No.583199 超次元ゲイムネプテューヌ 未知なる魔神 ラステイション編2013-06-03 20:40:18 投稿 / 全1ページ 総閲覧数:639 閲覧ユーザー数:618 |
「おやおや、なかなか物騒な登場ですね」
「お前……誰だ?」
アヴニール本社の一番上の階層にある社長室の扉をネプテューヌが切り裂くと同時に俺達は突撃した。
教院関係者からは、サンジューーーアヴニールの代表取締役は今日実施される総合技術博覧会に興味がなく、今日はここにいる可能性が極めて高いと聞いていたが、いない。どこに?俺の目の前にいるのはメガネを掛けた若い男性だ。サンジュじゃない!。
「あなたは……」
「お久しぶりです。ネプテューヌさんイメチェン後の姿なのですね。それと……貴方がかの有名な『|黒閃《こくせん》』ですが、私はここの一般社員、ガナッシュと申します」
ガナッシュ、その名前には聞き覚えが合った。
国政院とアヴニールの不正な繋がりの物的証拠を持ち、それを俺達に譲りこの立ち入り調査まで進行できた人物。なんで、ここにいるんだ!?聞いた話で教院に監視をされている筈なのに!
「あなたが、なぜここに……あなたは教院派に監視されているはずよ!」
「大変でしたよ。あの教院の方々の監視を盗み、ここまで来るのには……」
「……サンジュはどうした?」
「貴方達とは、入れ違いに博覧会に向かいましたよ?」
ーーーチッ、まさか一番可能性低い所に行くとか、俺達は踊らされていたのか!
「一体、なぜここにいるんですか!あなたは何者なんですか!」
「私ですか?私はギルド過激派のリーダー、ブラックハート様を信仰する者です」
『ギルド』。
それは、異端者の集まりとして有名だ。
ゲイムギョウ界は四つの大陸に分かれている。そして、大陸に生まれた人はその国の女神を
それを破った者は、禁忌を犯した者として居場所を追われる身となる。
そんな、憐れな人達を救ったのはルウィーの女神だと言うことだ。
ルウィーは、リーンボックスに次いで広大な大地を持て余している。そこに自分を信仰していない筈の人達が住める場所を提供したのだ。そして、禁忌を犯した集団は『ギルド』と名乗った。
世間の作り出した法律を破った彼らたちは、自分の重んじる女神を信仰したり、宣教師紛いの活動をルウィーを中心に行っている。勿論のことだが世間の風当たりは厳しいものの、彼らたちは自分の意思で生きている。
「………過激派…か」
「えぇ、私の思い描くゲイムギョウ界には、ブラックハート様以外ありえません」
近年問題となっている。
俺の目の前のような人物の思想。
四人の女神の中で、最も女神としての存在が正しいと互いに信仰し合う人間達から生み出される亀裂は、時に過激な手段まで発展することがある。まだ、ゲーム等でテロレベルまでは発展していないが、いずれそうなる可能性が多いと言われている。
「三年前に起きた……いえ、
「ハード……戦争。ダメね聞いたことがない……けど、要はあなたは私を倒すためにアヴニールを作った……そうでしょ?」
「えぇ、アヴニールの元、大陸中の最新技術を作り出した集約させたソレは博覧会会場で待っています」
「待っている……それにしても、ここまで来るのにかなり過激なトラップやロボットに襲われたんだけど、それもあなたの策略?」
「そうですね。
「……はぁ、お前か廃棄工場の一件は」
ニッコリと造り笑みを浮かべ俺を睨むガナッシュに俺はため息を吐く。
「あなたは女神に匹敵するほどの実力者だ。流石にネプテューヌさん達と手を結ばれては困ると色々と手を打ったのですが……貴方、本当に人間ですか?」
「少し前まで無理難題の依頼を送ってきたのお前か……残念、お前よりもベールと付き合う方が疲れる」
妙に帰ろうにも、次々とモンスター討伐の依頼が来るわけだ。
内容には、映画でも見ているような悲劇的な話が混ぜられているので、あまりに出来過ぎていないか?と多少違和感を感じた時もあったが、そういうことだったのか。
