No.576293

~少年が望んだ世界と力~

第三十話 MISSION COMPLET

2013-05-14 17:51:39 投稿 / 全2ページ    総閲覧数:3394   閲覧ユーザー数:3034

PデュナメスSide

Pエクシアとアルケーの戦いに決着がついた頃、俺達の方でも決着がつこうとしていた。

 

「このぉぉ!いい加減に!!」

 

「しぶとい!」

 

ガラッゾがGNビームクローで何度も斬りかかり、カラミティが全火器を連続で撃つが俺はGNビームピストルで反撃しながらGNフルシールドで防御、又は回避する。

 

「簡単に殺られるかよ!」

 

ブオンッ!

 

そういうと俺のカードケースからカードが飛び出し、カードをキャッチする。

 

「「!!」」

 

突然カードが飛び出したことにカラミティとガラッゾは驚いたのか一瞬動きを止め、カードを見た俺はドライバーに入れてカードを発動させる。

 

『SYSTEM RIDE!TRANS-AM!』

 

「トランザム!!」

 

エクシアと同じようにトランザムを発動させると全身が赤く発光する。

 

「トランザム?!」

 

「なんだありゃ?光ってる」

 

トランザムを知らないカラミティが再び一斉射撃をする。

しかしトランザムによって向上した機動性を活かしビームの雨を悠々と回避する。

 

「な!?」

 

先程とは比べ物にならない機動性にカラミティは驚き、俺はGNスナイパーライフルを構えガンカメラを下ろす。

 

「流石トランザム状態、通常時よりもセンサー類の性能がかなり上がってる!そんじゃぁ、ガンダムデュナメス トランザムバージョン!目標を狙い撃つぜ!」

 

センサーの性能も上がり通常時以上の情報処理により更に細かい精密射撃が可能になりGNスナイパーライフルでガラッゾに狙いを定めGNビームを放つ。

 

「な、何よこの精密射撃は?!きゃああああ!!」

 

精密射撃の高さにガラッゾが驚いていると攻撃力も上がったGNビームがガラッゾの肩の装甲を吹き飛ばばす。

 

「くっ!こいつ!!」

 

装甲を吹き飛ばしたことに怒ったガラッゾがGNフィールドを展開して接近、GNビームクローで攻撃してくるが軽く回避する。

 

「続いてGNビームピストル、撃ちまくるぜ!」

 

GNスナイパーライフルを肩のアタッチメントに掛け、ホルスターからGNビームピストルを引き抜き至近距離でGNビームピストルを連射しガラッゾに喰らわせる。

GNビームピストルを撃っているとGNフルシールドが動き、後ろから飛んできたビームを防ぐ。

 

「すっげぇじゃんか!あっははははは!」

 

後ろを振り返るとトランザムによって機体性能が上がった俺を見て嬉しそうに笑いながらカラミティがシュラーク、トーデスブロックを撃ってくる。

 

『後方注意。後方注意』

 

「不意討ち上等!」

 

ハロが俺に注意を呼びかけ、ロックオンの台詞を言いながらGNビームピストルをホルスターに仕舞い、再びGNスナイパーを取り、照準を合わし、トリガーを連続を引く。

GNスナイパーライフルから放たれたGNビームがカラミティのシュラーク、トーデスブロック、ケーファー・ツヴァイと胸のスキュラを除く全兵装を撃ち貫く。

 

「なっ!?くっそぉ!」

 

ほぼ全兵装を破壊されたカラミティが残ったスキュラを発射しようとエネルギーをチャージする。

 

「ハロ!火器への粒子供給をカット!全部防御に回してくれ!」

 

『了解。了解』

 

「喰らいやがれぇ!」

 

ハロに指示を出した直後、カラミティからスキュラが放たれ、俺に向って来る。

 

「GNフィールド!」

 

放たれたスキュラをGNフィールドを展開して受け止める。

 

「いっけぇぇぇっ!」

 

GNフィールドでスキュラを受け止めたまま押し返し、カラミティに向っていく。

 

「ぐおっ!?」

 

押し返していくとGNフィールドでスキュラの発射口を塞ぎ行き場を失ったエネルギーが爆発を起す。

これはSEEDの世界でカラミティと戦ったMS「ZGMF-X09A ジャスティスガンダム」がカラミティのスキュラを一度防いだ方法だ。

 

「う・・・ああ・・・!」

 

全ての火器を失い今のでかなりダメージを受けたカラミティは右手で胸を押さえながら苦しんでいる。

 

PヴァーチェSide

別の方向で赤い光が見えた。

恐らく、Pデュナメスがトランザムを発動させたのだろう。

 

ブオンッ!

 

そんなことを考えているとカードケースからカードが飛び出しキャッチしてカードを確認、そのカードを見ると俺はすぐにカードをドライバーに入れる。

 

『SYSTEM RIDE! TRANS-AM!』

 

「トランザム!」

 

トランザムの発動により身体が赤く発光、GNドライヴが唸る。

 

「くっ!トランザムか!」

 

「これでぇ。必殺っ!」

 

トランザムを発動させた俺を見てガデッサが呟き、レイダーが顔面の開口部にある高出力エネルギー砲「100mmエネルギー砲『ツォーン』」を放つがトランザムによる機動性の向上を利用して急速降下してかわす。

 

「何!?」

 

重装甲の身体でありながら先程より速く動き、回避したことにレイダーが驚く。

 

「俺も派手にやるか。ガンダムヴァーチェ トランザムバージョン!目標を殲滅する!!」

 

トランザムを発動させ降下し地面に着地した俺は片手で持っていたGNバズーカを両手で持って構え、胸のGNドライヴと直結、チャージを開始。

 

「抹殺!」

 

「チャージなどさせるか!「バーニイィィング、パアアァァンチ!!」・・・何?!」

 

チャージをさせまいとガデッサが接近戦、レイダーがミョルニルを放とうとしたがガンダムマックスターがバーニングパンチを放ち、ガデッサとレイダーは回避するために動きを止めた。

 

「今だ!」

 

「ああ!高濃度圧縮粒子充填!GNバズーカ、バーストモード!!」

 

マックスターに感謝しながらGN粒子のチャージが完了しGNバズーカをバーストモードに変形させ、GNバズーカが唸りを上げていく。

 

「圧縮粒子!前面開放!」

 

トリガーを引くと高濃度圧縮粒子がガデッサが放ったGNメガランチャー以上の極太のビームとなってガデッサとレイダーに放った。

 

「ちぃっ!」

 

「く!ぐあああああっ!」

 

俺が放ったGNビームをガデッサとレイダーは慌てて回避、レイダーには避けられ、直撃ではなかったが回避が間に合わずGNビームがガデッサの左腕と左足を飲み込み跡形も無く消滅させ、その痛みにガデッサが悲鳴を上げる。

 

PガンダムSide

 

「ちっ!相変わらず使えない」

 

「リボォォォンズ!」

 

PデュナメスとPヴァーチェに押されているガラッゾとカラミティ、ガデッサとレイダーに文句を言っているオーガンダムにビームライフルを構え、放つ。

 

「はっ!」

 

がここで再びフォビドゥンのゲシュマイディッヒ・パンツァーによってビームを曲げられる。

 

「ちっ!」

 

「悪あがきはよしな。・・・!」

 

フォビドゥンが何かに気付くと首を左に向ける。

俺もその方向を見るとフォビドゥンに向ってミサイルが向っていた。

 

「ミサイル?」

 

それを見たフォビドゥンは左腕を前に出し、両腕に内蔵されている大口径機関砲「115mm機関砲『アルムフォイヤー』」と頭部の「75mm対空自動バルカン砲塔システム『イーゲルシュテルン』」でミサイルを迎撃する。

弾が当たったミサイルは爆発するが当たらなかったミサイルが尚もフォビドゥンに向う。

 

「ちぃっ!」

 

破壊仕切れなかったミサイルをフォビドゥンはゲシュマイディッヒ・パンツァーで防ぐ。

しかし、ゲシュマイディッヒ・パンツァーにぶつかってもミサイルは爆発を起さない。

それどころかゲシュマイディッヒ・パンツァーに突き刺さっている。

すると盾に突き刺さったミサイルから盾に何かが送り込まれ、フォビドゥンのゲシュマイディッヒ・パンツァーはボコボコに膨れ、次の瞬間爆発を起した。

 

「なっ!?」

 

「あのミサイルは」

 

「GNミサイル!」

 

突然のことにフォビドゥンは驚き、直ぐにその答えが分かったオーガンダムと俺はミサイルが飛んできた方向を再び見る。

そこにはフロントアーマー部分を開き、トランザムで赤く発光しているPデュナメスがいた。

 

「行け、ガンダム!」

 

俺への支援を完了したPデュナメスはガラッゾとカラミティへの攻撃を再開する。

 

「おうよ!」

 

Pデュナメスの支援を受けた俺はスラスターを使い、オーガンダムに向う。

しかしここでまた盾を破壊されても俺とオーガンダムの間にフォビドゥンが立ち塞がる。

 

「お前!お前!お前!」

 

怒りながら俺にプラズマビームを連発してくるが俺はそれを避けながら進んでいく。

 

『WEAPON RIDE! HYPER BAZOOKA』

 

