No.603869

一刀の晋王転生録 第五章一話

k3さん

お待たせしました。五章の開始です。今日から少しずつ作業ペースを取り
戻せそうです。

2013-08-01 20:39:29 投稿 / 全4ページ    総閲覧数:2576   閲覧ユーザー数:2222

 姓:司馬 名:昭  性別:男

 

 字:子上

 

 真名:一刀(カズト)

 

 北郷一刀が転生した者。

 

 

 

 

 姓:司馬 名:懿  性別:女

 

 字:仲達 

 

 真名:理鎖(リサ)

 

 一刀と瑠理の偉大なる母。第三章で死亡した。

 

 

 

 

 姓:司馬 名:師  性別:女

 

 字:子元

 

 真名:瑠理(ルリ)

 

 母を目標にする一刀の姉。一刀を異性として愛す。

 

 

 

 

 姓:張  名:春華 性別:男

 

 真名:解刀(カイト)

 

 一刀と瑠理の父にして、一刀の師。第四章前編で死亡した。

 

 

 

 

 姓:王  名:元姫 性別:女

 

 真名:美華(ミカ)

 

 一刀に異常なまでに執着する一刀の妻。

 

 

 

 

 姓:鄧  名:艾  性別:女

 

 字:士載

 

 真名:江里香(エリカ)

 

 後の司馬家軍の宿将。司馬家に対して恩を感じている。

 

 

 

 

 姓:賈  名:充  性別:女

 

 字:公閭

 

 真名:闇那(アンナ)

 

 司馬家の隠密。一刀のために働くことを生きがいとする。

 

 

 

 

 姓:王  名:濬  性別:女

 

 字:士治

 

 真名:澪羅(レイラ)

 後の司馬家の水軍の将。一刀を気に入り、司馬家のために戦う。

 

 

 

 

 姓:司馬 名:望  性別:女

 

 字:子初

 

 真名:理奈(リナ)

 

 一刀達親戚で、一刀と瑠理とっては義姉という立場。

 

 

 

 

 

 

 姓:杜  名:預   性別:女

 

 字:元凱

 

 真名:綺羅(キラ)

 

 一刀とは同期。親同士の仲は良くないが、当人達の仲は良い。  

  第一話

   「姜維の夢」

 

 

 一刀が当主の座を引き継いだ。その事は五胡の姜維の耳に入っていた。

 

(そうか、司馬師は負傷したか……)

 

 彼は考える、恐らく当主としての責務を果たせないほどの重症を負ったのだろうと。実際は違うのだが、しばらく当主の責務を果た

 

せないと言う意味では同じ事だった。

 

(ならば……司馬師の傷が癒えない内に漢を攻めるべきだな)

 

 そう決めた姜維の行動は早かった。五胡の兵達を集め指示をする。

 

「貴様等! 準備をしろ! 漢を攻めるぞ!」

 

 彼等は散り散りになり、その準備を始める。

 

(今回は父や姉の力は借りれんぞ、今回こそ……今回こそ貴様を討つ! 司馬昭!)

 

 少しして、彼も戦の準備を始める。溢れる闘志を隠さずに。

 準備が終わろうとしていた前日の夜。姜維は夢を見ていた。

 

 そう、まだ自身が漢に居た頃、母が居た頃の事を。

 

「あなたの才能は必ず世に知られる事になるでしょう。そのための鍛錬は怠らないようにしなさい」

 

 彼の母はいつもそう言い、彼に鍛錬や学勉を続けさせていた。

 

「まぁ、素晴らしい! あなたのその才能は紛れも無く麒麟児と呼ぶに相応しいわ!」

 

 彼が幼いながらに才能を開花させるたびに彼の母は喜んだ。彼もそれを見るたび嬉しくなり、より鍛錬、学勉を多く続けていく。

 

 しかし、それも長くは続かなかった。母が病に犯されたのだ。その頃は太守による徴収が酷いものだった。そのため薬を買う金すら

 

なかった。

 

 どうすれば良いかわからないまま、ついに母は息を引き取った。

 

 彼は絶望した。そして憤怒した。今の漢の在り方に。彼は太守を斬り、天水から去った。

 

(足りん! これだけでは無念を晴らせぬ!)

 

 それでも怒りが収まらぬ彼は、漢を去り五胡の元に行くことにしたのだ。

 

(それに、母上との約束も果たせるかもしれない)

 

 母との約束とは、歴史に巨大な存在として名を残すことである。

 

 漢を滅ぼし、新たな世を作れば自然にそうなるだろう。

 

「あなたの名が……存在が……この大陸で未来永劫……語り継がれるように……匙(サジ)……」

 彼は目覚めた。

 

(久しぶりだな……あの夢を見たのは……)

 

 今日はもう寝るのは無理だと判断した彼は寝床から出て夜空を見上げる。

 

(真名、か……あの言葉以来言われたことはなかったな……そもそも今思い出したな自分の真名を……)

 

 そうなってしまうまで、この五胡で濃密な時間を過ごした。力が全てという社会なのが此処だ。今の地位を手に入れるにはそれほど

 

までに激しい戦いの日々だった。

 

(それが報われるかは、そして母との約束を果たせるかは司馬昭に勝てるかに掛かっている!)

 

 姜維は腕を夜空に向かって突き出し、月を掴むように握る。

 

(待っていろ司馬昭!)

 

 ――そしてついに五胡は漢を攻める。

 

 瑠理が由理を出産した少し後の事だった。


 
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