No.632174

魔法戦記リリカルなのはmemories エピローグ

J・S事件から八年後、高町なのははある青年に会った。

その青年はなのはに関わりがある人物だった。

だがなのはにはその記憶が消されていた。

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2013-10-28 23:45:27 投稿 / 全3ページ    総閲覧数:2543   閲覧ユーザー数:2453

……すみませんでした!!

 

第百二十四話を投稿する前に、間違えてエピローグを投稿してしまっていたようです。

 

そのため、こちらを読む前に先に第百二十四話をよんでください。話が繋がらないと思いますので。

 

リンクはここに置いておきますので、そこから飛び、ここへ戻ってきてくれると分かると思います。

 

http://www.tinami.com/view/632476

 世界が平和という言葉は、現実的に無理がある話だ――

 現在のように管理局が世界を統治している場合、密かに悪事を働いてしまう者は現れるだろう。最悪、ミルティオル・ベスカが行っていたような人体実験まで発展すると恐ろしいものだ。

 逆に無数の国があり、それぞれが土地を統治している場合、国同士で仲が良かったり悪かったりすることができてしまい、最悪、戦争という引き金を引いてしまうことになる。

 どちらも長続きすればもっと悲惨なことが待つこととなるのだから、平和なんていう言葉は存在にしないに等しいことだ。本当の平和というものは誰かによって縛られ、革命する事すら起こすことができないほどの独裁なのかもしれない。

 しかし、高町なのははどれも選ばなかった。管理局が世界を統治していることは変わりがないが、なのはが管理局に戻り、元帥という地位を手に入れた直後、管理局の空気が一変した。

 なのはがしでかした事は管理世界にすべてが伝えわたり、オリヴィエ・ゼーゲブレヒドの末裔だという事も知らされた。何よりなのはに逆らない方がいいと思ったのが、時空管理局地上本部と聖王教会以外をすべて破壊した力を見てしまったからだった。あれほどの力をなのはは備えているため、誰もが彼女と敵対しようと思う人物はいなかった。

 ある意味独裁ではあるが、もちろんなのはは独裁をしているわけではないため、独裁のような横暴の命令等はしていない。また、管理局はミッドチルダが壊滅したために、管理局が管理している世界はそれぞれの独自の自治に任せている。半年も続いているために、管理世界によって多少の違いが現れる様になっているが、完全に独立したわけではなかった。

 管理局というかなり大きく世界を統治していながら、なのはの力によって独裁されているようでそうではなく、管理世界の自治をその世界ごとに任せているのに何も変化がない。なのはが選んだ中には当てはまる部分もあるがすべて当てはまっているわけではなかった。

 ちなみに、逮捕状が出ていたヘレスナ・リュベルだが、ベスカ家が潰えたという事を知り、自殺した姿が見つかったらしい。そのことは、なのはとはやてにも管理局に戻ってから伝えられた。

 

「ここが、元帥の部屋ね……ってうわぁ……」

 

 ミッドチルダが復興でなおも忙しい中、なのはは階級が元帥と昇格したため、時空管理局地上本部にある元帥の部屋の前に居た。

 ドアを開けて中に入ると、他の部屋とは違うほど豪華な部屋であり、はなからゼーゲブレヒドの末裔が来た時のために用意されたものだと改めて思った。

 なにしろ、仕事部屋だというのにベッドやバスルームなども用意されており、この部屋で衣食住ができるようになっていた。家具なども高そうなものが多く並んでおり、正直こんなところで仕事ができるのだろうかとなのはは思ってしまうのだった。

 

「お、なのはちゃん、今日から仕事……なんやこれ」

「やっぱり、驚くよね……これ」

 

 丁度八神はやてが廊下を通りかかり、なのはの姿を見たのでなのはの後ろに行き、そこから部屋の中身を見るが、余りにもありえない部屋にはやても思わず驚いていた。

 ちなみに、はやては管理局に戻った後、すぐさま中将へと昇格され、同じ中将であるフィルノ・オルデルタと共に復興の中心人物となっている。どうやら管理局に戻った時に完全に吹っ切れたようで、いつも通りの八神はやてへと戻っていた。

 

