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真・恋姫†無双 ~孫呉千年の大計~ 第2章 17話

雪月さん

常連の皆様&お初の方もこんばんは いつもお世話になっております

この作品は真・恋姫†無双・恋姫†無双の2次創作となっております
主人公は北郷一刀 メインヒロインは雪蓮と蓮華と仲間達でお送りしております
※猶、一刀君はチート仕様の為、嫌いな方はご注意を! ※オリキャラ紹介は本文下記参照のこと

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2013-09-04 21:48:29 投稿 / 全6ページ    総閲覧数:4648   閲覧ユーザー数:3666

第2章 反董卓連合編 17話 『 反董卓連合終幕 其の1 明日への希望 』

 

 

 

 

洛陽 黄河中流域に位置し、都市の南には洛水が流れており、東に虎牢関、汜水関、西に函谷関

南北に山が(そび)え、大陸の帝都として相応しい堅牢さを誇る

 

この地を制する事は、大陸を制する事と同義であると言っても過言ではない 

 

洛陽から東に位置する堅牢を誇る虎牢関が陥落した事実は、最後の出撃前に霞の手によって送られ

届けられた書簡からおよそ半日後に月の元へと届けられ、書簡に目を通した月や詠の落胆の度合いは大きく、心胆を寒からしめた

 

この頃には月や詠を介する事もなく、連合軍が洛陽へ迫っている事実を

十常侍筆頭・張譲の方でも司馬懿の配下、鄧艾を通じて掴み確認していた

 

 

この事実からも判る通り、月や詠と張譲の亀裂は、ここにきて決定的なものとなっていたのだ

 

 

そしてこの帝都・洛陽には、現在、最低限の警備と守備の為に、約3千ほどの兵しか残していなかった月と詠達に対し

10万余あまりの兵数を、未だに擁している連合軍と戦う余力は・・・とうに失われていたのである

 

だが月はそんな事を一向に気にする様子もなく、今日もまた政務を淡々とこなし続ける毎日を送っている

 

詠はほんの一度だけ・・・ 汜水関が陥落したと連絡を受けた時、故郷涼州へと引くべきだと月に進言したことがある

しかし月は、詠の助言も儚げな笑顔を浮かべ、寂しく首を横に振るだけであった

 

月は一刀に助力を断られ、この戦争へと突入した時すでに、この日が来るのを覚悟していたのだろう

この月の芯の強さが、詠にとっては歯がゆくて堪らなかった 

 

詠の今の本音は、月と手を取り合って何処かに落ち延び、ひっそり静かに月と暮らしたいというささやかな願い・・・

そのささやかな詠の願いが叶う事はなかったのである

 

月が逃げる行為を拒み、時は残酷にも・・・二人に洛陽から逃げる事を許さなかったのである

ここに来て詠は万策尽き、月と共に無為な日々を洛陽にて過ごしていたのだ

 

月としても、平然と日々の政務を淡々とこなしているように見えるがその実

今後の事を鑑みれば、自身の足が震えるほどの恐怖に日々耐えていたのだ

 

けれど月には逃げる事は許されなかった 

 

大切な家族とも呼べる恋、霞、華雄、ねねといった将達、洛陽に住まう大事な人達を、無慈悲な戦争へと駆り立てておきながら

自身がのうのうと逃げ出す事に・・・ 耐えられなかったのである

 

兵の皆を戦へ送った時から、ある程度の覚悟はしていたが

虎牢関が陥落したと聞いた時に、この洛陽の地で死ぬ覚悟を決めた月である・・・

 

霞からの最後の書簡に目を通した月は、自身と詠ちゃんの安否を気遣い、最後の最後の時まで身を案じ

逃げろといってくれた霞に感謝してた

 

霞、恋、華雄、ねねの安否が気になる処であったが、私より器用な人達だから心配ないと、胸の内に秘め言い聞かせていた月であった

 

 

一方の十常侍筆頭の張譲はイライラを隠せない日々を過ごしていた・・・というのも、長安への遷都の準備が遅々として進まなかった為だ

本来、遷都を実行するには、数年単位の月日を経て行われるのが通例である

 

ただ、長安は西周の都、豊邑として始まり、前漢時代帝都であった都市である

それは後漢の時代となっても、新たに造営する必要もないほど、洛陽と並び称されるほどの堅牢を誇る古都でもあった

 

簡単に言ってしまえば、引越しすれば良いだけなのだが、それさえも遅々として進んでいなかったのである

その理由として、皆が遷都の準備をしていないから、その一言に尽きたのである

 

そんな張譲の華美な部屋に怒号が響き渡った

 

「鄧艾! 遷都の準備が遅々として進んでおらんではないか! 

司馬懿の書簡では、もうすぐ連合軍の者共らが、ここ洛陽へと大挙して押し寄せてくると聞く 一体どうなっておるんじゃ!」

とイライラを隠そうともせず、司馬懿の部下である鄧艾に当り散らす十常侍筆頭の張譲

 

「張譲様のお荷物に関しては、この部屋を残して全て終っております」

と張譲のイライラを一向に気にする様子もなく、淡々と報告をする鄧艾の態度に、さらに苛立ちを募らせ爆発させる張譲

 

「そんな事は判りきっておるわ! この愚か者め! 他の者共と言っておろうが!」

と跪いて大人しく控えていた鄧艾を、我慢できなくなった張譲は勢い良く蹴り飛ばした

 

