『赤髪の少女』
<???>
???「ん・・んん。」
強い日差しを浴び、一人の少年が目を覚ました。まだ眠たそうに瞼を軽く擦りながらも、意識をはっきりさせようとしている。
???「ふぁ~あ・・・・。よく寝た・・・。」
少年は完全に目を覚まし、そして・・・・
???「・・・・・ここどこ?」
見知らぬ場所にいることを知った。
???「よし、落ち着こう。落ち着くのはとても大事だ。」
少年はまず、落ち着いて現状を確認することを始めた。
???「俺の名前は北郷 一刀。父母二人とも健在でいる。あと、化物のじぃちゃんとばぁちゃんもいる。・・・うん、よし。」
一刀「昨日はじぃちゃんに殺されかけたり、危うく家の周辺までもが被害を被る喧嘩を止めた。・・・うん、よし。」
一刀「その後、じぃちゃんから免許皆伝祝いに刀をもらって、部屋でずっとその刀を見てた。・・・うん、よし。」
一刀「学校の宿題を思い出して、机へとむかったら変な鏡があってそこから光がでた。・・・うん、よし。」
一刀「そして、何か知らないけど、目を覚ましたらここにいた。・・・・・・・うん、よし。」
一刀は、現状を確認し、一言、
一刀「・・・どゆこと?」
一刀は、まったくもって現状が理解できなかった。とりあえず何か分かるかもと周囲を見渡すがそこらには草木がたくさんあったり、川が流れているだけで他には何もなかった。
一刀「山の中か?ここ?でも、なんでこんなとこに俺がいるんだ?」
一刀「もしかして、誘拐?・・・いや、ないな。じぃちゃんとばぁちゃんがいる時点でそれは確実にないな。」
一刀「一番可能性があるのは・・・修行?」
しかし、免許皆伝したから修行はもうないのではないかと思ったが、
・・もしかしたら、免許皆伝後の初修行だ的なことを言って山に放り出せれたのか?
一刀はありえそうだと思った。
・・・・・・強い日差しが射している。いい天気だな。一刀は現実逃避ぎみに空を見つめた。
ふと、自分が汗をかいていることに気づき汗を手でぬぐう。
一刀「それにしても、暑いな・・・。まだ春だってのに、いったいどうなっt・・・・。」
汗をぬぐう動きが止まった。違和感を感じたからだ。
そう、それは違和感。普段とは違うことに生じるもの。
一刀も、普段と違うものに気づいてしまった。
一刀「なんで、制服の裾がこんなに余っているんだ?」
それは、一刀にとってかなりの違和感だった。いつも、ぴったりなのになぜか余っている。それも、尋常じゃないほどだ。
この余り方は異常じゃないか?一刀は、制服を脱ぐため立ち上がろうとすると、
一刀「(スルッ)あ、あれ?」
ズボンがずり落ちた。ベルトまでしてあるのにズボンはするりと脱げてしまった。
・・・・嫌な予感がする。一刀は思っていた。
一刀「い、いや、まさかな・・・。そ、そんなことはないよな?うん。ないない。」
そんなこと、ありえないと一刀は思い込むことにし、ズボンをしっかり止めれるようにベルトを締め、ズボンの裾を折ろうとした時、
一刀「あれ?これは・・・・・俺の刀だ!!!」
自分の宝物があり、少し心にゆとりができたのか、一刀はこの時目覚めてから初めて笑った。
一刀「よかったー!これさえあれば、山の中でもなんとかいけそうだな!」
一刀「しばらくしたら、ばぁちゃんがたぶん助けに来てくれるだろうし、山の修行か・・・よし、頑張るか!!」
一刀は違和感から逃避しようとしていた。そして、これは修行だと思い込もうとしていた。なぜなら、そうしないと気付いてしまう気がしたから。いや、気付いているのかもしれないが、認めるわけにはいかないのだ、一刀の予感、それはあまりにも現実離れしていて一刀自身ありえないと思っていたからだ。
――――しかし、現実というのは正直者である。
一刀「まず、食糧だな。ここら辺って何かいるのかな~?」
そう言って、刀を抜いた。いつ見ても綺麗な日本刀だよな。一刀はそう思い、刀を見る。
・・・絶句した。
急いで、近くの川へと迎う。
とてつもなく嫌な予感は現実となろうとしていた。一刀の嫌な予感は、じぃちゃんの言葉から行き着いてしまったことだった。
簡単じゃよ、お前が―――――
絶対にありえない!刀に映ったのは幻覚か何かのはずだ!
