No.609433 神次元ゲイムネプテューヌV+DeadDestiny Phese6【怨念】2013-08-17 00:40:39 投稿 / 全4ページ 総閲覧数:2272 閲覧ユーザー数:2108 |
~ZERA一号遺跡 最深部~
崩壊した遺跡の最奥で、鉄の拳と剣が幾度と無くぶつかり合う。
目の色を変えたネプテューヌとマジェコンヌが互いに致命傷足りえる部位、喉や心臓部を狙いそれを受け止めあう戦い。
一見互角に見えたものの、少しずつだが手甲や具足で覆われていないネプテューヌの体に掠り傷のような小さい傷が溜まっていっている。
「貴様とは万全に殺し合いたかったが残念だなぁ、ネプテューヌ?」
「…………」
ふと、打ち合いながらマジェコンヌが口を開いた。
一種の挑発か、と思いながらも打ち合いながらネプテューヌは耳を傾ける。
「貴様どうやら頭の中身、思考や判断は完全なものであると言える。私と打ち合えるのだからな」
「何を言いたいのかしら……?」
「すぐにわかる。ほら顔に一瞬だけ隙を作るぞ、撃って来い」
その直後、マジェコンヌの振るう双刀が具足に受け止められ、言った通りにマジェコンヌの顔を護るものがいなくなった。
罠かどうか。思考をやめネプテューヌが拳を顔に向け伸ばす。壁のない顔はたとえ腕で防いだとしても折れる威力のあるもの。当たった、と確信した。
「つまり……こういうことだ」
マジェコンヌの上半身がゆっくりとネプテューヌから離れる。
双刀を受け止められ反撃を受ける間際、マジェコンヌが背を逸らしたのだ。
女神化したそれより数段体格が小さく、短かった腕はそれぐらいの距離をとられたことで、打つはずだった顔に届かずに伸びきってしまう。
「しまっ……!」
腕を伸ばしきって一瞬脱力したネプテューヌの体が蹴り飛ばされ、崩れた瓦礫に頭から突っ込み、ガラガラと音を立てて雪崩れ込む瓦礫に小さな体が飲まれていく。
「貴様が何故女神化しないのはわからないが…いや、できないのか。まぁ、なんにせよ貴様の判断は貴様が女神化した姿、能力が前提となっているようだな。だが貴様の体は人間のものだ。当然思考と動きに差が生まれる。その結果がコレだ。運が悪かったな」
双刀を構え、トドメを刺さんと瓦礫の山に近づくマジェコンヌ。
徐々に顔に笑みを浮かべ足音も立てずに近づいていく。
「この怒り、この憎しみ…初対面であるにも関わらず幾年の因縁のようにも感じるこの感情。貴様を殺さねばならないという衝動……私の勝ちだネプテューヌ!!!!」
マジェコンヌが大きく宣言し、双刀を振り上げ、振り下ろした。
――――――ガキィン!