「今しばらくのご猶予を 連合軍がここ洛陽へと到達するまでに必ずや終らせます」

蹴られひっくり返っていた鄧艾は、すぐさま跪き直しそう答えていた

 

これ以上鄧艾にやつあたりしても詮無い事と思い至った張譲は

「もう よい! 判ったから下がれ」

と鄧艾に此処から早く去れと手で払うような仕草をする

 

「ハッ 失礼致します」

と張譲の仕草を気にする様子もなく、礼をし恭しく張譲の部屋より退出し終える鄧艾

 

「あの人形風情が! 司馬懿め! 使えん者を寄越しおってからに!!」

張譲の怒りと毒づきは、その後も数刻の間続くのであった

 

                         ・

                         ・

                         ・

 

連合軍側、主に現在の洛陽での孫呉の諜報活動は

瑠璃が合流してからは、明命が宮廷内の動向を探るべく忍び込み、月、詠への張り付きは瑠璃が担当していた

 

書簡にて現在の洛陽の情報を、逐一受け取っていた雪蓮や一刀達は、連合軍が虎牢関を抜き、ここまで迫っているのにも関らず

遷都を行われる動きが、宮中内外に全くない事に首を傾げていた

 

連合軍内部でも、洛陽まで後数日の距離に迫っていた事で、麗羽も美羽もすこぶる機嫌が良かった

 

そんな連合軍とは対照的に、戦の最中に遷都を発表した洛陽で

そろそろ何かしらのアクションがあってもおかしくない筈なのにも関らず・・・洛陽からの定期連絡のみだったのである

 

だがここで雪蓮と緋蓮の”勘”が冴えをみせた 

二人が”ここ数日内にきっと何か起こるわ”と皆に告げた事から、一斉に動き始めた一刀達である

 

孫呉軍の総大将を雪蓮から蓮華へと据え替え、補佐に緋蓮、主参謀に紅、劉備軍との折衝役に藍里、公孫賛軍との折衝を穏に任せ

洛陽や董卓軍、宮中を知り尽くしている霞が、皆の先導役を務め

雪蓮、一刀、亞莎、楓と続き、事が起こる前の洛陽へと無事潜入を果たしていた

 

 

雪蓮と緋蓮、二人の勘が予期した通りの動きが

連合軍の侵攻が洛陽まであと半日と迫った処で漸く、風雲急を告げる出来事が起こったのである

 

 

 

 

宮廷内部でもさらに奥まった人気の無い場所を、二人の少女が手を取り合い、必死に駆けていた

 

「ハァ・・・ハァ・・・ハァ 月急いで! 早く!」

詠の叫び・力強く繋ぐ手から、必死さがにじみ出ており

月の心は常に自身の命が危ういという警鐘をかき鳴らし続けていたのだった

 

月と詠が先程走ってきた廊下の暗さが、より一層二人を絶望の淵へ追いやっていたといえる

相手の姿が見えなくても・・・走ってきた暗がりの廊下にコツン、コツンと不気味な足音が響き、迫り来る二人分の足音

 

一人は張譲殿の恐怖に歪んだ顔と血塗られた剣を手に迫り来る男性が

もう一人の人物は、その異様な光景を口角を上げニヤつきながらも、何事もなかったかのように、斜め後ろにつき従っていた男性

 

二人にとっては、この世のモノとは思えない、恐怖の象徴ともいえる死神が、仕事を遂行する為に二人へ迫り来る

そんな風に肌で感じ取っていた

 

 

どっどうして・・・こんな事に・・・・・・ 月の心の叫びは発せられる事もなく

詠と共に只管、息せき切って宮中を夢中で駆け抜けるのだった・・・

 

 

事の起こりは、虎牢関の陥落を聞きつけた張譲様が、長安へと避難するから最後の挨拶がしたい、という書簡を受け取ったのだ

私は責任を放棄し、このまま洛陽から逃げるつもりもなかった為、張譲様からのお誘いに否はなかった

 

私は一人で良いと言ったんだけど、ここで万が一があっては

戦争へと出向いた霞さん達に合わせる顔がないと、詠ちゃんがそう強行に言い張った為だ

 

結果論でいうならば、詠ちゃんの言った事の方が正しかった訳なのだけれど・・・

 

 

 

張譲様の部屋を訪ねた私達が見た光景とは・・・・・・

 

 

 

惨殺されたと思しき張譲様の首と、部屋に転がる幾人もの惨殺された物言わぬ骸の数々

・・・どうみても十常侍の他の面々と思しき、見覚えのある顔も多数見受けられた

 

そんな部屋に、夥しい鮮血が滴り落ちる剣を平然と手にした眼鏡をかけた男と

その凄惨な部屋の光景を見つめ、両の腕を組むニヤつく従者の・・・一種異様な光景が月と詠の目に飛び込んできたのだった

 

 

その凄惨な光景を目の当たりにし、動く事も叫ぶ事も出来ず息を呑む月と詠 

 

 

先にこの金縛りから解けたのは詠であった

 

「こんな処に居たら危険よ! 月逃げるわよ! こっちよ 早く!!!」

未だ金縛りから解けぬ月の手を、詠に強引に引っ張られるまま・・・猛然と廊下を駆け出す月と詠

 

気が動転していた二人が逃げた方向を

眼鏡をかけていない方の男がスッと顔を出し確認しただけで、二人はすぐには追ってこなかった・・・

 

 

二人はこの時、既に知っていたのだ・・・ 私達二人が袋小路へと迷い込んでいた事に・・・

 

 

 