じ、じぃちゃんがあんなこと言うから変な幻覚を見るんだ。ま、まったくそんなことありえないのに。
一刀は心の中で自分を安心させるためにそれはありえないと言った。
・・・そして、川へとたどり着き自分の姿を確認する。
――――――あの頃に戻ればよい。
一刀「な、なんじゃこりゃぁああああああ!!!??」
川に映っていたのは、じぃちゃんが戻ってほしいと思っていた7歳の頃の自分であった。
一刀が自分の姿を見て、混乱してから5分後、とりあえず落ち着こうと再び思った。
そして、再び自分の姿を確認する。
一刀「・・・・・なんで小さくなってんだ俺。」
見れば見るほど、疑問と困惑が湧いてきそうになる。一体どうしてこんなことになったのか。色々と思う。
だが!希望はまだ1つだけある。そうこれで!この行動で!!俺が望む希望が現実か否かが分かるのだ!
一刀は意を決し、そして・・・
一刀「(ムギュう)」
頬をつねった。
一刀「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・いたい。」
現実の厳しさを知った。夢ではないようだ。
・・・・・一刀は膝から崩れ落ちた。
一刀「はぁ・・・。これが現実なのか。これから、どうしよう・・・・・。」
どうしようかと、考えようとした時だった。
ぐぅ~。
一刀のお腹が鳴った。
一刀「・・・そういえば、腹減ったな。川魚とかいないかな?」
川を見ようとした時、近くの茂みにちらりと何か黒い大きいものを見た気がした。
またもや、嫌な予感がした。こんな山の中、大きく黒いもの、この2つの条件でだいたい予想がつく。
一刀は急いで刀を掴む。その直後だった。
熊「グォオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!」
茂みから2m近くの熊が襲いかかってきた。どうやら、かなり腹を空かせているらしく、目が殺気立っている。
熊は、その鋭い爪牙で俺を切り裂き喰らおうとする。
熊「ガァアアアア!!!!!」
一刀「ちょ、あぶなっ!」
一刀は柔術で受け流し、どうするか考えていた。
普段なら、問題なく倒せるんだが・・・・今の姿だとな。少しきついかな?
一刀の剣は剛の剣であり、力強く鋭い剣筋を生み出す。それには、ある程度の力が必要だが、今の一刀は子供であり、その力が不足していた。ゆえに、どうするべきか考える。このまま、子供の力で倒すか。それとも、隙を見て逃げるべきか。今の自分の力が不明な分、倒すことは危険がある。だが、逃げてもおそらく、子供の足だと追いついてしまい危険がある。どちらにしろ危険がある・・・・ならば、
一刀「―――――よし!」
一刀は倒すことに決めた。ここで戦い今の自分の力を確かめるにもちょうどいい、なによりも、
・・・・・・・熊肉だ。旨そうだ。
一刀は刀で斬るため、熊から少し離れようとバックステップをする。着地後、すぐに刀を出そうと考えていたが、
一刀「(ずるッ)へ!?」
ズボンの裾を踏む、そして、
一刀「いたッ!(ズテンッ!)」
一刀は転んでしまった。
何が起こったのか一刀は一瞬分からなかったがすぐにズボンの裾を踏んだことを理解した。
そして、今自分がとてつもなくピンチだということも理解していた。
一刀「や、やべぇ・・・。この態勢で柔術使えないし、刀に至っては熊さんの目の前・・・。し、死ぬかも!」
一刀はなんとか、立ち上がり、柔術を使えるようにしようとするが、
一刀「(ずるッ)あ・・・・。」
再び裾を踏み態勢を崩した。
熊「ガァアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!」
一刀「お、おわったー!!!!!!!」
一刀はもうダメだ!と目を閉じる。痛みがすぐにやってきてアッという間に俺は意識がなくなるだろうと。
・・・・・・だが、いくらたっても痛みがこない。恐る恐る目を開けるとそこには、熊と自分の間で、赤い髪の少女が熊を止めていた。
一刀「き、君は・・・・?」
???「・・・・・・・・・・。」
赤髪の少女は答えない。ただ、一点、熊を見つめていた。
―――――こ、これは!?
