No.613319

ALO~聖魔の剣~ 第28剣 大勝利!

本郷 刃さん

第28剣です。
みなさんお待ちかねのキリト無双回ですよ~w

どうぞ・・・。

2013-08-28 10:31:24 投稿 / 全3ページ    総閲覧数:11009   閲覧ユーザー数:10002

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第28剣 大勝利!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

キリトSide

 

アスナ達は行ったようだな…。彼女達も人数は減らしてくれたので、残りは35人くらいだろうか?

まぁ先に来ていたメンバーはクーハに翻弄された上に今も乱戦中での暗殺行動を仕掛けており、

二撃決殺という感じでプレイヤーを沈めていっている。

クラインとケイタもコンビで挑んでおり、意外と連携が嵌まっているのは各々がギルドのリーダーだからかもしれない。

そして俺の周囲を約20人の人数が囲っている。

 

「さて、デスペナが惜しくない奴から掛かって来い」

「ふ、巫山戯るなぁ!」

 

俺の言葉にサラマンダーの男がキレ、メイジ達が囲みながら魔法を放ってきた。

それに対し、『聖剣エクスキャリバー』と『魔剣カラドボルグ』を振るい、攻撃魔法を叩き斬る。

 

「ソ、ソードスキルで相殺するんじゃないのか!?」

「お生憎様、この2本は属性付加が掛かっているんだ。キャリバーは聖属性、ボルグは闇属性と雷属性が半分ずつという感じでな」

 

そう、属性が付加されているこの2つならば通常技でも相殺は可能だ。ま、スペルの中心に命中させる力と集中力は必要だが。

 

「スリーピング・ナイツに手を出したのが運の尽きだったな。

 今回はアウトロードへの依頼じゃなかったから、俺も介入することが出来た。

 まぁなにより、ゲームとはいえ真剣勝負以外で俺の女に手を出そうとしたんだ、覚悟は出来ているな…?」

 

今回、俺はアウトロードとしての依頼は受けていない。

ユウキはアスナにお願いし、俺はクーハに呼ばれ、

その上でこの大型ギルドが起こしているトラブルを片付ける為にここに来たのだ。

それに、だ…アスナ達は真剣に戦おうとしたが、コイツらただ自分達の欲だけだった。

真剣に向き合おうとせず、力だけで押し潰そうとし、マナー違反行為まで犯した。

 

「それじゃあ、そろそろ俺からも行かせてもらう」

 

そう聞いた奴らはすぐさま武器を構え直し、警戒する。

 

「神霆流歩法術《零間(れいげん)》」

 

―――ザザシュンッ!

 

「えっ……な、ぐぁっ…!?」

 

最速の接近を行う歩法、一瞬でサラマンダーの男に肉薄し、聖剣と魔剣を用いて同時に心臓と首を貫いた。

どちらも非常に攻撃力が高い武器、属性ダメージとさらに俺の筋力値と攻撃速度による上乗せ、

そして的確に急所(クリティカルポイント)を突いた攻撃により、一撃でHPを0にしたのだ。

よってポリゴン片となって消滅し、リメインライトが浮かぶ。

 

「集団戦において、真っ先に倒すべきは頭であるリーダーか回復役。これで指揮系統は潰したから次は…」

 

そう言葉にしながら今度は回復(ヒール)が可能なメイジを睨み、彼らはそれに身体を硬直させた。

そんなメイジ隊を守ろうと前衛が前に出て庇う……が。

 

「言葉に惑わされて他の者に隙が出来るので、先に隙のある者から倒すのもよし」

「「うわぁっ!?」」

 

俺の背後の方で油断していた2名を振り返り様に接敵して斬り裂き、首を吹き飛ばす。

 

「仲間がやられたことでさらに動揺が誘われ、思考が硬直し、動けなくなる」

「「あ…っ!」」

 

素早くその近くにいて動揺していた者を斬り伏せる。

次々と仲間が打ち倒され、動揺と緊張がピークに達した敵は一斉に斬り掛かってきた。

 

「こういう場合は冷静に見極めるのがいいんだがな…神霆流歩法術《影霞(かげかすみ)》」

 

足捌きとステップで攻撃をギリギリで回避、前衛が俺に集中したことで中衛と後衛がガラ空きになる。

再び《零間》を使い中衛に接敵、弓矢使いと槍使いを即座に倒し、次いで後衛のメイジ部隊を攻撃する。

 

「コイツの特殊能力は遠隔攻撃なんだ」

 