WRでガンダムの武装の1つである肩掛け式の携帯対艦火器「ハイパーバズーカ」をフォビドゥンに全弾発射する。

 

「ぐっ!」

 

ハイパーバズーカの弾5発の内2発が命中するとフォビドゥンがよろめく、次のカードを入れる。

 

『WEAPON RIDE! HYPER HAMMER!』

 

ハイパーバズーカ同様、ガンダムの武装の1つであるフレイル型モーニングスター「ハイパーハンマー」が装備されると俺はフォビドゥンに向って行きながら思いっきり振り回す。

 

「ハイパーハンマー!」

 

振りまして勢いが付くとフォビドゥンに向けて投げ、ハンマーに内蔵されているスラスターが噴射し、更に勢いが増す。

 

「!!----っがは!!」

 

勢いの乗ったハイパーハンマーがフォビドゥンの胴体、MSでいう所のコクピット部、人でいう所のみぞおちに命中し、フォビドゥンが苦しそうな声を出す。

例えフォビドゥンの装甲がTP装甲で機体が頑丈であっても衝撃を完全に殺せるはずはなく、中にいるパイロットはその衝撃を受け、中で揺らされる。

それらがまだミサイルや砲弾ならばまだ多少マシだったろうがハンマー等のインパクト兵器はそうはいかない。

勢いの全てがぶつかり相手はその衝撃をダイレクトで受け、中のパイロットは激しい衝撃で脳や肺、胃等の内臓器官を全て揺らされる。

これによって中には意識を失う者や胃の物を吐いてしまうこともある。

それに加え、今のフォビドゥンはシャニ・アンドラスが変身した姿、人間の急所であるみぞおちに勢いの乗ったハンマーが当たったに加え、その衝撃で恐らく肺の中の空気を強制的に思いっきり押し出されはず。

 

「ゴホッ!ゴホッ!」

 

その証拠にフォビドゥンは今苦しそうに咳き込んでいる。

それを見た俺はスラスターの噴射を一回止める。

 

「ゴホッ!ゴホッ!----ぐっ!」

 

スタスターの噴射を止めた俺は目の前にいたフォビドゥンに乗り、そのまま踏み台代わりにしてジャンプし、再びスラスターを噴射し、オーガンダムにビームライフルを撃ちながら接近する。

 

「その程度で・・・!」

 

「天に竹林、地に少林寺!目にもの見せよ!最終秘伝!真・流星胡蝶剣!」

 

ドラゴンガンダムが明鏡止水の境地に達した状態の黄金のボディで必殺技である跳び蹴り「真・流星胡蝶剣」をオーガンダムに放つ。

しかしオーガンダムは真・流星胡蝶剣を回避する。

 

「小賢しい真似を---「グラビトンハンマァァ!」・・・!」

 

真・流星胡蝶剣を回避するとオーガンダムに接近したボルトガンダムがグラビトンハンマーで追い討ちをかける。

 

「ちっ!しつこい!」

 

「ぐおおっ!」

 

グラビトンハンマーも回避したオーガンダムは向って来たボルトガンダムに蹴りを入れ距離をとる。

 

「消えてもらうよ?「それはこちらの台詞です」・・何?!」

 

オーガンダムがボルトガンダムにビームガンを構えるとガンダムローズのローゼスビットがオーガンダムを囲んだ。

 

「決着を付けましょう!ローゼスッハリケェェェン!!」

 

ガンダムローズも明鏡止水の境地に達した状態の黄金のボディになりローゼスビットがオーガンダムの周りで回転しエネルギーの渦を作り出す必殺技「ローゼスハリケーン」でオーガンダムの身動きを止めた。

 

「くっ!GNフェザー!!」

 

対するオーガンダムは背部スラスターから大量のGN粒子を放出し巨大な翼のように展開する「GNフェザー」を展開しローゼスハリケーンから脱出する。

 

「手間を掛けさせてくれる!「隙やりぃぃ!!」!!」

 

オーガンダムがGNフェザーでローゼスハリケーンから脱出するとビームサーベルを構えた俺がオーガンダムに突っ込んでいく。

 

「ぐっ!」

 

俺のビームサーベルがオーガンダムの右脇腹に突き刺さる。

 

「このっ!」

 

「がああっ!」

 

しかしオーガンダムはビームサーベルが突き刺さった状態で俺に蹴りを入れ、蹴られた衝撃で俺はビームサーベルを手離し地面に落下し、オーガンダムは右脇腹に刺さったビームサーベルを自分で引き抜きサーベルラックを投げ捨てた。

 

「はぁ、はぁ、はぁ、くっ!」

 

オーガンダムが突き刺さった右脇腹を右手で押さえていると左腕、足を失い火花を散らしたガデッサ、装甲が所々剥がれ、凹んだりしたガラッゾがオーガンダムに集まる。

 

「まさか・・・僕達をここまで・・・・苦しめるとは・・・中々予想外だ」

 

「私達もトランザムの調整が済んでいれば反撃出来るのに!」

 

「どうやら君を甘く見すぎたようだね野田健悟」

 

三人称Side

次元空間

ドミニオンブリッジ

 

「フィール隊、全機被弾。撤退します」

 

「テニース隊ウィンダム帰還。整備班、緊急着艦用ネット用意。医療班待機せよ」

 

「デュエルダガー ヴィーガ機及びジェニ機、戦闘続行不可能。後退します」

 

「ダガーL マルス機、シグナルロスト」

 

「全く、どうしてこうも上手くいかないんでしょうね?」

 

CIC、オペレーターから次々と告げられる報告を聞きアズラエルはため息をつく。

 

「いかがなされますか?」

 

「こうなった以上早めにケリを着けましょう。管理局の次元艦を沈めちゃってください」

 

「了解しました。敵艦を沈める。ローエングリン照準!」

 

「撃---「グリーン16、マーク3、デルタより熱源接近!」---何!?」

 

オペレーターの報告の直後、前方からピンク色のビームが迫り、右舷のローエングリンを貫き、爆発を起こし、船体を揺らす。

 

「ローエングリン1番、大破!」

 

「敵の位置は!」

 

「待って下さい。・・・!!て、敵は距離2800の地点から攻撃していると予測されます!機種はMSです!」

 

「馬鹿な!MSでこれ程の長距離射撃が出来る機体など!」

 

「流石イレギュラーの仮面ライダーと言われることだけあってこちらに対処してきましたねぇ」

 

次元空間

次元空間の反対側、ドミニオンのローエングリン1番を狙撃したMS、「劇場版 機動戦士ガンダム00 -A wakening of the Trailblazer-」に登場した「GN-002RE ガンダムデュナメスリペア」が頭部のガンカメラを下ろし、GNスナイパーライフルを構えている。

 

「ガンダムデュナメスリペア、続けて狙い撃つぜぇ!」

 

デュナメスリペアは照準をし直し、ドミニオンに向けてGNビームを再び放つ。

 

ドミニオン ブリッジ

 

「第二波来ます!」

 

「アンチビーム爆雷発射!急げ!」

 

再びビームが近づくとサザーランド大佐は対ビーム対策「アンチビーム爆雷」の発射を指示、アンチビーム爆雷が前面に発射され、爆雷から粒子が散布されるとデュナメスリペアのGNビームを防ぐ。

 

「センサーに感!オレンジ25、マーク13アルファより接近する機影を感知!」

 

「な!いつの間に!敵の数と機種は?」

 

「敵はMSです。数は4、ライブラリー照合・・・・・ありません!」

 

「アンノウンか。総員、対MS戦闘用意!イーゲルシュテルン、バリアント起動。ミサイル発射管全門ウォンバット装填!予備のMS隊を発進させよ!」

 

ドミニオン MSハンガー

 

『ジェットダガー第10小隊帰還!1番機及び3番機の損傷大。2番機はMIA。整備班、消火作業用意。医療班は負傷兵の治療用意』

 

「機体のロック化完了!パイロットを降ろすぞ!」

 

「軽傷の奴は重傷者の手当てを手伝ってくれ!人手が足りないんだよ!」

 

「いっ。ああああっ!」

 

「止血は終わった。次は傷口を塞ぐぞ!」

 

「はい!」

 

「うううっ」

 

「おい、しっかりしろ!輸血を急がせろ!」

 

「ちっくしょぉっ!ぐっ!」

 

「医療班!何やってんだよ!早くこっちの手当てをしてやってくれ!」

 

「バイタル低下!誰か手を貸してくれ!」

 

「損傷の激しい機体は左舷側に集めろ!今戦えないんじゃこっちに置いてても邪魔なんだよ!」

 

「ウィンダムのD-12のパーツを持って来いっていってんだよ!早くしろ!」

 

「は、はい!」

 

「いいから早く直してくれよ!もう一度出てる!」

 

「無茶ですよ中尉!そんな身体で!それに他の機体もあるんです!中尉の機体の損傷も酷いですし直ぐになんて出来ませんよ!」

 

MSデッキではストライク達との戦闘で損傷した機体が次々と帰還、損傷した機体から傷ついたパイロットが整備兵によって降ろされ、医療班が治療を行うが重症のパイロットが多く、MSデッキで治療を行うが治療は間に合っていない。