一刀は驚愕した。
ある程度まで武をやっていると大体その人が武をやっているか分かる。一刀の場合は、その人がどれくらい武ができるかが分かる。それゆえ、この少女が只者ではないことが分かる。この少女はいったい何者だろう。おそらく、見た目から言って、俺と変わらないくらいのはずだ。なぜ、そのくらいの子がここまでの力を持っているのだろう。師は誰だろう。かわいいな。一刀は少女を見つめてこの少女について考えていた。そうこうしているうちに、少女が動く。
???「・・・・・・・・・・。」
少女は熊を止めていた武器を握り直した。そして・・・・
???「――――――フッ!」
熊「!?」
ドス――――――――ンッ!!!!!
熊を力で押し倒した。比喩なし、そのままの意味である。そして、少女は、
???「・・・・・・(ザクッ!)。」
止めを刺した。無駄のない動きだった。一刀はやはりこの子は只者じゃないと思った。すると、
???「・・・・・・・・だいじょうぶ?」
少女が話しかけてきた。さっきまでの気迫は全然と言っていいほど感じられなくなっていた。そのギャップに驚きながらも答える。
一刀「大丈夫だよ。ありがとうね、危ないところを助けてもらって。」
笑顔で答えながら、とりあえず、今ここがどこなのか聞こうと考える。自己紹介をして自然に聞こう、一刀は話しかける。
一刀「俺の名前は北郷一刀って言うんだ。えと、君の名前は何て言うのかな?」
???「・・・・・・恋の性は呂、名は布、字は奉先。」
一刀「・・・・へ?」
何て言った?性、名、あざな?性、名は分かるけどあざなってなんだ?あざな・・・字?字!もしかして三国志とかで使われてたあれ!?おいおい・・・まさかそんなことねぇよな?俺の思い過ごしだよな!そんなはずないもんな!三国志好きとかだよな!そうだよな!はっはっはっは・・・・・ないよね?一刀は2度目の嫌な予感を感じ取っていた。
???「・・・・だいじょうぶ?」
一刀「―――――ハッ!」
どうやらかなり悩んでいたらしい。いつの間にか少女は俺の目の前にいて俺の表情を見るため覗き込んでいた。
・・・ちょっと、可愛すぎるんだが、どうしよう。俺ロリコンじゃねぇのに食指がうねうねと動いているんだが・・・。
えーと、この子確か性が呂、名が布、字が奉先って言ってたな・・・。呂 布 奉先ね。・・・・呂布?
一刀「って呂布ぅ!?」
呂布「ん(こくっ)。」
少女もとい呂布は頷いた。
一刀はもう一度、聞き直したが、やはり、少女は呂布と名乗った。どうも、この子は嘘をついているようには見えない。
ならば、ここは・・・いやこの世界はやはり・・・。
そう考えているとお腹が鳴った、そういえば腹が空いていたんだった。すると、呂布が自分の手を握ってきた。
呂布「恋の家くる?ごはんあるよ。」
一刀「・・・・・いいの?」
呂布「ん(こくっ)。」
正直ありがたいと思った。そこで、食べてる時にでもここについて聞くことができるからだ。
一刀「じゃあ、おねがいするよ。」
呂布「ん・・・・こっち。」
呂布は小さい手で俺の手を握り案内する。(ちなみにもう片方の手は熊を掴んでいる。)
・
・
・(移動中)
・
・
・
・
しばらく、歩くと呂布の家に到着した。その家は山の中にあり、小さな家であった。
呂布はごはんの準備をするといい、中へ入っていく、少し待つと呂布が大量の串肉を持って出てきた。どうやら、そのまま火で焼いて食べるらしい。
一刀「(もぐもぐもぐ・・・)。」
うん、少し獣臭いけどおいしいな。・・・さてと、ある程度食ったし聞かないと。そう思い、一刀は呂布に聞こうとするが、
呂布「(もぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐ・・・)。」
一刀「・・・・・・・・・・・・。」
呂布はリスみたいに肉を頬張っていた。・・・なんだろうこの気持ち。とりあえず、一刀は串肉を呂布の口元に近づける。
一刀「(そっ~~~)。」
呂布「ん?・・・ぱくっ。」
一刀「!?(ズギューーーーーン!!)」
な、なんて愛らしさなんだ!?こ、これが三国志最強と言われる要因か!!(※違います)
も、もう一回・・・。
一刀はもう一回串肉を近づける。
呂布「ぱくっ。」
一刀「お、おお!(か、かわいすぎる!もう一回!)」
・・・この行為は肉がなくなるまで終わらなかった。
一刀「さてと。呂布ちゃん、聞きたいことがあるんだけどいいかな?」