振り抜いたカラドボルグが雷を纏い、剣先が伸び、メイジの1人に突き刺さる。

長さが戻った直後、残りのメイジにも接敵して一閃する。

俺に向けていた約20名は既に半分以上が倒され、残りの奴らも呆然自失に近い。

 

「中衛も回復役も潰し、陣形は整えられないな」

 

ま、俺にはユイのサポートもあったから当然か。そして僅かに視線を外す。

 

約10名を引きつけていたクーハは、未だに素早さで相手を翻弄しつつ、2本の短刀で攻撃を確実に与えていく。

防具の合間を狙っているので、相手も回避に必死だ。

見てみれば既にメイジはいない、倒したあとのようだな。人数も残り5人ほどである。

 

クラインとケイタ。2人共ギルドリーダーであり、対人戦も経験済みであるので5人程度が相手ならば楽勝の様子。

ケイタが両手棍(スタッフ)で武器を弾き、クラインが刀で斬りつける。それらを繰り返して既に残るは1人になった。

 

這う這うの体で集まった残りの相手の面々、あれだけいた人数が残り15人程度だ。

俺は3人を下がらせ、ユイをクーハの元に行かせる。

 

「それで、残ったお前達はどうする? このまま撤退するというなら、見逃してやるが…」

「っ……だ、誰が、逃げるか! 仲間が、やられて、逃げるなんて…!」

 

1人が答えると、残った者達もその後に続いた。なるほど、ボコボコにされたお陰で気が引きしまったか。

ならば引導を渡してやるのが俺の役目、素早くスペルワードを紡ぐ。

それに気付いた相手はすぐさまこちらに向けて駆け出してきた……が、遅い。

詠唱を終えた俺の身体を白と黒の業火が包み込んだ。

 

キリトSide Out

 

 

 

クーハSide

 

「なん、なんだよ……アレ…」

 

炎に包まれたと思ったキリトさん、だけど次の瞬間に炎の中から異形の者が現れた。

天使の翼を二枚一対、黒い天使の翼を二枚一対、悪魔の翼を二枚一対、ドラゴンの翼を二枚一対持ち、

鎧に身を包み、間から見える素肌は赤い鱗、尻尾も鎧に固められ、六本三対の腕、兜の間から流れる黒髪、コイツはなんだ…?

 

「オイオイ、アイツはっ!?」

「〈The lord of falldowner(ロード・オブ・フォールダウナー)〉じゃないか!?」

 

クラインとケイタが驚愕の声を上げている。

 

「なぁ、アレは一体なんだ?」

「あの姿は〈The lord of falldowner〉、SAO第76層のフロアボスモンスターでした。

 ですが、アレはパパが幻惑魔法で変身した姿なんです!」

 

SAOのボスだって!? さらにユイちゃんから説明を受ける。

なんでもいまキリトさんが使った魔法は使用者のステータスに応じた姿へと変化するらしい。

つまり、いまのキリトさんのステータスはSAO第76層ボスレベル、またはそれ以上の可能性もあるのか!?

 

巨体を動かす堕天使、翼をはためかせて衝撃波を起こし、奴らを吹き飛ばす。

武器はないが鎧の手甲で殴り掛かり、なんと一撃で倒して見せた。

続いて長い尾で敵を叩き付けて壁まで吹き飛ばし、脚で相手を蹴り飛ばす。

6本もある腕、強力な尾、8枚の翼などを使いわけ、次々と相手のHPを削ってはリメインライトへと変えていく。

 

暴虐と言えるだろうし、残虐だとも言えるだろう……けど、相手は立ち向かうことを選んだ。

キリトさんも全力で叩き潰すことで応えることにした、それだけなんだ…。

 

嵐のような攻撃も、遂に終わりを迎える。

残った唯一人の妖精に6本の腕で同時に正拳突きを放ち、HPを奪い、勝利した。かなり凄まじい戦いだったよ…。

そう思っていると、異形を再び白と黒の業火が包み、晴れたところにはキリトさんが立っていた。

 

クーハSide Out

 

 

 

キリトSide

 

あ~、なんだかあの魔法を使ってからの意識が薄かったな…。

覚えているにはいるんだが、曖昧というか、とにかく暴れていた感じしかしない。

興奮状態にでも陥っていたのかもな、今後は自重っと…。

 

「さて、いますぐ消えないでくれよ。アンタには伝言を頼むからな」

 

ふよふよと浮いている1つの灯火に声を掛ける。どうやらそれを聞いたようで、消える様子はない。

 

「いまの戦いで俺達が手に入れたユルドやアイテムはそちらに返却する。

 確かイグシティにギルド本部があったな? そこにこのあと向かわせてもらうから、この旨を伝えてくれ。

 それと……こっちには仲間が撮影した写真(フォト)もあるから、壁行為(ブロック)の証拠になる。

 これをばら蒔かれたくなかったら、ちゃんと応じてくれよ? それじゃ、消えていいぞ…」

 

俺が言い終わるとリメインライトはすぐさま消滅した、少し脅かしすぎたかな?

