No.570998

とある傭兵と戦闘機のお話~(SW編第四話)主人公の天敵と駆除(駆逐

翼を捨て、人として生まれ変わった自分の機体はまだ幼かった
そんな機体に、以前聞けなかった質問をしてその答えを出した主人公は
機体と生きる事を決める
そして、そんな矢先に主人公にとってかなり危険な状況が訪れようとは

2013-04-29 01:24:14 投稿 / 全2ページ    総閲覧数:2930   閲覧ユーザー数:2738

 

  

 

 「う~ん・・・疲れた・・・」

 

体が重い・・・でもトイレに行きたい・・・でも重い・・・

 

何か私の上に乗っかっているかのような重量感が私の行動を妨げる

 

でも、流石に私もこの歳になってシーツに世界地図を描くような事態は何としても避けたい

 

思い切って、目を開けて起き上がる

 

 「ぅぁっ!?」

 

ドテっと、私が起きた瞬間に床に何か落ちた

 

 「何が乗ってたん・・・だ・・・」

 

床にペタっと座っていたのは、幼少時の私そっくりな子供だった

 

 「あぅ・・・お、おかあさん・・・?」

 

 「・・・・!?」

 

涙目の少女が放った言葉に一瞬私の頭の処理が凍った

 

 「えっと・・・あなたは誰?」

 

素朴な質問をその少女に投げかける

 

 「・・・わからないんですか・・・?」

 

その子供は堪えているけど今にも泣き出しそうになる

 

 「でも・・・私に子供はいないーーーー」

 

言いかけて、この子が纏っている服を見る

 

灰色を基調としたワンピースで、両袖と裾の半分が紺色に染められている

 

袖には何か見覚えのある赤白黒の国籍マークがあり、裾には赤い子犬のワッペンが付いていた

 

ん?何か引っかかる

 

ワッペンの赤い子犬、よく見ると千切れた鎖をくわえているように見える

 

まさか・・・まさか!?

 

 「・・・イーグル!?」

 

思い当たるのはそれしかなかった

 

 「はいっ!!お母さんっ」

 

抱きついてくる少女は、嬉しそうににっこりと笑う

 

・・・何が起こった?

 

少女は蒼い髪を腰まで伸ばした少女

 

どことなく私に似ているその顔立ち

 

私は無意識にその少女の頭を撫でた

 

さらさらと、手入れの行き届いた髪の毛が私の指の間を滑る

 

 「・・・ぅにゅ・・・」

 

くすぐったいような、気持ちよさそうににっこりと笑う私の機体

 

いや、機体と呼ぶのはもうやめたほうがいいのかな

 

 「それでイーグル、何でそんな姿になったの?」

 

不思議で不思議で仕方が無い、何よりも気になった疑問をたずねる

 

 「わたしにもよく分かりませんでした・・・あのとき何がおきたのか・・・わたしはこたえただけなんです」

 

 「答えた?何を?」

 

 「・・・”あの搭乗者と一緒に居たいか?”っていう声にです」

 

 「・・・その声は誰のもの?」

 

 「わかりません・・・でも、わたしはこたえました。それでも、あのひとといっしょに居たい・・・って」

 

 「私と?」

 

 「はい。それともうひとつきかれました」

 

 「・・・?」

 

 「”その翼を失う事になっても?”って・・・わたしのはねはもう挫けそうでした。それならって」

 

 「私なんかと一緒に居たい?イーグルが翼を失う原因を作った私と・・・」

 

私は、そんな自分の機体に尋ねた

 

元々イーグルの性能限界を超えて操縦し続けた私は、ある意味イーグルを殺そうとしていたようなものだった

 

自分が生きる為に・・・それなのに

 

 「イーグルは・・・こんな私を赦してくれるの?」

 

単純に、ただ純粋に思った

 

 「それでもです。おかあさんとと飛んだ空は、私に心と呼ばれるもの教えてくれました・・・

 

  あの戦争では出撃を重ねるごとに格納庫の空白は広くなっていきました・・・それでも、おかあさんはずっと私の事を心配してくれました

 

  戦闘で被弾して、私の翼が傷ついた時におかあさんはいつもごめんねって謝ってくれました」

 

イーグルは強く、訴えるように続ける

 

 「私は、おかあさんのおかげでここまで飛び続けることができたのです」

 

イーグルは私に抱きついて、そのまま続ける

 

 「羽はもうないけど・・・空にはもう戻れないけど、一緒に居させてください・・・」

 

お願いするように、イーグルは言った

 

 「こんな私でよかったら・・・一緒にいてもいいよ、イーグル。それとありがとう、私をここまで連れて来てくれて」

 

今まで言うに言えず、心の中でずっと重なっていた想いを私は伝えた

 

・・・心が、少しだけ軽くなった気がした

 

 「・・・それと、なんで私がおかあさん?」

 

 「えっと、そのこえに言われたんですけど・・・私はあなたから生まれたものだって」

 

 「私から生まれた?」

 

 「はい、わたしのからだの真ん中はおかあさんのからだの一部をつかってうまれたらしいです・・・」

 

私の一部?・・・あ、もしかして

 

 「私の身長がちょっと縮んだのってそういう事だったんだ・・・」

 

向こうの世界・・・三十年後の世界に行った時から身長が縮んでいたのはこのせいだったんだ

 

でも・・・一体何が・・・誰がそんな事したんだろう?