呂布「?、なに?」
一刀「えーと、ここってどこ?俺、遠い所からきてまだ間もないから、よかったら、教えてほしいんだ。」
呂布「・・・わかった。」
おし!順調に聞けてるな。あとはここが俺の予想と違っていたら完璧だ。
そう思いながら、一刀は呂布の話を一字一句聞き逃さまいとしていた。
呂布「ここ、漢の并州の山・・・。」
一刀「・・・・・・・。」
現実はよほど俺を絶望に染めたいのだろうか・・・。一刀は落ち込んだ。見事に嫌な予感は当たった。そう、漢に并州そして、呂布。もはや、確実だろう・・・ここは、
一刀「やっぱり三国志の世界ってことかよ・・・(がくっ)。」
嫌なことは続くものだ・・・。目を覚ましたら俺がちっちゃくなってて、熊に襲われて、さらには三国志へタイムスリップしてきたと?はぁ・・・最悪だ。
呂布「?だいじょうぶ??」
一刀が落ち込んでいるのに気付いた呂布は心配したのか俺の目の前でしゃがんで聞いてきてくれた。
一刀はそれに気づき心配をかけまいと顔をあげて返事をしようとする。
一刀「ああ、だいじょう、ぶぅう!?」
一刀は目の前にある現実に息をのむ。
目の前には理想郷、ユートピア、エデン、名前はなんでもいい。そこには絶望に染まりきった俺を癒すものがあった。
そう、パンツだ、このかわいい呂布の。
しかも、呂布が屈んでいるせいでむちっとしている。むちっとしている!
なんで、三国志の時にこんなパンツがあるんだとかそんなことはどうでもいい!ただ一言・・・生きててよかった・・・!!!
さっきまでの落ち込みはなんだったのか・・・。一刀の頭の中はハイになっていた。
呂布「??・・どうしたの?」
一刀「な、なんでもないよ!うん!なんにも見えてないよ!」
立ち上がりながら、答える。
もろに自爆しているが呂布は気付かず話が続けられた、
一刀「ご、ごほん!ええと・・・ここは漢でいいんだよね?」
呂布「うん。」
一刀「ここ、漢で何か守らないとダメなのってある?」
呂布「まもる?・・・食べ物もらうときはお金払わないとダメ。」
一刀「え?う、うん。」
どんなとこでも、金を払わず飯を食うのは犯罪だと思うが・・・。
一刀はさらに聞く。
一刀「ほ、ほかには何かある?」
呂布「ん・・・・・・!。」
何かひらめいたのか少し目を見開く。そして、
呂布「真名。真名かってに言っちゃダメ。」
初めて聞く名だ。確かそんなのは三国志にはなかったと思うが。
一刀「真名?真名っていったいどんなものなの?」
呂布「大事な名前。・・かってに言ったら斬られる。」
・・・物騒だな、おい。・・ん?てことは、呂布が何度か言ってた恋ってもしかして真名だったのかな?もしも、そんなこと知らずに言ってたら・・・・。そう思うと背筋が少し寒くなった。
そうしていると、呂布が俺に話しかけてきた。
呂布「・・・一刀は、真名ないの?」
一刀「え?俺のとこでは無いかな?あ、でも親しい人は下の名で呼ぶからそれが真名と言ったら真名かも。」
呂布は、あっ・・・。と呟いたあと、すぐに謝っていた。
呂布「・・・ごめんなさい。」
一刀「へ?ああ、いいよそんなの。気にしてないよ。それに例えで言ってるだけだから、全然よんでも構わないよ。」
呂布「でも・・・。」
一刀「い~い~の!本人がそう言ってるんだからそれでいいんだよ。」
<呂布視点>
呂布「・・・・・。」
呂布はどうしたらいいか考えていた。
どうしよう・・・。気にしないって言ってるけど、何かしたい。このまま、何もしないのはやだ。彼がどこかいく気がする。
呂布は、自分が犯した罪を何もせず許されるのは嫌だったのだろう。もしも、そうなれば一刀とは平等でなくなる。離れて行ってしまう。そう思ったのだろう・・・。だから、呂布は決めた。一刀と平等になるために。
呂布「なら、恋の真名も受け取って。」
一刀「え!?いや、本当に気負わなくていいよ!」
呂布「・・・ほんにんがそう言ってるからいい。」
受け取ってほしい。呂布は思う
――――最初は、ただの興味本位で、流れ星の落ちた場所へ行った。
そこにはきらきらした服を着てた恋と同じくらいの男の子が眠っていた。
・・・だれだろう?ここには私以外、人はもういないのに。なんで、ここにいるんだろう。
疑問は尽きない。だが、それよりも気になる。
・・・・なんで、この人を見ると、ここがどきどきするんだろう?これはなんだろう?わからない・・・。
顔が熱い・・・。息がうまくできない・・・。これはなに?
