―幽州 啄郡―
桃香と桜葉は啄郡の街を徘徊していた。
啄郡は二人の故郷からそう離れていない場所にあり、故郷である桃花村に行き、親や親友に会
いに行きその帰りに啄郡に寄っていた。
桃香
「久しぶりだね~ 啄郡の街は~」
桜葉
「そうだな・・・昔のまんまだな・・・・・・笑顔が似合う街だもんな」
桃香
「・・・・・・そうだね。その笑顔を私達が守らないとね・・・・・・」
桜葉
「・・・・・・あぁ・・・」
第3話「黒髪の山賊狩りと桃桜(ももざくら)」
二人が街の中を歩いていると
賊1
「動くんじゃねぇ!! 動いたらガキが傷物になるぜ~?」
騒がしいとおもい二人が見に行くと、数人の賊が子供を人質にしていた。
賊2
「それが嫌なら金と金目の物をよこしな!!」
それを見ていた二人は
桃香
「・・・・・・桜葉くん、私が囮になるからよろしくね」
桜葉
「あぁ・・・5人か・・・・・・・人質と隣の奴は任せるからな。俺は後ろの3人をやる」
二人は別れて
桃香
「待ってください!! 私が代わりに人質になりますからその子を離してください!!」
賊1
「何だぁ?・・・・・・ほぉ~中々いい嬢ちゃんじゃねぇか? ・・・・・・・・・いいだろ。同時に引渡
しだ」
桃香
「・・・・・・分かりました」
桃香はゆっくり歩いて行き真ん中で子供は離されて、桃香は賊の方に行った。
賊2
「嬢ちゃんが俺達の相手を・・・・・・「っは!!」・・・<バキッ!!> ぐわぁぁぁ!!」
子供が遠くの方に行ったのを確認した瞬間、桃香は近くにいた賊の顎下に拳を叩き込んだ。
賊1
「このアマ!? 騙しやがったな!? お前達!! こいt・・・「「「ぎゃあぁぁぁ!!」」」・・・・・・」
ドサッ
賊1
「・・・な、何!?」
後ろでは桜葉が3人の賊をすでに倒していた。
賊1
「お、おい! <ザッ!> ひぃ!!」
その後、街の警邏隊によって5人共、牢屋送りにされた。
桃香
「ふぅ~ 上手くいったね」
桜葉
「あぁ・・・」
二人が立ち去ろうとした時
???
「お待ちください!!」
一人の少女に呼び止められた。
???
「先程の立ち振る舞い実に見事でした。我が名は関羽と申します。平和の世の実現の為に
我々と力を合わせて戦いせんか?」
桃香&桜葉
「「・・・・・・・・・」」
関羽
「どうかなさいましたか?」
桜葉
「・・・・・・あ~、いや~何ともいきなりのことだったから・・・なぁ?(黒髪の山賊狩り
か・・・・・・)」
桃香
「うん・・・・・・(こんなに率直な人がまだいたんだ・・・昔の私にそっくりだな~)」
関羽
「・・・・・・はぁ・・・」
桜葉
「まぁ・・・誘いは丁重に断らせてもらう」
桃香
「うん、私達には行くところがあるからね」
関羽
「何故です!? 世の安寧の為に動こうとは思わないんですか!?」
桃香
「そんな事言われても・・・・・・「おい、本当か? 近くの森に族がいるって?」・・・・・・!」
桃香は近くで話していた人の話を偶然聞いた。
