああっ!」
爆風によって2機は飛ばされ、背中から地面に叩きつけられ背中で地面を滑り、衝撃波で周囲の建物のガラスが一斉に割れる。
爆風で飛ばされた2機はふらふらしながらも起き上がり、ボロボロになった互いを見る。
「ぐうっ!どうやら決められなかったようだな」
「ぬうっ!そちらもな」
「では、続きをやるか?」
「望むところ!」
「「でああああああっ!!」」
ボロボロではあるがどちらも倒れず、決着がついていないため2機は決着をつけるためにボロボロの身体で互いにまた向かって行く。
「ガンダム、撃つべし!」
「うわっ!このぉ!」
こちらではデストロイヤードムのジャイアントバズから放たれたロケット弾数発がZZガンダムの周辺に着弾、ロケット弾に怯んだZZガンダムはダブルビームライフルを撃つ。
「ムッフフン」
放たれるビームをデストロイヤードムは足裏にあるデバイス「ダッシュローラー」を使い地面を滑るように動き、笑いながら回避する。
「くそぉ!チョロチョロしないでよ!」
機動力が高くダブルビームライフルを避けられ苛立ちながら頭部の2対1門のバルカン砲「ダブルバルカン」4門をデストロイヤードムに連射する。
「当たらな~い」
連続で放たれるダブルバルカンの弾をデストロイヤードムは余裕でかわす。
「そこぉ!」
「ん?ドオッ!」
ダブルバルカンを避けたデストロイヤードムに続けてダブルビームライフルを発射、デストロイヤードムの移動先の地面にダブルビームライフルが着弾、その爆発によってデストロイヤードムはダメージを受け、地面に転んだ。
「単純だなぁあのドム。こんな簡単に引っ掛かるなんて」
「ムムムッ!もう怒った!オペレーションジェノサイド!」
デストロイヤードムの単純さにZZガンダムが少し呆れていると攻撃を受けた怒ったデストロイヤードムは自分の武器を搭載している「ギャロップ」に搭載されているビーム砲、機関銃が起動し、ZZガンダムとその周囲に向かって銃撃を始める。
「くっ!」
「はははは!撃て撃て~!」
放たれるビームと機関銃の弾をZZガンダムは左腕を前に出し両腕に装備されているウイング・バインダー「ウイングシールド」で防御する。
それを見ていたデストロイヤードムはまるで子供のように楽しんでいる。
「続いてオペレーションファイナル!」
デストロイヤードムが新たな指示を出すとギャロップに内蔵されている武装が次々と展開されていく。
「嘘でしょ!?」
それを見たZZガンダムは驚愕しているとギャロップの様々な武装が一斉に撃たれた。
「うわああああっ!!」
放たれた弾はZZガンダムとその周辺に着弾し爆発を起こし、爆煙が舞い上がりZZガンダムの姿が見えなくなった。
「勝った勝った~!・・・んん?」
ZZガンダムを倒したと思ったデストロイヤードムが喜んでいると爆煙からZZガンダムが姿を現す。
「痛てて。無茶苦茶でしょあいつ」
「まだ倒れない?ならこれで終わりだぁ。オペレーションアタック!」
あれ程の攻撃にも関わらずまだ倒れないZZガンダムを見たデストロイヤードムはギャロップからドリルを出す。
「ええい!」
ギャロップからドリルを出したデストロイヤードムがZZガンダムに向かって突進していく。
その時、空で極太のピンク色のビームが放たれた。
「!?」
ビームが放たれると戦っていた全員が動きを止め、ビームに視線を向ける。
「な、なんだあの光は!?」
「あの方向、ヴィータのいるところからか」
「おお!!凄ぉい!」
突然のことに爆熱丸は驚き、ザフィーラはビームがヴィータのいる方向から飛んできたため少し不安そうな表情でビームが飛んできた方向を見詰め、デストロイヤードムはまたはしゃいでいる。
「チャンス!」
動きを止めたデストロイヤードムにZZガンダムは額の砲口にエネルギーを充填していく。
「悪いけど、終わられないんだよね!」
「む?」
ZZガンダムに気付いたデストロイヤードムがZZガンダムの方を向く。
「アンタ達の好きばっかりにさせないから!いっけぇぇえええっ!ハイメガキャノン!!」
エネルギーの充填が完了し、ZZガンダムは額の砲口から高密度のメガ粒子を放つ広域エネルギー放射兵器「ハイメガキャノン」を発射した。
「へ?え?あ?嘘?あらぁあああああ!!!」
迫り来るハイメガキャノンにどうすることも出来ず、デストロイヤードムはただ呆然と立ち尽くしているとハイメガキャノンに飲み込まれた。
放たれたハイメガキャノンもヴァーチェのGNキャノンと同じように射線上の建物を突き破り倒壊させた。
「お・・・え・・・あ・・・い・・・あう」
ハイメガキャノンが消えると飲み込まれたデストロイヤードムは破壊はされていないが身体が丸焦げになった状態で地面に倒れ、僅かにピクピクと動いて気を失う。