 

「パパ~! お疲れ様です~♪」

「あぁ。ありがとう、ユイ」

 

俺の肩に止まった愛娘の労いの言葉に癒されつつ、クーハ達に歩み寄る。

 

「まったく、少しやりすぎなんじゃないか?」

「そうだぜぇ、ていうか見てるオレも怖かったっての」

「容赦無さすぎ」

 

ケイタは苦笑し、クラインは呆れ、クーハは僅かに笑みを浮かべて言った。確かに彼らの反応は適切だな。

 

「まぁいいじゃないか。どうせユルドもアイテムも全て返却するし、

 少しくらいは痛い目を見てもらわないと同じことを繰り返すかもしれないからな」

 

釘を刺しておくのも重要なことだ。

今後もああいった横行があるかもしれないから、これからそのことにも着いて話しをしに行かないと。

 

「クライン、ケイタ。アイテムとかの返却に付き合ってくれ、護衛も兼ねてな」

「おうよ、任せな!」

「護衛は必要ないと思うけど、俺も言いたいことがあるからね」

 

2人に頼むと快く引き受けてくれた、彼らもあのギルドには思うところがあったんだろう。

 

「クーハ」

「分かってる。ここでアスナさん達を待ってればいいんだよな?」

「あぁ、頼むな」

 

彼にはこの場を任せ、俺達はイグシティへと向かう。

 

「よし、O・HA・NA・SHIをしに行くか」

「そうですね、しっかりとO・HA・NA・SHIをしにいきましょう」

「「「(なんか字とイントネーションが違う気がする…)」」」

 

俺もユイもアスナに手を出そうとしたギルドに思いを馳せながら良い笑顔を浮かべ、

クラインとケイタの2人を引き連れて、イグシティへと向かった。

 

キリトSide Out

 

 

 

アスナSide

 

ボスとの40分を超える戦闘、ポーションは残り僅か3本だけ。

それでも、ボスの挙動が既にバーサク状態になっているところからして、HPがあともう少しだというのは分かる。

苛烈な攻撃を掻い潜り、防御や回避などでダメージを抑えるけれど、必ずどこかでHITしてしまう。

だけどわたしは気付いた、ボスの首元に弱点(ウィークポイント)が設定されていることに。

そのことを同じ後衛であるシウネーに伝え、彼女にポーションを2渡し、前衛に作戦を伝える為に前に出る。

 

「ユウキ!」

「どうしたの、アスナ!」

「アイツの2本の首の付け根中央、あそこが弱点になってる。攻撃が当たれば大ダメージを与えられる!」

「弱点!?……高い、ボクがジャンプしても届かないよ!」

 

弱点の場所を見て、さすがに攻撃のHITは無理だと言うユウキ。それに対してわたしは笑みを浮かべて応える。

 

「ちょうどいい踏み台があるよ」

「え……あ、そっか!」

 

わたしの視線の先、ユウキもそこを見て納得する。わたし達の視線の先にはテッチがいる。

すぐさまユウキはテッチに向けて次のハンマー攻撃後、しゃがむように指示を出し、彼も理解したように頷いた。

そこでボスはブレス攻撃を放ち、前面に立つみんなのHPを削る。

直後、奴はハンマーを振りかざした…それを確認したユウキはダッシュの体勢に入る。

 

「最後のチャンス。頑張ってね、ユウキ!」

「分かってるよ! 任せて、姉ちゃん!」

「ほぇ…?」

 

思わぬ呼ばれ方をして、間抜けな声を出してしまった時には彼女は猛然とした勢いで進み出していた。

ハンマーが振り下ろされ、放射状の震動波をテッチがしゃがみ防御でやり過ごし、

そこに走ってきたユウキが飛び上がって、テッチのヘルメットの天辺を踏み付け、さらに高みへと飛翔した。

 

「やあぁぁぁぁぁっ!」

 

彼女は11連撃のOSSを放った…交差する5連突と5連突、最後に弱点部分に向けての強力な突きが命中する。

 

―――ぐぅおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!?