整備班は損傷機の修復、補給を行うがこちらも損傷機が多いため作業が追いつかない中、1人のパイロットが自分の機体を早く修復するように急かすが整備兵の1人が止める等ドミニオンのMSデッキは慌しくなっている。

 

『敵アンノウンMS接近中!数は4!総員第一戦闘配備!予備のMS隊は速やかに発進!敵を撃破せよ』

 

「敵が来る?!」

 

「アンノウンMS。それも4機だと!」

 

「そんなの聞いてないぞ!」

 

「損傷機の修理は後だ!予備ベースジャバーとストライカーを用意しろ!急げ!」

 

整備兵達は驚きつつもすぐに予備のベースジャバーやストライカーの準備に取り掛かり、MSデッキにパイロット達が現れる。

 

「機体の整備は万全です!ご武運を!」

 

パイロット達は整備兵の一人から地球連合軍のマークとMSの型式番号が刻まれたドッグタグを受け取り整列する。

 

「総員、MS起動!」

 

『はっ!』

 

予備部隊の指揮官と思われる男が告げるとパイロット達のドッグタグが光を放ち、パイロット達はストライクダガーや105ダガー、ダガーL、ウィンダムへと姿を変え、先程の指揮官もデュエルダガーへと姿を変える。

 

「準備が整った機体から順次カタパルトから発進だ!」

 

『はっ!』

 

MSに変身したパイロット達は整備兵に用意されたビームライフルや対ビームシールドを取り、105ダガー、ダガーL、ウィンダムはストライカーパック、デュエルダガーはフォルトストラを装備していく。

装備の準備を終えると自立飛行が出来ないデュエルダガー フォルテストラとランチャーダガーが右舷のカタパルトに並べられているベースジャバーに搭乗する。

 

『ベースジャバー。デュエルダガー サマール機、ランチャーダガー ビル機。発進よろし!』

 

「「出るぞ!!」」

 

カタパルト内で発進許可のシグナルが鳴り、CICから許可を得るとベースジャバーは次元空間に飛び出していく。

 

次元空間

デュエルダガーとランチャーダガーを乗せたベースジャバーが発進すると他のMS達も次々と左右のカタパルトから発進してくる。

 

「あれか!」

 

ダガー達が自分達に向かってくる4機のMSの姿を捉える。

 

「他の世界のMSか!」

 

「隊長!」

 

「各機展開しろ!敵はたった4機、包囲して殲滅だ!他の連中の分の鬱憤をあいつらで晴らすぞ!」

 

『了解!』

 

敵が少数であることを確認するとデュエルダガーの支持で他のダガー、ウィンダム達は隊列を組んで敵に向かっていく。

 

「データ照合。敵母艦、C.Eの地球連合軍アークエンジェル級2番艦『ドミニオン』と確認。敵艦からMSの発進、機種は現在庭園で戦っている量産機と同一。こちらに対する戦闘行為と断定する」

 

「やはり戦闘は避けられないか」

 

「元々そのつもりで我々は送り込まれたがな」

 

「こうなった以上、やるしかありませんよ」

 

ドミニオンに進行している4機のMS「機動戦士ガンダム00 2nd SEASON」に登場したソレスタルビーングの第四世代ガンダム「GN-0000 ダブルオーガンダム」「機動戦士クロスボーン:ガンダム」に登場する宇宙海賊「クロスボーン・バンガード」のMS「XM-X1 クロスボーン・ガンダムX1」(以降 X1)、「XM-X2 クロスボーン・ガンダムX2」(以降 X2)、「XM-X3 クロスボーン・ガンダムX3」(以降 X3)がドミニオンから発進し隊列を組んで来るダガー達に対し戦闘態勢を取る。

 

ドミニオン ブリッジ

 

「敵アンノウン、射程に入りました!」

 

「ウォンバット、バリアント、ゴットフリート、撃てっ!」

 

ダブルオー達が射程に入ったことが告げられるとサザーランド大佐が攻撃命令を出すとゴットフリート2基、ドミニオンの両側に1基ずつある副砲「110cm単装リニアカノン『バリアントMk.8』」、ドミニオンの後部にある24門のミサイル発射管に「大気圏内用ミサイル『ウォンバット』」がダブルオー達に向けて一斉に放たれる。

 

次元空間

 

「敵艦からの攻撃!」

 

「各機、回避行動とミサイルの迎撃を!」

 

「ふっ。言われるまでもない」

 

「はい!」

 

ダブルオー、X1の指示を受けX2、X3が返事を返すと4機は四方に散開、追尾してくるウォンバットをダブルオーが両腰にある実体剣「GNソードⅡ」を両手に持ちの右手のGNソードⅡを「GNソードⅡ ライフルモード」に変え、GNビームを撃ち、X1、X2は両頭部に各1門ずつある「バルカン砲」、X3は胸のドクロ型レリーフの目の中にある「胸部ガトリング砲」を放ちウォンバットを撃ち落す。

ダブルオー達が四方に散るとダガー達も散開、ダブルオー達を各個に包囲するように展開する。

 

「友軍及び管理局艦艇、こちらに対する無警告攻撃に対し敵対行動と見なし攻撃を開始する」

 

「くらえぇっ!」

 

1機のジェットダガーLがダブルオーにビームカービンを構え、ビームを撃つ。

ダブルオーはこれまでのソレスタルビーイングのガンダムと異なり、両肩に2基のGNドライヴ「ツインドライヴシステム」を搭載している。

その両肩のツインドライヴを前面に向け、粒子を大量に散布しGNフィールドを展開する。

 

「何!」

 

ジェットダガーL達のビームを防ぐとダブルオーは両肩のツインドライヴを後ろに向け、一気に加速する。

ジェットダガーL達も再びビームを連射するが放たれるビームをダブルオーは右、左、上へとまるで舞うように回避し、GNソードⅡからGNビームを撃ち、ジェットダガーLの右腕や左腕、胴体を撃ち抜き撃墜する。

 

「だあああっ!」

 

「があああっ!」

 

「う、うわあああああっ!」

 

「ハンス!ユーリ!アゴスキー!」

 

「ダブルオー、目標を駆逐する!」

 

ブンッ!

 

仲間が撃破されてジェットダガーLが仲間の方を向き、名を叫ぶとダブルオーはツインアイを光らせ、更に加速して近づき、接近しながらGNソードⅡをライフルモードからソードモードに戻し、GNソードⅡを振るう。

 

「!」

 

ジェットダガーLが「対ビームシールド」で防ごうとするがそれよりも速くダブルオーは懐に入り、通り過ぎると同時にGNソードⅡでジェットダガーLを横半分に斬り、分かれた上半身と下半身の間を電流が2、3回流れた後ジェットダガーLは爆発を起こし、たった1機のMSによってMS1個小隊があっという間に撃破された。

ダブルオーが1個小隊を撃破するとX1は脚部両側のウェポンマウントに装備されているビームピストルと粒子加速式ビームサーベルに分離出来る特殊武器「ザンバスター」、それを左側に粒子加速式ビームサーベルに分離され、ウェポンマウントに装備されている「ビームザンバー」を右手に持ちダガーに接近する。

 

「なんだあの機体?マントなんかついてるぞ」

 

「カッコつけやがって!」

 

MSでありながらマントを装備しているX1を疑問に思いながらジェットダガーがX1にビームを放ち、胴体に命中する。

 

「どうだ!・・・・・!?」

 

しかしビームが当たったにも関わらずX1は爆発せず、更に最初に命中したマントにはビームが貫通してできるはずの穴が見当たらない。

つまりそれは、ビームは直撃はしたがX1が身に纏っているマントによって防がれたことになる。

 

「馬鹿な!直撃したはずだぞ!」

 

「あんな布でビームを弾いた?!」

 

マントでビームを防ぐというありえない現状にダガー達が焦る。

無論X1が装備しているマントはただのマントではない。

X1の世界、宇宙世紀130年代で誕生した「アンチビームコーティングマント」(以降 ABCマント)と呼ばれる対ビーム用のマントだ。

SEEDの世界の住人であるダガー達はその存在を知るはずもなく、ビームを防がれたことに唖然としている。

 

「戦闘中に動きを止めるとは!」

 

唖然となって隙だらけのジェットダガーL、ベースジャバーに乗ったドッペルホルンダガーL、ストライクダガーにスラスターを噴射して加速して急接近、ジェットダガーL、ドッペルホルンダガーL、ストライクダガーをビームザンバーで斬り、ダガーが爆発する。

 

「・・・はっ!?くっそ!」

 

唖然としていたジェットダガーが友軍機が撃破された爆発音で立ち直ると速やかに後退、X1と距離を取る。

 

「逃がしはしない!」

 

ジェットダガーが離れるとX1は左右の脚部前面装甲の左側を敵を捕獲又は拘束する「シザー・アンカー」に変形させジェットダガーに射出、シザースがジェットダガーの左脚を掴む。

 

「何だと?!・・・うわあああ!!」

 

シザー・アンカーがジェットダガーを捕らえるとX1はシザー・アンカーと繋がっているチェーンを引っ張り、ジェットダガーを引き寄せ、ビームザンバーを斬る。

ビームザンバーで斬られたジェットダガーは爆発した。

 

「第3小隊に続いて第7小隊も全滅?!いくらなんでも早すぎる!なんなんだよあのMS達は!」

 