「ひゃーやっぱり凄い、感激の嵐!ハイメガキャノンってなんてパワーなんでしょ!」
デストロイヤードムが気を失うとZZガンダムは気にすることなく自身のハイメガキャノンのパワーに改めて喜んでいる。
「ゴッドさん、シャイニングさん、こっちは終わったよ!援護いる?」
「必要ない!」
「これは俺達のファイトだ。手出しは無用だ!」
「言うと思ったよ。頑張ってよ!」
「「おう!」」
デストロイヤードムを倒したZZガンダムはゴッドガンダム、シャイニングガンダムに援護が必要か尋ねるが2機に断られてしまう。
しかしそれは既に言われるのを想定していたZZガンダムは2機に声援を送り、ゴッドガンダム、シャイニングガンダムは返事を返し、己の闘い(ファイト)に集中する。
市街地北部
アルゴス試験小隊
「おい見たかよ今の光!」
「ああ、今のはビーム砲だな。それもかなり強力だったぜ」
「CPから情報が来たわ。データリンクで確認したけど、どうやらCPが重砲撃仕様のガンダムを召喚して、そのガンダムが撃ったようよ」
「ガンダム・・・か」
市街地を飛んでザコソルジャー達の所に向かっている最中、アルゴス試験小隊はつい先程放たれたヴァーチェのGNキャノンのことを話している。
アクティヴ・イーグルが興奮気味で話し、ストライクイーグル VG機が冷静に返事を返す。
2機が話している中、ストライクイーグル ステラ機はデータリンクを確認し、ヴァーチェが撃ったことを教え、吹雪はボソリと呟く。
「本当にすげぇよなあんなの撃てるなんて。ビームだぜビーム」
「ああいうのが居ればBEATの連中とももう少しは楽に戦えるんだろうな」
「!・・・アルゴス4よりアルゴス1、敵部隊を捕捉したわ」
今だアクティヴ・イーグルとストライクイーグル VG機が話しを続けているとストライクイーグル ステラ機がザコソルジャー達を捉え、吹雪に報告する。
「分かった。アルゴス1より各機へ、準備はいいな?」
「当たり前だろ」
「BEATと殺り合うのと比べたらあの連中なんて気楽なもんだよな」
「ふふ、そうよね」
ストライクイーグル ステラ機(以降 アルゴス4)からの報告を受けた吹雪(以降 アルゴス1)は小隊各機に準備が出来ているかどうか尋ねるとアクティヴ・イーグル(以降 アルゴス2)は即答し、ストライクイーグル VG機(以降 アルゴス3)はこれから戦おうとしているザコソルジャーと彼らの本来の世界にいる敵との戦闘を比べ、彼が言っているように気軽に言い、それに対してアルゴス4も少し笑って肯定する。
「各機、兵器使用自由!いくぜぇぇ!!」
アルゴス1は「36㎜突撃機関砲(36㎜チェーンガン:RG-36)」と「120㎜滑腔砲(GG-120)」が1つになった「突撃砲」の日本帝国の突撃砲「87式突撃砲」を、アルゴス2、アルゴス3、アルゴス4はアメリカの突撃砲「AMWS-21」を構える。
「敵を発見!撃つザコ~!」
『ザコーー!!』
アルゴス試験小隊の接近に気付いたザコソルジャー達はアルゴス試験小隊に向けて一斉に「ザコマシンガン」、「ザコランチャー」を連射して放つ。
「全機回避!各個撃破するんだ!」
「あいよ!」
「おう!」
「ええ!」
ザコソルジャーから攻撃が開始されるとアルゴス1の指示でアルゴス2、アルゴス3、アルゴス4は散開してザコソルジャー達の攻撃を回避する。
「おらおらぁあああっ!」
『ザコ~~~!!』
散開してすぐにザコソルジャーに向かっていくのはアルゴス2。
肩部及び背中の兵装マウント取付部に追加されたスラスターによって大幅に向上した機動性を活かしてザコマシンガン、ザコランチャーを左右上下に避けながら猛スピードで進んでいき、AMWS-21から36㎜突撃機関砲を放ち、左膝から近接戦闘短刀「CIWS-1A TYPE64 KNIFE」を取出し、左手で握る。
放たれた36㎜弾はザコソルジャーのザコマシンガン、ザコランチャー、腕、肩、足、胴体に命中し、ザコソルジャーに近距離まで近づくと握っていた近接格闘ナイフをザコソルジャーに振り下ろし、近接格闘ナイフを逆手持ちして左に振り向くと同時に左にいたザコソルジャーの胸を斬り、行動不能にさせ跳躍ユニットを使って上昇して離れる。
アルゴス2から少し離れた所ではザコソルジャー達が地表を滑るように滑空して向って来るアルゴス3にザコマシンガンを連射している。
「そんなんじゃ俺は落とせないぜ!」
「ザコ~~~!」
正面から跳んでくる弾をアルゴス3は左右に避け、避けながら36㎜突撃機関砲を撃ち、ザコソルジャー達を倒して行く。
「ザコッ!」
「あ?」