 

絶叫を上げるボス。しかしそれも次第に弱ってから止まり、不自然な体勢で動きを止める。

その体に亀裂が入って次々と広がっていく。そして、その体は無数の大小異なるポリゴン片となって崩壊した。

ガチャリ、と…次の層に続く大扉の鍵が開く音が聞こえた。

 

「やったぁ…」

 

勝利を実感して思いきり脱力したわたしは、力無くそう言葉を漏らし、床に座り込んだ。

そこで呆然としているユウキと目が合い、次に満面の笑顔へと破顔した彼女が思いっきりわたしに飛び込んできた。

 

「きゃうっ!?」

「やったぁ! やった、勝ったよ、アスナ!」

「あはは! やったね、ユウキ!」

 

大はしゃぎするユウキと笑顔で応えるわたし、そんな状況を見てようやく現実を理解した他のみんなも一斉に歓声を上げて喜んだ。

 

「勝てたんだよな!? ホントにやったんだよな!?」

「ああ! 勝ったんだよ!」

「や、やりましたぁ!」

「よっしゃぁ!」

「凄く嬉しいです!」

 

ジュンも、テッチも、タルケンも、ノリも、シウネーも、歓喜の声を上げる。

ホントに凄いよ、フロアボスに勝てちゃうなんて…! そう思った時、入り口の扉が左右に開かれた。

その先に居て、入ってきたのは…。

 

「お疲れさん。上手くいったみたいだな」

 

クーハ君だった。その奥に他のプレイヤーの姿は見られない、キリトくん達もいないみたいだけど…。

そこで、わたしに抱きついていたユウキは立ち上がって、彼の元へ駆けていって…、

 

「クーハ!」

「え、ちょっ、なっ///!?」

「「「「「「おぉ~」」」」」」

 

ガバッと抱きついた。クーハ君てば紅くなってる、初々しいなぁ~。

 

「クーハ達が引きつけてくれたお陰で、ボク達戦えたよ! 本当にありがとう!」

「あ、あぁ…そりゃ良かった///」

 

彼女の素直なお礼の言葉に照れと抱きつかれて羞恥を見せるクーハ君は、

困った様子を見せているからそろそろ助けてあげようかな。

 

「ユウキ、そろそろ離れてあげないと」

「ふぇ?……あ、ご、ごめんね///!」

 

ユウキもようやく自身が異性であるクーハ君に抱きついていることを自覚したみたい。

紅くなって焦っている…ん~、なんだか気になる2人だね~。

 

「あの、他のみなさんは…?」

「ていうか、あのギルドの人達いないけど…」

 

シウネーとノリが疑問に思ったのかそう言った、ジュン達も気になっている様子。わたしも気になってるけどね。

 

「あのギルド連中なら、オレ達5人で全滅させたよ。

 そんでもって、キリトさん達は現在、アイテムの返却のついでにちょっと説教しに行ってるよ」

「ぜ、全滅って…」

「す、凄いなぁ…」

「実際は4人でしたよね?」

 

ジュンとテッチとタルケンが呆然として呟く。うん、やっぱり勝っちゃったみたいだね。

 

「お説教って、どういうことなの?」

「アスナさんに真剣勝負以外で手を出そうとしたし、ついでにいままでのマナー違反な行為への警告をしにいったんだよ」

「あ、あはは、ユイちゃんもなんだね…」

 

ユウキの問いかけにクーハ君が答え、わたしは思わず苦笑してしまう。

最近、ユイちゃんが一層わたし達に似てきた気がします。

嬉しいような、そこはあまり似てほしくないような…。

うん、ここは一度話しを切り上げるのが良さそうだね。

 

「よし、それじゃあ転移門のアクティベートに行きましょ!」

「行こう行こう! ほら、クーハも一緒に!」

「え、あ、あぁ…(いいのかな、オレも一緒で?)」

 

わたしがそう言うとユウキも賛成してくれて、クーハ君を引っ張っていくことになった。

勿論、彼が付いてくることに反対する人もいないけどね。

こうして、第27層フロアボス討伐を終えたわたし達は、次の第28層へと向かった。

 

アスナSide Out

 

 

 

To be continued……

 

 

 

 

 

 

 

 

後書きです。

 

はい、キリトさん無双でしたねw クーハにクラインやケイタにも頑張ってもらいました!

 

本作ではALO編で囚われていたのがキリトさんだったので、あの変身シーンをここで投入しました。

 

しかもSAO編の第76層オリジナルボスですw

 

そして気付いた方がほとんどだと思いますが、クーハとユウキが良い雰囲気です♪

 

今回の話から一変、次回はユウキがALOから・・・。

 

それではまた・・・。

 

 

 

 

 


 
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