呂布は胸を抑えながら、少年を見ていた。
じ~~~~。
呂布は彼を見ていたが、
・・・・そっ~~~~~。
彼に触ろうとする。そして、呂布の手が彼の手に触れそうなとき、
眠っている彼に変化が生じた。
少年「ん・・・。」
呂布「―――――ッ!?」
・・・寝返りをしただけだった。呂布はほっとする。そして、あることに気づく
―――起きたらなんてはなしかければいいんだろう。
呂布は生まれてから一度も家族以外で人にあったことがなかった。そして、その家族も2年前に事故で両方亡くしてしまった。つまり、呂布にとって久しぶりの会話である。しかも、それが初めての同い年の異性ともあれば、緊張して当然だろう。
・・・・・・どうしよう。
呂布は考える。
そういえば・・・。
と、ふと、亡くなった母が昔言っていたことを思い出した。
<過去>
母「ねぇ、恋。あなたが人と分かり合おうとするときあなたはどうする?」
呂布「・・・たたかう。」
呂布は答える。母親はその答えに頷きながら話しを続ける。
母「ん、それも一つの手段ではあるわね。でも、戦うのが苦手な人と分かり合おうとするときはどうする?」
呂布「・・・・ん、はなす。」
母「そうね、話し合うのは重要ね。でも、恋は話すのは苦手でしょ?」
呂布「ん(こくっ)。」
呂布は素直にうなずく。ここには家族しかいない分、気軽に話しかけれるがそれでも呂布は言葉数が少なかったからである。
母「それで、恋に簡単に分かり合える方法を教えようと思うわ。」
呂布「?・・どんなほうほう?」
母「簡単よ。相手の手を握り、目を見るの。それで、どうゆう人なのかが見えやすくなってくるわ。あとは少しだけ会話したらいいだけ。」
確実に男を落とす手段だと思われるが、この母親、本気でこれが分かり合える方法だと思っていた。
呂布は少し考え、答える。
呂布「・・・いらないかも。」
母「絶対に必要になるときは来るわよ。なんてったって、恋は女の子だからね♪」
どうゆうことだろう?
呂布は問う。
呂布「?女の子だからかんけいあるの??」
母「ええ、とても大切なもの、そう!それは
呂布「こい?」
こいってなんだろう?今まで聞いたことのない単語だったらしく呂布は頭を傾げていた。
そうしていると、母親が答えた。
母「
??呂布はさらに頭を傾げる。
母「それに、
呂布「つよく?みりょくてき?」
母「そうよ~。
母「ちなみに恋の字はこの
呂布「・・・・れんの?」
はじめてきいた・・。
呂布は興味を持ったのか、より一層真剣に聞く。
母「ええ、恋は私以上の
呂布「・・・・つよくて、みりょくてきになってほしいの?」
母「ん、まぁそれもあるけど私が本当に望んでいることは別よ。」
呂布「?、なに?」
母「
呂布「さき?さきってどこ??」
母「ふふっ、それはね・・・・愛よ。」
呂布「あい?」
母「ええ、愛。恋の先。今のお父さんとお母さんがいるとこでもあり、そして、恋にもいってほしいとこよ。」
呂布「・・・こいとどうちがうの?」
母「愛はね、一人じゃできないのよ。自分を愛してくれる何者かが必要なの。もちろん、自分もその人のことを愛していないと意味がないわよ?大事なのは愛し合うことね。そう!お母さんやお父さんのようにね♪」
母親の話を聞いていた呂布はある疑問を持っていた。
そう、あいがそれほどいいならどうして・・っと。
呂布「・・・・かかさま、なんでれんはこいってじにしたの?あいだとだめだったの?」
呂布は泣きそうになっていた。
母親は泣きそうになっている呂布に対し、優しく話しかける。
