No.580081

一刀の晋王転生録 第四章二十四話

k3さん

ついに始まる、司馬家を含んだ赤壁の戦い。

2013-05-25 21:46:18 投稿 / 全6ページ    総閲覧数:2611   閲覧ユーザー数:2271

 姓:司馬 名:昭  性別:男

 

 字:子上

 

 真名:一刀(カズト)

 

 北郷一刀が転生した者。

 

 

 

 

 姓:司馬 名:懿  性別:女

 

 字:仲達 

 

 真名:理鎖(リサ)

 

 一刀と瑠理の偉大なる母。第三章で死亡した。

 

 

 

 

 姓:司馬 名:師  性別:女

 

 字:子元

 

 真名:瑠理(ルリ)

 

 母を目標にする一刀の姉。一刀を異性として愛す。

 

 

 

 

 姓:張  名:春華 性別:男

 

 真名:解刀(カイト)

 

 一刀と瑠理の父にして、一刀の師。第四章前編で死亡した。

 

 

 

 

 姓:王  名:元姫 性別:女

 

 真名:美華(ミカ)

 

 一刀に異常なまでに執着する一刀の妻。

 

 

 

 

 姓:鄧  名:艾  性別:女

 

 字:士載

 

 真名:江里香(エリカ)

 

 後の司馬家軍の宿将。司馬家に対して恩を感じている。

 

 

 

 

 姓:賈  名:充  性別:女

 

 字:公閭

 

 真名:闇那(アンナ)

 

 司馬家の隠密。一刀のために働くことを生きがいとする。

 

 

 

 

 姓:王  名:濬  性別:女

 

 字:士治

 

 真名:澪羅(レイラ)

 後の司馬家の水軍の将。一刀を気に入り、司馬家のために戦う。

 

 

 

 

 姓:司馬 名:望  性別:女

 

 字:子初

 

 真名:理奈(リナ)

 

 一刀達親戚で、一刀と瑠理とっては義姉という立場。

 

 

 

 

 

 

 姓:杜  名:預   性別:女

 

 字:元凱

 

 真名:綺羅(キラ)

 

 一刀とは同期。親同士の仲は良くないが、当人達の仲は良い。  

  第二十四話

   「劉備・孫権の乱 赤壁の戦い 周愈の策」

 

 

 両軍は赤壁の地に到達した。

 

 その直後、劉備・孫権軍は驚愕した。司馬師・曹操軍の兵力が予想の上回り、その中に予想もしない旗が二つあったのだ。

 

 兵力に関しては司馬師軍が多い。彼等だけで劉備・孫権軍とためをはれるほどだ。その理由は張三姉妹の力が大きい。彼女達の力に

 

よって徴兵が上手く言っているからだ。

 

 そして予想もしない旗とは袁の字、つまり袁紹と袁術だ。

 

 彼女達の罰は暗殺の件もありずっと保留されていた。そこに司馬師が自分達に協力するなら釈放し、功績しだいでは恩賞も与えると

 

言ったのだ。

 

 活躍すればかつての名家に戻れるかもしれない。ずっと牢獄で生活してきた彼女達にとって毒ともいえるほどに魅力的だった。二人

 

は速攻でこれを承諾。彼女達の部下共々、司馬家の配下という形で再び乱世に足を踏み入れたのだった。

 

 実はこれらに一番に驚いていたのは曹操だった。

 

 袁紹と袁術の復帰は当然の事、兵力の多さにも予想外だった。てっきり自分達を合わせれば相手と互角になると思っていたからだ。

 

そのために同盟の話を持ち込んだのだが当てが外れた。

 

(私達の参戦はあくまで保険って事ね……)

 

 つまりはそういう事である。

 

(まぁ、油断せずにそうしたと言う事にしましょう)

 

 だが曹操はすぐに気持ちを切り替える。どちらにしても相手に勝たせる訳にはいかないと言うことに変わりはないのだから。

 劉備・孫権軍はすぐに会議を始める。

 

 この兵力差をどうにかするための策を何とかして思いつくために。

 

 だが会議内で事件が発生する。黄蓋と周愈の口論が激化したのだ。

 

「そんな慎重論で奴等に勝てると思っているのか! ここは士気を上げるためにも打って出るべきじゃ!」

 

「それを無謀というのです! 我等孫家や劉備軍を滅ぼすおつもりか!」

 