民1
「あぁ、この街からそう遠くなって噂だぞ。何でも4、5000人はくだらないそうだぞ」
民2
「おっかねぇな~」
民1
「全くだな」
それを聞いた桃香は
桃香
「・・・桜葉くん」
桜葉
「あぁ・・・関羽とやら済まないが急ぎのようが入ったのでな。失礼する・・・・・・」
桜葉はそう言うと、二人は小走りで走って行った。
関羽
「・・・・・・・・・っ!」
少しその場で考えて、関羽は二人の後を追った。
―森―
そこは木々が蔽い茂っている森の中の開けた場所には4、5000人の賊達が停留していた。
賊頭
「いいか、お前達!! あの街さえ襲えば金も女も食物も手に入れ放題だぞ!!」
賊
「「「「「おぉぉぉぉぉぉーーーーーー!!!」」」」」
そのすぐ近くで
桜葉
「目標発見・・・数、およそ5000」
桃香
「・・・・・・人質及び監禁者なし・・・」
そこには普段の服の上から左腕には頑強な鎧がつけていて、手甲があり二本の爪があった。
更に背中には背丈と同じ位の抜き見の大太刀・『桃靖百花(とうせいひゃっか)』を背負っている桃香と、
両腕に掌まで覆っている鎧に左肩から右腰に掛けて鎧を着込んで、手には柄の部分に斧の刃が付いている両
刃剣・『桜歌天轟(おうかてんごう)』を持っている桜葉が立っていた。
その後ろから
関羽
「(あの様な所で何を?・・・・・・まさかあの人数を相手にするのか?)」
その時
桜葉
「おぉぉぉぉぉぉ!!」
桜葉が『桜歌天轟』を構えながら賊の方に突撃を掛けた。
桜葉
「ぜあぁ!! うらぁ!! たぁ!!」
桜葉は『桜歌天轟』で切りつけながらドンドン森の方へと下がっていった。
賊頭
「何だ!? 見掛け倒しか? さっきの奴を捕まえたら血祭りに上げるぞ!!」
賊
「「「「「うおぉぉぉぉぉぉ!!!」」」」」
桜葉を追って森に入っていった。
その瞬間、
ギュイィィィ!!
賊頭
「何だ?」
桃香
「はあぁぁぁぁぁぁ!!!」
ズシュゥゥゥ!!
賊
「「「「「うわあぁぁぁぁぁぁ!!」」」」」
関羽
「(アレは!?)」
関羽が見たのは左腕の篭手の先端の爪が紐について伸びていて、木に刺さった部分に引かれ
ている間に『桃靖百花』で切り裂いていき
桃香
「っ!」
軽く一跳びして浮いたままで一回転して、木に刺さっていた爪は抜けて着地した。
その後も同じ行動を繰り返していき
賊
「こんな奴に勝てるわけねぇ!」
賊頭
「ここじゃ分が悪い! 一旦退くぞ!!」
先程の場所に戻った時には1000人程しか残っていなかった。
戻った場所には
桜葉
「いらっしゃい~♪」
ブウゥン!! ブウゥン!!
『桜歌天轟』の刃を持ちながら腕で回している桜葉がいた。
そして、
桜葉
「行くぜ!!」
『桜歌天轟』を真上に投げた。
そして桜葉もそれを追うように跳び
パシッ!
桜葉
「喰らえぇぇぇ!!」
空中で掴む『桜歌天轟』の刃の部分が突然デカくなり、そのまま真下に叩きつけた。
ドカーン!!