母「・・・ねぇ、恋。愛があったら
呂布「?、いらない、じゃないの?」
呂布は涙目になりながらも答える。
母「ちがうわ、愛だけだったらその愛はそこまでなの。愛では強くもなれないし魅力的にもなれない。ただ、その人のために尽くすだけよ。・・・そんなのつまらないじゃない。その人のためにもっともっとイイ女になってその人を喜ばしてあげたいとは思わない?だからね、愛だけでなく恋もないとダメだと私は思うわけなの。」
母「恋にもそのように生きてほしいなぁ~なんてね。まぁ、そうゆうことかな。」
・・・・。
呂布は母親の言ってる意味があまり分からなかった。・・・だが、これだけはわかった。
――れんはととさまとおなじくらい、かかさまにあいされているんだ。
呂布「・・・・・うん、わかった。あまり、話わからなかったけど。」
それが分かり呂布はほっとした。
母「よろし~い。よし!恋みたいな素直な子にはご褒美として
母「いい?――――その人を見て、離れたくないとか無意識に触りたくなったらその人から絶対に離れちゃダメよ?おそらく、その人が運命の人よ♪」
呂布「??、どうして?」
母「だって、私の子だもの♪」
母親はそう言って笑っていた。
<呂布視点>
呂布「・・・かか様が言ってたのって・・これ?」
呂布は自分が、母親が言ってた行動に当てはまることに気づく。
つまり、この人が恋の運命の人?
・・・なんだか嬉しい。ずっと、恋と一緒に居てくれるかな?
呂布のほっぺは赤くなり、笑顔になっていた。呂布にとって笑うのは実に2年ぶりだったが、そのことに呂布は気付きもしなかった。
只々、幸せそうに笑っていた。
すると、その笑顔のおかげか、はたまた神様のお節介か、彼が起きそうになっていた。
少年「ん、ん・・んん。」
呂布「!?」
呂布はオロオロしだした。まだ、どうやって話したらいいか分かんないからである。
そうこうしている内に彼が起きそうになる。
呂布は・・・
呂布「――――!」
――近くの茂みへと隠れた。
とっさの判断であった。
・
・
・
・
・
呂布が茂みに隠れてから、15分くらいたっただろうか。彼は目を覚まし、独り言をぶつぶつと言ってたり、笑ったり、落ち込んだり、と落ち着きがなかった。それを見ていた呂布にいたっては、
・・・・・(////)。
この通り、彼の笑顔でなにも考えれていなかった。だが、なんとか落ち着きを取り戻しそうとし、再び彼を見る。
・・・・・(//////)。
――悪化した。
だが、彼からぐぅ~とお腹が鳴る音が聞こえ、彼を見た。
・・・お腹が空いてるのかな?
呂布は、そこで思いついた。
そうだ!なにか食べ物、もってこよう。あの人も喜ぶ、私も嬉しい・・。
呂布は何かとってこようとするが、ふと、自分の前の茂みに大きく黒いものを見つける。
呂布「!」
熊だ。呂布は彼が危ないと思い武器を持つが、その手が止まる。
なぜなら、彼が、熊に気づき臨戦態勢をしていたからだ。
逆に今出たら彼が危険になると気付いた呂布は、今は見守ることにした。
そして、彼と熊がぶつかり合った。
呂布は彼の動きを見て驚いた。無駄がないのだ。すべてを最少の動きで留めている。
・・・母様みたいだ。
呂布は母親から武術の基礎を学んだ。その時の母親の動きは一刀の動きとは違うが同じように最少の動きをしていた。
・・・すごい。
呂布は心から思った。
すると、一刀の動きが変わったことに気づく。おそらく止めを刺すのだろうと呂布は見てたが・・・
あ!・・・。
彼はこけていた。彼はすぐに立とうとするが運悪くまた裾を踏んでしまう。
危ない!