「落着け、今は戦闘中だぞ。俺達の相手も第7小隊が戦ったのと同じビームを防ぐマントを装備している。気合いれて係らないと俺達も墜とされるぞ」

 

「は、はい!」

 

ダブルオーとX1にたった数分で2個小隊が撃墜され、ベースジャバーに持っているストライクダガーが取り乱すがその隣にいる上官のランチャーダガーがストライクダガーを落ち着かせ、自分達の攻撃目標であるX2に集中する。

 

「エディック少尉。攻撃開始だ」

 

「了解!」

 

ランチャーダガーの支持でストライクダガーがビームライフルをX2に撃つがX1同様、ABCマントで防がれる。

 

「やはり防がれるか。ならこれで!」

 

ストライクダガービームが防がれ火力不足であることを推測したランチャーダガーがX2にアグニを放つ。

が、高い推力を持つX2は上に上昇してアグニを回避する。

 

「ほぉ。いい銃を持っているな。しかし!」

 

アグニを回避したX2はスラスターを全開にしてランチャーダガーに一気に近づく。

 

「は、速い---っが!」

 

接近したX2はランチャーダガーの胸に左手の槍「ショットランサー」を突き刺し、至近距離でヘビーマシンガンを撃ち、ランチャーダガーを倒す。

 

「どんなに強力な銃であっても所詮その銃はロングレンジ用、接近してしまえば無意味だ」

 

「シュ、シュヴァルト大尉!・・・!」

 

自分の隣でランチャーダガーが殺され、ストライクダガーが叫ぶとX2が右手でX1と同じ左脚のウェポンマイントに装備されているビームザンバーを抜き、横一字に斬った。

突き刺したショットランサーをランチャーダガーから引き抜き素早く後退するとストライクダガーが爆発、その爆発によってランチャーダガーと乗っていたベースジャバーも爆発する

X2がランチャーダガー、ストライクダガーを撃破した頃、X3はエールダガーから放たれるビームを両前腕部に内蔵されている対ビーム兵器用防御装置「Iフィールド」、通称「Iフィールド・ハンド」で防ぐ。

 

「なんだよあのMS!他の2機みたいなマントなんてないのに!なんでビームが効かないんだよ!!」

 

ABCマント同様、Iフィールドの存在を知らないエールダガーはビームが効かないことに戸惑いながらもビームを撃ち続ける。

X3は近接と射撃の両方に対応したマルチウェポン「ムラマサ・ブラスター」を持ち、ブラスターガンモードに変え、ビームを2発、エールダガーに放つ。

放たれたビームの1発はエールダガーのビームライフルを撃ち抜き、もう1発はエールストライカーの左翼を撃ち落とし、胸部ガトリング砲を撃ち、エールダガーに命中する。

 

「くっ!」

 

「その機体でこれ以上の戦闘は不可能です!退いて下さい!出ないと次はコクピットを狙います!」

 

「くそ!」

 

ビームライフルを失い、飛行手段であるエールストライカーに、ガトリングの弾で全身にダメージを負ったエールダガーはX3の言葉に従い撤退していく。

 

「調子に乗るなよぉ!」

 

エールダガーが退いた直後、ソードダガーL1機のみが乗ったベースジャバーがX3に接近し、シュベルトゲベールを振り下ろす。

対するX3はムラマサ・ブラスターを構え、剣状の本体外縁部に沿って小型ビームサーベル14基からビームサーベルを展開した「ビームサーベル14基発生モード」でシュベルトゲベールを受け止める。

 

「な、何だこの剣!?」

 

SEEDの世界にはなかった兵装に驚いていると明らかにビームの出力が違いすぎるムラマサ・ブラスター ビームサーベル14基発生モードにシュベルトゲベールが徐々に熱で赤くなっていく。

 

「シュ、シュベルトゲベールが!がああああっ!」

 

やがてシュベルトゲベールが折れるとソードダガーLは右斜めに斬られ、X3が放れるとベースジャバーごと爆散する。

 

「ヤロォ!ごあっ!」

 

ジェットウィンダムがX3の後方下からビームを撃とうとビームライフルを構えると右側から飛んできたピンク色のビームがジェットウィンダムを右脇腹を撃ち抜き撃墜する。

今の攻撃は最初にドミニオンを攻撃したデュナメスリペアからの援護射撃によるものだ。

 

「スナイパーか!「ピー、ピー」・・・!?」

 

ジェットウィンダムがデュナメスリペアに撃たれたことでジェットダガーLは一瞬動きを止めると警報が鳴る。

慌てて右を見るとエールダガーL、ベースジャバーに乗ったデュエルダガー、ランチャーダガーLを撃墜しながらダブルオーが近づく。

 

「このぉっ!」

 

ジェットダガーLはビームサーベルを抜き、近づいてくるダブルオーに向って行き、ビームサーベルを振る。

振られるビームサーベルをダブルオーは右手のGNソードⅡの刀身にビーム刃を展開してビームサーベルを受け止め、空いている左手のGNソードⅡでジェットダガーLの右腕を斬り落とす。

 

「う、うわああああっ!」

 

ジェットダガーLの右腕を斬り落とすと右手のGNソードⅡのビーム刃を消し、GNソードⅡを振るいジェットダガーLを切り裂き破壊する。

ダブルオーはGNソードⅡでジェットダガーLを切り裂くとライフルモードに変え、ドミニオンにGNビームを放つ。

しかしダブルオーのGNビームはドミニオンから発射されたアンチビーム爆雷によって防がれてしまう。

 

「なんてMS達だ。スナイパーもいるとはいえ、2個中隊をたった4機で。・・・「大尉!右で何かが光りました!」・・・何!?」

 

僅か4機と1機のスナイパー、計5機でMS2個中隊を相手にしながら苦戦どころか圧倒しているダブルオー達にエールダガーが驚いていると部下の報告を聞き、身体ごと右を向く。

右側を向いた瞬間、エールダガー右真横を黄色のビームが通り過ぎ、エールダガーの右斜め後ろにいたエールウィンダムの胸部を撃ち貫く。

 

「あああああっ!」

 

「アラック少尉!」

 

撃ち貫かれたエールウィンダムは爆発し、撃ち貫いたビームはドミニオンに向っていく。

 

ドミニオン ブリッジ

 

ビー、ビー、ビー

 

「右舷より敵MS接近!ビーム攻撃来ます!」

 

「アンチビーム爆雷発射!」

 

ブリッジに警報がなり響き、CICの報告を聞きサザーランド大佐が指示を出しアンチビーム爆雷が発射され、ダブルオーが放ったGNビームを防ぐ。

 

「オレンジ、デルタより高熱源接近!」

 

「!!回避!取り舵15!」

 

接近してくる高熱源体を左に回避するが僅かに掠れ、船体が揺れる。

 

「さっきの奴の攻撃か?」

 

「違います。今のは・・・Xナンバー、バスターです!」

 

「バスター?!バスターダガーと戦っていたはずだぞ!もう1機いたというのか?」

 

「いえ、バスターダガー セルガー機、ジャッカ機のシグナル確認出来ず!バスターダガーと戦っていたバスターのようです!」

 

「バスターダガーが撃破されていただと?!CIC、何故早く報告しなかった!!」

 

「申し訳ありません!」

 

今の攻撃をデュナメスリペアの攻撃と予測したサザーランドだったが攻撃を行ったのはバスターダガー小隊を撃墜したバスター。

サザーランド大佐はバスターダガー部隊が撃破されたことを早期に報告しなかったCICに怒鳴る。

 

「敵MS、左舷より接近!」

 

「ちっ!イーゲルシュテルン、自動追尾を解除!弾幕を張って対空防御!ヘルダート撃て!MS隊は何をやっている!」

 

敵の接近報告を受けたサザーランド大佐はミサイル、MS迎撃の近接防衛火器システム「75mm対空自動バルカン砲塔システム『イーゲルシュテルン』」の自動追尾を切り、弾幕を張らせ、艦橋後部ミサイル発射管「対空防御ミサイル『ヘルダート』」の発射支持を出し、MS隊の現状を訊く。

 

「現在4機中2機が本艦に接近、残り2機及びスナイパーがMS部隊を足止め中です!」

 

「たった2機と1機のスナイパーに足止めされるとは!」

 

報告を聞いたサザーランド大佐は眉間にしわを寄せ、僅かに汗を掻き始める。

 

次元空間

 

ドミニオンが接近されまいとイーゲルシュテルンやヘルダートが放れるがX1とX3にMS隊の相手を任せたダブルオーとX2がイーゲルシュテルン、ヘルダートを回避、防御、迎撃しながらドミニオンとの距離を縮めていく。

 

「敵の陽電子砲を破壊する!」

 

「敵の増援を防ぐか」

 

ダブルオーは下、X2は上に移動し、ローエングリン2番の前に出たダブルオーは2基のGNソードⅡ ライフルモードからビーム刃を発射、ローエングリン2番を破壊する。

上に移動したX2は左舷のゴットフリート2番の直上に到達すると腰のハードポイントに装備していた「バスターランチャー」を構え、更にハードポイントからエネルギー供給を受け、威力を上乗せしたビームをゴットフリート2番に向けて発射。