 

それにしても若干16歳で母親になろうとはなぁ・・・

 

 

 

 

 

 「・・・今入るのはよくないわね」

 

 「全く、まるで本当の親子みたいだな」

 

部屋の外でこそこそ話す二人・・・ミーナと坂本はそう思いながら呟いた

 

 「しかし、あの魔法力の暴走は確実に司令部の人間に知れた・・・どうする?」

 

 「近いうちに視察・・・あるいは刺客なんてものが来るかもしれないわね」

 

今回のフィリアの魔法力最大解放(もちろん本人は覚えてない)は、ロマーニャの都市では怪奇現象として扱われている

 

そもそも、魔法力の暴走と呼ばれるものは酷くて部屋のものが壊れる程度

 

それ以外は本人がキツイ思いをする程度の物のはずだった

 

しかし、本人が気を失っても魔法力の放出が止まらないのは外的要因・・・ストライカーなどの

 

一種の魔法力解放装置を身に付けた状態で起こるようなものなのだ

 

それが、少し離れた都市から視認できるまでの大きさに膨れ上がるのは、フィリアが持つ潜在的な

 

膨大すぎる魔法力のせいなのだろうと二人は予想する

 

当然、この基地にいるメンバー全員が一度に暴走を起こしたとしてもそのような大事にはならないハズである

 

しかし、この時の501のメンバーは知らない

 

その力が、この規模でまだ氷山の一角にも満たないという事に

 

 

 

 

 「それじゃあ、皆の所に行こっか」

 

ようやく回復(まだイーグルに気が付いてから数十分程度しかかかってないが)

 

した私はイーグルの説明をしなければならない仲間の所へ行こうと考えていた

 

 「あ、あのっ・・・えっと・・・」

 

イーグルが何か言いたげに私の裾を引っ張る

 

 「私のなまえ・・・」

 

 「え・・・でもそれが愛称じゃーーー」

 

と、言いかけてピンと来た

 

イーグル、F-15と呼ばれる戦闘機は量産されて沢山存在する

 

皆一緒、私の相棒であるイーグルも同じ愛称で呼ぶ事になる

 

それに、私の相棒は人に生まれ変わった

 

名前を付けてあげるのが義務だし当然だよね

 

 「んー何がいいかな?私の名前あげるのもいいけど・・・」

 

それじゃあ何か足りない気がする

 

ちなみにイーグルはというと凄く目を輝かせて待っている・・・無言の圧力凄まじいんだけど

 

 「それじゃあ・・・フィアなんてどう?」

 

見た目、軽くて羽のような感じだから、あと私の子供ならそんな感じの似たような名前の方がいいかなって

 

一文字抜いただけだけど、いい名前だと思う

 

私がお母さんやお父さんからもらった名前だから

 

 「フィア・・・おかあさんありがとうっ!!」

 

また抱きついてくるイーグルは、本当に戦闘機だったのか凄く疑わしかった

 

そして、そんな小さな存在は私にとってかけがえのないものになった

 

 「さて、行こうかフィア」

 

 「はい、お母さん」

 

手を繋いで、廊下を進む

 

 

 

 

 

 

 

 「と、言う訳で私の娘です」

 

皆集まった所で、私は説明&弁解を兼ねて紹介する

 

 「「「「・・・・」」」」

 

まあ、そりゃ絶句するよね・・・私も同じ立場だったら頭パーンすると思う

 

 「まあそういうわけだから皆よろしくね。フィア、挨拶しなさい」

 

 「・・・フィア・・・フィア・フェイリールドです。よろしくお願いします・・・」

 

しどろもどろに挨拶したらフィアは私の後ろに引っ込んでしまった

 

う~ん・・・ちょっと人見知りなのかなこの子

 

 「はじめまして、私の名前は宮藤芳佳っていうの。よろしく~」

 

唯一、芳佳だけが何ともない顔でフィアに自己紹介をする

 

芳佳、こういう時に君の才能が羨ましく思えてくるよ・・・

 

 「わたしは、リネット・ビショップです。よろしくね?フィアちゃん」

 

続くリーネも、子供に接するように優しくフィアの手を取る

 

 「えぅ・・・」

 

イーグル、もとい戦闘機だったフィアはもじもじしながらコクっと頷く 

 

 「私の名は、ゲルトルード・バルクホル・・・どうした?」

 

 「・・・こわい」

 

と、フィアがササッと私の後ろに隠れる

 

ついでに、挨拶の時この大尉なんか目が据わってたんだけど何で?