「……あの駄鼠め、失敗したか」
大きな金属音を立てて双刀が止められる。
瓦礫ごとネプテューヌを切り裂くはずだったそれを受け止めたのは、黒地に白い回路線が引かれた2m弱ほどもありそうな剣。
そして、白く長いツインテールと灰色と黒のユニットに身に纏った、女神だった。
「ブラックハート・ノワール……推して参る」
双刀ごとマジェコンヌを弾き飛ばし、剣を肩に持ち刃を上に向け切先を向ける臥突の構えを取るノワール。
マジェコンヌに遭遇したときの怯えっぷりはどこへやらといえるほどにまっすぐマジェコンヌを見つめ…というより睨みつけている。
「お探しの子はこのこかしら?」
ノワールの横にふわりと現れた女神、アイリスハート。
その片手には逃げたはずのワレチューが気絶してつかまれている。もう片手には、ワレチューから奪ったのだろう女神メモリーが浮いている。
先ほどまでのネプテューヌの目には女神メモリーにも刻まれている上を向いたCに線を入れた記号が浮かんでいた。恐らく、女神化は成功するだろう。
本来女神化に成功する確率は大よそ1/1000000。だが0ではなく、その上でマジェコンヌの脳裏には【姿の違う】ネプテューヌが何度も浮かんでいた。これが、女神化したネプテューヌの姿なのだろうと思った。
とすればワレチューという人質を持った女神三人を一人で相手にすることになる。そう考えた。
「……一人ならばともかく、三人の女神は分が悪いか」
「逃がしはしないわ。七賢人マジェコンヌ、あんたの命貰い受ける」
「この子、見捨てて逃げれるのかしらぁ?」
逃がす気はさらさらない
ぷらぷらとワレチューの尻尾を持ち振り回すアイリスハートに向け、マジェコンヌは意地の悪い笑みを浮かべ、掌にあるものを浮かべた。
「そうだな、では取引と行くか……その小汚いネズミと……こいつでどうだ?」
マジェコンヌの掌に現れたのは、女神メモリー。それを見てアイリスハートがはっとするも持ってきていたはずのもう一つの女神メモリーがなくなっていた。
一瞬の内に掠め取られたのか、とマジェコンヌを睨むも気にする様子もなく「さぁどうする」と急かすようにしている。
「……いいわぁ。それで手を打ちましょう」
「交渉成立だな」
互いに同時に女神メモリーとワレチューを投げ飛ばし、受け取る。
ノワールは不服そうだったが「ねぷちゃんには代えられない」とアイリスハートに窘められた。双刀までしまいマジェコンヌはたからかに笑いながらネプテューヌが埋まっている瓦礫を指差し、言った。
「この勝負、預けてやろう!だが何れ再び死合うことになるだろう。我の憎悪、そして貴様の憎悪。どちらがより深くよりよりおぞましいものかを比べる死合いをな!楽しみにしているぞ、我が
ケャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャ、と気味の悪い笑いを上げながらマジェコンヌの姿が消えていく。
残ったのは、静寂。
不満そうなノワールと、二人の足元の瓦礫に埋まるネプテューヌと、アイリスハートだけだった。
「なんで逃がしたのよプルルート」
「ネズミの子がいたとして、覚醒したてのノワールちゃん一人じゃああれには勝てない。あたしも参加しちゃったらねぷちゃんが持たない。どちらにしろ互いに見逃した関係よぉ」
「折角女神になれたのに、締まらない始まりよね」
「そうねぇ。ねぷちゃ~ん?生きてる~?」
コンコン、と蛇腹剣で瓦礫を突くアイリスハート。そのたびに「ねぷー」「ねぷー」と気の抜けた声が鳴っている。恐らくネプテューヌ本人の声だ。
そのあまりにも緊張感のない鳴き声に若干脱力気味の二人だが気にせず瓦礫撤去に入った。
「ねぷちゃぁん、これで貸し一つねぇ」
「全く、一人で無茶するからこうなるのよ」
「いやー、面目ないというか……てへぺろ?」
二人に救出された頃には既にネプテューヌは元に戻っており、お気楽そうな表情になっていた。
マジェコンヌと戦っていた頃の威圧感が全くなくなっていることに気が抜けたが、とりあえずとプルルートが女神メモリーを渡す。
「これが女神メモリー、これで貸し二つ。帰ってからが楽しみね」