声が聞こえアルゴス3が後ろを振り返るとザコソルジャーが胸を撃たれて倒れている。
「後ろがお留守よアルゴス3。相手がBEATじゃないからって油断しすぎだわ」
「サンキューアルゴス4」
左上から先程のザコソルジャーを狙撃したアルゴス4が飛んで来ると後ろから狙われていたことを注意してアルゴス3に背中を向け、後ろ向きでアルゴス3とともに滑空する。
助けられたアルゴス3はアルゴス4に礼を言って互いに背中を守りながらザコソルジャーに突撃機関砲を撃って撃破していく。
「うおおおおッ!!」
アルゴス1はザコソルジャー達の上を通りすぎる際に87式突撃砲の36mm突撃機関砲でザコソルジャー達を撃っていく。
突撃機関砲を免れたザコソルジャー達がアルゴス1の進行上にザコマシンガンを放つ。
進行上にザコマシンガンを撃たれているアルゴス1はジャンプユニットを前方に向けて噴射、逆噴射によって急減速し、右に回避する。
「避けられたザコ!」
避けられたことにザコソルジャーが驚いているとビル群を一周しザコソルジャーの後ろの交差点からアルゴス1が現れる。
ザコソルジャーの後ろを取ったアルゴス1はザコソルジャーに向かっていきながら1機に36mm突撃機関砲を撃ち、1機に120mm滑腔砲を撃ち、ザコソルジャーが後ろを振り返った時、2機は胸部を撃たれ倒れる。
まだ残っているザコソルジャーは向かってくるアルゴス1にヒートホークを持って向かっていく。
それを見たアルゴス1は背中の兵装マウントにマウントされている長刀の柄を左肩上に移動させ、左手で柄を掴む。
先にザコソルジャーがヒートホークを振り上げ、ヒートホークを振り下ろす。
だが、アルゴス1が長刀を掴んだ時、マウントのロッキングボルトが炸裂して長刀が跳ね上がり、その跳ね上がった勢いを利用して長刀を振り下ろしているため、先に降り下ろしたザコソルジャーよりも速く振り下ろされる。
アルゴス1の長刀は、ヒートホークを弾き飛ばすと同時にザコソルジャーの胸を斬る。
東部
第08MS小隊
「すっげぇな。見たかよミケル?」
「エレドアさん、そんなにはしゃがなくても見てましたよ。目の前で起きたことなんですから」
市街地の東側に向かっている8小隊。
その最中にブラッドハウンドのエレドアが先程のヴァーチェのGNキャノンの威力を見て、北のアルゴス試験小隊のアクティブ・イーグルと同じ、はしゃぐように同じくブラッドハウンドのミケルに言う。
ヴァーチェが破壊したビルは丁度8小隊の前方にあったビルで倒壊するのを目の前で見たため下手をすればアクティブ・イーグル以上に興奮している。
「呆れた火力だねぇ。ビルを3つもぶっ壊しやがった」
「あれは敵が行ったんでしょうか?それとも新たな友軍機が?」
「分からない。エレドア、ミケル、情報は?」
「ちょいと持ってくれ。・・・来てるな。アマちゃん、どうやらあれは新しく配備した友軍のガンダムが撃ったようだぜ」
「はぁ、敵じゃなくて安心したよ」
ヴァーチェのGNキャノンの威力にエレドアが歓心しているとサンダース機がこっちでは友軍が撃ったのか敵が撃ったのか把握出来ないためどちらが撃ったのか気にしているとシロー機はブラッドハウンドに情報がないか尋ねる。
エレドアが調べ、友軍が撃ったことを告げるとカレン機が軽く息を吐きながら敵でなかったことに安心している。
「でも、あんなビーム撃つようなガンダムを出撃させるなんて、向こうはピンチなんですかね?」
「さぁて、どうなんだろうな。おっと、そろそろだな」
ミケルの問いに適当に答えると目的ポイントに到着したためエレドアが車体を止める。
「アマちゃん、悪いが少しの間静かにしておいてくれよ」
「分かった」
エレドアに言われ、陸戦型ガンダム シロー機は歩くのを止める。
シロー機は首を左に捻り、後ろを少し見ながら左手を上げて停止のサインを出すとカレン機、サンダース機も歩行を停止する。
その間にブラッドハウンドは車体の上部両側に搭載されている地面に伝わる振動、足音で敵音源の位置観測、音紋解析して敵種別をする「アンダーグランド・ソナー」をクレーン車がクレーンを使う際に車体を安定させるために使うアウトリガーのように動かし、アンダーグランド・ソナーを地面に突き刺す。
「ああくそ。他の所の音が少し入るな」
「よぉし、12時の方向、複数の移動音を感知。こっちに向かって来てる」
「よし、エレドアとミケルはここで待機してくれ。カレン、サンダース、俺達はもう少し前に出よう」
「分かりました」
「はいよ」
「「はい」」
エレドアとミケルのブラッドハウンドを残し、陸戦型ガンダム3機は再び歩み始め、進軍する。
「隊長、敵部隊を確認しました」