 それが続いた結果、黄蓋は鞭打ちの形を執行された。

 

 ――後日、黄蓋が司馬師・曹操軍に降った。

 

 当然の事ながら瑠理は理由を聞く。

 

「降った理由は?」

 

「これを見よ」

 

 黄蓋は鞭打ちされた肌を見せる。

 

「周愈にやられたものじゃ。奴め、少し慎重が過ぎると言っただけでこのような仕打ちをしおった! 孫策様が死んでから奴は変わっ

 

てしまったようでな……今の奴では蓮華様の……孫権様の意思を無視しかねん。つまりは奴に孫家を乗っ取られる可能性がある。奴を

 

どうにかせんかぎり孫家に未来は無いかもしれん。じゃが孫権様は奴を重用し、信じきってしまっている。故に手段を選べるような状

 

況では無くなった。だから此処に来たのじゃ!」

 

「周愈を討ち、孫家を救おうと? だが我等は孫権を打ち倒し滅ぼそうとしている」

 

「そうなったらそれまで! このまま孫権様の下で戦っても奴に乗っ取られて終わりじゃ! わしはただ孫権様が生き残るのを祈るだ

 

け」

 

「では周愈を討ち、孫権が生き残った後は? あるいは死んだ後は?」

 

「自害するつもりじゃ、理由はどうあれ孫権様に敵対したのだからな……」

 

「そうか……」

 

 聞きたいことを終えた瑠理はしばらく考えた後……。

 

「いいだろう、この戦いにかぎり此方側に付くことを許す。それで良い?」

 

「十分じゃ」

 

 瑠理は黄蓋の投降を許した。

 黄蓋が司馬師・曹操軍に降ったという話は劉備・孫権軍に伝わった。

 

「ねぇ、朱里ちゃん。どうしたらいいんだろう?」

 

「黄蓋さんの事ですか? それなら問題無いと思いますよ」

 

「え?」

 

 諸葛亮の確信めいた声色に劉備は戸惑う。

 

「え? どういう事?」

 

「あれは、黄蓋殿と周愈殿の埋伏の毒の策です。敵の懐に入るための……」

 

 諸葛亮は劉備と、そして仲間に自分が分かっていることを説明する。

「周愈殿」

 

「む? 馬騰殿か」

 

 馬騰は周愈に訊ねるためにやって来た。

 

「あれは、お前等の策だな?」

 

「……何故そう思われます?」

 

 周愈は真剣な顔で訊ねる。

 

「んー、黄蓋殿のやっていることがどこか俺に似てるっていうのか? 反乱者になってでも国を守ろうとしているのが」

 

「……なるほど、そうですか……」

 

 確かに言われてみればそうかもしれないと彼女は納得した。もし簡単に見破れるものだと言われたら黄蓋を見殺しにして策を練り直

 

しをしなければならない。何故なら簡単に見破れるようなものならば相手に通用しないからだ。特に優秀な軍略家である司馬師ならば

 

なおさらである。

 

「馬騰殿」

 

「分かっている。事が起こるまではちゃんと黙っているよ」

 

「よろしくお願いします」

 

 周愈は自分の天幕に戻っていく。

 

(この戦い、何としても勝たねばならない……私が動ける内に、何としても)

 

 そんな周愈を静かに見送る馬騰。

 

 しかし馬騰には不安があった。

 

(この策、成功するのか? 他の軍略家ならばともかく、心理戦を得意とする司馬家に……)

 

 彼女は瑠理のである理鎖の軍略を何度か見たことがあった。理鎖は相手の心理を読むことを得意とし、さらにそれを操っているかの

 

ような軍略をしていた。それが娘にも受け継がれているのであれば……。

 

(どうするべきか……)

 

 馬騰は悩みながら自分の陣地に戻った。

 一方、瑠理の元には曹操が訪れていた。

 

「司馬師、黄蓋の事……どう思う? 私は正直に言うと半信半疑なのよ。自分が反逆者になろうとも孫家のためにと言うのは宿将と呼

 

ばれる人物らしいとは思うし、鞭打ちの刑についても私が放った隠密によると確かに二人が言い争っていたところを目撃していると

 

言っているけど……でも今一確信が持てないのよ……貴女はどう思っているの?」

 

「私は……」

 

 瑠理は真っ直ぐに曹操を見つめ。

 

「黄蓋の投降は火計のための策だと確信している」

 

 断言した。


 
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