 

 「・・・・(ガクッ」

 

うなだれるバルクホルンさん、そしてそっと肩に手を置くシャーリー

 

 「ドンマイ★」

 

にこやかに、恐らくは何かの皮肉をこめてシャーリーは言った

 

それとバルクホルン大尉には近づかないようにフィアに言っておかないと・・・何かアブナイ気がする

 

それから何だかんだで自己紹介を終えていき、そのまま中佐と少佐の話になった

 

 「さて、今日の通達です。先日来の施設班のがんばりにより、お風呂が完成しました

 

  本日正午より、利用可能になります」

 

と、501メンバーにとっての吉報がミーナ中佐の口から告げられる

 

もちろん、それに喜ばない訳がない501の風呂大好き年少組が声をあげて喜ぶ

 

 「おふろって・・・?」

 

 「んー・・・簡単に言えば水浴び、機体洗浄かな」

 

とりあえず、これからフィアに色々教えないと・・・変なおじさんについて行ったら駄目とか

 

 

 

  

 

 

 

 「・・・ぶえっくしょい!!」

 

 「あらあらフォルク司令、それは風邪ですか?馬鹿は風邪を引かないっていうのは眉唾ものですね」

 

 「いやいや、さりげなく愚痴るんじゃねーよ・・・つーかこりゃ誰か俺の噂してやがったな」

 

大方アイツだろうと思いながら施設の廊下を進む

 

 「という事は話を聞いていらっしゃいませんでしたね?」

 

 「ああ、すまん。もう一度報告頼む」

 

 「IS学園在学中の生徒が所有するF-15Cの回収なんですが・・・」

 

 「確認を取ろうにも本人が行方不明、機体を強制回収しようにも機体も無くなっていた」

 

 「何ですか、聞いてたんじゃない・・・無駄な敬語を使わせないで」

 

 「何言ってんだナターシャ、俺は一応お前の上官なんだぞ?」

 

 「敬語使うなって言ったのあなたでしょうがフォルク司令」

 

堅苦しいのは首絞められてる感じがして嫌だからな

 

ちなみに直属の部下達全員がこんな感じだ・・・軍のトップがこれでいいのかって自分でも思うぜ

 

 「彼女、いつからパイロットに?」

 

 「・・・詳しくは今諜報部の連中に調べさせてるが、本人は二年くらい前って言ってたな」

 

 「という事は14歳で?いくらなんでも若すぎない?」

 

 「俺に聞くな、俺だって深くは知らねーんだ。つうか廊下で堂々と話す内容じゃねーな」

 

ちなみに他の隊員達もいる中でコーヒーカップ片手に堂々とおしゃべり中だ

 

 「二年で、それもあの年齢であの一番悲惨な戦争の前線で戦った・・・」

 

 「そこで戦争で最も深い闇を見た・・・俺もその時一緒だったが、あいつは驚くほど冷静だった」

 

冷静を保ちながら、必死にその身に纏わり付くような不快感に抵抗していた

 

 「出撃5機、被撃墜2機と言うのは三十年前の戦争のとある作戦で連合側爆撃機が被った被害だ」

 

 「それがどうしたんですか?」

 

優秀すぎる副官が不思議な顔をするが、

 

 「一機は敵のSAMにやられて墜ちたんだが、もう一機は違った」

 

 「何か機体に整備不良でもあったとか?」

 

 「いや、その爆撃機の搭乗員が無線オープンにしたまま口にしたある言葉がサイファーの怒りを買った」

 

 「・・・何を言ったの?その搭乗員は」

 

 「”爆弾なんてものはな、一人でも多くの敵をブッ飛ばす為にあるモンなんだよ。それで敵の民間人が死のうが俺達には関係ねぇ”」

 

 「・・・それで?IFFがあるから攻撃できないはずでしょ?」

 

 「・・・サイファーの機体には試作段階のFACSが搭載されていた。これはIFFの操作を

  

  各個で変更できるようなシステムも搭載されていた。そのIFFを、アイツはその時だけ外したんだよ」

 

そうすれば、敵味方関係なく攻撃する事ができる

 

同時に自分も味方から攻撃を受ける可能性がある訳だが

 

 「ロックされて必死だったんだろうな、俺達に助けを求めてきたよ

 

  でもそのレーダー照射がまさか助けを請いた味方からのものだとは夢にも思わなかっただろうな」

 

 「止めなかったの?」

 

 「何で止める必要があるんだ?俺達の任務は爆撃機の”援護””敵施設攻撃”・・・護衛じゃない

 

  それに作戦完了後だ。後は無駄弾消費しようが何しようがアイツの自己責任だ」

 

もちろん、後で軍法会議にかけられたのは言うまでも無いが

 

イーグルアイが何も見てないを決め込んでくれたおかげでお咎めなしだった

 

 「結局は軽口叩いた糞野朗が自分のケツ掘って自滅したってだけだ。それでも戦争は続いたが」

 

 「・・・ホント、ドス黒い、醜い戦いね」

 

 「全くだ、しかし今は違う」

 

戦闘はISによる競技となり、従来の兵器は旧世代の遺産としてその余生を送っている

 

 「まあ今の世の中もどうしようもないぐらい腐っちまってるがな」

 

元々、篠ノ乃博士は宇宙開発用に開発したと言っていたが、結局は矛先を人に向ける兵器となった

 

ダイナマイトと同じだ。便利な物は武器、兵器となる

 

篠ノ乃博士だってそんな事を理解せずにこの世界最強の戦術機動兵器をロールアウトした訳ではない筈だ

 

それでもし、理解した上で行ったのなら狂気の沙汰だ

 

全く考えが読めない・・・何を企んでいる、篠ノ乃 束

 