「うわー、なんというかねぷ子さん非常に帰りたくなくなってまいりました」
「あら、ねぷちゃんずっとあたしにご奉仕してくれるのかしらぁ?」
「そっちじゃないよー!ええーい、ままよー!」
女神メモリーを握り締め、強く念じる。
ネプテューヌも使い方はよくわかってなかったが、なんとなく女神メモリーから感じ取れた。女神化と同じだと。
思いは、希望。願いは、救済。
祈りは、届いた。
ネプテューヌの体が光り輝き、その姿が少しずつ分解されていく。
生物の死、洸粒子化にも似ながら全く違う輝きに、ノワールが咄嗟に目を覆った。「アレは何」、と呟くノワールに答えはのはアイリスハート。「いわば創世、かしら」というよくわからない答えに困惑するも、二人とも光を眺め続けていた。
再構成が始まった。光が集い、別の姿に創られていく。より強い体、より強い力を以て。
光が治まると、ネプテューヌではない誰かがその場に佇んでいた。
紫と黒のユニットを身に纏い長い長髪を二つのみつあみに纏めた、大人びた女性。
元のネプテューヌとは似ても似つかない【誰か】が目を開き、自らの体を眺めて呆然とした様子に言った。
「……驚いたわ、まさかここまで心地がよかったなんて」
おー、と感嘆を込めながら自らを確認するようにしているネプテューヌを見て、まず二人が疑問に思ったことが一つあった。
武器を、持っていない。
プルルートは普段は自作のぬいぐるみを武器として兼用しているが、女神化すれば電流の流れる蛇腹剣を主な武器とする。ノワールはオーダーメイドのレイピアを使い、女神化するとまるでレーザーライフルのような形状の大剣となる(残念ながら銃機能はついていないが)。
それと比べ、ネプテューヌの武器は手甲のついた拳や具足付きの蹴り。
そういったものがついているようにも見えなかった。
「ノワール、プルルート、ありがとう。やっとこの姿になれたわ」
「やっと……って随分知ったような口調じゃない」
「まぁ、一応こっちが本来……だと思うし。女神としては」
「ねぷちゃんのことはイストワールに聞くのがいいと思うわぁ。そ・れ・よ・り・ぃ?」
突然プルルート周辺の記憶がガクっと下がる。それと同時に強気だったノワールが心なしかネプテューヌの後ろに回っている。明らかにプルルートに怯えているようだ。
「ノワールちゃん、さっきなんでもするって言ったわよねぇ……?」
「言ったの?ノワール」
「……言った。女神メモリーネズミから取ったけどどうしようかって言ってるプルルートに【それをください、なんでもしますから】って……」
(地雷が多すぎないかしら……)
ある意味禁句のような一言「なんでもする」を勢いで言ってしまったはいいものの今となっては後悔が全力でのしかかってきているであろうノワール。
ネプテューヌに助けを求める眼差しを向けているがスルーされている。
自分はまだ問題ない、そう思っていたネプテューヌだったが、
「そうだ、ねぷちゃんには貸しが二つあったわねぇ。それじゃあ折角だしねぷちゃんにも付き合ってもらいましょう」
神は、死んだ。
そう思いながら、二人揃って襟首捕まれプルルートに引きずられながら帰ることに。
女神化は出来たものの、なんとも締まらない終わり方、とノワールとネプテューヌは思っていた。
~プラネテューヌ 教会 風呂場~
「ねぇ、ノワール……死ぬ準備か、女になる覚悟はできた……?」
「勘弁してよ……折角女神になれたのに……」
帰ってきても未だ女神化中のネプテューヌとノワール。ユニットはパージされ裸にタオルを巻きつけたスタイルでプルルートから待っててと言われ現在二人で若干温かい風呂場で待機中。
一種の死刑待ちのような気分の二人。刻一刻と迫るプルルートの来襲にただ待つことしかできなかった。
「しかもわざわざこの姿で……ねぇノワール、プルルートってそっちの趣味あったの…?」
「いや、多分ノーマル……だと……思う……けど……」
「そこまで語気が弱くなるとそれこそ覚悟が必要かもしれないわね……」
『ねぷちゃぁん~のわーるちゃぁん~』
「「ひゃいぃ!?」」
突然扉の向こう、脱衣所から聞こえたプルルートの声に妙な悲鳴を上げる女神二人。