呂布は彼を助けるために茂みから飛び出す。
少年「き、君は・・・・?」
呂布「・・・・・・・・・・。」
今、話したらダメ。力が入んなくなる・・・。
呂布は熊だけを見て集中する。そして、熊を押し倒し止めを刺した。
・・・・!あの人は?
・・・だいじょうぶそうだ。でも、もしかしたらどこかケガしてるかも・・。
・・・ちゃんと、聞かないと・・・。
呂布は少しだけ息を吸い、そして・・・
呂布「・・・・・・・・だいじょうぶ?」
緊張しながらも彼と会話を始めた――――――――――――――。
<一刀視点>
呂布「・・・ほんにんがそう言ってるからいい。」
う・・自分の言葉を使われてしまった。
一刀は悩んでいた。正直、真名を預けられるのは嬉しい。でも、何かしたからって罰で真名を預けられるのは嫌だった。
だからこそ、この提案を断るつもりだったが、さっき自分が言ったことを返されると断りにくいのだ。
・・・どうしよ。
一刀は何かいい案がないかと考える。
罰みたいので真名を預けられるのは嫌なわけで真名は預かりたい・・・。ならば・・・。
一刀「・・真名は預かるよ。でも、それは罰じゃない。これは、君と俺の信頼だ。罰になんて絶対にしない。・・分かってくれる?」
呂布「・・・・・・・。」
呂布はぽかーんとしている。とりあえず言いたいことは言えたのだ。悔いはない。そう、考えていると、
呂布「!(こくっこくっ)」
すごい勢いで頷いてくれた。どうやら分かってくれたようだ。
よかった・・・信頼とか勝手に言っちゃったから大丈夫なのか心配だったけどよさそうだ。
一刀「あと、罰はしたいって言うならなにか考えておく・・・でいいかな?ry・・。」
呂布「!恋・・・・恋の真名、恋!!」
呂布と俺が言おうとしたら止められた。
どうやら、真名をいってほしいんだろうな・・。
一刀は少し微笑み、そして・・・
一刀「・・・・・恋。」
そう言うと、恋はすごく嬉しそうに笑った。
一刀は真名を貰い、恋の家にてこれからどうするかを考えていた。
一刀「ん~~~これからどうしよ。」
とりあえず、まずは住む場所だよな・・・。と思い、恋のとこでご厄介できないかな?と恋に交渉しようとする。
一刀「・・・・・・・・恋?少しお話しがあるんだけど・・・いい?」
恋「ん?・・・なに?」
恋は一刀の腕に抱きつきながら答える。
ちなみに一刀が恋と呼んでからずっとだ。
一刀「えっとね・・・よかったら、よかったらでいいんだけど・・・ここに少しだけでもいさせてくれないかな・・・?」
恋「!(こくっこくっ)。ずっと、いていい・・・!」
断られるとかもと思ってたんだけど、まさかこんなに嬉しがられるとは・・・照れるぜ!
そんなことを思いながら一刀は恋に礼を言う。
一刀「あ、ありがとう!恋!!」
恋「~~~~~~~ッ!(むぎゅ~~)」
一刀「は、はぅううう!!!??」
恋と強く言われたのが嬉しかったのか、一刀の腕をさらに密着させる。
一刀は、その感触に驚く。
それは、幼さ特有の柔らかさであった。それにすら感激ものなのに、今はそれよりも重大なことが発生している。
それは、俺の手首から下が恋のパンツのとこにあることだ・・・!!!!
恋はどうやら気付いていないようだが、やばい、かなりやばい!おもに理性!!
恋のパンツに少しだけ触れているんだ・・・生殺しにかなり近い!押し付けたい!!
だが、待て。7歳くらいの女の子のパンツに何故そこまで興奮しているんだ?俺はロリコンだったのか?
いや、今の自分も7歳だ。体に精神は引っ張られると何かで読んだ気がする・・。同い年に性欲が湧くのは自然だ。つまり、この感情は正常なのだ!
ゆえに・・・・触れたい!!!
一刀がハイになってる間に恋はすこし落ち着いたのか押し付けるような抱きつき方を解除してくれた。
一刀「・・・あ。」
・・・残念とは思っていない。ほ、本当だぞ?