ま、どっかで生きてるよなサイファー?。また戻ってこい、気長に待ってるからよ

 

 

 

 

 

 

 

それから少佐が年少組を甘い言葉で誘って(・・・意味違うかな)外周ランニングへと無理矢理出した

 

この人鍛える事以外頭にないから厄介なんだよね・・・まさに外道

 

 「全く・・・風呂ごときで何であんなにはしゃげるんだ」

 

 「ふふっ、それで英気を養えるならいいじゃない」

 

残った上官二人が何だかんだの会話をしていた

 

 「あ、あの人の事をおかあさんって呼ぶようにーーー」

 

 「フィリアさん、後で書類の手伝いをお願いしたいんだけど」

 

ワーニング・・・天敵のレーダー照射を受けている

 

 「まあ、手伝いくらいはします」

 

ぶっちゃけそうしようとしてたし、物を教えるにも中佐と居れば色々教えれそうだから

 

 「そうか、それなら私もーーー」

 

 「「少佐(美緒)の手を煩わす訳にはいきません(いかないわ)」」

 

とりあえずデスクワークに関しては少佐に関わらしてはいけないので即刻拒否

 

・・・書類が繊切りになっちゃう

 

 「それじゃあフィア、色々教えないといけないから一緒においで」

 

 「はいっ」

 

トタトタと駆け足でくるフィアは、なぜかとても愛らしくて少し口元がゆるむ

 

 (・・・私って親バカなのかな?)

 

こうして、私は書類整理を兼ねてフィアに色々教える事にした

 

 

 

 

 

 「♪~♪」

 

執務室の窓から外を見るフィアは何だか楽しそうだった

 

翼を失っても、何だかそんな事気にもしてないような感じで人としての生活に馴染んでいる

 

 「あ、補給物資とその他生活物資の搬入どうしますか?特にロマーニャの娯楽用品滅茶苦茶多いんですが」

 

 「そうなのよね、食料の方はたまる前に消費するからいいとして耐久品の物資は使う場所がないものも

 

  あるのよね・・・どうしようかしら」

 

前のルッキーニの事件から、この基地とロマーニャ公国公女様との繋がりがかなり強固なものとなった

 

・・・しかし向こうも辛いハズだ、この戦時下にここまでの物資を支援するのは

 

 「ロマーニャの横領政府部は現公女様の改新政策で一掃されて軍部も相当な改変をして

 

  それなのにその物資を持て余してしまっては申し訳がたたないし・・・」

 

ちなみに、以前視察という名目でロマーニャの公女様・・・もといルッキーニの友達が

 

この基地に訪問してきた事があった

 

その時、私に何か勲章を持って来てくれたのだが・・・

 

 

 

 

 「これを、ロマーニャを身を挺して守ってくださった貴女に授与します」

 

その手に勲章を持って、私の方に差し出す公女様だけど

 

 「これは・・・私には手に余る物です」

 

私は、これを受け取らなかった

 

 「勲章とは言わば ”国の恩人”に授けるものであって、私のような人間が受け取っていいものじゃないです」

 

敵という人を犠牲にして平和を作ってきた私に、それを受け取る権利はない

 

と、こんな感じの言い訳で勲章を拒否した

 

そうして基地を見て回った公女様が最後に私に言った言葉

 

 「あなたも、私と同じ使命を持っている・・・そんな気がします」

 

 「どういう意味ですか?」

 

意味が分からない素っ頓狂な質問に、私は素で聞き返した

 

 「私にもよくわからないですが・・・とにかく、あなたがたの幸運を祈ります」

 

 「そちらこそ、がんばってもっといい国にしてくださいね?」

 

 「もちろんです。それではまたいつか」

 

 

 

 

 

 「・・・国のトップって変な人ばっかり」

 

よくわからない言葉を突然使うあたりが特に

 

 「ま、この案件については後回しにしましょう、次はーーー」

 

私達は次の書類に手を伸ばす

 

それから数十分、いや数時間かけて書類を消化していった

 

 「ふあぁ・・・」

 

と、眠たそうに目蓋を擦るフィアはどうやら退屈してるらしい

 

 「フィア、こっちにおいで」

 

ちょいちょいと手招きをして、ひざの上に座らせる

 

フィアは体格が小さいのでそこまで重くない

 

見た感じ六歳?くらい子供だったりする

 

どっちかって言うと妹って言った方が信じてもらえそうなんだけどなぁ

 

 「(ちょうど私が父について行った頃かな・・・なんか、私にもこんな時ってあったのかな?)」

 

イマイチ記憶に残っていないから何とも言えなかった

 

 「よし、それじゃあーーー」

 

さて、お勉強の時間だよ~

 

 

 ~少女勉強中~

 

 

 「よし・・・こんなもんかな」

 

 「あぅぅ・・・言葉って難しいです・・・」

 

とりあえず、日本語の勉強をやってみたんだけど

 

 「いやいや、なかなかいい感じに覚えれてるよ。いい子いい子」

 

優しく頭を撫でてやる頭を

 

ぱぱっと覚えてくれるからもう一般会話レベルまで習得しちゃった・・・優秀優秀

 

ちなみにこの子の標準語は英語ね

 

