No.584015

一刀の晋王転生録 第四章三十二話

k3さん

一刀参戦。一刀の存在に馬超は……

2013-06-05 22:39:47 投稿 / 全2ページ    総閲覧数:2737   閲覧ユーザー数:2378

 姓:司馬 名:昭  性別:男

 

 字:子上

 

 真名:一刀(カズト)

 

 北郷一刀が転生した者。

 

 

 

 

 姓:司馬 名:懿  性別:女

 

 字:仲達 

 

 真名:理鎖(リサ)

 

 一刀と瑠理の偉大なる母。第三章で死亡した。

 

 

 

 

 姓:司馬 名:師  性別:女

 

 字:子元

 

 真名:瑠理(ルリ)

 

 母を目標にする一刀の姉。一刀を異性として愛す。

 

 

 

 

 姓:張  名:春華 性別:男

 

 真名:解刀(カイト)

 

 一刀と瑠理の父にして、一刀の師。第四章前編で死亡した。

 

 

 

 

 姓:王  名:元姫 性別:女

 

 真名:美華(ミカ)

 

 一刀に異常なまでに執着する一刀の妻。

 

 

 

 

 姓:鄧  名:艾  性別:女

 

 字:士載

 

 真名:江里香(エリカ)

 

 後の司馬家軍の宿将。司馬家に対して恩を感じている。

 

 

 

 

 姓:賈  名:充  性別:女

 

 字:公閭

 

 真名:闇那(アンナ)

 

 司馬家の隠密。一刀のために働くことを生きがいとする。

 

 

 

 

 姓:王  名:濬  性別:女

 

 字:士治

 

 真名:澪羅(レイラ)

 後の司馬家の水軍の将。一刀を気に入り、司馬家のために戦う。

 

 

 

 

 姓:司馬 名:望  性別:女

 

 字:子初

 

 真名:理奈(リナ)

 

 一刀達親戚で、一刀と瑠理とっては義姉という立場。

 

 

 

 

 

 

 姓:杜  名:預   性別:女

 

 字:元凱

 

 真名:綺羅(キラ)

 

 一刀とは同期。親同士の仲は良くないが、当人達の仲は良い。  

  第三十二話

   「劉備・孫権の乱 赤壁の戦い 終息」

 

 

「まさかここで来るとはな」

 

 馬超は不機嫌そうに言った。

 

「これ以上、姉上に手出しはさせない……退いてもらおう」

 

「ここまで来て出来るわけ……」

 

「退け!」

 

「!?」

 

 一刀からとてつもない氣が漏れ出る。

 

(な、何だよ、これ……)

 

 馬超は今まで見たことも感じたことも無い一刀の姿に、冷や汗や悪寒、そして足の振るえが、恐怖が止まらない。

 

(か、一刀?)

 

 だが瑠理は、今の一刀の姿に見覚えがあった。

 

 そう、一刀と瑠理が幼かった頃のあの事件、司馬家の屋敷の襲撃された時に、自分が傷つけられた時の一刀の姿に。だがあの時とは

 

違うのは、すぐに相手を殺しに行かないところだ。

 

 これは父に誓ったあの言葉でぎりぎり留まっている。その言葉とは父の師事した時と同じ、殺意の衝動で簡単には動かないというも

 

のだ。

 

 そうするために己を鍛えた。ここでそれを破ったら一体何のために強くなったのか、何故父があれほど親身になって教えてくれたの

 

か分からなくなる。それらの事を無駄にするわけにはいかないと、一刀を踏みとどまらせている。だが殺気は完全に抑えられていな

 

かった。

 

 さらにそれだけではない。一刀には馬超に無い様々な物を背負っている。自国の民や味方の命といった王に近いもの。そこから溢れ

 

る覇気。

 

 今にも全てを開放しかねない殺気と命を背負う覇気、この二つが馬超を怯えさせていた。

 

(な、何でだよ? 動け、動けよ!)

 

 馬超は何度も瑠理の首を獲るために前に動こうとするが、進まない。

 

「もう一度言う……退け!」

 

 一刀はさらに己の氣を少しだけ開放する。

 

(!?)

 

 馬超はたまらず一歩引いてしまう。

 

(劉備軍が何時まで持つか分からない、それにこれ以上は蒲公英が危ない……だから此処は退こう)

 

 結局自分なりに何らかの言い訳を付けて退却した。

 

 それを確認した一刀はようやく氣を納め、瑠理の傍に寄る。

 

「姉上……無事か!?」

 

「大丈夫……」

 

「そうか、俺は何をすれば良い?」

 

「一刀は……」

 

 瑠理の言葉はこれ以上続かなかった。

 

「あ、姉上!?」

 

 瑠理は一刀に胸を借りるような形で倒れてしまい、意識を失ってしまう。

 

 その時、袁紹、袁術達が此方に向かって来た。

 

「司馬昭さん!? 来ていたのですか?」

 

「袁紹か? すまないが見てのとうり姉上はこれ以上指揮が取れなくなった。ここからは俺がやる、袁紹は姉上と本陣を頼む」

 

「わ、分かりましたわ。猪々子さん! 斗詩さん! 手伝ってくださいまし!」

 

「わっかりました!」

 

「了解です!」

 

「袁術! 馬騰軍はどうなっている?」

 

「馬超と馬岱が逃げた時に一緒に逃げたみたいじゃぞ」

 

「そうか、なら君達も袁紹と一緒に此処を頼む! 後、鐘会が来たら彼にも本陣を頼むと伝えてくれ!」

 

「分かったのじゃ! 七乃、麗羽姉様を手伝うのじゃ!」

 

「はーい! わっかりましたー!」

 

 袁家への指示を終えた一刀は劉備軍と戦っているであろう江里香達と合流するため前線に出る。

 

 敵、味方共に一刀の出現に驚いたが、司馬師軍の士気は上がり守勢から攻勢へと変わる。

 

「! 皆、撤退して!」

 

 劉備軍は士気の低下、そして守勢から攻勢への変化、馬騰軍の撤退からこれ以上の戦闘は無意味と判断し、劉備の号令により戦線か

 

ら離脱した。

 

 劉備軍が離脱した後、一刀は自軍に瑠理の容態を理由に撤退を宣言。曹操軍にもこの意向を伝える。

 

 この時一刀は多少の反発を覚悟したが、曹操はあっさりと承諾し、彼女達も離脱した。

 

 曹操の狙いはあくまで劉備軍の漢からの過剰な恩恵を預かることの妨害である。劉備軍は勝つ事が出来なかったという事実があるだ

 

けで十分だった。

 

(まさか司馬師ほどの人物がここで傷を負ってしまったのは残念ではあるけど……ここまで来て躓くということは彼女には天命が無

 

かったのかしら?)

 

 だが、曹操には司馬家に対して落胆は無い。何故なら、司馬家にはもう一人大きな存在がいる。

 

(司馬昭、貴方はどうかしら? ひょっとしたら貴方が司馬家を導く存在かもしれないわよ?)

 

 もし、彼が王になるのだとしたらと考えると、それはそれで楽しみでならないと自分の領地に帰りながら、不適に微笑む曹操だった。

 

 劉備軍・孫権軍は敗北して戦線を離脱。司馬師軍・曹操軍は勝利したが司馬師の負傷によりこれ以上の討伐を中止し、自分の領地に

 

戻っていった。そして馬騰軍は行方知らずという結果で赤壁の戦いは幕を下ろした。


 
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