「各機、ビルの陰に隠れるんだ。敵の様子を見る」
「「了解」」
進軍を再開して5分後、カメラを最大望遠で見ていたカレン機がザコソルジャー部隊を捉えシロー機に報告、カレン機からの報告を受けたシロー機は様子を見るためにビルの陰に隠れるよう指示を出し、カレン機は左、シロー機とサンダース機は右のビルの陰に隠れ、カレン機はビルに背を向けて左に首を捻ってビルの陰から覗き、サンダース機はしゃがんだ状態、シロー機はカレン機と同じようにビルの陰から覗く。
「あれがザコソルジャー」
『こっちでも再確認したぜ。間違いねぇ』
『データでも確認しましたが見た目はジオンのザクⅡに似ていますね』
「だがあまりにヘンテコすぎだろあれは」
最初にサンダース機がザコソルジャーを確認すると後方でブラッドハウンドのエレドアがデータを再確認し、ミケルがザコソルジャーがジオン軍のMSであるザクⅡに似ていることを告げるとカレン機があの姿を見て呆れたように言う。
「よし。作戦内容を伝える。目標ポイントを3つ先の十字路とし市街地の建物を利用して、俺とカレンが左右に展開して、可能な限り敵部隊に接近する。サンダースはここに残ってほしい」
「何故です隊長?」
ザコソルジャーを確認したシロー機が作戦内容を説明する最中、サンダース機は自分がこの場で待機しなければならない理由をシロー機に尋ねる。
「サンダースはまず最初に合図の後、ここから180mmを使っての砲撃を行ってもらう。正面からではあるが突然の遠距離砲撃によって敵部隊は混乱をするはずだ。敵が砲撃で混乱している隙に接近した俺とカレンが再び俺の合図で左右から攻め、敵を更に混乱させる。その際サンダースは引き続き砲撃と俺達の援護射撃を頼む」
「了解」
「俺が右から攻めるからカレン、君は左から彼らを攻めてくれ。それから180mmのカートリッジにサンダースに」
「はい」
「エレドア、合図はお前に任せる」
『なになになにぃ!?』
シロー機がサンダース機に待機命令の理由を説明してサンダース機が了承すると次にカレン機に行動内容を伝え、カレン機が持っている180mmキャノン砲のカートリッジをサンダース機に渡すよう指示を出す。
サンダース機とカレン機に伝え終わるとシロー機はサンダース機への攻撃合図をエレドアにするように言う。
突然の指名にエレドアは驚く。
「ここでは視界が悪い。お前の耳が頼りだ」
『おっしゃぁ!任せてとけ。8小隊、俺様の指揮に入れ!』
『お調子もん』
『なんか言ったか?』
『い、いえ!なんでもありません!』
市街地という視界が悪く、戦況が把握しにくいため戦況が把握しやすいブラッドハウンドにシロー機は指揮を委ねた。
8小隊が自分の指揮で動かせることにエレドアははしゃぎ、そのエレドアにミケルが呆れる。
ミケルの言葉がエレドアに聞こえていなかったのかエレドアがミケルに聞き返すがミケルは慌てて誤魔化す。
エレドアとミケルがこのようなやり取りをしている間にシ3機の陸戦型ガンダムは背中に背負っていたコンテナを地面に下ろす。
コンテナを下ろすとサンダース機は4つのパーツに分かれている180mmキャノン砲を取り出し、シロー機とカレン機は180mmキャノン砲のカートリッジをあるだけ取り出してサンダース機に渡す。
「カレン、サンダース。配置と180mmの準備が整い次第報告を」
「「了解」」
シロー機は指示を出すとカレン機と共に配置先に向かって小走りで向かう。
その間にサンダース機は「FH-X180(もしくはNFHI GMCa-type.09/180mm) 180mmキャノン砲」を組み立てて行く。
「サンダース機、180mmの準備完了」
組み立てが終わり、180mmキャノン砲のサイドグリップを握り、準備が整ったことを告げる。
「カレン機、配置完了」
サンダース機に続いて配置場所に到着したカレン機が通信を入れる。
「こちらシロー、配置完了。合図があるまで各機待機」
最後にシロー機は配置に着いたことを告げ、それぞれの配置と準備が整い、シロー機の指示でエレドアから合図を待つ。
3機の陸戦型ガンダムはビルの陰からザコソルジャーの様子を見る。
『ザコ、ザコ、ザコ、ザコ』
ザコソルジャー部隊がシロー機とカレン機が身を隠しているビルの前を通り始めたのをシロー機とカレン機は確認した。
「エレドア・・・」
『まだだ。もう少し待て』
シロー機はエレドアに確認を取るがまだ攻撃する時ではないようでエレドアは待つように伝える。
「・・・サンダース、砲撃スタンバイ」
「了解」
攻撃の時が来たようでエレドアがサンダース機に指示を出す。
エレドアから指示が出されるとサンダース機はビルの陰から姿を現し、右膝を曲げ、左膝を地面に付け、