 「えへへ~」

 

ほめられた事が嬉しかったのか、明るい笑顔になってこっちを向くフィア

 

それに不思議と、こっちも口元が綻んでしまっていた

 

 「さて、そろそろお昼ね」

 

 「そうですね、昼食どうしますか?」

 

大方、正午を過ぎて間もないから昼食担当メンバーは風呂堪能中だと推測する

 

 「ちゅうしょく?」

 

 「えっと、燃料補給って所かな?お腹すいてない?」

 

と、聞いた瞬間にぐぅっと腹の虫が鳴る音が聞こえた

 

 「ふふっ、それがお腹がすいたっていう合図だわ」

 

中佐も楽しそうにフィアの頭を撫でていた。うん、やっぱりお母さん

 

 「・・・何か変な事考えましたね?」

 

 「ハテ、ナンノコトデスカナ?」

 

そして考えを読まれて凄まじい威圧感に耐える私は悪くない・・・はず

 

 

 

 

 

と、言うわけで昼食中

 

ちなみにメニューはムニエル風に作った魚料理+トマト大量にあったからトマトスパゲティ

 

簡単だけど割とおいしい

 

 「おいしいわね、それにしても貴女料理できたの?」

 

 「まあ、それなりには」

 

人に出せるレベルかどうかはわからないけどそこそこにはうまいと思う

 

ちなみにフィアはと言うと

 

 「・・・もぐもぐ」

 

おいしそうにぱくぱく口に運んでいた

 

それにしてもよく食べるね、やっぱりイーグルが燃料大食らいだったからかな?

 

その分燃料積んでる訳だけど、やっぱり空戦状態A/B全開となると10分程度でビンゴになる

 

それを考えたら、こっちの零式艦上戦闘機の燃費性能が凄まじく良好になる事が分かる

 

もっとも、戦闘形態が変わった近代の空戦は数分で決着になる事が大半ではあるけど

 

近代の空戦って言わば 短期決戦 でもあるんだよね。どれだけ有利に、迅速に制空権を確保する事ができるか

 

 ”空中格闘戦闘能力”

 

ドッグファイトが前提となる故に、機体にはかなりの耐久性と機動性能が求められる

 

イーグルはそれが顕著に表された戦闘機で、ラリーのように ”片方の翼を完全に損失した状態でも帰還可能”という謎の事例もある

 

それが制空戦闘機に求められた性能であり、イーグルはその為に開発された世界最高性能の戦闘機の一つでもある

 

 「ふぅ・・・ごちそうさまでした」

 

お、言ったとおりにちゃんと食後のあいさつしてる

 

ちなみに・・・目の前の子供がその世界最強と云われていた制空戦闘機なんだけど

 

 「今考えても信じられないなぁ・・・まさか人になるなんて」

 

 「・・・?」

 

 「いや、何でもないよ・・・口元にソースついてるよ?」

 

ポケットからハンカチを取り出してフィアの口元を拭う

 

 「さて、風呂も解禁になった事ですし一緒にどうですか?」

 

 「私は遠慮しとくわ、まだ書類が残っているもの」

 

 「そうですか・・・私達は休憩がてら一度風呂に行きますね」

 

フィアを連れて執務室を出る

 

 「さて・・・ところでフィア、着替えどうしようか」

 

軍の基地に子供用の洋服なんて置いてないし、着替えってある意味一番重要でもあるから

 

 「私はこの服だけでいいです」

 

 「だめだよ・・・毎回同じ服着ちゃったら汚れるし」

 

 「でも、この服が・・・この絵が私の証なんです」

 

と、フィアが見るのはガルム隊のエンブレムが描かれたワッペン

 

絵が子犬になっているが紛れも無くガルムのエンブレムだ

 

それにしても、あの鋭いガルムの絵がここまで可愛らしくなると威厳もへったくれもないね

 

 「んーまあ、今度街に行って服買いに行こうか」

 

 「まち?ばくだん落としに行くの?」

 

純粋な笑顔でサラッと怖い事言うねこの子

 

 「フィアは女の子なんだからそんな物騒な事言っちゃダメだよ?」

 

少なくとも私が言える事じゃないけど

 

実際、街の中に陣取る敵AA部隊やSAM(対空火器)やMBT(主力戦車)を相手にした時はあるけど

 

大半の民間人は街を離れているから、無駄な犠牲を出す確立は比較的低かった

 

それでも、関係ない人の家がその攻撃で破壊されているのは否定できなかった

 

だから・・・実際にそんな目にあった私は無差別爆撃というものが世界で一番キライだ

 

特に、あの味方爆撃機の行動には目を背けたかった・・・でも

 

 「・・・おかあさん?」

 

 「ん?ああ、ごめんね。ちょっと考えごとしてた」

 

過去を気にしても仕方が無い事だけど

 

正直、自分の拭えない過去っていっぱいあるんだよね

 

それも背負っていかなきゃいけないのが、傭兵という道を選んだ私の人生だけど

 

 「さて、それじゃあ着替えを取ってこなくちゃーーー」

 

ブゥ~ンという、何か私の天敵が羽ばたく音が聞こえる

 

 「・・・どうしたの?」

 

フィアが不思議な顔をしているけど、正直その事に意識を向ける事ができなかった

 

天敵が・・・私が世界で二番目に嫌いなヤツが来る・・・!!