何故詳細にこの宮殿内部を把握していたのだろうか? 内部の者の犯行?とここに至っては詮無き事であったけれど・・・

月としてはそんな事でも考えていないと、気が狂いそうになる程の恐怖を憶えていたのだった・・・

 

そんな事など知らない月と詠の二人は、追ってくる二人の男性の影に怯え、広い宮廷内を必死に道なりに走って逃げていた

 

「月 こっちよ! 早く!」

月と詠の二人はこの先が行き止まりだった事もあり、近くの部屋に入り、身体を寄せ合い息を殺し身を隠すものの・・・

二人を追っていた足音は徐々に大きくなり、寸分の狂いなく部屋の前で足音が停止した

 

するとどうだろうか・・・戸は閉まっていたにも関らず

「君達にはそろそろ我が主の野望の為にご退場願おうか」

と発する死神の言葉が、自身の”上”から突然降って来たのだ

 

未だに十常侍筆頭、張譲様の驚愕に歪んだ首を片手にさげ、張譲を惨殺した血塗られた剣を持ち

張譲の鮮血が飛び散った眼鏡をかけたまま、月へと迫り来る冷静な男の放つ声に呑まれてしまう

 

「ヒィッ」

と叫び声しか口から出てこなかった

あ・・・あ 私この人に切り殺すか刺し殺され・・・此処で死んじゃうんだと月は絶望の内に悟った

 

「お初にお目にかかる董卓殿と賈駆殿」

と発する眼鏡の男の衝撃的な言葉に月は言葉を失ってしまう

 

 

初めて会ったのに・・・何故私の事を知っているの?という疑問は、すぐにこの男の次の言葉で氷解することとなる

 

 

「この男が言っていたのですよ? 私と会ったすぐ後に董卓と賈駆に会うのだとね」

と驚愕に歪んて変わり果て首だけとなった張譲を、月に向かって突き出す眼鏡の男

 

「月に触ろうとするな! この下郎がっ!」

と月と身を寄せ合っていた詠は、懐から素早く抜いた短剣を手に、司馬懿に踊りかかるものの・・・

 

「詠ちゃんダメ!」

と手を伸ばし、詠を静止するべく発した月の叫びも虚しく・・・

 

「そちらの威勢のいいお譲ちゃんは少し黙ってくれない?」

と言い放った司馬懿の護衛を務めていた鍾会に腕を掴まれ、豪快に部屋の奥の壁へと投げ飛ばされてしまう詠

 

壁に打ちつけられ口の端から血を流しながらも、すぐさま月の事が気がかりで立とうとするものの・・・

襲い来る激痛にグッと呻き声をあげて蹲ってしまい、身体に襲いくる激痛に抗せず、そのまま気を失ってしまう詠

 

 

「詠ちゃん!」

と部屋の隅に蹲る詠を心配する月の声を遮るかのように

 

 

「人の心配をしている場合か?」

と自身の後ろから、冷酷とも言える声が響き、咄嗟に身体を捻って振り返る月に

激痛と熱さを左腕に感じると共に、感じた痛みの箇所に剣が刺さっているのを視認した月

 

「あぐっ・・・あっ・・・ああーーーーーーーーーーーーーーっ」

月の全身に激痛が襲いかかり、闇夜に月の叫びが吸い込まれていく

 

「身体を捻ったお陰で狙いが逸れたようだ 声をかけたのが失敗だったか

 身体を捻らなければ楽に死ねたモノを・・・」

と眼鏡をかけた死神は、腕を刺した剣を月に蹴りを食らわせ引き抜く

 

「これで最後だ」

眼鏡をかけた死神の声に、もはや・・・これまでと目を瞑り、自身の死を受け入れる月

 

しかし、いつまで経っても痛みは襲ってこなかった為、閉じた瞳をあけて様子をみる

そこには・・・ 内に秘めし一度は恋焦がれた人物が、部屋の入り口に立っていたのだった・・・

 

「あぁ・・・ああ・・・・」

月の声にならない呻き声をあげ響く中・・・

 

「これ以上の董卓殿への狼藉はそこまでにしてもらおうか? 司馬懿殿」

と司馬懿以上の冷たさを秘めた瞳で睨む一刀

 

「司馬懿様!? ・・・こいつ此処で仕留めますか?」

と鍾会は主である司馬懿に問いかけるものの・・・

 

「従者は黙っていろ! 殺されたくなければな お前に構っている暇はこちらにはない!」

詠を気絶させ油断しきっていた鍾会は、一刀の一睨みで身体が硬直し動けなくなってしまっていた

 

司馬懿はそんな鍾会の事情を即座に察したのであろう 

月を殺しきれないと判断したのか 月から視線を外し一刀と正対する

 

「ほう? これはこれは 黄巾戦でちょっとお目にかかっただけというのに、よく私の事を憶えていらっしゃいましたね

 天の御遣い 北郷 一刀!」

 

「そりゃな あれだけ”挑戦的”な行動を取ったんだ 忘れる方がどうかしてると思うがな」              ※第1章 2話参照

 

「いえいえ 私は天の御遣いと称する貴方に対する興味本位からですよ?」

「ふ~ん 初めて会った人物から、奇異の目は向けられても、敵意をぶつけられたのは初めての体験だったんだがな?」

 

 

「・・・おや? ・・・ほう? これは失礼した」

 

 

一刀へ軽く目礼する司馬懿であったが、私の心底にある敵意を、あの遣り取りだけで嗅ぎ取ったというのか?