一刀は、ゴホンと一拍おき、話を続けることにした。
一刀「恋、家にご厄介になるんだ、恋の両親にあいさつしたいんだけど・・・いつ戻ってくる?」
一刀はなにげなく聞いてしまった。
恋「・・・・・・・恋の父様と母様はもういない。私、一人・・・。」
一刀「・・・・・・・。」
とても悲しそうに恋は答えた。
・・・悪いこと聞いちゃったな。
一刀は知らないかったとはいえ恋に悲しい思いをさせたことを後悔した。
そう思っていると、自分の腕にまた柔らかいものが当たる。
恋がまた抱きついてきたんだ。けれど、さっきまでとは違いさみしそうに・・まるで温もりを求めるように抱きついてきていた。
・・・・なんとかしてやりたいな・・。
一刀は何ができるか考える。
恋が喜び、寂しさを埋めれるようなこと・・・・・・・よし!
一刀「なぁ、恋。お父さんやお母さんがいないのはやっぱり寂しいか?」
直球だと自分でも思う。だけど、これは絶対聞かないといけないことだ!
恋「・・・・・・・・・うん、寂しい・・。」
一刀「・・・・そうか。ところで、恋。俺、いい罰を思いついたんだ。」
恋「?・・・・・・・・なに?」
一刀「それはな、恋が俺と家族になるって罰なんだ。・・・どう?なかなかにきついと思うよ。なんてったってこれからずっと一緒にいるわけだからね。」
恋「―――――――――――。」
一刀「まぁ、罰を受けたかったら、だけどね。・・・・・・・どうする?」
一刀はそう言うと優しく恋に微笑んだ。
恋は俯きそのまま、
恋「・・・・・・・・・(ぽろぽろ)。」
泣いていた。一刀はさらに問いかける。
一刀「受けるかい?恋?」
恋「・・・・・・・・・(こくっ)。・・・(こくっ)。」
その問いに俯き泣きながらも答える。
一刀「そうか。これからもよろしくな、恋。」
この一言が限界だったのだろう。これを聞いた恋は・・・
恋「――――――ッ!(がばっ)」
抱きついたまま泣き疲れるまで泣いた。
―――こうして、一刀と恋は家族となった。
<夜>
恋「すぅ・・・すぅ・・・。」
一刀「・・・・・ようやく、眠ってくれたか。」
一刀は横で眠っている恋を見ながら呟いていた。
あの後、泣きつかれるまで泣いてそれで今やっと眠ったところだった。
一刀「・・・・・・やっぱり、きれいだな。」
一刀は刀を見ていた。なんだか見たい気分だったのだ。そう・・・見たい気分だった。
一刀「・・・・・なぁ、じぃちゃん。俺さ家族できたよ。たぶん妹?かな。うん。できたよ。」
一刀はじぃちゃんからもらった刀に話しかける。まるでそこにじぃちゃんがいるかのように・・・。
一刀「それでな、俺・・・その子をこれから守っていこうと思うんだ。だからさ・・・見守ってくれないかな?」
刀は何も答えない。只々、綺麗なだけである。
一刀は窓から夜空を見上げ、そして――――
一刀「・・・・・・さよなら。父さん、母さん、ばぁちゃん、・・・・じぃちゃん。」
―――――泣いた。
あとがき!
いやはや、みなさんどうでした?
楽しんでくれましたか?
前回、たくさんのコメントありがとうございました!!
正直、コメントの力で書ききれた感がありますね。
いろいろ、今回大変でした。用事ができて書けなかったり、三国志のこと知らないからいろいろと調べたり。
まぁ、大変でしたけど楽しかったです。
さて、コメントについて話しますね
・みなさん、もろに赤髪のキャラを恋ちゃんとわかりましたねw
・白蓮さんもそういえば赤髪だったね。わすれtゲフンゲフン!
・よし!ノリでやっていいと許可がでたぞ!これで暴走できるw
・才能についてはネタバレになるので秘密。
・セリフの前に名前は個人的にやりやすいから好きなんですが、みなさん気になります?
これからもよければ、いろいろコメントで教えてください。
質問もおkです。
それでは、またいつか会いましょう。
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前回はたくさんのコメントありがとうございました!
いやはや、なんとか書けましたよ。用事ができて少し遅れましたが・・・。
実は、この作品はだいぶ前から考えていたやつなんですが、あくまで、脳内だけのものでした。・・・何故書いたのか?それはですね・・・。
徹夜テンションで、よし書こう!となったわけです。はい。
ちなみに、投稿間隔は1~2週間と考えてくれてた方が嬉しいです。
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