 

 「む、虫は・・・虫だけは無理ぃぃぃぃ!!」

 

ホルスターから武器庫から持ってきたM1911を抜いて正面から接近するそれに向ける

 

容赦無く、引き金を引いて45口径を虫に叩き込む

 

 ドンッ ドンッ ドンッ!!

 

反動が大きい事なんて知った事じゃない!!、とにかくこっちに来るなああああ!!

 

 ドンッ ドンッ ドンッ ドンッ カチッ、カチッ・・・・

 

続けざまに発砲して、ただでさえ少ない装弾数の弾倉の拳銃の為弾がすぐに尽きた

 

その弾丸にかすりもしてない虫はあろう事か私の服の中に入ってきたのだ

 

 「っーーーーーーーーーー・・・・」

 

一瞬で、私は意識を失った

 

そして何かのスイッチが入った

 

 

 

 

 

 「向こうで銃声が聞こえたぞ!!」

 

 「行きましょう!!」

 

 「あたしの虫だかんねー!!」

 

こちらは謎の変態虫討伐部隊

 

風呂場更衣室に出現した虫を探して基地を走り回っていると、割と近い場所から銃声が聞こえた

 

その場所に行くと、残弾無しでスライドストップした拳銃を握ったままへたり込んでいる人物が居た

 

 「おいフィリア、何があったんだ!?」

 

 「・・・・・・」

 

聞いても返事が無い、バルクホルンが肩を揺さぶっても返事が無い

 

どうやら気絶しているようだ

 

 「気絶している・・・ここで何があったんだ?」

 

 「きっとあの虫のせいです!!」

 

まあ、虫のせいではあるが

 

 「おのれ虫の奴め・・・!!」

 

討伐班は変態虫の捜索を再開した

 

 

 

 

 

 

 

 「・・・殲滅しないと」

 

討伐班が去って数分後、フィリアは拳銃の空になった弾倉を引き抜き、予備の弾倉を拳銃に挿し込む

 

 「害虫は・・・殲滅しないと」

 

その目からはハイライトがなくなっており、ゆっくり歩みを始める彼女を止める人間は誰も居ない

 

501基地史上最大の物理損害を負わせる鬼神の害虫狩りがはじまってしまった

 

 

 

 

この時基地全体の生き物(ルッキーニを含む)が凄まじい威圧感に震えたのは言うまでも無い

 

 

 

 

 

 

 「何か怖いのがこっちにくる・・・」

 

震えるルッキーニが討伐班皆に伝える

 

 「怖いの?虫じゃなくてか?」

 

 「虫じゃない・・・とにかく怖いのがゆっくりこっちに来てる・・・」

 

と、後ろの通路から人影が姿を現した

 

 「ーーーッ!!」

 

慌ててルッキーニがバルクホルンの後ろに隠れる

 

 「なんだフィリアじゃないか。脅かすなーーー・・・」

 

と、バルクホルンが異変に気がついた

 

 「どうしたんですか?フィリアちゃん?」

 

芳佳は相変わらず気にした様子も無く問いかける

 

 「・・・・・」

 

もちろん、返事が返ってくるはずもなく

 

 「何か様子がおかしくなくって?」

 

ペリーヌが疑問を口にした瞬間、目の前のフィリアが拳銃の銃口を討伐班の方に向けた

 

 「・・・見つけた」

 

その無機質な言葉と共に、魔法力を発動させて引き金に指をかける

 

 「え、ちょっと!!何をしてるんですの!?」

 

咄嗟にシールドを張ったペリーヌだが

 

 ズドォンッ!!

 

たかが拳銃だと思ったペリーヌのシールドを、貫通特化に魔法力を付加された45ACP弾が簡単に貫いて

 

 ドゴォンッ!!

 

ペリーヌの後方にあった壁を一撃で崩壊させた

 

 「・・・・・はへ?」

 

一瞬の出来事に大して呆気にとられるペリーヌを遅れて凄まじい恐怖が襲う

 

シールドで威力減衰させた上であの威力だ

 

実際は、その後ろの壁にひっついていた天敵を狙っただけだが

 

 「外した・・・害虫は・・・センメツ・・・」

 

コツ・・・コツ・・・

 

ゆっくりと、討伐班の方向へ歩みを進めるフィリアに尋常じゃない量の冷や汗で肌をぬらす

 

 「に、逃げろ!!退却しろ!!」

 

バルクホルンが後ろを見てから、全員に怒号を発した

 

追われる虫、逃げる討伐班、そして虫を追う鬼神少女

 

傍から見れば唯のカオス鬼ごっこである

 

やっている本人達は恐怖半端じゃないけど

 

 

 

 

 「それで、その虫が通る場所場所で停電が起きている?」

 

現状報告を兼ねて、501討伐班の面子にシャーリー達を加えて明かりを落とした備蓄庫にて小声で会議中な訳だが

 

 「ああ、このままでは基地の電子機器系統と機能が死滅しかねない」

 

バルクホルンが真顔でそう言うが、そのおしりのハルトマンの手形はまだ赤く残っている

 