180mmキャノン砲を構える。
『ザコォ?』
遠くでビルの陰から姿を現したサンダース機を見つけた先頭のザコソルジャーはよく見えないためか立ち止まって遠くを見る。
先頭が止まるとその後ろも続けて止まっていき、全機のザコソルジャーが動きを止めた。
「エレドア!」
『捕まえた!サンダース、撃てぇ!』
動きを止めたザコソルジャーを見て絶好の攻撃チャンスと思ったシロー機は小声でエレドアに声を掛ける。
それはエレドアも同じだったようでエレドアがサンダース機に180mmキャノン砲での攻撃指示を出す。
エレドアの合図の直後、サンダース機が180mmキャノン砲のトリガーを引き、ドンッ!っと砲弾が発射される音が街に響き渡る。
放たれた砲弾が弧を描きながら最前列のザコソルジャー達の頭上を通り過ぎ、ザコソルジャー達のど真ん中に着弾した。
ドゴォォオオオン
『ザコ~~~~!!』
砲弾が着弾すると爆発が起こり、爆音が街に響き渡りザコソルジャー達が宙を舞う。
「すぅぅ・・・はぁぁ・・・カレン、いくぞ!」
「了解!」
180mm砲弾が着弾するとシロー機の合図でシロー機とカレン機がビルの陰から飛び出し、混乱しているザコソルジャー達に向って、構えていた「YF-MG100(もしくはNF GMG-Type.37/100m)100mmマシンガン」を撃ちながら走っていく。
「ザコッ!」
「敵襲!敵襲ザコ~!!」
突然の砲撃に続いて左右から2機の陸戦型ガンダムに攻撃を受けザコソルジャー達は更に混乱を始める。
「反撃ザコ!・・・ザコ~~!!」
奇襲を仕掛けてきたシロー機にザコマシンガンを向け、撃とうとした時、2発目の180mmキャノン砲の砲弾が着弾、ザコソルジャーが吹き飛ばされる。
「カレン、右から来るぞ!」
「はい!」
「ザコッ!」
100mmマシンガンを撃ちながらシロー機がカレン機にザコソルジャー近づいてくることを知らせるとカレン機は直ぐに右を向き、近づいてきたザコソルジャーに100mmマシンガンを撃ちこむ。
「ええい!数だけは無駄に多い!」
ザコソルジャーの数の多さに苛立ちながらカレン機は100mmマシンガンに加え、左胸の「バルカン砲」を撃ちまくる。
「ザコッ!」
シロー機が左手に装備していた盾「RGM/S-ShWF/S-00109 『シールド』」の先端で近くにいたザコソルジャーの頭部を攻撃し、別のザコソルジャーに100mmマシンガンを撃つ。
ヴィーヴィーヴィーヴィー
「!弾切れか!」
ダダダダダ・・・カタカタカタカタ
100mmマシンガンを撃っていると弾切れを告げる警報が鳴り、勢い良く出ていた弾が無くなって100mmマシンガンが空回りする。
「今だ!討ち取る・・・ザコ~~~!?」
シロー機の100mmマシンガンが空になったのを見た1機のザコソルジャーがシロー機に攻撃をするよう指示を出していた途中でサンダース機から放たれた180mmキャノン砲の砲弾が着弾して爆発によって吹き飛ばされる。
「サンダースか!助かる」
100mmマシンガンから空になったマガジンを外し、左手で左腰にある予備のマガジンを取り、100mmマシンガンに装填してリロードを行ったシロー機は再び射撃を開始する。
「ザコー!」
射撃を開始した直後、シロー機の後ろから1機のザコソルジャーがヒートホークで斬りかかってくる。
「くっ!」
後ろを振り返ったシロー機はシールドでヒートホークを受け止める。
「カレン、サンダース!目を逸らせ!」
カレン機とサンダース機に叫び、首を左に向け左胸のバルカン砲の下にある「マルチランチャー」から弾が放たれ、斬りかかったザコソルジャーの前で眩い光を放つ。
「ザコッ!?」
「ま、眩しいザコ~~!!」
『ザコ~~!!』
シロー機のマルチランチャーから放たれた「閃光弾」の光によってほとんどのザコソルシャーの目が奪われた。
「はああああっ!」
閃光弾で怯んでいる隙にシロー機は右膝を曲げてひざまづき、左脚の脹脛部分にある内蔵型サーベルラックから「X.B.Sa-G-03 ビームサーベル」を出し、100mmマシンガンを左手に持ち替え、右手でサーベルを抜きビーム刃を展開すると同時に目の前のザコソルジャーにビームサーベルを振るう。
「ザコ~~!」
ビームサーベルで胴を斬られたザコソルジャーはそのまま背中から後ろに倒れた。
「カレン、サンダース!敵の数は減りつつあるがまだ油断をするな!」
「はいよ!」
「了解!」
100mmマシンガンを撃ち、ビームサーベルでヒートホークを受け止め、弾き返しながらカレン機とサンダース機に注意を呼びかける。