恐る恐る扉を開けると、髪を解きスポンジのようなぬいぐるみを抱えたプルルートが立っていた。
そして恐る恐る風呂場に招き入れると、二人の間に座った。
「ねぷちゃんとのわーるちゃんには~、これからあたしのからだを~、きれいにしてもらいます~」
「……この姿である意味は?」「ないよ~?」
「……二人でやる意義は?」「ないよ~?」
両手を広げ待つプルルートを見て、ノワールとネプテューヌは互いに見合った。
「どうする?」と目で聞くネプテューヌに「やるしかないでしょ」と諦め気味に答えるノワール。
これを逃せばさらなる無茶振りが待っていることは明白。諦め、二人は身にまとうタオルにそのまま石鹸をこすりつけ、泡立ててプルルートに抱きつくように洗い始めた。
「おおー、これがソーププレ「どっから出てきたのよその知識!?」
「まぁ、実際この光景を誰かに見られたらそう言われてもおかしくはないけれど……」
「あんたも随分ノリノリね!?」「諦めてるのよ」
女神化してるだけあって豊満になった胸にぎゅうぎゅう詰めになる中、プルルートだけ若干嬉しそうな顔になっていっている。横の二人はなんともいえず微妙な表情だ。
「ね、ねぇ、プルルート?これ、いつまで続ければ……」
「ん~?…もうちょっとぉ~」
「これ、結構疲れんのね……」
脚が脚に絡み付きタオルがなくともこすりつけあうだけで泡が次々と湧きぬるぬるとした感触が全身に広がっていく。
突然プルルートが「これもう邪魔だよぉ~」と言い出し二人のタオルを取っ払う。慌てる二人をものともせず引き寄せ、三人揃って泡だらけの肢体を延々と押し付けあっていた。
~数十分後 プルルート私室~
「もう二度とあんたらと入浴したくないわ……」
「ねぷ子さん悪くな~い……」
延々とソー(ピー)プレイを続けた結果、逆上せるわ疲れるわの二重苦を背負い現在プルルートの部屋で全力で横になっている二人。女神に成れたというのに散々だ。
対するプルルートは明らかにツヤツヤした顔色をしている。やはりその気があったのだろう。
「ネプテューヌさん!ネプテューヌさん!(;゚Д゚)」
突然慌てた様子でイストワールが部屋に飛び込んでくる。
ノワールを押しのけベッドを占領しているネプテューヌが「ん~」と気だるそうに顔を上げた。
「あれ~?もう三日立ったっけ~?」
「立ってないわ。てか今日の出来事よそれ」
「つながりましたよ!別次元、おそらくネプテューヌさんの次元とつながりましたー!(;゚Д゚)」
「マジで!?いーすんなのに仕事が早い!」
若干失礼な内容も含まれているが喜んでいるネプテューヌ。
「はやくはやく!」とテンションを(無理やり)上げてイストワールを揺らしている。そしてノワールに戻される。恐らくここまでがテンプレ。
「と、とりあえず今映像を出します(・.・)」
イストワールの本が巨大化し、ネプテューヌ達三人に向けられる。
その後本に画面が現れ、少しのノイズの後にイストワール(大)の顔がでかでかと映し出された。
「おー!いーすんだー!でっかいーすんだー!」
「でっかいーすんだー!」
「いまいち確証が取れなかったけど、これで確定なわけね……」
『やはり、別次元でしたか。まさかこんなことが起こるとは……』
画面に映るイストワールの表情は暗い。
ネプテューヌを心配していた、という表情ではないようだがなにやら厄介事が起こっている、と言いたげだ。
だがそんなことをネプテューヌが考えるわけもなくイストワールに詰め寄る。
「わたしが一番驚いてるよー!それで、いーすんならそっちに帰る方法わかるよね!ね!?」
『その事なのですが、少し難し『いーすんさん、殲滅終わりました』ああ、おかえりなさいネプギアさん。ネプテューヌさんとの連絡が取れましたよ』
『……そうですか』
画面の奥でイストワールとは別の声が聞こえ始めた。
ネプギア、という単語にプルルートとノワールは聞き覚えがなかったがネプテューヌは即座に反応した。
「ネプギア!?おーいネプギアー!」
『叫ばなくても聞こえてるよ、お姉ちゃん』
画面に現れたのはネプテューヌに似た(?)少女。
