No.61410

真・恋姫†無双 魏END 外伝第4章 中編

南風さん

投稿が遅くなってすみません。勢いで書き続けて物語りもいよいよ終盤です。というか、話の区切り方が前回とかぶっているのは見逃してください。
また、感想等をよろしくお願いします!!

2009-03-03 21:09:09 投稿 / 全2ページ    総閲覧数:20328   閲覧ユーザー数:14021

真・恋姫†無双 魏END 外伝第4章 中編

~大切なひとのため~

 

「・・・・・・・・・・・は?」

 

説明しよう!俺、北郷一刀は今までにないカオスなものを目にしている!!

何と、何と!!俺がもう一人目の前にいるのだ!!

なんだこれは!?ドッペルさんが話しかけてきたぜ、どうしろってんだ!!

これからの会話がややこしくなるので北郷A=俺 北郷B=ドッペルさんとしようではないか!!

 

B「まぁ、そうなるよな・・・・。」

A「・・・・・・・・えっと、俺も北郷一刀。」

B「だよな。」

A「へ?」

B「ん、つまり俺はお前、お前は俺。」

A「何そのむちゃくちゃな設定。」

B「俺だって聞きたいよ。・・・・・・・・・・ちなみにお前を蹴ったのも俺だ、すまん。」

A「いや、それなら過ぎたことだしいいよ。・・・・・えっとあの桃色の髪の女の子は、もしかして・・・・・。」

B「あぁ、娘だ。」

 

・・・・・・・・・・はい?

こいつは何をしれっと爆弾発言をしているんだ?

確かにもしや?とは思っていたが。

 

A「えっと、ちなみに誰との?」

B「蓮・・・・・孫権との娘だ。ちなみに、あそこにいた子の全てが俺の娘。」

 

・・・・・・・・・孫権?・・・・・呉の孫仲謀その人ですか?

あと全てが娘って・・・・・・はあぁぁぁぁ!?

 

B「はははっ、困惑してる時の俺の顔ってそんな顔なんだな。」

A「あぁさすがに混乱している。・・・・・・・・・・えっとつまりここは?」

B「呉だよ。多分、いや確実にお前がいた世界じゃない。」

 

それは初めに起きた時から感じてした。

俺がいた世界と似た感じがするこの世界。

けど確実に華琳と生きた世界じゃないこの世界の違和感を。

 

A「じゃあ俺から質問していいか?」

B「あぁ、なんでも聞いてくれ。」

A「この世界の曹操は今、何してる?」

 

その質問自体、聞いて答えをもらったところで意味がないのは俺自身承知している。

だが聞かずにはいられない。

 

B「わからない。海を渡って東の国へ行ったと言われてるけど本当のところは誰も知らない。」

A「そうか、曹操は負けたんだ。」

B「お前もだと思うが俺も三国の知識があったからな。俺は呉の孫策に拾われた、そして約束したからな。孫権と共に平和な世をつくるって。俺も曹操と戦った一応軍師としてな。恨むか?」

A「まさか。俺がもしお前の立場だったらそうしてるよ。」

B「そうだな、ちなみお前は魏に曹操に拾われたのか?」

A「おぅ、その通りだ。」

 

俺と呉の俺との会話は日が落ちるまで続いた。

魏の俺が華琳と出会い別れるまでの話を・・・・・。

呉の俺が体験してきた出会いと別れを・・・・・。

そして、俺が起きて今話をしているこの場所が孫堅・孫策・周瑜のお墓だってことを。

 

B「そうかそっちの世界だと黄蓋が死んだのか・・・・・。」

A「俺が赤壁の戦いで周瑜の策を俺が見抜いたからな。恨むか?」

B「答えはお前と一緒だ。」

A「ありがとう。」

B「しかし何だ。奇妙な感覚だなまったく。」

A「今さらそれを言うか?」

B「それもそうだな。」

 

二人の同じ笑い声が笑い方が満点の星空に響き渡る。

星空を見上げて俺らを照らす星と月。

月を見上げて俺は、華琳を思い出す・・・・・。

(泣いてたな・・・・・泣かせたんだよな、俺が・・・・・。)

 

