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No.593044
【獣機特警K-9】コーヒーを飲みながら【交流】2013-06-30 22:41:06 投稿 / 全3ページ 総閲覧数:911 閲覧ユーザー数:897 |
ラミナ市内・フォールストリートのとある喫茶店。
ポプラ並木に面したテラスに、一人のピューマ形女性ロボット…アイヴィー・ヒルトン総監が座ってコーヒーを飲んでいる。
そこにやってきたのはジャーマンシェパード形のやはり女性ロボット。
本庁勤務のフュア・フランバージュ警視である。私服を着ている辺りを見ると、どちらも休暇なのだろう。
「…アイヴィー総監、相席よろしいでしょうか」
「ええ、どうぞ座ってちょうだい」
フュアはアイヴィーに軽く一礼し、テーブルの向かいの椅子に腰掛ける。
「ところで総監、あれからお身体のほうは大丈夫なんですか?」
フュアが心配するのも無理はない。先日のゴクセイカイに対する一斉突入の際、アイヴィーは頭部を損傷、
記憶・人格回路にこそ影響はなかったものの機体制御系を破壊され一時期歩くこともままならなかったのだ。
額に巻かれた保護シートがその凄惨な傷跡を物語っている。しかしアイヴィーは軽く微笑んで見せると、左手で握りこぶしを作って得意げに答える。
「ええ、回路はしっかり修理してもらったから大丈夫よ。もう仕事に復帰しても大丈夫だって先生も言っていたし、こうして外出しても問題はないみたい」
「そうなんですか…安心しました」
と、胸をなでおろし安堵のため息をつくフュア。
「まあ、とはいってもまだ
「とんでもない、こうして一緒に外でお話できるまでに回復されたんでしょう?なにも恥じることはないですよ」
「ふふ、それもそうね」
と、コーヒーカップに入ったコーヒーを一口飲むアイヴィー。
「総監、よくこのカフェに来られるのですか?」
「まぁね。ここはカプチーノが美味しいと評判なのよ」
「ですが、今お飲みになっているのは…」
「ええ、エスプレッソよ。この深いコクがまたたまらなくてね」
「いいですね。どれ、私も頼もうかな…」
暫くしてフュアのもとにエスプレッソが運ばれてきた頃、アイヴィーの目の前にはバニラジェラートが置かれていた。
「おや、あの大食いで有名な総監もこういう時あるんですね」
「あら、私だっていつも大食いってわけじゃないのよ?こういうときはゆっくり味わって食べたいものです」
と、ジェラートをスプーンですくって口に運び、舌の上で転がしながらその味を楽しむアイヴィーの笑顔は、まるで子供のようであった。
「うーん、冷たくて美味しいわwあ、そうだ!」
アイヴィーはそう言うと、まだ湯気の立っているエスプレッソを、ジェラートの入った器に注ぎいれる。
それを眺めていたフュアは暫く目を丸くして見つめていたが…。
「ほう、アフォガートとは随分通ですね?」
「やっぱり甘いものは美味しくいただかないとね」
…特にこれといった事件も起こらず、平和なフォール・ストリートの休日。
時はゆったりと過ぎ去っていくばかりであった。
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たまにはⅠGも書きますよええ。
今回はこの事件(http://www.tinami.com/view/549859 )の後日談みたいな感じでまったりと。
アイヴィーさんはコーヒー通。これ豆な。
◆出演
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