No.609381

一刀の晋王転生録 第五章十四話

k3さん

決心した一刀は馬超と曹操の元に向かう。だがやはり両軍の戦はすでに始まっていた。

2013-08-16 23:15:33 投稿 / 全2ページ    総閲覧数:2459   閲覧ユーザー数:2108

 姓:司馬 名:昭  性別:男

 

 字:子上

 

 真名:一刀(カズト)

 

 北郷一刀が転生した者。

 

 

 

 

 姓:司馬 名:懿  性別:女

 

 字:仲達 

 

 真名:理鎖(リサ)

 

 一刀と瑠理の偉大なる母。第三章で死亡した。

 

 

 

 

 姓:司馬 名:師  性別:女

 

 字:子元

 

 真名:瑠理(ルリ)

 

 母を目標にする一刀の姉。一刀を異性として愛す。

 

 

 

 

 姓:張  名:春華 性別:男

 

 真名:解刀(カイト)

 

 一刀と瑠理の父にして、一刀の師。第四章前編で死亡した。

 

 

 

 

 姓:王  名:元姫 性別:女

 

 真名:美華(ミカ)

 

 一刀に異常なまでに執着する一刀の妻。

 

 

 

 

 姓:鄧  名:艾  性別:女

 

 字:士載

 

 真名:江里香(エリカ)

 

 後の司馬家軍の宿将。司馬家に対して恩を感じている。

 

 

 

 

 姓:賈  名:充  性別:女

 

 字:公閭

 

 真名:闇那(アンナ)

 

 司馬家の隠密。一刀のために働くことを生きがいとする。

 

 

 

 

 姓:王  名:濬  性別:女

 

 字:士治

 

 真名:澪羅(レイラ)

 後の司馬家の水軍の将。一刀を気に入り、司馬家のために戦う。

 

 

 

 

 姓:司馬 名:望  性別:女

 

 字:子初

 

 真名:理奈(リナ)

 

 一刀達親戚で、一刀と瑠理とっては義姉という立場。

 

 

 

 

 

 

 姓:杜  名:預   性別:女

 

 字:元凱

 

 真名:綺羅(キラ)

 

 一刀とは同期。親同士の仲は良くないが、当人達の仲は良い。  

  第十四話

   「曹操の乱、驚きの提案」

 

 

 曹操は自分の天幕で馬騰軍に対しての報告を待っていた。だが、荀彧が大声で叫んでいるのが聞こえたため、天幕から出る。荀彧は

 

兵に対して激しく怒鳴っている。

 

 何か良くないことが起こっていると悟り、荀彧に声を掛け、何事かを問う。

 

「か、華琳様! 大変です! 武装した馬騰軍が此方に向かっています!」

 

「何ですって!?」

 

 使者を送った後に此方に向かって軍を動かしている。その現象に嫌な予感が止まらない。

 

(まさか!?)

 

 とりあえずこのままで居る訳にもいかず、曹操はすぐに行動を開始し、軍を整え、馬超を待ち構える。

 

 そのすぐ後、曹操の視界に馬超が率いる馬騰軍が姿を現す。

 

 馬超は行軍を止め、一人、何かを包んだ布を持ちながら、前に出る。それに合わせて曹操も前に出た。

 

「一体どういうつもりかしら、馬超?」

 

 曹操がそう言った直後、馬超は布を地面に投げつける。そこから馬超の元に居させた使者の首が転がった。

 

「こいつが全部吐いたぞ、お前がやった事!」

 

(!? やっぱり!)

 

 予想はしていた、していたがそれでも動揺を押さえつけることが出来なかった。

 

「お前が余計な事をしなければ、母様は死ななかった! お前のせいで死んだ!」

 

「ぐ……」

 

 曹操は動揺から言葉が出てこない。

 

「これは明らかな同盟違反だ! 裏切り者には相応の対価を払って貰うぞ!」

 

「ま、待ちなさい!」

 

「黙れ裏切り者! 母様の仇! 討たせて貰うぞ! 全軍! 曹操を討て!」

 

「おおぉぉー!」

 

 馬騰軍が怒りの雄叫びを上げながら進軍する。

 

「華琳様! こうなってしまっては退くしかありません! ここで馬超を退けても我々が司馬昭と戦える力を残せるとは思えませ

 

ん!」

 

 荀彧はそう進言するが、曹操は聞き入れなかった。

 

「この戦、何も得られずに退けというのか!」

 

「し、しかし」

 

「何のために戦を起こしたのだ! 司馬家を倒せず、馬騰を死なせ、ただ損害を出し、退く、これでは私はただの道化じゃないの!」

 

 曹操も頭の中では分かっていた。しかしこのままでは彼女のプライドが許さなかった。彼女はこのまま馬超を討った後、一刀と戦う

 

事を決めた。

 

「全軍! 迎撃せよ!」

 

 そして両軍はぶつかった。

 

 最初は士気の差で馬騰軍が勝り曹操軍を押し込んでいた。しかし猛将、軍師といった質では曹操軍に軍配が上がる。じょじょに押し

 

返されていた。

 

(退いてたまるか! 終わってたまるか!)

 

 この場での馬超達に撤退の文字は無かった。一日たりとも曹操を野放しにしたくなかったからだ。

 

(曹操を討てたら死んだって構わない!)

 

 曹操を討っても配下たちが仇とばかりに自分を殺すだろう、それらを退けても今度は司馬家に討たれると思っていた。しかしそれで

 

も良いのだ。今の彼女は曹操を討つ事が全てだから。

 

 だが現実は無常である。とうとう曹操を討つどころではない状態まで追い詰められた。

 

(くそ! くそ! ここまでなのかよ!?)

 

 涙を流しそうになりながらも、負けると悟りながらも彼女は戦い続ける。

 

 そして、その執念はこの場で戦っている者達にとって以外な形で実る事になる。

 

「ば、馬超様! 司馬家軍が現れました!」

 

(な!? そ、そんな……)

 

 馬超は一刀達が自分と曹操をもろとも討ちに来たと思った。そうならばもう本当にどうにもならない。彼女は無念で涙を流した。

 

 そんな彼女の目の前に一人の男が現れる。

 

「お、お前は!?」

 

「久しぶり、馬超」

 

 それは一刀だった。何故こんな所にいるのか分からず馬超は混乱する。

 

「君と話をするために先に一人で此処まで来た。なぁ、馬超、分かっているのか? 今、曹操に戦を仕掛けたという事がどういう意味

 

なのか」

 

「……分かってるよ……」

 

 馬超は溜め込んだものを吐き出すように泣きながら叫ぶ。

 

「分かってるよ! 母様の死が無駄になることは! 馬騰って名前に泥が付いちまうのは分かってるよ! でも、それでも討ちたいん

 

だよ! 許せないんだよ! 曹操が! 母様が死んだってのに何も知らない顔をしてのうのうと生きていくと思うと腹がたってどうし

 

ようも無いんだよ! だから討つんだ、今! ここで!」

 

 一刀はただその叫びを静かに聞いていた。聞いた後、一刀はある提案をする。

 

「馬超、最早君達が裏切り者扱いさせることを防ぐ手立てはないだろう。この戦に生き残って陛下に会って説明しても信じて貰えない。

 

まず君達は重い処罰を受ける。ならばいっそ……」

 

 次の言葉に馬超は目を見開いて驚く。

 

「俺達と手を組まないか?」


 
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