放たれたビームはゴットフリートだけでなくカタパルトデッキを貫き、通過したビームは次元空間の底に消えていった。

 

ドミニオン ブリッジ

 

「ゴットフリート2番及びローエングリン2番、左舷カタパルトデッキ大破!火災発生!」

 

「消火作業急げ!」

 

「やられましたねぇ。1機がローエングリンを潰し、もう1機が上から撃ってゴットフリートとカタパルトまで破壊するとは」

 

ダブルオーとX2の攻撃でゴットフリート2番、ローエングリン2番、左舷カタパルトデッキが破壊され、爆発が発生したことでこれまで以上にドミニオンの船体が激しく揺れ、オペレーターから艦の損害報告と火災発生が告げられ、サザーランド大佐が消火を支持、アズラエルは落ち着いた表情と態度でいる。

 

「カラミティ達のダメージレベル増大。このままでは危険です」

 

「アズラエル様」

 

CICからの庭園で戦闘中のカラミティ達の報告を聞き、サザーランド大佐はアズラエルに訪ねる。

 

「やれやれ。またこの結果ですか。あの連中に色々言われますね。ま、折角生き返ったのにここでまた死ぬなんてごめんですからね。サザーランド大佐。全軍に撤退指示を」

 

「はっ!全軍に撤退命令を打電、MS隊を呼び戻せ。信号弾発射!急げ!」

 

「了解!」

 

アズラエルは相変わらず落ち着いた態度で愚痴を溢し、サザーランド大佐に撤退命令を支持する。

アズラエルの支持に従い、サザーランド大佐はCICにMS隊に撤退命令、オペレーターに撤退の信号弾を撃つように支持し、クルーもすぐに行動を行う。

 

「・・・・・」

 

一方、落ち着いた態度と軽い言い方をしていたアズラエルだったが、これ程の規模で挑んだにも関わらず、作戦を完遂せず撤退することになった悔しさで座っていた座席の両方の肘掛けを両手で力強く握っていたことは誰も気づいておらず、1番近くにいたサザーランド大佐ですら気づいていなかった。

 

次元空間

 

ヒュー、ドン、ドン

 

「!」

 

「帰還信号!?」

 

「総員撤退だ!急げ!」

 

信号弾を確認したダガー達はダブルオー達との戦闘を速やかに中止し、ドミニオンに撤退していく。

 

「ようやく撤退してくれたか」

 

「ふん。他愛もない」

 

「敵の撤退信号を確認した。だが油断は出来ない。フェニックスの指示通り追撃はしないが完全撤退まで現宙域で待機。様子を見る」

 

「はい!」

 

「バスター、デュナメスリペア、狙撃の準備だけは頼む」

 

<OK!>

 

<了解だ。任せとけよ>

 

ダガー達が撤退するとX1、X2、ダブルオー、X3は構えていた武器を下げ、事前に受けていた指示通り、待機、監視行動に入り、ダブルオーはバスターとデュナメスリペアに連絡を入れ、狙撃の用意をさせる。

 

庭園内

 

「撃て!撃て!」

 

「ガオオオオオオっ!」

 

ドッペルホルンダガーL、ストライクダガー、ランチャーダガーが雄叫びを上げながら向って来るブレードライガーに連装砲、ビームライフル、ビームカービン、アグニ、120mmバルカン砲、350mmガンランチャーを撃ち続けるがブレードライガーは高い運動性を活かして回避して接近し、通り過ぎると同時に側面に展開したレーザーサーベルでダガー達を切り裂いていく。

 

「もらったぞ!・・・うわっ!」

 

ブレードライガーのレーザーサーベルを免れたドッペルホルンダガーがブレードライガーの後ろに連装砲を撃とう構えると右から飛んできたロケット弾がドッペルホルンパックに命中しパックが大破した。

 

「オルテガ、マッシュ!連合のMS達にブレードライガーの後ろを撃たせるなよ?」

 

「「了解!」」

 

ロケット弾が飛んできた方向に目線を向けると今のようにブレードライガーの後ろを守るためにガイア、オルテガ、マッシュのドム三機が「ジャイアント・バズ(GB03Kバズーカ)」を構え、滑空しながらブレードライガーの後ろをついていく。

 

「いい加減降参してくんないかっね!」

 

ソードカラミティが呟きながら左手のシュベルトゲベールでストライクダガーを切り裂く。

 

「確かに、これじゃただの弱いものいじめだよなぁ」

 

ソードカラミティの言葉に同意しながらYF-19はガンポッドのマガジンを交換し、ビームを撃ってくるジェットダガーL、ジェットウィンダムにガンポッドを撃ち、撃墜する。

 

「難しいだろうな。彼らには彼らの任務がある」

 

ソードカラミティとYF-19に対してアーバレストは否定しながらボクサーでドッペルホルンダガーLに走っていき、床を蹴ってジャンプするとドッペルホルンダガーLの頭上からボクサーを撃つ。

ボクサーの弾はドッペルホルンダガーLの頭から胴体を貫き、爆発、アーバレストは空中で一回転して床に着地し、ストライクダガーが2機、ビームライフルをアーバレストに向ける。

ビームを撃とうとした瞬間、左から飛んできた銃弾がビームライフル、またはストライクダガーの脚を打ち抜く。

 

「仕事熱心だよなぁ。敵さんも」

 

ストライクダガーを狙撃したウルズ6が76mm狙撃銃を構えながらアーバレストの回答に返事を返す。

 

「狙撃手め!黙らせてやる!・・・があああああっ!」

 

ランチャーダガーがウルズ6を撃とうとアグニを構えると左からドラゴンハングが飛んできてランチャーダガーの左腕とアグニを握り潰し、ランチャーダガーは悲鳴を上げる。

 

「はあっ!」

 

悲鳴を上げるランチャーダガーにシェンロンが接近し、ビームグレイブをランチャーダガーの胸に突き刺して止めを差す。

 

「ヤロー!」

 

「ぶっ殺せ!」

 

「弱い奴がウロウロするな!」

 

ランチャーダガーを倒すと今度はソードダガーLが2機、シュベルトゲベールを構えてシェンロンに向っていくとランチャーダガーからビームグレイブを引き抜き、シェンロンもまた向って来る2機のソードダガーLに向っていく。

 

「下がれ!下がれよ!・・・!」

 

リゼル リディ機がメガ・ビームランチャーを撃ちながら敵に叫ぶと左右からエールウィンダム、エールダガーが接近してくる。

 

ダダダダダダッ

 

銃撃音が響き渡るとエールダガーが左側から銃撃を受け爆発する。

 

「何!?」

 

「うおおおおおおッ!」

 

エールウィンダムが動きを止め、右を見ると不知火・弐型が叫びながら急速接近し左手に持った長刀を振るう。

 

「う、うわあああああッ!」

 

長刀で斬られたエールウィンダムは上半身と下半身が別れ、悲鳴をあげて爆散した。

 

「少しは落ち着けよロメオ8」

 

「くっ。分かってる!」

 

不知火・弐型がリゼルに注意をするがリゼルは多少イラつきながら返事を返す。

 

「くそ!なんで1機も墜とせないんだよ!」

 

「とにかく撃ちまくれ!・・・ぐあああっ!」

 

ストライクダガーが撃墜出来ないことに焦り、ドッペルホルンウィンダムが連装砲を撃とうすると砲弾が着弾した。

 

「焦る気持ちは分からなくはない。だからこそ冷静さを保たなければ撃たれやすくなる」

 

ドッペルホルンウィンダムを砲撃したロト ダグザ機が両肩のロングキャノンを別の機体に狙いを定めるとロトの左横からソードダガーLが左肩のビームブーメラン「マイダスメッサー」を投げてきた。

 

ダダダダダダ

 

ロトに向って飛んでいたマイダスメッサーが左からの銃撃で弾が命中して弾かれる。

ロトが銃撃された方を向くとスコープドッグが銃口から僅かに煙が出ているヘビィマシンガンを構えていた。

 

グシャッ

 

激しい音が響き、音がした方を見るとボソンジャンプでソードダガーLの後ろに移動したアルストロメリアが右手のクローを背中から突き刺し、ソードダガーLの身体を貫いていた。

 

「が・・・あ・・・は・・・」

 

貫かれた状態でソードダガーLは少しだけ動いたがすぐに力尽きた。

 

「すまないスコープドッグ、アルストロメリア。助かった」

 

「礼は必要ない。仲間を守るのは当然のことだ」

 

「・・・」

 

礼を言うロトにアルストロメリアはソードダガーLから腕を引き抜き、返事を返すがスコープドッグは黙ったままでいる。

 

「さて、任務に戻るぞ。我々は我々の役割を果たさなければ」

 

「ああ」

 

「了解」

 

そういってロトがロングキャノンを構えるとアルストロメリアは再びボソンジャンプし、スコープドッグはローラーで別の場所に移動する。

 

「ベガスラッシュ!」

 

ロト達がダガー達を撃破している一方で最初は押されていたが態勢を立て直した僅かに残っているスーパー戦隊、ライダー達もダガー達を順調に倒していく。

今もデカマスターのベガスラッシュでソードダガー、ストライクダガー、ソードダガーL、ドッペルホルンダガー4機を一刀両断にした。

 

「烈火大斬刀!百花繚乱!はあッ!」

 