北郷 一刀・・・この世界では油断ならん男のようだ  以前の世界での北郷とは、一味も二味も違いキレがあるようだ

 

こっこいつ・・・できる! 司馬懿様に感じた恐怖をコイツからも感じる

主である司馬懿と話をしながらも、視線は確実に鍾会を射抜き

腰に佩く剣を引き抜く暇すら与えない一刀の強さに、内心舌を巻いていた鍾会であった

 

司馬懿が思考し鍾会が硬直している間に、一刀は静かに月へと問いかける

 

「董卓殿! 賈駆殿の意見などではなく、君自身は今 どう想っているんだ?

 どこの誰か判らず、こんな処で殺され生涯を閉じたいのか?」

との一刀の問いかけに対し

 

「私は・・・その・・・」

と一刀から視線をつい外してしまいつつ・・・ 生来の気の弱さもあってつい言い淀んでしまう月

 

「あの時語ってくれた君の・・・この大陸・国への情熱、想いは! 今死んだとしても後悔しない そんなちっぽけな想いだったのか!?

 君達にはまだ生きて、何かをこの大陸で成し遂げたいという意志の種火を宿しているのなら

 俺は例え君達が地獄の底に居ようとも、あらん限りの力を振絞り君達を救い出し

 その強き想いを成就させてあげたいと思っている」                              ※第2章 3話参照

 

 

一刀の本音を聞き遂げた月も、一刀に向かって有りっ丈の想いを込め本音をぶつける

 

 

「御遣い様・・・ そ・・・そんな訳ありません! 私だって生きたい! 生きて私が描いた世界をこの眼に焼き付けたいです! 

 私の想いの半分も・・・形に出来ていません! 私だって・・・私にだって・・・

 成し遂げなければと想う事は、まだまだ沢山あるんです!」

 

胸にかき抱いた両手を強く握り締め、一刀に向かって必死の声で訴えかける月

その相貌には、相国として洛陽に活気を取り戻した頃の、力強い眼差しが戻っていた

 

「その言葉を俺は待ち望んでいた! 君自身の声でその想いの強さを聞きたかったんだ!

 待っていろ 今すぐそちらへ行く! 例え君が地獄に居ようとも其処から必ず救いあげてみせる!」

 

 

「はっはい! お待ちしております 一刀(・ ・)さま」

 

 

一刀は腰に佩いた桜花と月影を抜き放ち、入り口からゆったりとした足取りで部屋を歩み始めた

 

 

月の相貌から涙が溢れて止まらなかった 

それは”ままならぬ”自身の運命を悲嘆した涙などではなく、自身の想いを汲み共有してくれたという嬉しさからであった

 

自身が仮りに此処で死んだとしても・・・

私の先程の内包していた強き猛き想いを、彼はきっと背負って大陸を平和な世へと導いてくれる筈だ

 

先程までの死への恐怖による震えは収まり、今、死の淵に居ながらも

月の顔には安らぎと慈愛に満ち溢れた、生来の笑顔を取り戻し浮かべていた月だった

 

敵の二人の男を挟み、一刀と月の本音での遣り取りを、気を失ってぼーっとした頭で聞き流していた筈の詠であったが

しかしその二人の会話内容は、詠の頭に深く刻み込まれていたのであった

 

悔しかった・・・私はこの月の笑顔がずっと見たくて・・・今日まで・・・是まで全力で走ってきたというのに・・・

 

月がまさに殺されようとしていたというのに・・・ 私は先程まで悠長に気絶していたのだ

北郷が今わの際に現れなければ、月の命はすでに散っていたに違いない

 

詠は死に際に至って初めて、自身の力が遠く一刀に及んでいなかったのだと・・・悟った いや悟らされたと言えよう

自身の不甲斐なさに・・・グッと歯を食いしばり、ギュッと拳を力の限り握り締めた 

 

月の為と思い、力のあらん限りを振り絞り頑張った・・・けれどそれは詠だけの思い上がりであった

月の想いを完全には汲みきれて居なかった事を今、痛切に思い知った

 

私の想いの半分も・・・形に出来ていません!・・・ね アハハ・・・

 

詠にとって唯一の心の拠り所を全否定され、ズタズタに引き裂かれたに等しい辛辣な言葉であった

 

「フッ お取り込み中の処誠にすまないが、茶番に付き合い切れないので、そろそろ終りにさせてもらおうか!」

と月に振り返り、今度は刺すのではなく、剣を振り上げる司馬懿

しかし司馬懿の剣が振り下ろされる事はなかった

 

 

 

 

司馬懿のいる右手の壁を切り裂き、二人の間に割って入ってきた人物こそ

またと言っていい筈、孫呉の自由王こと、雪蓮だったのだ

 

 

「一刀! 今のうちに!って・・・あら?」

と雪蓮が態勢を立て直した頃には、月と詠の姿はすでになく司馬懿の従者である鍾会の姿もそこにはなかった

 

「・・・天の御遣いなら、お前と共に入ってきた黒髪の女と共に、二人の女を連れてとっくに逃げたが?」

物騒な生首を手にした人物に、冷静に突かれたことに、ちょっとムカっときた雪蓮だった

 

「あっ・・・そう それはご丁寧にどうも」

と雪蓮は抜き放っていた南海覇王を肩に乗せ、ぶっきらぼうに物騒な男に言葉を返す 

一刀と董卓、賈駆の二人がいない部屋にもう用などなかった雪蓮であった

 

しかし、物騒な男は雪蓮に言葉を放ち続ける

「それにしても・・・この方向には木しかなかった筈だが? それもかなり遠くに・・・どうやってここまで来れたのだ?」

 