それと、なぜこんな所に隠れて作戦会議をしているのかというと

 

 「それと何よりヤバイのが・・・フィリアが対害虫モードを発動させてるって事なんだ・・・」

 

シャーリーが最大脅威の存在を皆に知らせる

 

先程その存在と接触しかけた討伐班はそれについてシャーリーに問いただした

 

シャーリー曰く

 

 「本物の鬼ってやつを拝んだ」

 

 「そんなにか?」

 

何も知らない坂本が頭に?マークを浮かべる

 

 「・・・あの殺意が・・・たかが虫一匹に・・・向けるものなんですの?」

 

ちなみにその矛先を向けられたペリーヌは気が気ではなかった

 

いくらなんでも大げさすぎるという意見は間違っていない・・・常人なら

 

 「いや・・・害虫が苦手すぎて本能的にあのモードに切り替わるらしいんだ・・・」

 

 「らしい?」

 

 「・・・あいつ、本当にその状態の記憶がないみたいなんだ」

 

とにかく、その状態になったらターゲットの虫に見境無く銃弾を打ち込むバーサーカーに変貌してしまうので

 

 「とにかく、極力この状態のフィリアに見つからないようにしないと巻き添えーーー」

 

 コツ・・・コツ・・・コツ・・・コツ・・・

 

 「「「ーーーーーーーーッ」」」

 

廊下から聞こえる、冷たい氷のような靴が石でできた廊下を叩く音 

 

討伐班全員が押し黙る

 

 コツ・・・ドォンッ!!

 

廊下の方から銃声・・・もとい砲撃の音が聞こえた

 

 カツン・・・コロコロコロ

 

薬莢が落ちて廊下に転がる音が静かに残る

 

そして、再び足音は遠ざかっていった

 

 「・・・アレ本当にフィリアなのか?」

 

少しドアを開けて後姿を捉えた坂本だが、その後姿だけでも威圧感が兵士ではなく鬼のそれであった事に新兵時代の教官を思い出す

 

ついでに、その向こうの壁にぽっかり空いた大穴も恐らくフィリアのせいだ

 

 「ところでであの状態のフィリアを戻す方法は?」

 

 「私が知る限りだったら、目標の虫が居なくなるか死ぬかすれば戻るって感じかな?」

 

 「そうか・・・それでは、各員迅速にかつ静かにフィリアより先に虫を撃滅せよ・・・行動開始」

 

静かに、そして素早く行動を起こしたメンバーはフィリアを回避しながら虫を追い立てる

 

 

 

 

その頃ミーナはと言うと

 

 「ふぅ・・・そろそろ書類も片付きそうね」

 

書類の山が平野になりかけていた時、ガチャッとドアノブが回される音が聞こえた

 

 「あら、どうしたの?」

 

入ってきたのは、いや、戻ってきたのはフィリアの子供、フィアという少女だった

 

 「おかあさんが・・・」

 

 「お母さんがどうかしたの?」

 

おかあさん・・・というのはフィリアの事だとすぐに見当がついたミーナは優しく聞き返した

 

 「おかあさんが・・・おにになっちゃった・・・」

 

 「鬼?」

 

と、半泣きのフィアの返答に首をかしげるミーナの耳に銃声が届いた

 

 「・・・さては、あの状態になったのね」

 

ミーナにはフィリアが何故その状態になったのか一瞬で把握する事ができた

 

というのも、ミーナはシャーリーと共にその初回発動時の当事者でもあったからだ

 

 「まったく、自分の子供を泣かせるなんて・・・(ビキビキ♯」

 

 「・・・ぇう、おばさんこわいよぅ・・・」

 

もっとも、最終的にフィアの涙腺堤防を一撃発破したのはミーナではあるのだが

 

それとおばさんという単語に一瞬ではあるがミーナの眉間がピクッと動いたのにフィアが気付かなかったのは幼い故にである

 

 「それじゃあ一緒にお風呂にいきましょう」

 

ひとりほっつき歩かせると危険な為、保護をかねてミーナはフィアを連れて風呂場へと向かった

 

 

 

 

 

 

 「ネウロイの反応?」

 

討伐班に合流したサーニャは発動した魔法針で基地を探りながら報告した

 

 「はい、この基地内部にコア反応が・・・時々移動してます」

 

 「そうか・・・報告ご苦労」

 

 「それと、それを追いかけるように基地を徘徊している人物が一人・・・」

 

 「あーそれはフィリアだ」

 

サーニャにその脅威までは知らせない

 

 「とにかく、虫を追いましょう!!」

 

それで万事解決ならと言わんばかりに芳佳は言う

 

さて、501内部を荒らしに荒らしまくった虫の終焉は近い

 

 

 

 

 

 「・・・・」

 

廊下を進むフィリアはというと、相変わらず虫一匹を狩り出す為に弾倉を二つ消費していた

 

 「あの虫・・・思ったより速い・・・」

 

再度弾切れを起こしたコルトM1911A1に十六発改造弾倉を差込む

 

それにしても・・・なんかそこまで力入れずに撃ったハズなのに壁に風穴が空いてる

 

なんでだろう?いくら破壊力が強い45口径と言えどコンクリートと石でできた壁に勝てる弾丸じゃないはずなのに

 