シンケンレッドRがシンケンマルを抜き、鍔の部分のディスクを回転させ、入り口の時のシンケンレッドMと同じ烈火大斬刀にし、こちらも同じ必殺技である百花繚乱でソードダガーのシュベルトゲベールを叩き折り、そのままソードダガーごと斬り、破壊する。

 

『ENGINE! MAXIMUM DRIVE!』

 

「はああっ!」

 

「ぐッ!があっ!」

 

エンジンブレードにエンジンメモリを入れ、マキシマムドライブ「ダイナミックエース」を発動させ、デュエルダガーをA字に斬り、背を向ける。

 

「絶望がお前のゴールだ」

 

その台詞の後、デュエルダガーは爆散した。

 

「クレイモア!」

 

「4000マグナム!」

 

「エレキガン!」

 

『うわあああっ!』

 

「今だ!」

 

『はああああああっ』

 

アルトアイゼンのクレイモアとビッグボルフォッグの右腕となっているガンドーベルの排気筒を転用した中、近距離武器「4000マグナム」、雷龍のエレキガン、ブルーレーサーのマフラーガン、ピンクレーサーのバンパーボウ、マンモスレンジャーのモスブレイカーをダガー達に放つ。

放たれたクレイモア、4000マグナム、エレキガン、マフラーガン、バンパーボウ、モスブレイカーがダガー達に命中、又はシールドで防がれ、ダガー達の動きを止める。

アルトアイゼンの合図でレッドレーサー、ティラノレンジャー、タイガーレンジャー、ドラゴンレンジャー、エターナルが個々の武器でダガー達に向って行き、近接戦を仕掛ける。

 

「MSは無理でも、あの連中だけでも倒せ!」

 

上を飛んでいるダガー達がスーパー戦隊、ライダーにビームライフルを構えると1機のジェットダガーに地上から飛んできたロケット弾が命中する。

 

「うわああああっ!」

 

「ファッツ!」

 

ジェットダガーLが破壊されると他のダガー達はロケット弾が飛んできた方をすぐに見る。

そこにはキャットゥスをダガー達に向けたブルーフレームがいる。

 

「友軍をやらせはしない」

 

「地上からで何が出来る!」

 

ジェットダガーがビームを撃つと他のダガーやウィンダムも攻撃を開始、一方のブルーフレームはビームが撃たれると同時に即座に反応、スラスターを使って右に回避し、続けて放たれるビームやミサイルも回避する。

ブルーフレームは地上に対して、ダガー達は全機空を飛んでいる。

それに加えダガー達は7機と数でも勝っている。

戦局はダガー達の有利、そのことを理解しているダガー達は僅かながら余裕を持っている。

 

「・・・」

 

戦局がダガー達に有利であり、空から攻撃される中、ブルーフレームは慌てることなく、冷静に敵の攻撃を回避し、左腕をダガー達に向けるとシールドの裏からダガー達に向けてミサイルを発射する。

 

「そんなミサイル1発ごときで!」

 

ジェットダガーが迎撃のためにイーゲルシュテルンⅡをミサイルに撃ち、命中するとミサイルが爆発、爆煙が目の前に広がり、ブルーフレームの姿が見えなくなる。

今ブルーフレームが撃ったミサイルはシールド裏に装着された独自の目眩まし(ジャマー)兵器「撹乱用チャフ弾」だ。

 

「な、何んだ?!」

 

「目眩まし(ジャマー)か!!」

 

「小癪なマネを!・・・?!」

 

爆煙でブルーフレームを見失った直後、爆煙の中からさっきとは別のミサイルが多数飛び出し迫ってくる。

 

「ぐおっ!」

 

「うわっ!」

 

突然のミサイルに反応が遅れジェットダガーL、ジェットウィンダム2機、エールウィンダムが次々と被弾する。

 

「くそ!「ピー、ピー、ピー」!!」

 

部下の方を見ているとアラートが鳴り、前を見る。

前を見ると爆煙の中からスラスターを使って跳んだブルーフレームが目の前に現れ、ジェットダガーの胸にキャットゥスの砲口を向ける。

 

「馬鹿な---」

 

ジェットダガーが最後まで言い終える前にブルーフレームはほぼ零距離からキャットゥスを発射、ジェットダガーに命中しロケット弾が爆発、ジェットダガーの胸部分は凹み、胸周りは黒く焼けている。

 

「ぐ・・・あ・・・が・・・がああああっ」

 

ほぼ零距離攻撃を受けたジェットダガーは床に落下、凹んだ胸を押さえ、もがき苦しんでいる。

 

「中尉!」

 

「くっそぉっ!ぐおっ!」

 

ジェットダガーLが反撃しようとするがそれよも早くブルーフレームが両足外側に装備されたザフトの3連装のミサイルポッド「M68 バルデュス3連装短距離誘導弾発射筒」を全弾発射、放たれたミサイルがジェットダガーLのビームカービン、エールウィンダムの右腕、ジェットウィンダムの右脚、エールダガーLの左肩の装甲を破壊する。

バルデュスを撃ったブルーフレームはスラスターを切って降下し床に着地、弾が無くなった右手のキャットゥスを投げ捨て、両足のバルデュスをパージ、背中の右側にある予備のキャットゥスを取ると左側の「8連装短距離誘導弾発射筒」もミサイルが無くなったのでウェポンラックをパージしバックパックを元の位置に戻す。

 

「つ、強い!」

 

「こんな「ピピッ」!?」

 

「艦から入電?・・・な!?」

 

ドミニオンから入電が入るとダガー達が次々と驚きの声を上げる。

 

「『本艦は敵の攻撃を受け損傷、現宙域を離脱。これに伴い作戦は中止、全軍は直ちに撤退せよ』だと?!」

 

「母艦が攻撃を受けた!?」

 

「いつの間に!」

 

知らぬ間にドミニオンが攻撃を受け、撤退命令が入り、ダガー達が混乱し始める。

 

「ふざけるな!仲間を殺されて、オメオメ帰れるかよ!」

 

「お、おい!」

 

多くの友軍を失い、撤退命令に納得がいかないジェットダガーLに別のジェットダガーLが止めようとするが、無視をしたジェットダガーLはビームサーベルを抜きブルーフレームに向っていく。

 

「せめてこいつだけでも!」

 

スラスターを全開にし、勢いが乗ったジェットダガーLがビームサーベルを振るう。

しかし、重武装だったフル・ウェポンをパージし元々装甲が少なく機動性が高いブルーフレームはスラスターを噴射して素早く右に移動しニームサーベルを避けるとガラ空きの右横からキャットゥスを発射、ジェットダガーLのジェットストライカーを破壊した。

 

「!!ぐあっ!」

 

爆発で吹き飛んだダガーLはそのまま床に叩きつけられ、うつ伏せになる。

 

「つつ・・・「ブオンッ」・・・!!」

 

ダガーLが顔を上げると自分の目の前に移動し、ビームサーベルを向けているブルーフレームが立っていた。

 

「命を粗末にするMS乗りは二流だ。殺す価値もない。退け」

 

「あ・・・ああ・・・・・」

 

自分とは明らかに差があるブルーフレームにダガーLからは怯えた声が漏れている。

 

「全機、作戦中止!撤退する!」

 

ダガーLが怯えていると1機のデュエルダガーを大声で叫び、戦闘をしていたブルーフレーム達と他のダガー達全機が目線を叫んだデュエルダガーに向ける。

 

「動ける者は損傷の激しい機体を助けてやれ!」

 

「あ、ぐっ!」

 

そういってデュエルダガーは自分の近くにいたまだ息があるストライクダガーを担ぎ、遠隔操作しているベースジャバーを自分の近くに降ろし、担いだストライクダガーをベースジャバーに寝かせる。

 

「何してる!さっさと撤退だ!まだ戦って死にたいのか!」

 

『!!りょ、了解!!』

 

全く動こうとしなかったダガー達に怒鳴ると他のダガー達はすぐに動く。

デュエルダガーと同じように遠隔操作でベースジャバーを降ろし、まだ息がある者を可能な限りベースジャバーに寝かせ、またエールダガー等の自立飛行が出来る機体は損傷した機体に肩を貸して飛び上がり、ダガー達は撤退していく。

 

「ようやく撤退してくれたか」

 

「そのようだな」

 

「あ~あ、つっかれたぜぇ」

 

「敵の戦力はかなり落ちたはずだ。戦力補充でには時間が掛かるはずだ」

 

「これでしばらくは敵さんも大人しくなってくれればいいんだけどなぁ」

 

「・・・」

 

「しかし、敵があれだけとは限らない」

 

「他にもMSやASもいるだろうし、怪人どももくるだろうな」

 

「どんな連中がこようが俺は戦うまでだ」

 

「護衛対象は?」

 

「大丈夫だ」

 

「皆さんが頑張ったおかげであちらは無傷ですよ」

 

「俺達は多少ボロボロだけどな」

 

「しかしまだあのガンダム達が残っています。油断は出来ません」

 

「そうだな。量産部隊から護衛対象の防衛は成功、引き続き警戒は続ける。・・・ミッション・コンプリートだ」

 