「まぁ、私の企みは完成して後は結果を傍観するだけです。急いだ方がいいですよ?アレには細工をしてサンジュさんの命令は一切聴きません。そして、時間になってもあなたたちが来ない場合は、勝手に暴れるようにプログラムを組み込んでいますから……まぁ、もう時間は無いですが」
「ッ、それが本当ならみんなが危ないわ!」
「急ぐです!」
内心舌を打つ。
掌で踊らされていることに怒りを覚えるが、そんなことは二の次だ。
ネプテューヌ達は血相を変えて、博覧会会場に向かう。そして俺は、映画を見る前の子供のように楽しみそうに表情を作っているガナッシュに振り返る。
「狂信者め」
「最高の褒め言葉です」
◇
ガナッシュのことは外で待機させたいた教院派に任せ、俺達は急いで博覧会会場に急いだ。
状況は最悪だ。ガナッシュの言った通り俺達は
人々の悲鳴が聞こえる。人の激流が起こる。俺達は歯痒い気分でそれを迂回して要約、会場に走り込んだ。因みにネプテューヌは変身を解除している本人いわく消費が激しいとのことだ。
「シアンッ!!」
「お前ら!来てくれたのか!」
本来なら、この時の為に技術者達が心血を注いで造られた作品達がバラバラに破壊尽くされていた。
混沌となった会場は、足を踏み入れると作品だったロボットを壁代わりとしてソレからの攻撃から身を守る様に丸まっていたシアンを見つけ俺達は、急いで駆け寄った。
「怪我ないか、シアン!」
「なんとかな……」
「一体何があったの?」
「サンジュの下らない大演説の途中にいきなりあいつらが出したロボットが暴走して見境なく攻撃しはじめたんだ!」
「………あの、サンジュさんは?」
「……分かんねぇ。私も、がむしゃらに逃げてきたから……でも、まだこの会場のどこかにいるはずだ!」
自分で作った物に襲われるってそんなアホな話があるかよ!
壁から、ひっそりと顔を出して周囲の状況を見る。
恐らく、権利を使って目立つところにアヴニールの作品は、会場の真ん中に置いたのがこれまた最悪な状況を作り出したんだろう。
滅茶苦茶に破壊尽くされた会場には、人型のロボットが暴れていた。
それは、滑らかなフォルムに手には鋭い刃、背には様々な武装が格納されているだろうか巨大な翼があった。
「インパクトロー!」
その掛け声と共に巨体なロボットは吹き飛んだ。
「誰か、戦っているの?」
「あぁ……ブラックハート様と真っ白な奴だ!」
ノワールと真っ白……まさか、空!?
『黒っ娘とあの憎たらしい奴の気配はあるよ!どうする?』
「黒ッ娘…って、紅夜とデペアは、ラステイションの女神と知り合いだったの?」
「ちょっとしたことでな……!」
ブラックハートはともかくして、なんで空が!?
あいつは、昨日プラネテューヌに帰ったばっかだぞ。
まさか、この騒動に気づいて態々帰って来たのか?
「私達も、直ぐに加わろうよ!」
「ちょっと、待ってサンジュはどうするの!?」
「そんなことより、あのロボットを倒すことが先決だよ!元を辿れば全部サンジュの所為なんだから、後でもいいじゃん!」
「ネプテューヌ!!!」
聞き捨てならない言葉に俺は声を上げて、ネプテューヌを睨んだ。
「悪いことをした奴でも、アイツも生きているんだ。……そんなこと、言うな」
「あ、う………ごめん、なさい」
ビクッと肩を揺れさせて、ネプテューヌは涙目で謝罪の言葉を口にした。
それに罪悪感を抱いていると、寒気を感じると影が俺達を覆った。
『最優先ターゲット、発見。排除カイシシマス』
「「「!!!!」」」
肩のパーツを開いて、主砲が開く。
紫電を起こしながら、光が集まってーーーー
「おい、こら」
ガシッと空の声を共にロボットの頭部に手が置かれた。
黄金に輝く金髪を触らしながら、眉を細めた空は不機嫌そうに顔を歪めた。
ロボットのアイカメラが空の姿を映したそれと同時に、ロボットが空中に放り投げられた。
刹那の間に肩から放出される二つの極光は、天井を貫いて消えていった。
「ふぅ、大丈夫?」
「あ、あぁ……」
……こいつ、自分の背丈の数倍はある奴を
