No.611706

一刀の晋王転生録 第五章二十話

k3さん

五胡に向けて進軍を開始した一刀。だが、一刀達の予想どうり、三つの勢力が動き出そうとしていた。一刀の策とは?

2013-08-23 21:26:42 投稿 / 全2ページ    総閲覧数:2621   閲覧ユーザー数:2189

 姓:司馬 名:昭  性別:男

 

 字:子上

 

 真名:一刀(カズト)

 

 北郷一刀が転生した者。

 

 

 

 

 姓:司馬 名:懿  性別:女

 

 字:仲達 

 

 真名:理鎖(リサ)

 

 一刀と瑠理の偉大なる母。第三章で死亡した。

 

 

 

 

 姓:司馬 名:師  性別:女

 

 字:子元

 

 真名:瑠理(ルリ)

 

 母を目標にする一刀の姉。一刀を異性として愛す。

 

 

 

 

 姓:張  名:春華 性別:男

 

 真名:解刀(カイト)

 

 一刀と瑠理の父にして、一刀の師。第四章前編で死亡した。

 

 

 

 

 姓:王  名:元姫 性別:女

 

 真名:美華(ミカ)

 

 一刀に異常なまでに執着する一刀の妻。

 

 

 

 

 姓:鄧  名:艾  性別:女

 

 字:士載

 

 真名:江里香(エリカ)

 

 後の司馬家軍の宿将。司馬家に対して恩を感じている。

 

 

 

 

 姓:賈  名:充  性別:女

 

 字:公閭

 

 真名:闇那(アンナ)

 

 司馬家の隠密。一刀のために働くことを生きがいとする。

 

 

 

 

 姓:王  名:濬  性別:女

 

 字:士治

 

 真名:澪羅(レイラ)

 後の司馬家の水軍の将。一刀を気に入り、司馬家のために戦う。

 

 

 

 

 姓:司馬 名:望  性別:女

 

 字:子初

 

 真名:理奈(リナ)

 

 一刀達親戚で、一刀と瑠理とっては義姉という立場。

 

 

 

 

 

 

 姓:杜  名:預   性別:女

 

 字:元凱

 

 真名:綺羅(キラ)

 

 一刀とは同期。親同士の仲は良くないが、当人達の仲は良い。  

  第二十話

   「五胡最終戦 三つの勢力の動きと一刀の対策」

 

 

 一刀が五胡討伐に向かって少し数日が経つと、劉辯殺害や、領土を空けた事が、劉備軍、孫権軍、曹操軍に報告が入った。

 

 だがその内、曹操軍は動くことが出来ない状態だった。無論、原因は少し前の乱での甚大な被害を少しでもどうにかしなければなら

 

ないからだ。しかし、司馬家とは違う勢力と戦う破目に陥る。それは孫権軍だった。

 

 孫権軍は国内も落ち着き、司馬家の事を知ると、好機と軍を動かそうとした。だが、此処で大きな障害が発生する。それは劉備軍で

 

ある。孫権軍と司馬家の領内は隣接しておらず、司馬家の領内に入るには曹操の領内か劉備の領内を通過せねばならない。

 

 曹操とは対して交流もしておらず、赤壁の戦いでは敵同士であった以上、領内通過の許可を貰える確率は極端に低い。

 

 そこで同盟相手である劉備に領内通過の許可を貰う、あるいは劉備の領内で合流し、連合と成り、共闘して司馬家の領内を侵攻する

 

というのは自然の流れだ。

 

 だが、劉備軍はそれらを拒否したのだ。これに孫権は激怒。何度も抗議の使者を出すが、劉備軍はことごとく誤魔化す。結局、孫権

 

軍は曹操に使者を出し、領内通過の許可を申し出る。曹操軍は疲弊しているという情報はあったので彼女達はあるいはと思っていた。

 

 しかし、曹操は許可を出すことはしなかった。いくら疲弊していた状態とは言え、一度勝った相手に対して、それを理由に逃げると

 