撤退していくダガー達を何もせずに見てながらソードカラミティ、ロト、YF-19、アーバレスト、ウルズ6、アルストロメリア、不知火・弐型、シェンロン、アルトアイゼン、スターガオイガー、風龍、雷龍は少し力が抜けたように話すがビッグボルフォッグとブルーフレームの言葉で再び警戒心が戻るとブルーフレーム達は再び任務に付く。

 

庭園空中

 

「こんのぉぉぉっ!」

 

「うわあああっ!」

 

直上から向かってくるランチャースカイグラスパーのアグニがジェットウィンダムの胸部を貫き、爆散する。

 

「ウィーガル!「ピー、ピー、ピー」!?」

 

ランチャースカイグラスパーに撃墜されたジェットウィンダムに気を取られているとアラートが鳴り、左斜め下を見るとエールストライクが接近しビームを撃つ。

 

「ぐわあっ!」

 

「旧式の分際でぇ!」

 

エールストライクの後ろをベースジャバーからランチャーダガーLがアグニを放つ。

しかし、エールストライクへと放たれたプラズマビームはサバーニャのGNホルスタービットに防がれる。

 

「くそ!また邪魔を!」

 

「何だよあの盾は!・・・があああっ!」

 

この戦闘中何度もGNホルスタービットによって攻撃を防がれていることにランチャーダガーLとその近くを飛んでいたジェットダガーLがイラついているとジェットダガーLが胸部をGNビームで撃ち抜かれ爆散する。

 

「流石にこの数は鬱陶しいな。ストライク、スカイグラスパー、一気に決めるがいいかい?」

 

「ああ。いいとこ持ってけ!」

 

「頼みます!」

 

「了解だ!」

 

エールストライクとランチャースカイグラスパーに許可を得るとサバーニャとGNホルスタービットが上昇する。

 

『『ライフルビット展開!ライフルビット展開!』』

 

サバーニャとGNホルスタービットが上昇するとサバーニャ内の2機のハロがGNホルスタービットに1基ずつ格納されている別のオールレンジ兵器「GNライフルビットⅡ」が展開された。

 

「ストライクとスカイグラスパーの退避確認。いくぜハロ!」

 

『『了解!了解!』』

 

目標の高さに到達し、エールストライクとランチャースカイグラスパーの退避を確認すると額のガンカメラ、更に両肩と両脚に装甲が展開し同性能のガンカメラが露出される。

 

「乱れ撃つぜぇぇぇっ!」

 

サバーニャが叫びながら下にいるダガー達に両手のGNライフルビットⅡを連射、そして展開されていたGNライフルビットⅡが一斉にGNビームを撃つ。

 

「ぐっ!ごあっ!だあああっ!」

 

「回避!回避しろ!うわあああっ!」

 

「駄目だ!避けきれない!ああああああっ!!」

 

真上から降り注ぐビームの雨がダガー、ウィンダムの腕、顔、足、胴体、武器、ストライカーパック、ベースジャバーを次々と撃ち抜き、ダガー、ウィンダムが爆散、残骸が落下していく。

 

「敵機の掃討完了だ」

 

「すげぇなこりゃ」

 

「・・・」

 

上からサバーニャが下りてきてサバ-ニャの性能に感心しているランチャースカイグラスパー、落下して九ダガー達の残骸を見つめているエールストライクと合流する。

 

『『敵機接近!敵機接近!』』

 

「「「!!」」」

 

ハロの警告を聞いたサバーニャ達が後ろを振り返るとダガー達が向ってきている。

 

「まだいたいのかよ!」

 

「待ってください!」

 

「ん?」

 

「あのダガー達、どうやら増援じゃないようです」

 

サバーニャがGNライフルビットⅡを構えるとエールストライクが止める。

エールストライクに言われ、ダガー達をよく見ると全機が損傷している。

今サバーニャ達に近づいているダガー達はブルーフレーム達と戦い撤退してきたダガー達だ。

 

「撤退しているのか?「ピピッ」おっと」

 

「ブルーフレームからか」

 

「『外の母艦の迎撃に成功、こちらの敵が撤退を開始。そちらに向けっているが攻撃をするな』。やっぱり」

 

「はあ。なら心配いらないな」

 

ランチャースカイグラスパー、サバーニャ、エールストライクがブルーフレームからメッセージを受け取り増援でないことが解りサバーニャが安堵の声を出す。

 

「でもフェニックスの方が心配です。サバーニャさん、スカイグラスパーさん、戻りましょう」

 

「ああ」

 

「オーライ」

 

フェニックスが心配になったエールストライク達はフェニックスの所に向う。

 

 

PガンダムSide

 

「はああ!」

 

「ちっ!」

 

右脇腹を損傷しながらもオーガンダムはビームガンを撃ち、回避してオーガンダムをビームライフルを撃ち返すが避けられる。

 

「こんのぉっ!」

 

「流石にしつこいな」

 

「だが時間の問題だ。武装も大半は破壊したし、もうそろそろ・・・」

 

合流したPデュナメスとPヴァーチェが未だに戦闘継続が可能なレイダーを相手しているとオーガンダム達の動きが止まった。

 

「ん?ドミニオンから?」

 

「ドミニオンが被弾?!」

 

「全軍に撤退命令!?」

 

「ドミニオンをも凌いだか、野田健悟。リヴァイヴ、ヒリング、皆撤退するよ」

 

「「了解」」

 

「タイムアップかよ!」

 

「みたいだね。くっ!」

 

「終わり?」

 

「ちっ!覚えてろ仮面ライダー!!」

 

「ミハエル、ネーナ、撤退命令だ。撤退するぞ!」

 

「はい!」

 

「ちっくしょう!」

 

ドミニオンからの撤退命令を読んだオーガンダムが放れてPエクシア、Pゼータと戦っていたアルケーガンダム、スローネ達を呼び、アルケー達がオーガンダムに集まる。

 

 

PエクシアSide

オーガンダム達が集結したので俺達、更に増援として召喚した外のダブルオー達以外のMS、AS、ブレードライガー、アルトアイゼン、ライダー、スーパー戦隊、勇者ロボ、不知火・弐型、YF-19、アルストロメリア。スコープドッグも集結しトランザムが解除され、オーガンダム達を包囲しそれぞれに武器を構える。

 

「逃げる気か?」

 

「随分と潔いいな」

 

「もうプレシアさんたちに手を出すなよ?」

 

「いいだろう。今回は引かせてもらうよ。そういうことでプレシア・テスタロッサ。今回のことは無かったことにさせてもらいますよ?」

 

「そ、そんな!!」

 

俺とPゼータ、Pヴァーチェがオーガンダムに今後プレシアに手を出さないように言うと以外とあっさりと退き、プレシアにも今回の誘いを白紙にした。

普通なら喜ぶところだが何かが気になる。

あのリボンズがこんなに素直に諦めるはずがない。

 

「ご安心を。その代わりに貴女に贈り物があります」

 

「贈り物?」

 

「!!マスター!オーガンダムの後ろから高エネルギー反応を確認!!」

 

「何!?」

 

オーガンダムの言葉に気になっているとアポロンが高エネルギー反応を探知し、すぐにオーガンダムの後ろを確認する。

 

「GNハイメガランチャー!!」

 

オーガンダムの後ろではGNランチャーを超射程モードにしたアインがツヴァイとドライから粒子供給ケーブルを接続し高濃度GN粒子を送ってもらい強力な砲撃を放つ「GNハイメガランチャー」を構えていた。

 

「僕達が貴女を殺し、あちらで娘と一緒にさせてあげますよ」

 

「総員退避しろ!!デュナメス、狙撃しろ!」

 

「分かってる!!」

 

フェイト達に退避するように言い、Pデュナメスに狙撃するよう指示するとすでにGNスナイパーライフルを構える。

 

「スローネアイン、GNハイメガランチャー・・・」

 

「デュナメス、目標を狙い・・・」

 

「「撃つ!!」」

 

ほぼ同時に言い放つと最初に放たれたのはPデュナメスのGNスナイパーライフル、その2秒後にアインからGNハイメガランチャーが放たれた。

 

「ぐっ!」

 

GNハイメガランチャーは破壊したがGNビームが迫ってくる。

 

「遅かったね。結局君は何も守れないのさ。はははははははっ」

 

オーガンダムはあざ笑いながらスローネ達と共に庭園を離脱していく。

 

「ヴァーチェ!!」

 

「ああ!GNフィールド!最大出力!!」

 

皆を守ろうとPヴァーチェがGNフィールドを発動させ最大出力で展開、Pデュナメスの狙撃で本体を破壊したので多少は威力が落ち、なんとかGNハイメガランチャーを防いだ。

 

「!!」

 

・・・しかしこれまでの激しい戦闘によって庭園は限界に達し、床に亀裂が走り崩壊し始めた。

そしてフェイト達と少し離れていたプレシアとアリシアが入ったカプセルの床が崩壊、虚数空間にプレシアとアリシアが落ちていく。

 

「母さん!!」

 

「プレシアさん!」

 

それを見た俺は叫び、フェイトは手を伸ばす。

 

「これでいいわ。どうせアリシアが蘇らないならもうこれでいいわ・・・」

 

「!!」

 

「一緒に行きましょう、アリシア。今度はもう、離れないように・・・」

 

「・・・・・そうやってまた逃げるんか?」

 

落ちていくプレシアに俺はボソっと呟く。

 