B「提案なんだけど、城にこないか?」

A「ありがたいけど迷惑だろ?同じ顔が二つもあったらさ。」

B「それは説明して何とかする。俺としては何処かに潜まれて何か変な噂や他の人に見られるほうが不都合だよ。」

A「それはそかもしれないけど・・・・・。」

B「それに、いくらなんでもお前はこの世界で一人で生きられないだろ?俺なんだからな。」

A「・・・・・・・・・・まったくもってその通りだな。じゃあお言葉に甘えるよ。」

B「おぅ、そうしてくれ。それに城に居た方が、元のお前が生きた世界へ帰れる方法が見つかりやすいだろ?」

A「だけど、俺とお前ってずっと言い続けるのも何か面倒だな。」

B「まぁそうかもしれないけど、何事も慣れだと思うぞ。」

A「それもそうか。」

B「これからよろしく魏の俺。」

A「出来る限りの自分が出来ることをするよ、呉の俺。」

 

夜の月光に照らされて並ぶ同じ影が二つ。

それは互いの手を力強く握りあっていた。

 

 

 

――そして話は魏に戻り――

 

 

「戦況を報告は?」

「っは、敵は楽進・李典将軍の猛攻を受け後退しています。我が軍の優勢です。」

「ならば、この機に全軍を投入。五胡を完膚なきまでに叩き潰す。」

「っは!!」

 

(あまりにもあっけないわね。時間稼ぎにしては脆過ぎる。・・・・・やはり何かしらの策を?)

 

「そ、曹操様!!」

「何事だ!!」

「我が軍の後方と北と南に凄まじい砂煙を確認!!五胡の援軍です!!」

 

「何ですって・・・・・?」

 

「砂煙の上がり方からして数はおよそ100万を越すかと・・・・・。」

 

「・・・・・それは全ての方向を合わせて?」

 

「・・・・・いえ、後方のみで100万を越すものと思われます。北と南も同様かと。」

 

「そう・・・・・合わせて300万ね、まさか蜀と呉が陽動なんてね。五胡にしてやられたわ、こんな策も見破れないなんて曹孟徳も落ちたものね。」

 

「曹操様・・・・・。」

 

 

この時、華琳の胸に過ぎるのは生を受けてから今までの思い出。

辛く悲しい時もあった、嬉しく笑った時もあった。

だけど、思い出の中心にいるのは北郷一刀との思い出。

一番新しく、一番喜び、一番悲しい思い出。

 

 

「全軍に通達。我らは今から死地に赴く。これから通るのは修羅の道。全軍をもって前方の五胡を突破した後、山間部を利用し残りを迎撃する!!我らの背にあるのは民の命と自身が守りたい者達の命であると!!そして、曹猛徳の最後をしかと目に刻めと!!・・・・・もし逃げたいなら逃げなさい、ともね。」

「・・・・・っは!!」

「あと、洛陽の霞と風に伝令、各町の民を率いて蜀と呉に退却、援軍は不要と。蜀と呉の我が軍にはそのまま蜀と呉に降り、退却してくる民達を守りなさいと。あと共に援軍は不要とね。」

「・・・・・・っは!!」

「・・・・・・・・・・逃げたいなら逃げなさい。」

「いえ、私は曹操様と共にいます。それが元北郷隊の曹魏の兵としての誇りです。」

「そう・・・・・ありがとう。」

「では!!」

 

 

華琳は覚悟をした。死ぬ覚悟を・・・・・それは違う。

 

華琳の胸にあるのは守る覚悟。

 

曹魏の民を連盟の民をそして大切な者達を守る覚悟。

 

我が命と引き換えに一人でも多くの民を大切な者を守る覚悟。

 

その我が侭に着く兵達が何人いるのだろうか?

 

私の我が侭に付き従う兵が・・・・・。

 

(皆に謝らなくてはいけないわね。)

 

右手を天に掲げ、広い広い蒼天に向かい一言呟く。

 

「ごめんなさい・・・・・。」

 

 

 

 

「おおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!」

 

突如響き渡る鬨。

 

それは、各隊から上がっていた。

 

「曹魏の兵の力をみせてやろうぜ!!」

 

「ただで死んでたまるかよ!!」

 

「五胡に一泡ふかせてやろうぜ!!」

 

そして聞こえてくる兵達の覚悟。

 

そう40万の兵全てが華琳とともに進むと決意したのだ。

 

誰一人、抜けることなく。

 

 

その光景に、

(ありがとう・・・・・。)

そう心で呟く。

 

 

「曹操様!!前方の五胡の前線が崩れました!!」

 

「ならばこの機に突破するわよ!!」

 

「っは!!」

 

「無様な生より誇り高き死を選べ!!全軍突撃――――!!!!!!」

 

「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉ――――!!!!!」

 

 

 

第4章 中編 完

 


 
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