No.648129

【真・恋姫†無双】君へ約束のメリークリスマス

南無さんさん

こちらは真・恋姫†無双の二次創作でございます。
今年最後の投稿です。思えば6月に投稿し始め早半年、
皆さんの、支援、コメント、お気に入りが
執筆する上での力となり今日まで続けられたと思っています。
本当にありがとうございます。

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2013-12-25 01:10:01 投稿 / 全2ページ    総閲覧数:5337   閲覧ユーザー数:4585

幸せって、ああいう事を言うんだよな……

 

 

今日はクリスマス、この地に再び降りてからの初めての聖夜。

 

先程、俺が提案したクリスマスによる宴が終了し、

 

呑み潰れた皆を寝床に連れ終え、一人自室にて余韻に浸っている。

 

幸せな時間だった。自然と笑みがこぼれ、一緒に喜び合い、

 

くだらない事で心踊る。一年前の俺からは想像できなかった。

 

 

 

あの頃の俺は希望など無く日々を怠惰に過ごしていた。

 

寝ては夢の中でも何度も皆の名を叫び想いを馳せていた。

 

そして、荒んだ心が影響してか上手く笑えなくなり、

 

外史に心を置き去りにしてきた、絶望しながら、そう確信したんだ。

 

皆と共に大志を掲げ駆け抜けた日々は、とても輝かしいもの。

 

何事にも変えられない大切な思い出。

 

だから、俺は募る想いを抑えきれず、泣いていた。

 

泣いて、泣いて、泣きまくった。

 

戻りたいと心から願いながら。

 

 

……奇跡が起こった。

 

不思議な声に導かれて眼を開くと、再び外史に舞い戻っていた。

 

俺は無我夢中で走り出し、声が聴こえる方へと急いだ。

 

 

 

―――――もう一度巡り逢えた―――――

 

 

 

俺は再会に泣き顔を見せたくなかったから、涙を必死に堪え笑顔を努めた。

 

皆も、最初は驚いたものの次第に目に涙を溜めながら笑ってくれた。

 

そして、彼女が俺の所にゆっくりと歩いてきた。

 

今でも鮮明に憶えている。これから先も忘れない、

 

あの言葉を口にして……

 

 

 

―――――――おかえりなさい……隊長!!―――――――

 

 

 

救われたんだ。負のしがらみから解放してくれた温かな君の言霊に。

 

絶望だらけだった心に日輪の光を注いでくれた愛おしい君に。

 

 

 

…少し思い出し過ぎたかな。どうやら酒に酔っているようだ。

 

夜風を当たりに城壁に行くとしよう。

 

 

 

 

 

 

…城壁に誰か居る。眼を凝らしてよく見ると先程想っていた彼女が、

 

空へと手を伸ばしていた。その刹那、奇妙な出来事に遭遇した。

 

月が一段と輝きを増し、一直線に君だけを照らしていた。

 

辺りは暗いままなのに君だけを煌々と…

 

思わず見惚れてしまう。丸で現実とは掛け離れた幻想的な、

 

絵画を目にしている様な不思議な気分。俺は思わず愛しい人の名を呼ぶ。

 

君は俺に気付き胸の中へと飛び込んできた。

 

普段の消極的な君からは考えられない行動だ。

 

おそらく俺と同じく酒に酔っているのだろう。俺は優しく抱きしめる。

 

すると、君は嬉しそうに笑顔を差し向け、何かに気付いた。

 

 

…え?雪?本当だ……。

 

君を照らしていた月が役目を終え、雲に覆い隠される。

 

空からは雪が結晶を形成しながら、深々と振ってきた。

 

…ホワイトクリスマスだ。ん?意味?

 

クリスマスに雪が降る事をホワイトクリスマスって言うんだ。

 

俺が住んでた所では滅多に見れなかったから、縁起が良いものと勝手に解釈しているよ。

 

説明を終えたら腕の中、君は寒そうにしていた。俺は君の懇願もあって強めに抱きしめる。

 

そして、君は俺を見つめ語り始めた。

 

もう一度巡り逢えて良かったと再び寵愛を頂けて良かったと。

 

俺もだよ。もう一度、君に触れられて本当に良かった。

 

叶わぬ夢だと思っていたから。

 

しかし、君は一転して不安を吐露する。

 

また俺が消えるのではないかと危惧していた。

 

何も言わず、この世界から立ち去ったが故に出来てしまった心の傷。

 

君だけではなく、皆も間違い無く傷を負っている筈だ。

 

これは、決して消える事の無い俺の罪。

 

自分の意思ではないとはいえ、何て残酷な事をしたのだろう。

 

苦痛に顔を歪めてしまう。

 

だが、優しい君は俺の様子に気付き、首を横に振った。

 

もし、もう一度俺が現世に帰ったとしても、

 

後を追い、共に道を歩いてくれると誓ってくれた。

 

 

また君に救われた。

 

 

俺も皆を君を悲しませたりしないと、改めて決意する。

 

再び世界の大いなる意思に呑み込まれ様としても、ここに存在し続ける。

 

そう告げると、君は眼を細め最上の笑顔を咲かせる。

 

そして、君は愛を告白し、キスをしてきた。

 

舞い散る雪の中、俺も想いを伝える。

 

離れない、離したくない。命の灯火が消えるその時まで、隣で笑うと約束するよ。

 

 

 

~現実から目を背け絶望し物言わぬ『夢想』で何度も馳せた、あの頃とは違い、今、

 

 君がこうして腕の中に居る、この幸せを噛み締めながら『恋姫』の君に久遠の約束を~

 

 

 

 

―――――愛してるよ『凪』…Merry X'mas―――――

 

 

 

 


 
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