ふ~ん この男、宮廷内の地理にやけに詳しいわねと不思議に思った雪蓮は

この男の問いに敢えて正確に答えたのだった 

 

「私は貴方の言うその”木”と”猫”を利用して飛んできただけよ」

とあっけらかんと真顔で”聞いた者が信じられない事を”事も無げに言い切ったのである・・・

 

SD化して猫の背にに乗ったまま木を駆け上り、天辺付近から飛び跳ね

それでも足りない距離は、雪蓮が二段ロケットの要領で、猫の背を利用して部屋まで飛ぶという・・・

まさに離れ業とも言うべき所業をしてのけていたと・・・

 

「ほぅ~? 木だけでなく猫も使ってとな にわかには信じ難い行動の数々だが・・・ つくづく破天荒な女よな」

とさも楽しげにクックックと笑い声を噛み殺しているではないか・・・

 

「・・・さっきからあんた見てると、なんかムカつくのよね! 以前に私 貴方に会った事あったかしら?」

「さあてな? 私の記憶が確かならば・・・ 初見の筈だが?」

 

「そうよね? こんな陰険そうな顔、忘れる筈ないんだけど・・・

 でも私の『 勘 』が貴方を今此処で斬れって そうしないときっと後悔するって囁いてくるのよ」

と司馬懿に向かって正直な感想を述べている処に雪蓮のおかしさがある

 

「フッ ズケズケとした物言い・・・言ってくれるではないか 天の御使いといい貴様といい・・・私に対しての数々の暴言

 ・・・まさか 何でも”勘”とやらで決めている訳ではなかろうな? 貴様

 フンッ それに貴様の勘とやらの道楽に、付き合っている暇も道理も、こちらにはないのだが?」

と不満げな物言いで、眼鏡をかけ直しながら答える司馬懿

 

「貴方こそ 何様よ? 王である私と同格なのは、将来の夫である一刀だけよ?

 それに悪い? 貴方 私の勘を馬鹿にしてるけど・・・

 その子憎たらしい屁理屈と愚痴を捻り出す貴方の頭の中より、よっぽど私の勘の方が優秀なのだけどね」

と雪蓮の物言いも司馬懿に負けていなかった この時点までの勝負としては互角と言えるだろうか?

 

「孫呉の王? あぁ~ なるほどな 貴様が孫策か 私の名は司馬懿 仲達!

 脳筋風情が偉そうに! 少し黙らせてやろう 遊んでやるから来い!」

と張譲の鮮血で汚れる眼鏡の位置を直しつつ、鋭い眼光が雪蓮を射抜く

 

「司馬懿? あぁ 曹操とこの・・・あの謀略大好き頭でっかちね  なるほど!

 噂通り首飛んでからも愚痴りそうよね 貴方・・・

 

 それと一つ訂正しておくわ 偉そうじゃなくて偉いのよ! 貴方より数倍ね 格が違うのよ格が!

 そこの所をよ~~く憶えておきなさい! 頭でっかち!

 私は”孫呉の王”なんだから! それに私と闘うですって? プッ 首飛んでからじゃ、後悔しても遅いわよ?」

 

「ほざけ! お前の王など僭称であろうが! この俗物が!」

雪蓮の物言いに癇に障ったのだろうか 怒りを滲ませる司馬懿

 

「今更能書きはいいわ ほら さっさと来なさい! 頭でっかち!」

数日前に霞と盛大に一騎討ちしたのも忘れぬ間に、司馬懿とももう一戦の様相を呈していた

 

司馬懿の剣と雪蓮の南海覇王、2本の剣が龍の咆哮に似た剣撃音と火花を散し

暗闇が支配する部屋中に一瞬の閃光を放ち、互いに一歩も譲らずせめぎ合い交錯し続けたのであった

 

舌戦は司馬懿の負けの様相を呈したようであるが・・・

2人の死闘は、一刀と共に消えた鍾会の手によって、宮中に放火された火が部屋中を焦がし始めた事により

その後2人とも退避し決着がつくことはなかった

 

また各所でも鄧艾と瑠璃が洛陽での遺恨もあって戦闘に及んでいる

楓は宮中に火を放った鍾会と出くわし戦闘に及んでいた

 

武器の持ち合わせていない霞は、月、詠の邸宅にある荷物、恋の家族を移送といった感じで

その途中、一刀と明命に無事救い出された月と詠と無事合流、互いに無事を喜び合った

 

それぞれが皆、焼け崩れる宮中を尻目に、洛陽の街を奔走していたのだった・・・

 

 

 

 

連合軍の兵数が多すぎる為、洛陽の城外に皆それぞれの勢力で天幕を張っていた

華琳から密命を帯びていた司馬懿達もまた曹操軍が陣取る天幕へと帰還を果たしていたのだった

 

「司馬懿様 何故 董卓を匿っている孫呉を曹操様に進言して追及なさらないのですか?」

と感情を滅多に表に出さない鄧艾にしては珍しく、必死に主を説得しようとしている

 

「鄧艾の言は至極尤もな話である」

仕事をしていた司馬懿はしばし、竹簡へと筆を走らせるのを止め、鄧艾の問いに顔を向け答えた

 

「なれば!」

「それで鄧艾 董卓の顔を見知っている者が連合軍内部でいるのであろうな?」

と鄧艾の言葉を遮り、冷酷なまでの司馬懿の指摘に瞳を見開き絶句する

 

「そっそれは・・・配下だった将・・・達ならば・・・あるいは・・・」

鄧艾自身、自身が発言した内容が屁理屈と理解したのであろう 言葉の端々に無理やり感が滲み出していた

 

「鄧艾 聡いお前の事だ もう全てを承知しておろう?