言わんばかりに黙って通したとなっては、司馬家軍との敗北も合わさり、曹操軍の誇りに致命的な傷が付くからだ。それを重んじる部

 

分のある彼女の国にとっては国の崩壊を招く一端となる危険があったのだ。

 

 止むを得ず、孫権は曹操軍と戦う事になった。だが、曹操は先の司馬家との戦いで疲弊しているという事から、一気に曹操の領土の

 

多くを奪うことが出来る好機と彼女とその配下は捉えなおす。ここで孫権軍は司馬家を攻める事から、曹操の領土を攻める方向へ変え

 

て、彼女の領土に侵攻し、曹操軍はそれに対して通常より少ない兵で迎撃の態勢する。こうして司馬家が五胡と戦っている最中に、二

 

つの軍は合肥の地にて激突したのであった。

 

 一方、劉備軍は功績の独占に邪魔な孫権を排除し、洛陽に向けて進軍。司馬昭と主力の居ない今なら労せずして洛陽を制圧できると

 

確信しての事だった。

 

 実は劉備自身はこの侵攻に難色を示していた。一刀の性格をある程度知っていた彼女は彼が理由や意味も無く劉辯殺害を起こすとは

 

思えなかったのだ。だが、諸葛亮や鳳統に説き伏せられ、結局は侵攻を許可した。

 

 二人は司馬昭が劉辯殺害を起こした理由を知っていた。だがあえて劉備には教えなかった。そうしたら彼は当然の事をしたのだと

 

言って間違いなく今回の作戦を絶対に許可しないことを分かっていたからだ。

 

 だが二人の思惑が成功することは無かった。いざ、司馬家の領内に入ろうとしたときに思いもよらない人物が現れたのだ。

 

「そなた達は劉備軍の者か? 朕は漢帝、劉協である」

 

「え!?」

 

 劉備軍の忠臣達はあまりの出来事に思考が停止している間にも、劉協は言葉を続ける。

 

「そなた達が何故此処まで来たのかはあえて聞くまい、しかしこれ以上進むことはまかりならん」

 

「ど、どうしてですか!?」

 

 関羽は当然ながら食い下がろうとする。

 

「司馬昭が五胡と戦っている事は知っておるか? 彼には余計な事を考えずに五胡との戦いに集中させたいためだ」

 

「……何故司馬家を支持するのかを聞かせていただいてもよろしいでしょうか?」

 

 黄忠はやわらかい口調で劉協の真意を問いただそうとする。

 

「此処で彼らに五胡と決着つけて貰えば、奴等に漢を責められずに済むだろう? ならば結果的に漢の為になるからだ。それ以上に理

 

由はいらぬであろう。此処でそなた達が司馬昭に対してここで何らかの問題を起こせば司馬昭はそのせいで敗北してしまうかもしれん。

 

そうなったら漢に危険が及ぶのは自明の理」

 

「! そうなっても我等が漢をお守り致しますゆえ、問題になりません!」

 

 関羽はそう宣言するが、劉協は首を横に振る。

 

「残念だが司馬家が勝てないとなればそなた達が勝てるとは思えん。現に一度彼等に負けたではないか」

 

「ぐっ!」

 

 劉協の理屈にぐうの音も出ず、彼女はそのまま押し黙ってしまう。

 

「そういう訳だ。此処まで説明しても、まだ此処を通ろうとするならば、朕自らが相手をしてでもそなた達をくいとめようぞ!」

 

「なっ!?」

 

 劉備軍全員が絶句した。漢のためという大儀で洛陽に進軍しようとしていたのに、このまま進軍すれば漢帝に刃向かう反逆者となる。

 

「しょ、しょんな……」

 

「朱里よ、このままではどうする事も出来ん。ここは退くしかない」

 

 趙雲が、まだ迷う諸葛亮をどうにか説得し、劉備軍は撤退した。

 

(司馬昭よ、後は任せたぞ)

 

 劉協はそのまま洛陽へと帰還した。

 

 そして成都にいる劉備は、この出来事で侵攻が中止となった報を聞き、内心安堵していた。


 
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