「散々人に迷惑かけといて、傷つけて、罪も償わずにそうやってあんたはまた現実から逃げるんか!!」

 

呟いた次の瞬間俺はプレシアに叫びながらカードケースから2枚のカードを取り出す。

 

「逃げんなや!!」

 

『MOBILE RIDE!』

 

「逃げずに・・・生きて・・・・戦えや!!」

 

『GUNDAM KYRIOS!ARIOS GUNDAM!』

 

取り出した2枚のカードをドライバーに入れ、トリガーを引くと俺の前に2体のオレンジと白のMS、「機動戦士ガンダム00 1st SEASON」に登場するソレスタルビーイングの第三世代ガンダム「GN-003 ガンダムキュリオス」と「機動戦士ガンダム00 2nd SEASON」に登場し、ガンダムキュリオスの後継機

であるソレスタルビーイングの第四世代ガンダム(正確には3.5世代)「GN-007 アリオスガンダム」が現れた。

 

「キュリオス、アリオス!ミッションは人命救助!絶対に助けろ!」

 

「「了解!」」

 

「キュリオス!アリオス!トランザム発動!!」

 

「「トランザム!!」」

 

キュリオスとアリオスがトランザムを起動させる。

 

「キュリオス・・・」

 

「アリオス・・・」

 

「「目標に飛翔する!」」

 

トランザム状態になったキュリオスとアリオスは巡航形態に変形しプレシアとアリシアを追いかける。

元々高機動型であるキュリオスとアリオスはトランザムによって機動性が更に上がりあっという間にプレシアとアリシアに追いつき一旦2人を追い越しMS形態に変形し2人を回収する。

 

「は、放しなさい!!」

 

「すいませんけど、僕達は彼の命令に従わなければならないので」

 

プレシアは抵抗するがガンダムであるアリオスの力には敵わない。

俺達の所に戻ると丁度キュリオスとアリオスのトランザムが解除された。

 

「救出ミッション、コンプリート」

 

「キュリオス、アリオス、ありがとう」

 

「こういうのはいつでも歓迎だよ」

 

そう言ってアリオスはまだ崩壊していない床にプレシアを降ろしプレシアは床に座り込む。

 

「「「「「アポロン」」」」」

 

「エクシア、解除」

 

「デュナメス、解除」

 

「ヴァーチェ、解除」

 

「ガンダム、解除」

 

「Zガンダム、解除」

 

プレシアが降ろされたことを確認し5人の俺はガンダムを解除しフェニックスに戻り、イリュージョンを解除し元1人に戻る。

1人に戻った俺はプレシアにゆっくり近づき、座り込んだプレシアの前で止まった。

 

「どうして・・・・・どうして邪魔をするの!?」

 

「・・・・・」

 

プレシアは険しい表情で俺を睨み、叫び、俺はそれを黙って聞いていた。

 

「アルハザードに行けず・・・アリシアを生き返らせられない。なのに・・・どうして邪魔を「黙れや・・・」・・・っ!」

 

俺はプレシアの頭にフェニックスドライバーの銃口を向けた。

 

「け、健悟!?」

 

「何をしようとしてるんだ!?」

 

フェニックスドライバーをプレシアに向けるとフェイトとクロノが驚く。

 

「そんなにアリシアと一緒にいたいなら一緒にさせたる。・・・・・あの世でな」

 

「健悟止めて!!」

 

「銃を下ろせ!!」

 

俺を止めようとフェイト達が近づいてくる。

 

「ブルーフレーム。・・・アクセル」

 

『ENGINE!STEAM!』

 

「了解した」

 

俺の指示でアクセルがエンジンブレードにエンジンメモリを入れ、スチームを発動させ、ブルーフレームが頭部の「75mm対空自動バルカン砲塔システム『イーゲルシュテルン』」をクロノ達の足元に放つ。

 

「あっ!」

 

「ぐっ!」

 

スチームとイーゲリュシュテルンが放たれクロノとフェイトは歩みを止める。

 

「君達!邪魔をするな!」

 

「俺に質問するな」

 

「悪いがお前達の邪魔をさせてもらう」

 

クロノに対しアクセルはエンジンブレードを構え、ブルーフレームはキャットゥスを構える。

 

「これで邪魔は入らない。アポロン」

 

「ラージャ」

 

俺は再びプレシアに視線を戻しアポロンに指示を出しフェニックスドライバーを構える。

 

「さぁ、お前の罪を数えろ!!」

 

「っ!・・・」

 

プレシアは目を瞑り、俺はトリガーを引いた。

 

バァァァァァン

 

「母さん!!」

 

崩れる庭園に銃声とフェイトの叫び声が響き渡る。

 

「・・・・・?」

 

しかしプレシアは倒れるどころか血すら流さず、ゆっくりと目を開ける。

 

「わ、私・・・何故?」

 

「今のは空砲や」

 

撃たれたはずなのに死んでいないことに驚いているプレシアに俺は空砲を撃ったことを伝える。

 

「あんたを殺したらフェイトが悲しむからな。ちょっと失礼するで?」

 

「なにを・・・ぐっ!」

 

プレシアに一言言って俺はプレシアが訊き終わる前に手刀でプレシアの首の後ろを叩き、プレシアを気絶させる。

 

「全く。アポロン、キュリオスとアリオス以外を全員戻せ。クロノ、フェイト、アルフ、高町、撤退するぞ!キュリオス、そのカプセルを絶対に落とすなよ?」

 

「ラージャ」

 

「あ、あぁ」

 

「う、うん!」

 

「うん!」

 

「あいよ!」

 

「分かってるよ」

 

「アリオス!」

 

「了解!」

 

フェイト達はそれぞれ返事を返しアポロンによってキュリオスとアリオス以外のライダー、ガンダム、スーパー戦隊は消え、プレシアを抱きかかえた俺は巡航形態に変形したアリオスに乗り、俺達は崩れる庭園から脱出した。

 

 

 

 

後書き

 

ARXー7アーバレスト「三十話投稿!!イエイ!」

 

健悟「テンション高いなぁ」

 

アポロン「ついに頭のネジが外れましたか?」

 

ARXー7アーバレスト「随分と酷い言い方してくれるけど違うから。今大学のレポート書いてて上手く纏められずテンション下がり気味だからここで無理やりテンション上げてるんだよ」

 

健悟「そんなやつが今小説投稿してていいのかよ」

 

アポロン「まあ昨年の1月後半でテスト一瞬間前にマジ恋Sを買って百代アフターSをプレイしてた作者ですからね」

 

健悟「そんな作者によって俺達は・・・」

 

アポロン「ええ・・・」

 

健悟・アポロン「はぁ・・・」

 

ARXー7アーバレスト「なんだよなんだよ!いいじゃん別に!息抜きは必要なんだよぉ!」

 

健悟「ああ分かった分かった。そろそろ話題を変えよう。えっと、ついに今回で庭園戦が終了だな」

 

アポロン「長かったですね」

 

ARXー7アーバレスト「そだね」

 

健悟「ところでドミニオンを攻撃したダブルオーとクロスボーンガンダム達って」

 

ARXー7アーバレスト「うん。ダブルオーはTINAMI、クロスボーンはPIXIVからリクエストを頂き、クロスボーンはどの機体がいいのか分からなかったからとりあえずX1からX3を登場させた」

 

健悟「デュナメスリペアは?」

 

ARXー7アーバレスト「俺の気分!頑張ったぜ!」

 

健悟「出たよ。作者の気分登場」

 

アポロン「ではそろそろ次回予告をしましょう」

 

健悟「そうだな」

 

ARXー7アーバレスト「それじゃあ今回はこれだ!」

 

アポロン「BGMスタート」

 

BGM 「仮面ライダーAGITO」

 

健悟「仮面ライダーアギトのOPか」

 

ARXー7アーバレスト「その通り!ではよろしく!」

 

健悟「次回、少年が望んだ世界と力は」

 

「野田健悟、先程まで仮面ライダーフェニックスだった者です」

 

「私にとってアリシアは全てだったのよ!」

 

「一つだけあります。貴女の病とアリシアを蘇らせる方法が」

 

(ごめんなさい・・・フェイト)

 

「・・・ママ?」

 

「トランザム!!」

 

『第三十一話 アリシア復活』

 

健悟「目覚めろ、その魂!」

 

ARXー7アーバレスト「はいOK!」

 

アポロン「ご苦労様です」

 

健悟「完全に今回の予告と次回のタイトル、アギトと掛けただろ」

 

ARXー7アーバレスト「ピンポーン!大正解!!」

 

健悟「はぁ」

 

ARXー7アーバレスト「さてさて、リクエストを送ってくださる皆さんありがとうございます!リクエストを送ってくださったのにまだ登場させれてない方はごめんなさい。出来る限り早く登場させられるように頑張りますのでお待ちください!」

 

健悟「なあ。今回はMSとかの紹介文どうするんだ?」

 

ARXー7アーバレスト「ああ、なんか最近ふと『あの紹介文って本当にいるのかな』って疑問に思ってきたかたしばらく保留にしとくわ」

 

健悟・アポロン「「おいおい。今更かよ(ですか)」」

 

ARXー7アーバレスト 「次回もお楽しみに!!」

 

 


 
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