 いくら私達が曹操に進言しようともだ

 顔を見知る配下だった張遼を始めとした将達は、董卓を追い詰めるような発言は決してしないだろう

 焼けた宮中へと消え、焼け跡から残ったといわれている董卓・賈駆の身につけ所有していた装飾が発見された

 この一件をとって見ても、惚けられる可能性すらある・・・ 

 

 この度、主から密命を帯び洛陽へと先行した意義も、張譲の首を獲って訴え出た

 私の曹操軍での先の戦での功、評価、信用並びに諸侯への立場すら・・・地に落ちよう

 信用を失墜した後では、曹操軍内部で自由に動き難くなるは必定

 

 それにだ 諸侯の多くも知らない董卓の顔を、私達は何故知っているという些末事にまで追求が及びかねん

 張譲を始めとした十常侍と我らの繋がりを、他人には決して悟られてはならぬものだ

 

 我らが董卓達を追求できぬように

 皇帝の少帝・劉弁を殺害し、その逆賊の罪を十常侍の爺共になすりつけ、張譲を殺害した功をも危うくするものだ

 

 あくまでも我らは、あの部屋で行われた殺戮劇は、全て張譲の責任にせねばならんのだ 

 私達はその部屋に踏み込み、犯人に抵抗された為、止むに止まれず首を獲った その人物が十常侍筆頭の張譲だったというだけだ

 

 我らの犯行を直接は見ていない董卓、孫呉側にも我らを深くは追求できんのだ 

 これを追求しようとすれば、すなわち董卓と賈駆であるという存在を、まず立証せねば始まらんのだからな」

と諭すように鄧艾に語りかける司馬懿

 

「確かにその通りです 司馬懿様 言葉が過ぎました」

と反省の意を込め頭を垂れる鄧艾であった

 

「それに証拠隠滅の為に、鍾会に宮中に火を放たせた事が見事に裏目に出て

 其処をこの度、天の御遣いに見事に突かれ利用されてしまった」

 

苦々しい面持ちで筆から手を離し、椅子に背を預けて目を瞑る司馬懿

 

「そう・・・でした 自身の行いを悔いた董卓と賈駆は、燃え盛る宮中へと消え去っていったと・・・孫呉側に証言されたのでしたね

 宮中の焼け跡より、董卓と賈駆が身につけていたという装飾品が発見されたという事を

 配下であった張遼がその場で証言したのでしたね」

 

「・・・そういうことだ 忌々しい事実であるが、孫呉に匿われている董卓と賈駆の件について、今となっては放置するしか仕方あるまい?

 今更殺して首を取ったとて、我らにとって百害あって一利なし 何の手柄にもなりはしないのだから・・・

 

 その代わりといっては何だが、帝殺しの逆賊・張譲の首を持ち帰った功

 時期帝候補の幼帝・劉協を偽りの主の下へと持ち帰れたのだ 

 

 差し引きしたとしてもお釣りはこよう この度はそれで良しとしようじゃないか 鄧艾」

 

目を開け椅子に座りなおした司馬懿の相貌には、禍々しい眼光が宿っていたのであった

 

「ハッ この屈辱必ずや・・・」

素早く司馬懿の膝元へと跪く鄧艾の髪を手で軽く梳く司馬懿

 

「鄧艾 その機会を得たなら大いに晴らそうではないか! 来るべき刻がやって来た暁にはな!」

鄧艾の言に賛同の意を示し、新たなる野望を胸に秘める司馬懿であった

 

 

 

 

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●『真・恋姫†無双 - 真月譚・魏志倭人伝 -』を執筆中

 

※本作品は【お気に入り登録者様限定】【きまぐれ更新】となっておりますので、ご注意を

人物設定などのサンプル、詳細を http://www.tinami.com/view/604916 にて用意致しております

 

上記を御参照になられ御納得された上で、右上部にありますお気に入り追加ボタンを押し、御登録のお手続きを完了してくださいませ

お手数をおかけ致しまして申し訳ありませんが、何卒ご了承くださいますよう、よろしくお願いいたします<(_ _)>

 

■■■【オリジナル人物紹介】■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

 

 

 ○孫堅 文台 真名は緋蓮(ヒレン) 

 

  春秋時代の兵家・孫武の子孫を称し、各地で起こった主導権争いに介入し

  『江東の虎』の異名で各地の豪族を震撼させた

  優秀な人材を率い転戦、やがて軍閥化し孫家の基礎を築いた

 

  容姿:髪は桃色で、孫家独特の狂戦士(バーサーカーモード)になると、右目が赤色に変化するのが特徴で、平時は量目とも碧眼である

  祭と同じく胸が豊満で背は祭より高い 体格は祭よりすこし大きい 顔立ちは蓮華というより雪蓮に似ているだろうか

 

 ○張紘 子綱 真名は紅(コウ) 

 

  呉国の軍師の一人で主に外交を担当。 魏の程昱(風)の呉版と考えていただけると理解しやすいだろう

   『呉郡の四姓』と呼ばれる有力豪族の張氏の出 雪蓮直々に出向き、姉の張昭と共に臣に迎え入れられる

  張昭と共に『江東の二張』と称される賢人

 

