夕刻になり宿へと戻ると、既に部屋で祭は待っていました。
「遅いぞ!何をやっておったのだ!全く!」
ちょっと怒ってますね、心配してくれたんでしょうか?でもですね何か納得いかないのですよ。
「少しばかり言い訳させてもらえるのならば、集合は夕刻であってたと記憶しているのですが?」
聞き間違いだったのでしょうか?かなりよいとまでは言いませんが、耳はよく聞こえる方でそれほど記憶力も悪くはありません。
「私が遅いといったら遅いのだ!」
・・・これがジャイアニズムってやつでしょうか?・・・とにもかくにも、機嫌が更に悪くなる前に対応です、これが処世術です。
「遅れてすいません。色々話したいこともありますが、まずは食事としましょう」
素早く謝ったのが良かったのか、機嫌はそこまで悪くはなっていなかったようです。
「最初からそういえばいいのだ。ではいくか」
「はい・・・」
やっぱり納得は出来そうにないです・・・。
「そこまで悪かったか・・・」
近くの繁盛してそうな酒屋で食事・・・祭は酒を飲みつつお互いに手に入れた情報交換を行います。
「それでですね。自分の医療の腕を上げたいので、しばらくあの辺りの診察をやってみたいのですが・・・どれくらいで移動を考えられてるのでしょう?」
どれくらい留まるかによって方針が変わります。
一応清潔にする旨は周知するよう伝えたのですが、清潔にしたからと言って病気が治る訳ではありません。
「そうだな・・・では十日ほど留まるか」
十日・・・あの一帯全てを診るのは不可能ですが、酷い症状の人なら出来そうです。
「わかりました。では十日と言うことでお願いします」
「うむ!しっかりと精進せいよ!その間は鍛練も無しとしよう」
確かにこれで鍛練もやっていたら体力以前に気がもちません。
「はい、ありがとうございます!」
あれから八日やっと重度の患者は治療し終わりました。
家々を回っていきましたが、掃除をしているところもあれば、していないところもあったので優先的に掃除をしてあるところから回っていたら、いつの間にか掃除をすると医者が来るという話が広まっていました。
今は空き家・・・というか小屋?を使ってくれて構わないという人がいたので使わせてもらっています。
特に診療代は貰ってはいないのですが、気持ち程度に置いていく人もいます。
そんな貰った物の中で一番嬉しかったものがあります。
「伝説の武器ゲットーーー!」
治療の腕がかなり上がったのも嬉しいですが、とうとう鍼を手に入れたことの方がもっと嬉しいです。
勿論裁縫で使うものではなく、治療用の鍼です。
これで治療の効率が更に上がります。
まあ、後はそれほど酷い人はいないはずなので、それほど心配はしていませんがね。
「ここか?怪しいやつがいるというのは?」
なんか招かざる人が来ちゃったみたいですね・・・。
役人とか豪族関係とか、この周囲の人以外には知られないように伝えていたのですが、人の口を塞ぐことは出来ませんか・・・。
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本作品は華陀への転生ものです。
【注意事項】
素人の書きなぐりです。
はっきり言って自己満足なだけのものです。
一応昔に恋姫はしたことありますが、うろ覚えですので、改変が多々あると思います。
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