ポカーンとしているネプテューヌを余所に空は、俺達を見下ろしている。
「来るのが遅いから、来たよ」
「……こっちだって、大変だったんだ」
頬を可愛らしく膨らませる空に頬を掻く俺。
「紅夜、それにネプテューヌまで、なんでこんなところに来たのよ!」
その隣にブラックハートことノワールも来た。
「それは……あ、サンジュを見なかったか!?」
「サンジュ?確かアヴニールの代表取締役よね……見てないわ」
ノワールは首を振るう。俺は空に視線を送ると呆れた様にため息を付いて虚空に手を向ける。
「あー、ぶっちゃけ見殺しても良かったけどあいつ等が助けろって来たから助けたよ」
歪む、歪む、螺旋を描いて空間がねじ曲がり空の手は恐れなく、その歪んだ空間に手を突っ込んで何かを掴んで引っ張ると、そこにはぴくりとも動かないサンジュも姿が合った。
それをゴミの様に俺に向かって放り投げてきたのを急いでキャッチした。
「外傷はあるけど、命に別状はないよ。もう少しすれば起きると思う」
「……ありがとう、助けてくれて」
「別に、感謝するなら適当に女神に信仰してよ、僕にとってそれが一番好ましい」
ギギギっと低い駆動音が耳に届く。
空が投げ飛ばしたロボットが再起動して立ち上がり、腕にレーザーブレイドを展開する。
「さてと、あとは君たちで頑張りなー」
「ちょっと待てよ!」
「はい?」
「いや、なんで訳の分からない顔をしているのか分かんないだけど、この状況でなんで帰ろうとしたいるんだ?」
「えー、態々それを言わせたいのー?」
背を向けてこの場から離れようとした空は、横顔だけをこちらに向ける。
「神様が手を出す、それは可能性にストップを出す時だけと決まっているの。……まぁ、民間人に被害が行く様ならその時は援護してあげる。」
っと、言い残して俺が言葉を上げようとしたときには既に空の姿は忽然と消えた。
「あ、あの人……確か、私達を助けてくれた…?」
『助ける意思があったかどうかさえ、微妙だったけどね』
ネプテューヌ達再起動。
空の消えた場所を一点に見ている。俺も、あのモンスターとロボットに囲まれた絶望的状況を散歩をしているように来て、まとめて焼滅させた空の姿が脳裏に浮かんだ。
「やっぱり、意味不明な奴ね」
気に入らない声音でノワールは、吐き捨てると大剣を持ってロボットの方に視線を送る。
俺も、そっと気を失っているサンジュを地面に下ろして黒曜日を顕現させてノワールと並んだ。
「あー、もうー、なんだから良くわかんないけど、これであのロボットと戦えるんだね!」
「……でも、訳も分からないまま襲ってきた人もいるのです……」
「頭の処理が追いつかないわよ。でも、やっぱり私たちのすることは、とりあえずあのロボットを破壊することだわ」
ノワールに視線を送る。
彼女の表情は複雑だった。
女神として、ネプテューヌは
「ネプテューヌ!これを持って行け」
「おー!やっと完成したんだね」
「あぁ、サンジュのことは任せろ責任をもって外に運んでやるから、あの破壊することしか出来ない木偶の坊をぶっ壊してやれ!」
シアンの作品、高性能のビームブレイド『機械剣アルマッス・改』を手に俺達に並んだ。
ノワール、ネプテューヌ、アイエフにコンパそして俺の合計五人の一時的な最強パーティーの出来上がりだ。まぁ、ノワールはものすごく嫌な顔をしているけど。
「勘違いしないでよ。ネプテューヌ」
「ねぷっ?」
「今回は利害が一致しただけだからね」
「ははっ………」
ふんっ、と顎を上げるノワールは、やっぱりプライドが高い奴だと再認識する。
アヴニールの、大陸中の技術が結晶させた女神をも倒すコンセプトにしたロボット。
残念だが、このパーティーは一名ほど協調性に欠けるが、それでもーーーー強いぞ?
『対女神戦闘兵器ハードブレイカー、目標ヲ破壊シマス』
声にならない機械音の咆哮を上げ、鋼の巨人は俺達を目指してブーストを吹かした。
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その24