「そんで、なのはちゃんはここで暮らすのか?」

「まさか。家持ってるしヴィヴィオとか居るからね。というか、こんなところで寝れないと思う」

「それは同感かも……」

「とりあえず、はやてちゃんも中に入る?」

 

 はやては頷きなのはのあとに続いて部屋の中へと入った。入ったところで大体ドアのところから見てしまったため、これと言って驚いたところがないが、ドアを完全に開いていなかった部分だけ死角となっていたため、そこにあったものにとてつもなく驚いた。

 

「な、なんでこんなところにエレベーターが?」

「わ、分からない……とりあえず、先に行ってみる?」

 

 まるで個人用のエレベーターがあるとは二人とも思っておらず、一人で行くのはなんか怖かったなのはは部屋のドアを閉めてはやてを連れて行こうとする。

 はやても特に拒否する理由もなく、なのはと共にエレベーターへと乗り、エレベーターの中にあった二つのボタンとも何も書いていなかったため、とりあえず下の方にあったボタンを押してみた。

 ボタンを押した直後、すぐにエレベーターのドアが閉まり、降下していった。

 

「……か、かなり長く降りてるのやな」

「何階か表示されてないから、どのくらい降りているのか分からないし……」

 

 今何階で、どこまで降りていくのかという事は分からなかった。元帥の部屋があった階からして、すでに地下だろうとなのはが思うほど降りて行き、ようやくエレベーターがある階で止まった。

 エレベーターの扉が開くと、そこは見たことがない空間が広がっており、エレベーターからまっすぐと先に何らかの大きな結晶があるのが見えた。

 何の結晶だろうと思い、なのはとはやては前へと近づくが、結晶の中に誰かが閉じ込められていることに気づくが、そしてそれが誰なのかも同時に気づき、その人物になのはたちは驚きを隠せなかった。

 既に居ないはずの人間が、肉体を保持したまま結晶の中に閉じ込められていたのだからだ。どうしてこんなところに居るのか、|記憶《・・》を知っているはずのなのはですら分からなかった。

 

「お、オリヴィエ・ゼーゲブレヒド……どうしてこんなところに……」

 

 そう――結晶の中に居たのは誰がどう見てもオリヴィエ・ゼーゲブレヒドだった。

 しかし、なのはがオリヴィエの記憶として知っているのは闇の書の闇――リインフォースと戦い、大規模次元震を起こしたところまでだった。それ以降の事はオリヴィエが意識を失ったことによってなのはの記憶としても残っていなく、オリヴィエがどうなったのかというのはナノハですら知らなかった。

 なのはははやてを置いてすぐさま結晶の近くへと駆け寄った。駆け寄ってなのははすぐに気付き、オリヴィエの体自体がなにかの動力源となっているという事に気が付いた。何かの動力源なのかと思ってなのはが調べ始めた時に、はやてがなのはに追いつき、何か分かったのかという事をなのはに聞いた。

 

「……なんで、オリヴィエ・ゼーゲブレヒドがここに」

「分からない。けど、何かの動力源になっているのは確かだね」

「動力源――一体なんのや」

「それを今調べて……まさか、この動力源ってっ!?」

 

 はやてと話しているうちに、結晶化されているオリヴィエ・ゼーゲブレヒドが何の動力源なのか気付いたなのはは、今まで以上にとてつもなく驚いていた。

 しかし、オリヴィエの魔力ならばこれくらいの事は可能だという事はなのはでも知っていた。しかし、何がどうしてオリヴィエがこんなところに居るのかはなのはでも分からないでいた。

 はやては、なのはがなんの動力源なのか気付いたような感じがしたため、すぐになんなのかという事をなのはに聞こうとする。

 

「なのはちゃん……一体何の動力源なんや?」

「……ミッドチルダ全域のすべての電気をオリヴィエを使った動力源から使用しているのだと思う。まだ電気しか使われていないけど、ミッドチルダを囲んだ魔法の防壁としても使うことができる。すごいのは、魔法の防壁をそれをしても動力源の内のエネルギーを全然使われていないという事よ」

「なっ、どうして電気だけしか……」

「最初から使うのはどうかと思ったのでしょうね。実際、電気だけ使えればいろいろと何とかなるし、生活はできていたのだから――」

 