なのだが、ネプテューヌとは正反対に暗い雰囲気を漂わせている。心なしか目にもハイライトが見当たらない。
「ねぷちゃんにそっくりな子~。お姉ちゃんって言ってるけどぉ~」
「完全にネプテューヌのほうが妹よね。あの落ち着きの無さからして」
「はいそこ!感動の再開に水を差さない!確かにいつも言われてるけどさ!」
ネプテューヌが突っ込みを入れている間、ノワールとプルルートは妙な視線を感じた。視線の方向は、ネプテューヌ…ではなくその後ろの画面。映っているネプギアだ。
一瞬ゾクっと背筋に寒気が通ったが直ぐにそれも消えた。視線も感じず、ネプギアはネプテューヌのほうばかり見ている。
一体なんなのか、とノワールが考え出すも心当たりは0。どうともできなかった。
『…お姉ちゃんが生きていてよかった。私が言いたいのはそれだけだよ』
「だいじょぶだいじょぶ!お姉ちゃんは殺されたぐらいじゃあ死なないよ!」
『……。そうだ『あー!ネプギアだけなんか面白そうなことしてる!テレビ電話!?』』
『テレビ電話ー…(わくわく)』
『え、何これ。映ってるのネプテューヌ………さんじゃん。あれ、姉さんもいる!?』
『あの、ちょっと皆さ、私の耐久を考えて……むぎゅっ』
突然湧いて出たルウィーの女神候補生ロムとラム、さらにラステイションの女神候補生ユニにまで押されネプギア共々イストワールが押しつぶされた。
だがそんなことは知らぬとばかりに妹三人はさらに捲し立てる。
『ネプテューヌちゃん!お土産よろしくねー!おいしいのがいいな!』
『辞書、がいいな……(もじもじ)』
『あ、本当に姉さんだ。おーいねーさーん!』
『あ、ノワールちゃんがいるってことはもしかしてお姉ちゃんもいるの!?』
『おねえちゃん……(わくわく)』
『ねえさーん!あんまりツンデレが過ぎると友達なくすよー!』
「ぐはっ……」
「あー、のわーるちゃんがやられたー」
ユニの容赦ない狙撃によりノワール、撃沈。
ベッドに倒れ痙攣するようにびくびくと震えている。が、ネプテューヌはおろかプルルートすらスルーして画面を見ている。
そして画面の奥で好き放題している三人の後ろに、鬼が現れた。
『ネプギアさん、お願いします』
『さー、会話の邪魔する悪い子はしまっちゃいましょうねー』
『『『ぴギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!?』』』
~~~~~~~~~~~~~~~暫くおまちください~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「現在映像が乱れております、しばらくそのままでお待ちください(*・ω・*)~~~」
三人の背後に(目以外)笑顔のネプギアが現れたかと思うと三人の体が歪み―――というところで画面が突然消失した。
画面の裏では「ベキ、メコ、グシャ、グチャッ」という声が鳴り続き、その後数分して再度画面が戻る。
画面が戻った時には三人の姿はなく、イストワールとネプギアだけが映っていた。
「えーっと……あの三人、大丈夫なの?」
『ちょっとトラウマになるものを見せちゃったかもしれないけど大丈夫。いーすんさん』
『わかりました。本題、ネプテューヌさんの帰還方法ですが……端的にいいます、全くわかりません』
「ねぷっ!?ちょっいーすん!なんでこんな重要な局面では役立たずなのさー!」
『その私を使って殴りますよネプテューヌさん?……別次元にいるということは予測できていましたが、そことのゲートを繋ぐ方法がいまいちわからないんです。墓場とは違って本当に全くの別次元なのですから』
「それをなんとかするのがいーすんのお仕事でしょ?それじゃあいーすんのイメージがただの超毒舌の割りに自分でやろうとすると時間かかる肝心な時に役に立たないタイプの上司になっちゃうよ!」
ネプテューヌの物言いに徐々に額に青筋が増えていくイストワール(大)。だが実際否定できない部分もあったため(主に自分でやろうとすると時間がかかるところ)、ぐっと堪えて続ける。
ネプギアもああ見えて危険、そう判断した結果だった。
『とにかく、現在