注意を呼びかけられたカレン機はザコソルジャーの射撃をシールドで防ぎ、100mmマシンガンで反撃しながら返事を返し、サンダースは弾が無くなったカートリッジを交換しながらシロー機に返事を返すと新しいマガジンを装填、リロードを終えた180mmキャノン砲を構え直し、援護射撃の砲弾を再び放った。
西部
スカル小隊
「おぉ。凄いなありゃ」
「なんて破壊力だ」
「僕達には真似出来ない火力ですね」
「確かにな。だが俺達には俺達の戦い方がある。それで上手くやりゃあいい。さぁて、敵部隊を確認した。2人共、しっかり俺について来い!」
「「了解!」」
アルゴス試験小隊、8小隊と同じようにヴァーチェの威力に驚いているスカル小隊。
他の2小隊のようにはしゃぐことなく、ザコソルジャーを発見するとすぐに作戦行動に移り、高度を下げる。
「いっちょドデカイヤツをおみまいしてやるぞ!」
高度を落としたスカル小隊は攻撃態勢に入り、ザコソルジャー達をロックオンしようとする。
「!!敵が来たザコ~~!!」
「撃ち落すザコ!」
スカル小隊の接近に気付いたザコソルジャー達がスカル小隊を撃墜しようとザコマシンガンを撃つ。
「おっと!気付かれたな」
「どうします先輩?」
「このまま固まってたら的になる。敵さんを撹乱する!」
「了解!」
「分かりました」
「いくぞ、散開(ブレイク)!」
飛んでくるマンシガンの弾を避けながらファッカー機はこのままでは敵の攻撃の的となることを避け、撹乱させるために散開するように支持を出し、スカル小隊はフォッカー機が右上、一条機が左、マックス機が右に散る。
「まずは1発だ!」
右上に回避したフォッカー機が機体の姿勢を整え、再度攻撃態勢に入る。
「ターゲットロック!発射!」
ザコソルジャー達をロックオンしたフォッカー機から「AMM-1対空対地ミサイル」が1発発射される。
放たれたミサイルはブレることなく真っ直ぐザコソルジャーに向かって飛んでいく。
ザコソルジャー達は向って来るミサイルを撃墜しようとザコマシンガンを撃つがミサイルに当たることはなく地面に着弾した。
『ザコ~~!!』
「よぉし!」
ミサイルの爆発で5機程のザコソルジャーが宙を舞い、上手いったフォッカー機はザコソルジャーの頭上を通り過ぎていく。
「やるなぁ先輩。でも俺だって!」
フォッカー機に続いて一条機が主翼の下部に装備されている「UUM-7 マイクロミサイルポッド」から「GH32マイクロミサイル」15発をザコソルジャーに一斉に放つ。
『ザココ~~~!!』
「まだまだ!」
マイクロミサイルで8機近くのザコソルジャーにダメージを与え、ザコソルジャーの頭上を通り過ぎる直前に一条機は空中でファイター形態からバトロイド形態に変形する。
「変形したザコ!」
変形したバルキリーに驚いているザコソルジャーに一条機は上から「GU-11 55mm3連ガトリングガンポッド」を下にいるザコソルジャー達に向け、ガンポッドを連射して撃つ。
『ザコザコ~!!』
ザコソルジャー達の頭上から銃弾の雨が次々を襲いかかり、腕や肩、武装を撃ち抜く。
「やりますね一条君。僕も負けませんよ!」
ザコソルジャーを倒していく一条機に対抗心を燃やすマックス機はファイターで地表ギリギリまで降下し、超低空飛行でザコソルジャー達の正面からガンポッドを連射する。
『ザコ~~~!!』
正面からガンポッドを撃たれ、ザコソルジャー達が次々と倒れていく。
「やり返すザコ!」
『ザコーーー!!』
まだ残っていたザコソルジャー達が向って来るマックス機にザコマシンガン、ザコランチャーで一斉射撃を行う。
「おっと!」
マックス機は脚部を前に出し、急ブレーキして停止、十字路で右に移動しザコマシンガン、ザコランチャーを回避する。
回避したマックス機はガウォーク形態になり、横に滑空しながらビルとビルの間からガンポッドを撃つ。
「ザコ~~!!」
ガンポッドによる銃撃を受けたザコソルジャーは次々と倒れ、滑空していたマックス機は一時停止し、ガウォークからファイターに変形してその場で垂直上昇する。
マックス機が上昇すると空中でフォッカー機と一条機と合流し編隊を組む。
「おいおいお前ら!結構持っていってくれたな!俺の分がほとんどねぇじゃねぇか!」
「いいじぇないですか先輩。攻撃の一番手は譲ったんですから」
「そうですよ隊長」
「馬鹿野郎!それとこれとは話は別だろうが!」
合流し編隊を組むと一条機とマックス機にザコソルジャーのほとんどを撃破され、自分の分があまり残っていないことにフォッカー機が少々ご立腹だった。
「まあいい。とりあえず残りも片付けるぞ!」
「「了解!」」