  ※史実では、呉郡の四性でも張昭と兄弟でもありませんのでお間違い無きように。。。 

   呉郡の四性の中で張温しか見当たらなかった為、雪月の”脳内設定”です

 

  容姿は青眼で背丈は冥琳より少し低い 顔は姉の王林とは似ておらず童顔で人に安心感を与える顔立ちである

  髪は腰にまで届こうかという長く艶やかに保った黒髪を束ね、ポニーテールと呼ばれる髪型にしている事が多いが

  その日の気分により、長髪を肩辺りで束ね胸の前に垂らしている場合もあるようである

  服装は藍色を基調とした西洋風ドレスを身を纏っている

 

 ○魯粛 子敬 真名は琥珀(コハク)

 

  普段は思慮深く人当りも良い娘で、政略的思考を得意とし、商人ネットワークを駆使し情報収集・謀略を行う

  発明に携わる時、人格と言葉遣いが変化し、人格は燃える闘魂?状態、言葉遣いは関西弁?風の暑苦しい人に変化する

  このことから「魯家の狂娘・後に発明の鬼娘」と噂される

 

  ※穏(陸遜)は本をトリガーとして発情しちゃいますが、、琥珀(魯粛)は発明に燃えると・・・燃える闘魂に変身って感じです

 

  容姿は真名と同じく琥珀色の瞳をもち、髪は黒で肌は褐色がかっており月氏の特徴に似通っている

  背は明命と同じくらいで、服装は赤を基調としたチャイナドレスを身に纏っている

 

 ○張昭 子布 真名は王林(オウリン) 

 

  呉国の軍師の一人で主に内政を担当。 冥琳とはライバル同士で互いに意識する間柄である

   『呉郡の四姓』と呼ばれる有力豪族の張氏の出 雪蓮直々に出向き、妹の紅(張紘)と共に臣に迎え入れられる

  張紘と共に『江東の二張』と称される賢人

 

  妹の紅は「人情の機微を捉える」に対して「政(まつりごと)の機微を捉える」という感じでしょうか

 

  容姿は冥琳より少し高めで、紅と姉妹でありながら顔立ちが似ておらず、冥琳と姉妹と言われた方がピッタリの美人系の顔立ちである

  眼鏡は使用しておらず、服装は文官服やチャイナドレスを着用せず、珍しい”青眼”でこの眼が妹の紅と同じな事から

  姉妹と認識されている節もある 紫色を基調とした妹の紅と同じ西洋風のドレスを身を纏っている

 

 ○程普 徳謀 真名は楓(カエデ)

 

  緋蓮旗揚げ時よりの古参武将であり、祭と並ぶ呉の柱石の一人 「鉄脊蛇矛」を愛用武器に戦場を駆け抜ける猛将としても有名

  祭ほどの華々しい戦果はないが、”いぶし銀”と評するに値する数々の孫呉の窮地を救う働きをする

  部下達からは”程公”ならぬ『程嬢』と呼ばれる愛称で皆から慕われている

 

  真名は・・・素案を考えていた時に見ていた、某アニメの魅力的な師匠から一字拝借致しました・・・

 

  容姿は祭と同じくらいの背丈で、端正な顔立ちと豊かな青髪をうなじ辺りでリボンで括っている

  均整のとれた体格であるが胸は祭とは違いそこそこ・・・ちょっと惜しい残念さんである

 

 ○凌統 公績 真名は瑠璃(ルリ) 

 

  荊州での孫呉崩壊時(※外伝『砂上の楼閣』)に親衛隊・副長であった父・凌操を亡くし、贈った鈴をもった仇がいると

  知った凌統は、甘寧に対して仇討ちを試みるものの・・・敵わず返り討ちにあう間際に、一刀に救われ拾われることとなる

  以来、父の面影をもった一刀と母に対してだけは心を許すものの・・・未だ、父の死の傷を心に負ったまま

  呉の三羽烏の一人として日々を暮らしている

 

  容姿はポニーテールに短く纏めた栗色の髪を靡かせて、山吹色を基調とした服に身を包んでいる小柄な少女

 (背丈は朱里や雛里と同じくらい) 真名の由来で目が瑠璃色という裏設定もございます

 

  ○朱桓 休穆 真名は珊瑚(サンゴ)

 

  『呉郡の四姓』と呼ばれる有力豪族の朱氏の一族

  槍術の腕を買われ、楓の指揮下にいた 一刀の部隊編成召集時に選抜された中から、一刀に隊長に抜擢された『呉の三羽烏』の一人

  部隊内では『忠犬・珊瑚』の異名がある程、一刀の命令には”絶対”で元気に明るく忠実に仕事をこなす

 

  容姿:亞莎と同じくらいの背丈で、黒褐色の瞳に端正な顔立ちであり黒髪のセミロング 人懐っこい柴犬を思わせる雰囲気をもつ  

  胸に関しては豊満で、体格が似ている為よく明命から胸の事で敵視されている  

 

  ○徐盛 文嚮 真名は子虎(コトラ)

 

  弓術の腕を買われ、祭の指揮下にいた 一刀の部隊編成召集時に選抜された中から、一刀に隊長に抜擢された『呉の三羽烏』の一人

  『人生気楽・極楽』をモットーにする適当な性格であったが、一刀と他隊長である珊瑚と瑠璃・隊長としての責に接していく上で

  徐々に頭角を現し、後に部隊内では『猛虎』と異名される美丈夫に成長を遂げていくこととなる 

 