「がんばってねーいーすーん」
ブツッ、という音と共に画面が消失し、本も縮小化してイストワール(小)が再び乗っかった。
「回線が途絶されました(・ω・)」
「進歩……あったのかなぁ?」
「ま、互いの安否が確認できただけでも収穫じゃない?」
いつの間にか復活していたノワールに宥められるネプテューヌ。
若干疑問も残っていたが、特に気にすることもなく、そもそもそのあたりはイストワールの考えることとして思考を中断した。
「さーって、暫く暇だぁ~…!ノワ「悪いけど付き合えないわよ」えー?」
「やっと女神になれたんだもの。はやく自分の国を興さないと」
「えー?いいの~?私がプルルートもらっちゃうかもよ~?唯一の友達~」
「唯一じゃない!ジャックもいるわ!」
「そのジャックは?」
…………
ノワール、沈黙。あからさまに目を背けている。
ネプテューヌが左に回れば右にそむき、右に回れば左に背く。何かを隠しているのは明白だった。
「……そういえば、ジャックいないよねぇ?」
「…書置き、あったわ」
ノワールが懐から出した一枚のメモ用紙。
そこには殴り書きのように書かれた文章が書いてあった。
【ノワールとテューヌへ
やはり女神化に成功してしまったみたいだな、あれだけ忠告したというのに。だがもう過ぎたことだ、責めはしない。だが覚えておいてほしい。人を棄てるという意味、それは決して人に戻ること、人に交わることはできないということ。化物になるということだ。女神化に失敗すれば化物になるというが、私にとってはどちらも同じ化物でしかない。心しておいてほしい、人間を棄てた先にあるのは破滅だけだということを。
ジャック・O】
それは、あからさまに女神を嫌悪した文章だった。
最初からあて先にプルルートが入っていないことからもよくわかる。
この置手紙と、姿を消したジャック。つまり、ノワールに愛想を尽かした。そういうことなのだろう。
「……ジャックが、何故そこまでして私を女神にしたくないのかはわからない。でも、私はずっと夢にみていた。私が女神になって、沢山の人を救い、導きたいって!この思いは、本当のものだから」
「がんばれーのわーるちゃん~」
「…うん。ガンバレーのわーる!プラネテューヌに負けないようにね!」
「当然よ。すぐにプラネテューヌ、いえルウィーすらも超える国を造ってやるわ!」
三人が拳をあわせ、高く挙げる。
ノワールの顔には、覚悟と希望。
プルルートの顔には羨望と期待が浮かんでいた。
ただ一人、ネプテューヌの表情には影が表情を覆ったまま、仮面のように笑顔が張り付いていた。
こうして、ノワールはプラネテューヌを去った。
残されたネプテューヌとプルルート、道を往ったノワール、そして突如姿を消したジャック・O。それぞれの思惑が絡み、時は過ぎていく。
―――――――――そして、三年の月日が流れた。
~??? ???~
「マジェコンヌとワレチューは失敗は思ったよりでかかったな。全く、ワシらにとんだ迷惑をかけてくれおって」
「怪我がなくてよかったです……アブネスさんも復帰は順調そうですよ」
「最初からオレに任せればよかったのだ。あの年増には荷が重かっただけだろう」
「あら、コピリーちゃんにしては珍しい言葉を使うのね」
「全くどいつもこいつも……おいハーミット!」
「……はい」
「貴様の案、どうやら女神対策は失敗に終わったようだ。次の手はあるのだろうな」
「……はい。例の計画の実験体が、試作稼働できる段階にまで開発できました。プラネテューヌより、新しく興った国の女神にぶつけます」
「あらあら、過激ね。嫌いじゃないわ」
「恐らく、新しき国の狙いはルウィー。先手を撃ち、ルウィーに対する警戒心を強めます。うまくいけば、同士討ちが誘発させることが可能かと」
「好し、直ちに実行に移せ。ルウィーの女神の囲いも忘れるなよ」
「……御心のままに」
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【注意】この作品は健全です、R-15とかそんなものはありません【健全な】
【注意2】DLCキャラなんていません【厳重な】