粗方文句を言ってから気を取り直したフォッカー機は後ろに一条機とマックス機を連れ、残ったザコソルジャーを片付けるため再び行動を開始、機体を大きく左に傾け高度を下げ、ザコソルジャーに向かって行く。
南部
エヴァ小隊
エヴァ初号機、弐号機、零号機改の3機は地上を走って目標ポイントまで向かっている。
「目標ポイントに到達したわ」
「分かってるわよ優等生」
零号機改が目標ポイントに到達したことを伝えると弐号機が鬱陶しそうに答える。
「あれね」
弐号機が辺りを見渡すと1台のトレーラーが止まっている。
トレーラーに近づき、弐号機がコンテナの後部ハッチを開く。
コンテナハッチが開くと中にはバレットライフル、ハンドガン、ハンドバズーカ、バズーカ、スナイパーライフル、ポジトロンライフル、ガトリングガン、ソニックグレイヴ、スマッシュホーク等エヴァンゲリオン用の武装が床に置かれたり、壁に掛けられている。
「これだけあれば十分に戦えるわね」
「うん。それにしても凄かったね、さっきの光」
「まあね。あんなもの撃てるなんてホントにガンダムって凄いわ。ま、私ほどじゃないけどね」
「なんでガンダムって分かるの?」
「はああ?」
コンテナ内に入り、各々の武器を取って戦闘準備している最中、初号機が他の小隊と同じくヴァーチェのGNキャノンによる攻撃の話をし始める。
あのビームを撃ったのがヴァーチェだと分かっていた弐号機はガンダムの性能を高さを評価しつつも自分の方が上だと言うとあのビームを撃ったのがヴァーチェだと知らなかった初号機の言葉を聞いて弐号機は呆れたように声を出し、初号機の方を向く。
「初号機君、あの人からこの作戦に参加してる全員に情報が送られているわ。撃ったのは新しく召喚した味方のガンダムよ」
「え、情報送られてたの?」
「アンタバカァ!?戦いで味方から情報が送られてるなんて常識じゃない!」
零号機改が初号機に情報が送られていることを教え、友軍から情報が送られていたにも関わらず情報を確認していない初号機に弐号機が怒鳴る。
「でも、そんな通信一度も」
「情報が常に音声通信なわけないでしょうが!なんのためにデータがあるのよ!第一、出撃の時今向かってる敵の詳細情報はデータで送られたでしょうが!」
「あ、そういえば」
「ほんっとぉおにバカね!バカ初号機!」
「わ、悪かったよ。でもそんなにバカバカ言わなくてもいいじゃないか!」
「バカだからバカって言ってるんでしょうが!バカ!」
「2人共、見えたわ」
初号機と弐号機が言い争っている中、敵を目視で確認した零号機改が2機に伝える。
「来たわね」
零号機改に教えられた弐号機と初号機がトレーラーから降り、ビルの陰から様子を伺う。
「それでどうするの?」
「少しは自分で考えなさいよ!よくそんなんで小隊長なんてやってるわね!」
「そんなこと言われたって」
「ああんもう、いいわよ!私が指示するからよく聞きなさい!」
小隊長であるのに作戦を自分で考えない初号機を怒鳴って弐号機はイラつきながら戦闘時の行動を伝える。
「情報だと敵は性能的には低いけど数は多い。だったらここは小隊特有の連携での戦闘で倒すのがセオリーね。あまりやりたくないけど。役割は私がオフェンス兼ディフェンス、初号機はオフェンス、優等生がバックアップ、これでいいわね?」
「分かったわ」
「オフェンスとディフェンスを一緒にって大丈夫なの?」
「あたしを誰だと思ってんの?あんたよりは上手くやれるわ」
「・・・うん、分かった。弐号機、零号機、行くよ!」
「ええ!」
「いくわよ!」
弐号機の説明を聞いて零号機改はすぐに了承したが初号機がオフェンスとディフェンスを一緒に行う弐号機を心配して尋ねるが弐号機に言われ納得する。
初号機が納得したところで弐号機がビルの陰から飛び出し、ザコソルジャー達に向かって走り出す。
「敵発見ザコ!」
弐号機に気付いたザコソルジャー達は一斉にザコマシンガンを弐号機に撃つ。
放たれた銃弾が弐号機に命中する。
「痛つつ!流石に痛むわね。・・・でも、こっちには1万2000枚の特殊装甲と!」
装甲の強度は頑丈であるがやはり痛みことに変わりはない。
弐号機は痛みを堪えながら止まることなく走り続け、正面からザコマシンガンに続きザコランチャーが放たれる。
「ATフィールドがあるんだから!」
弐号機が右腕を振い、防御障壁「ATフィールド」を展開し、ザコランチャーを防ぐ。
弐号機がザコランチャーを防ぐとその爆煙を利用して近づいてきたザコソルジャーが右手に持ったヒートホークを振るう。
「甘いわよ!」
振るわれるヒートホークを弐号機は再びATフィールドを展開して防御する。
「なんザコこれは!?」
ATフィールドに驚いているザコソルジャーに弐号機は右肩のウェポンラックから標準装備である近接武器「ブログレッシブ・ナイフ」を右手で取り、ザコソルジャーの腹部に突き刺す。
