No.631007

真・恋姫†無双 巡る外史と仮面の魔神 序章

XXXさん



貴様が気にする事ではない

2013-10-24 20:17:15 投稿 / 全2ページ    総閲覧数:3185   閲覧ユーザー数:2796

――雨の降る夜、女は森の中で足を引き摺りながら歩いていた。

 

 

腕から血を流し、元々切れ味が鋭かったであろう剣を泥まみれにしながら。

同性の誰もが羨むであろう容姿は返り血で汚れ、艶やかな口からは気温の関係で白い息しか出てこない。

暫く歩いた女は、近くの木を背にして寄り掛かる。

 

「…全く……、あたしとしたことが…、このざまぁたぁねぇ……」

 

ギリッ、と歯ぎしりをしながら呟く女の顔は濡れていた。

雨のせいではない…悔しさと後悔から流れた、涙で濡れたのだ。

 

――-今の状況を作った張本人に対しての悔しさと自分に対しての悔しさ。

そして、残してきた肉親に対しての後悔が涙を流させた。

 

 

「いたぞ!こっちだ!」

 

「こんなところまで逃げたのか、――。さあ、大人しくその首を取らせて貰うぞ」

 

そんなことも束の間、森の奥から数人の武装した兵達が走ってきた。

どうやらこの女を追ってきたのだろう、兵達は女に対して武器を構えたままだ。

一方の女は血を流し過ぎて危険な状態にも関わらず、剣を杖にして体勢を整える。

 

「もう来ちまったのかい……あたしのツキも、ここまでかねぇ…」

 

「黙らんか!貴様は黙って我等に殺されるだけだ!」

 

「それとも、命乞いをするか?もっとも、俺達の性の捌け口になるしかないけどな」

 

一人の兵が賤しい顔で問いかける。

人数が勝っているだけでなく、今の女の状態を見ても自分達が優勢だろうと考えたのか…

だが、そんな状況で、女は薄ら笑いすら浮かべている。

 

「はんっ…やなこった……。あたしはそんな事をして、一生を終わらせたくないんでねぇ…」

 

「では、今ここで死ぬのだな?」

 

「はは………、あんたら見たいな三下に殺られる位なら…」

 

そう言って、女はいつもより重く感じる剣を構えた。

まるで…獣のような蒼い目で、兵達を威嚇しながら。

 

 

「あたしは……、戦って死ぬ!!」

 

 

女が叫び、彼らが剣を交える……事はなかった。

雷が鳴り響き、視界が遮られた瞬間…兵達と女の間に今まで居なかった、第三者が現れたのだ。

全身黒い外套で体全体を覆い、体格からして男だろう。

 

「「「!!?」」」

 

『…?ここは…?』

 

兵達と女は当然驚く。

それもそうだろう、今まで居なかった筈の人間が目の前にいるのだから。

しかし、現れた男も混乱しているようだ。

まるで、自分が思っていた事と違うかのように。

 

『…ん?…!お前は……まさか…』

 

「…?」

 

「き、貴様は何者だ!?」

 

男は辺りを見回し、女を見ると少し驚く。

女は首を傾げ、兵達は突然現れた男に怯えながら構える。

だが、とうの本人は兵の質問に答えずに女に背を向けた。

 

『なるほど…まだ直ってなかったのか…』

 

「聞いているのか!?何者だと…」

 

 

『煩い、黙れ』

 

 

男が一人で納得している最中に兵が口調を強めて聞き返すが、男が痰とした言葉を言うのと同時に……兵達の首が飛んだ。

いや、正確には上顎から上が飛んだ。

しかも、ほぼ同時に。

女はだんだんと霞んできた目で、兵達の首が飛んだ瞬間に何かを見たが、それが何かは解らない。

だが、自分の近くに飛んできた首を見て、女の顔は疲労から驚愕に変わる。

 

「…!!?これは…」

 

『さて、後は貴様をどうするかだな』

 

「あんたぁ……一体…?」

 

『貴様が気にする事ではない。貴様がこの後、どうなるかもな』

 

その言葉を聞き、女の意識はとうとう無くなる。

杖変わりの剣を、地面に深く刺したまま…倒れた。

そして、女が最後に見た物は……男が頭に被っている外套の奥。

顔にあたる部分には、白い仮面を付け、全て魅了させるかのような

 

――黄金の瞳を。

 

 

 

雨が絶えなく降り続く夜、そこにいたのは倒れた女と見下ろす男…そして、上顎から上が切り離された兵。

 

 

雨が止んだ後には…そこに男と女の姿はなく、地面に深く刺さってある剣だけが、残されていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

XXX「作者と!」

一刀「一刀の!」

X一「「後書きコーナー!!」」

 

一刀「…あれ?なんかセリフの尺が縮まってる?」

XXX「縮めてみた!と、言うわけで言うわ。この小説のタイトル今後変わる可能性大です」

一刀「突然すぎるわ!?」

XXX「だって、今になってなんかビミョーって思えてきたんだ…」

一刀「出たよ、うちの作者の悪い所」

 

XXX「今回最初に出てきた女性については……まあ、たぶん気づいてる人いると思うんだ」

一刀「他の小説でもこんな登場の仕方してたもんな」

XXX「でも、解っていてもコメントには書かないでください!再登場したときにやっぱりか、とかコメントしていいですから!」

一刀「あと、たぶんオリ主と思わしき真っ黒クロスケが被ってた仮面は?」

XXX「あれはまあ、イメージとしてはマジンガーZの顔面っぽい何かを創造してくれればいい。詳しくやると若干ネタバレになるから」

一刀「最後にさ。一番上の説明にあったのは?」

XXX「それはこの小説のサブタイだよ。『天元突破 グレンラガン』見たいに作中のセリフを引用してる。次回からは、説明部分に上から、ΟΟ編、サブタイの順で書くから」

一刀「所で俺のここにいる意味は?」

XXX「俺の話を聞くのと、次回のタイトルコール」

一刀「mjd!?」

 

一刀「と言うわけで、次回の真・恋姫†無双 巡る外史と仮面の魔神 一話!」

XXX「魔神編 “夢だと思っていたい”。あ、次回覇王様出るから」

一刀「ちょっ、ネタバレ!」

 

再見ΟωΟノシ


 
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