賊はピクリとも動かなくなっていた。
桜葉
「ふぅ~・・・・・・まぁ、こんなもんだろ?」
桃香
「そうだね・・・お疲れ様」
桜葉
「まぁ、何ていうか・・・・・・三下すぎてつまらないな・・・・・・」
桃香
「だね~。全力なんて全然だしてないのにね?」
桜葉
「歯応えがなさ過ぎだ・・・・・・骨のある奴がいるのは世間的には悪いが・・・一人や二人はいて
ほしいな」
関羽
「あの!!」
桜葉
「ん? アレ? 関羽さん。着いてきたのか?」
関羽
「はい。先程の剣裁き誠に見事であった・・・・・・今一度お願いたします。世を変えるために私と
共に歩んではくれませんか?」
桃香&桜葉
「「・・・・・・」」
桜葉
「それってさ、俺達を要として義勇軍を率いて欲しいと?」
関羽
「お二人のお力ならば必ず、世の為に・・・・・・「それは無理だな」・・・・・・何故です!?」
桜葉
「義勇軍の応募があった村の、その後ってのをたくさん見たしな・・・・・・」
桃香
「・・・・・・うん。男手が少なくなって、村を守るもの難しくなって・・・・・・そのまま賊にっ
て・・・事もよくあるから・・・・・・それに・・・」
関羽
「・・・・・・それに?」
桃香
「応募があってから立ち上がるのは何か変だと思うの・・・・・・」
桜葉
「そうだな・・・そいつらは自分達が何も出来ないって、思い込んでるだけだからな。切欠で立ち
上がった者ってのは、かなり脆いものだからな」
関羽
「で・・・ですが、そうでもしなければ・・・・・・!!」
桃香
「民は平和にならない? 自ら立ち上がってこその力だと思うの。もしも、その人がいなくなったら
支えたもらってた人は倒れちゃうよ。別に支えあって生きてくのが悪いんじゃなくって・・・でも、
そうでもしないと戦に挑んでも、悪戯に人を死なせちゃうから・・・・・・ね?」
関羽
「・・・・・・ですが、人は誰しも・・・」
桜葉
「そんなに強い訳ないよな? だけど・・・な? それだけの気概なくして生きていく意味はあるか?
明日に怯えて震えるよりも、今を精一杯生きる方が楽しいだろ? それに、俺達は行く場所もある
し・・・・・・もっと言えば・・・・・・」
関羽
「・・・・・・???」
桃香&桜葉
「「自由に行動できなし(から)!!!」」
関羽
「・・・・・・は?」
桃香
「私達の行動理念って言うのかな~・・・・・・? まぁ、簡単に言うと自分達が自由がなきゃ、何に
もやっても上手くいかないの・・・私達って」
桜葉
「人々の為に戦うのは別にいい・・・・・・だけどな、それで自分に返ってくる見返り・・・・・・自分 の特になる事を俺達は求めてるって訳・・・・・・俺の場合は戦いたいって思っていることだろ? 桃
香は確か・・・・・・あぁ!! 強い自分になりたいと、太らない為の運動だっt・・・・・・「わぁぁ ぁぁぁぁ! 何言ってるの、桜葉くん!?」・・・・・・ホントの事だろ? いや~ガキの頃だったけど、 あれは中々に・・・・・・」
そんな、笑っている桜葉を見て
桃香
「・・・・・・ちょっと桜葉くん・・・・・・」 チャッキ
桜葉
「くくく・・・何だ・・・よ・・・・・・?」
そこには『桃靖百花』を構えている桃香いた。
桜葉
「あ・・・あぁ~桃香さん? 何で『桃靖百花』を構えてるのかな? それに氣の高まり方もあまり宜
しくないなぁ~・・・冗談だよ! 冗談!! あんなのちょっとした・・・・・・」
バコーン!!
いきなり『桃靖百花』を振り下ろしてきた。
桜葉
「・・・・・・は・・・ははは・・・・・・これはマズイ・・・逆鱗に触れちまった」
桃香
「(ニコニコ)幾ら冗談でも、言って冗談と悪い冗談があんだよ? 今日と言う今日は許さないよ
・・・・・・それにそもそも、冗談じゃないしね・・・・・・」
カカァァァァァァ!!
桃香の身体に氣が集まり初めて
桜葉
「(これは・・・『桃園の舞[散]』じゃねぇか!?)そういう訳で関羽殿、俺はこれで・・・・・・逃げ
ろーーーーーー!!!」
桃香
「待ちなさい!! 桜葉くんーーーーーー!!」
桜葉はその場から猛スピードで逃げ出して、その後を桃香が氣を纏いながら追って行き、二人
は何処かに行ってしまった。
関羽
「・・・・・・」
一人置き去りにされている関羽であった。
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