「弐号機、避けて!」
「!」
後ろから初号機に大声で言われた弐号機は突き刺したブログレッシブ・ナイフを引き抜き、その場で跳躍して前方を空ける。
「ええい!」
『ザコ~~!!』
弐号機が跳躍すると初号機は「バレットライフル」のトリガーを引き、ザコソルジャー達を撃っていく。
「よし。・・・!?」
5機程のザコソルジャーを倒して少し喜んでいると左からヒートホークを持ったザコソルジャーが接近し、ヒートホークを振り上げる。
「うわっ!」
振り下ろされるヒートホークを初号機は顔を逸らし、左腕を上げてガードしようとした。
「ザコッ!」
「?・・・は!零号機!」
しかし、ヒートホークが初号機にの左腕に当たることはなく、その前にザコソルジャーの悲鳴が聞こえてきた。
初号機が視線を戻すとザコソルジャーは倒れている。
その胴体には横から銃撃を受けた跡がある。
それを見た初号機はザコソルジャーを撃ったのが零号機改だと直ぐに理解し、零号機改の方を見る。
「後ろは任せて」
初号機が見るとビルの屋上から零号機改が「スナイパーライフル」を構えていた。
「うん。ありがとう。もう少しで殺られるところだったよ」
零号機改にお礼を言って初号機は正面を向き、バレットライフルでザコソルジャーを撃つ。
「・・・・・貴方は死なないわ。・・・私が守るもの」
零号機改は小さく呟くとスナイパーライフルを構え直し、初号機と弐号機の援護を再開する。
「このぉおおおっ!!」
『ザコ~~!!』
弐号機が両手に持った「ハンドバズーカ」を連続で発射しザコソルジャー達が次々と宙を舞っていく。
「負けてらんないのよぉ!」
カチンッ、カチンッ
「ちっ!」
ハンドバズーカの弾が切れると弐号機はハンドバズーカを投げ捨てザコソルジャーに向かって走り出し、跳躍して右膝を前に突き出す。
「ザボッ!」
弐号機の跳び膝蹴りがザコソルジャーの左頬に命中し、受けたザコソルシャーは倒れ、弐号機の後ろにいる別のザコソルジャーがザコマシンガンを向ける。
「あんた達にぃいい!」
弐号機は叫びながら右手で跳び膝蹴りで倒れたザコソルジャーの左脚を掴み、掴んだまま後ろを振り返り勢い良く後ろのザコソルジャーに投げた。
「ザコッ!」
仲間を投げられたザコソルジャーは受け止めることが出来ず、そのまま後ろから倒れる。
「弐号機!」
初号機に呼ばれて振り向くと初号機が弐号機に新しいバレットライフルを投げ渡す。
初号機から投げ渡された弐号機はバレットライフルを受け取ると直ぐにザコソルジャーに向けてトリガーを引く。
『ザコザコ~!!』
弐号機が撃つバレットライフルを受けてザコソルジャーが次々とダメージを受けて行く。
他のザコソルジャーが左右、または後ろから弐号機を攻撃しようとするがそれを初号機がバレットライフルで撃破する。
逆に初号機を攻撃しようとするザコソルジャーもいたがそうした場合、後方から零号機改のスナイパーライフルで狙撃されていった。
後書き
BGM『HUMAN TOUCH』
ARXー7アーバレスト「イヤー、やっと書けたな。長かった」
健悟「長すぎなんだよ」
アポロン「全くです」
健悟「前回の後書きで絶対に終わらせるっていっておいて終わってないじゃん!どうすんの?」
ARXー7アーバレスト「安心してくれ。次で必ずケリはつく」
健悟「なんかやけに今回は大人しいなどうしたんだあれ?」
アポロン「今年も独り身で寂しくバイトをしてクリスマス・イブとクリスマスを過ごしたからでしょう」
健悟「泣けてくるな」
ARXー7アーバレスト「それそうと健悟君」
健悟「何?」
ARXー7アーバレスト「これ読んで」
健悟「え?読めばいいのか?」
ARXー7アーバレスト「うん」
健悟「えっと・・・『月は出ているか?』」
次回『第四十一話 月は出ているか?』
健悟「え!何今の!?」
アポロン「どうやら次回予告だったようですね」
健悟「今のが!?みじか!」
アポロン「恐らく今回はガンダムX風だったのでしょう。BGMがそうですし」
健悟「だからって短すぎるだろ!」
ARXー7アーバレスト「もう尺がないから今日、もとい今年はこれで終わり。ギリギリ間に合ってよかった。今回のことについては次回詳しく話すわ。それでは皆様、2013年も色々お世話になりました。来年、2014年も『~少年が望んだ世界と力~』をよろしくお願い申し上げます。それではよいお年を。次回もお楽しみに!!」
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第四十話 SDガンダムフォース(後編)