 「・・・まあいっか、とりあえずあの害虫は消す」

 

そんな事気にせずに気配のする方向に向かう

 

 

 

 

 

そうして彼女が最終的に到着したのは・・・当初の目的地であった風呂場だった

 

 「ここか・・・さて、ケシトバシマスカ」

 

暖簾をくぐり、脱衣所のドアを開けるとそこには501メンバー総員十二名と一人の子供が集まっていた

 

 「い、イヤァァァァァっ!?」

 

その声と共に、あの虫の気配がプチッと消えた

 

 「ーーーーーーーーあれ?皆なにしてるの?」

 

と、彼女が完全に殲滅モードから回復したのはそれと同時だった

 

 「・・・フィリア、戻ったのか?」

 

 「戻ったも何も・・・いつも通りですが?」

 

 「・・・わかった」

 

 

 

 

とりあえず、何故か風呂場に居た私は持っていた拳銃をホルスターに戻した

 

 「・・・何で皆そんなに隠れるの?」

 

物陰という物影に飛び込んで言った皆に問いかける

 

 「いや・・・ちょっと色々あってな・・・」

 

よくわからないけど何かあったらしい

 

皆鬼を見たような形相で隠れるからびっくりしちゃうじゃん

 

 「おかあさんがもどったぁ~!!」

 

涙目の状態のフィアが私の腰に抱きつく

 

そしてそれを見ていたメンバー全員が警戒を解いて物陰から這い出てきた

 

 「よかった~いつものフィリアちゃんだ~っ」

 

と、芳佳も駆け寄ってくる

 

え、何?私何かあったの?

 

 「まあ、害虫は消滅したぞフィリア」

 

 「害虫?もしかしてあの虫?」

 

それからそれがネウロイだった事を聞いて少し気が遠くなった

 

 

 

 

ちなみにその後フィリアの知らないうちに501害虫駆除部隊(敷設班が兼任)が編成された

 

 「ほっといたら虫一匹ごときのせいで基地の建物が崩壊する」

 

というのが敷設班の一人が出した結論であった

 

 

 

 

 「ふはぁ~っ・・・やっぱり広いお風呂っていいね~」

 

 「はいぃ・・・あったかくて眠くなります~」

 

横にいるのはほんわかしているフィアで、なんか凄い眠たそうにしていた

 

あれからみんなで入ろうっていう話になり、今は501メンバー全員が風呂に入っている

 

普段はサウナ派の北国二人も今日は湯船につかってのんびりしていた

 

 「お風呂の中で寝ちゃだめだよフィア」

 

沈みそうなフィアを私の上に座らせる

 

これで沈む心配なくゆったりさせられる

 

 「・・・すぅ・・・」

 

数秒と経たないうちに寝息が聞こえるようになった

 

 「すっごく気持ちよさそうに眠ってますね・・・」

 

 「かわいいです・・・」

 

フィアに気を遣ってか、芳佳とリーネは小声で話してきた

 

 「それじゃあ私達は先にあがるね・・・」

 

小声で返事して、フィアを抱っこして湯船からあがる

 

世話がやけるなあ・・・でもまんざらでもない気がしないでもない

 

なんでだろう、こっちの世界に居るとどうして私は変わってしまうんだろう

 

 

 

  変われるのかな・・・こんな私でも

 

 

 

そうして自分のベットにフィアを寝かせて、私は考えた

 

人はこんなにも変われるのに、どうして変わろうとしないのか

 

どうして世界はいい方向に向かわないのか

 

 「こんなにも、こっちの世界は平和なのに・・・」

 

正直、全人類共通の敵が存在するから単純に平和とは言えないのかもしれない

 

前に芳佳達が言っていた、ネウロイの居ない向こうの世界が羨ましいと

 

そして私が言った、人同士が銃口を向け合う事のない世界が羨ましいと

 

そんな矛盾の答えを、私は私なりに考えて出してみた

 

どちらも一概に平和な状態であり、そうでない状態でもある

 

この二つの世界は、こんなにも似ていて、こんなにも違うのだ

 

だったら、平和と呼ばれる状態がどういうものなのかは世界によって違うのだ

 

そもそも比べるものじゃないと思う・・・向こう側とこっち側を

 

だからーーー

 

 「考える事自体やめればいいんじゃない?」

 

最終的に、あっさりとそう思った

 

難しく考えてもどうしようもないし、今は目の前の事態をどう乗り切るかを考えるべきだ

 

そんな事は落ち着いてからゆっくり考えればいい

 

何事も気楽に構えとけばなんとかなる

 

そんな感じに物事捉えながら生きてりゃいいでしょ

 

私はベットに潜った

 

 

 

 

 

 

 

 更新不定期・・・そして遅れて申し訳ありません

 

 さて、幼女の登場です

 

 友人「お前幼女好きか?」

 

 作者「大好きさっ!!」

 

 友人「・・・変態」

 

 紳士だから問題ないのだよ(キリッ

 

 誤字脱語報告お願いします

 

 あと、そろそろキャラ増えるかも・・・?(エスコンの 

 

 意見感想募集中

 

    よろしくお願いします

 

 

 

 

 

 


 
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