  容姿:思春と同じくらいの背丈で黒髪のショートヘア 体格も思春とほぼ同じく、遠めからでは瓜二つである 

  二人の区別の仕方は髪の色である(所属部隊兵談) またしなやかな動きを得意としている為、思春の弓バージョンと言える 

 

  ○諸葛瑾 子瑜 真名は藍里(アイリ)

 

  朱里の姉 実力にバラツキがあった為、水鏡から”猫”と称される

  その後、水鏡と再会時に”猫”が変じて”獅子”になりましたわねと再評価される

 

  天の御遣いの噂を聞きつけた藍里が冥琳の元を訪れ、内政・軍事・外交とそつなくこなす為、未熟であった一刀の補佐に転属させられる 

  初期には転属させられた事に不満であったが

  一刀に触れ与えられる仕事をこなす内に(わだかま)りも消え、一刀に絶大な信頼を寄せるようになる

  後に亞莎が専属軍師につくと、藍里の内政面への寄与が重要視される中で、藍里の器用な才を愛し、軍師としても積極的に起用している

 

  容姿は朱里より頭一つ高いくらい 茶髪で腰まであるツインドテール 朱里とよく似た童顔でありながらおっとりした感じである

  服装に関しては赤の文官服を着用しており、胸は朱里と違い出ている為、朱里とは違うのだよ 朱里とは・・・

  と言われているようで切なくなるようである(妹・朱里談)  

 

  ○太史慈 子義 真名を桜

 

  能力を開放しない雪蓮と一騎打ちで互角に闘った猛者  桜の加入により瑠璃が一刀専属の斥候隊長に昇格し

  騎馬弓隊を任されることとなった(弩弓隊・隊長 瑠璃→子虎、騎馬弓隊・隊長 子虎→桜に変更)

  本来の得物は弓で、腕前は祭を凌ぎ、一矢放てば蜀の紫苑と互角、多矢を同時に放てば秋蘭と互角という

  両者の良い処をとった万能型である

 

  武器:弓 不惜身命

  特に母孝行は故郷青州でも有名であり、建業の役人街が完成した際に一刀の薦めもあって一緒に迎えに行く

  隊長として挨拶した一刀であったが、桜の母はその際に一刀をいたく気に入り、是非、桜の婿にと頼み込む程であった

   

  容姿はぼん・きゅ・ぼんと世の女性がうらやむような理想の体型でありながら身長が瑠璃ぐらいという美少女系女子

  眼はブラウン(濃褐色)であり、肩下までの黒髪 気合を入れる時には、白い帯でポニーテールに纏める

  一刀の上下を気に入り、自身用に裁縫し作ってしまう程の手先の器用さもみせる

 

 ○青(アオ)

  白蓮から譲り受けた青鹿毛の牝馬の名前

 

 ○馬騰 寿成 真名を翡翠(ヒスイ)

 

  緋蓮と因縁浅からぬ仲 それもその筈で過去に韓遂の乱で応援に駆けつけた呉公に一目惚れし

  緋蓮から奪おうと迫り殺りあった経緯がある

 

  この時、緋蓮は韓遂の傭兵だった華雄にも、何度と絡まれる因縁もオマケで洩れなくついて回ることとなるのだが・・・  

  正直な処、緋蓮としては馬騰との事が気がかりで、ムシャクシャした気持ちを華雄を散々に打ちのめして

  気分を晴らしていた経緯もあったのだが・・・当の本人は、当時の気持ちをすっかり忘れてしまっている 華雄さん お気の毒に・・・

 

  当の本人(緋蓮)が華雄さんと再戦した際、もうこのやつあたりの事を覚えておらず、真相は闇の中へと葬られることとなったが

  この事情を孫呉の皆が仮に知っていたのならば、きっと華雄に絡まれる緋蓮の事を自業自得と言いきったことだろう・・・

 

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【あとがき】

 

常連の読者の皆様、お初の皆様 こんばんは 雪月でございます

いつも大変お世話になっております

 

この度の話は反董卓連合終幕 其の1と題しました月と詠の救出劇がメインとなっております

序章から始まった敵役の十常侍が殲滅され、司馬懿が本格的に牙を剥き始めたとも言えるお話となりました

皆様いかがでしたでしょうか?

 

コメントや支援数をみるかぎり、おおむね霞の孫呉加入を認めていただけたのかな?

と私自身の中でそう受け止めております

 

そしてこの度、文章の尺が伸びすぎた為に、本来書き込まなければならない工程を軽く流して

司馬懿等に語ってもらう事後処理的な扱いとなってしまいました

 

この度の話を”其の1”と題してます通り、其の~で色々と補足していこうかなと思っております

という事で拠点に入るのはもう少し後となります

 

この度の投票では、順位争いがさらに熾烈を極めそうな予感がタップリでございますが・・・

一体どうなることやら・・・判りませんっ!

 

さて次回というか今後の予告となるのですが

反董卓連合終幕 其の1と題しましたので、@いくつ?とは今の時点では制作しておりませんので答えられません!

 

助け出された月や詠の動向など、さらっと流してしまった事など補足するつもりでおりますので

完全なる第2章終幕まで邁進する所存です

 

皆様のご期待に出来るだけ添える内容となるよう、鋭意制作して参りたいと思っております

 

これからも皆様の忌憚のない御意見・御感想を、制作の糧にすべくお聞かせ下さいませ

作品の完結まで皆様のご支援、何卒よろしくお願い致します<(_ _)>

 

それでは次回更新まで(*´∇`)ノシ マタネ~♪


 
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