 ある意味、ミッドチルダの生活はすべてオリヴィエ・ゼーゲブレヒドが守っている。彼女が機能停止すればミッドチルダの電気関連はすべてが動かなくなるため、こんな地下奥にあるのはなのはでもすぐに納得ができた。そして、元帥の部屋からのみしかエレベーターが繋がっていないのは、時空管理局が設立された時から元帥はゼーゲブレヒドの末裔に任せる予定だったのだろうとなのはは思った。

 聖王教会がこんなところにオリヴィエ・ゼーゲブレヒドが居ると知ったら驚くだろう。そしてオリヴィエがミッドチルダを守っていると知り、信仰はさらに増加するかもしれなかった。

 

「な、なぁ、なのはちゃん。一度上に戻らんか? あまり弄るわけにもいかへんだろうし」

「……そうだね。そうしよ――」

『……ナノハ・ゼーゲブレヒド』

 

 確かにあまり弄るのはどうかと思い、はやてに言われて一度戻ることに賛成しようとしたが、突然なのはを呼ぶ声が聞こえ、歩めようとした足を止めた。

 その言葉ははやてにも聞こえていたようで、二人はすぐに後ろへと振り向いていた。ここになのはとはやて以外に呼ぶ人物はいないし、居るとしたらたった一人だけだった。

 

「まさか……オリヴィエ・ゼーゲブレヒドですか?」

『その通りだ。そちらは現在の夜天の書の持ち主という事か?』

「は、はい。そうです!!」

『……そうか。あの負の連鎖は終わったのね。ベスカ家の悪事も、すべて』

 

 なのはとはやてがこの場に居ることからオリヴィエは察したのか、結晶の中で表情などの変化が見れないが、安堵しているようになのはとはやてからは思えた。

 

『ナノハ、私がやり残したことをすべて終わらせてくれて、ありがとう』

「いえ、私は私が思った通りにしたまでで――」

『それでもだ。大規模な次元震を起こしてしまい、ベスカ家を野放しに生かしてしまった事が悔いだった。ベスカ家の悪事の原因を止めてくれた。私にとってはもう悔いを残すことはないほどにだ』

「……そこまで言われると、なんか嬉しいな」

 

 オリヴィエからそのように言われて、なのはは内心から嬉しいという気持ちが湧き出てきて、思わず照れてしまった。

 

『さて、これからナノハは苦労するところがあるかもしれない。その時は、挫けずに突き進んでくれ』

「分かっています。私は私が思ったようにこれからも突き進むつもりですから」

『それを聞いて安心できるよ。私たちの一族も、いつかは悪事をしてしまうかもしれない子孫が出てしまうだろう。それまでは、セーゲブレヒドは何としてでも続いてほしい』

「分かってる。私が生きているまでは、何としてでも阻止して見せますよ」

『もし、何か困ったらここに来るがよい。アドバイスにはなってあげる』

「ありがとうございます。それじゃあ、はやてちゃん。今度こそ行こうか」

「う、うん。そうやね」

 

 はやては二人の会話を聴き入ってしまっために、なのはに呼びかけるのに少し反応が戸惑ってしまったが、とりあえずなのはの言う通り上へと戻っていくことにした。

 これから先も、なのはは幾度か大事件に巻き込まれていくだろう。その度になのはは困り、戸惑うかもしれないが、なのはは挫けず前へと進んで行こうと思っていた。

 

 

 

 物語は終わったわけじゃない――なのはが終わるまで物語というものは続いていくものだ。終わりという言葉はなく、すべて始まりしかないのだから――

これにて、『魔法戦記リリカルなのはmemories 〜幼馴染と聖王の末裔〜』シリーズ完結です!!

 

長かった~ にじファンから書いていた作品でしたため、かなり時間がかかってしまいましたね。

 

一応、『魔法戦記リリカルなのはmemories 〜幼馴染と聖王の末裔〜』は一応設定多少変更してハーメルンにて再投稿する予定です。いつになるかはわかりませんがねww

 

また、『魔法戦記リリカルなのはmemories 〜幼馴染と聖王の末裔〜』はこれにて終わりますが、私が書いている他の作品を読んでもらえるとありがたいです!!

 

最後まで『魔法戦記リリカルなのはmemories 〜幼馴染と聖王の末裔〜』に付き合っていただきまして、ありがとうございました!!


 
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