No.562185

IS−インフィニット・ストラトス−黒獅子と駆ける者−

トラックに轢かれそうになった女の子を助けて俺はお陀仏になった・・・。・・・って!それが本来の死じゃなくて、神様のミスで!?呆れている俺に、その神様がお詫びとして他の世界に転生させてくれると言うことらしい・・・。そして俺は『インフィニットストラトス』の世界に転生し、黒獅子と呼ばれるISと共にその世界で戦うぜ

2013-04-03 10:44:37 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:686   閲覧ユーザー数:674

 

 

 

episode143 勝利と言う名の敗北

 

 

 

 

「いきなさい!」

 

セシリアはドラグーンより一斉にビームを放つも、デストロイのリフレクターの目の前で拡散し、そのままデストロイの周囲に沿って背後に曲がっていくも、背後にも張られたリフレクターで弾かれる。

 

直後にデストロイは両手を前に出して指の先端よりビームを放ち、セシリアはとっさに回避すると、ツヴァイがドラグーンを放つも前面に張られたリフレクターで弾かれる。

 

「くっ!」

 

セシリアはユニゾン時に発現したキャノンを展開して高出力ビームを放つも、リフレクターで弾かれる。

 

『やっぱり進行を遅らせるのが限界です』

 

「今はそれだけで十分ですわ!」

 

セシリアはロングライフルをデストロイの足元に向けてビームを放つも、リフレクターが足元まで届いてないが装甲表面のコーティングで弾かれる。

 

 

すると遠くより黄色い閃光が飛んでくるも、デストロイのリフレクターに弾かれた。

 

「今の砲撃は!」

 

『隼人さんとお姉ちゃんです!』

 

 

 

 

 

 

「硬いなぁ」

 

隼人はセシリアの近くに来る。

 

「隼人さん・・・」

 

「状況はどうだ?」

 

「芳しくありませんわ。ダメージが殆ど通っていません」

 

「そうか」

 

「何とかリインさんとユニゾンして進行を遅らせてはいるのですが・・・」

 

「・・・・」

 

 

 

 

「隼人」

 

と、箒のインフィニットジャスティスが近付いてくる。

 

「どうした、箒?」

 

「ちょっと気になる事があるんだが・・・」

 

「気になる?」

 

「あいつが周囲に張っているリフレクターだが・・・私やセシリアのGモードにあるリフレクターに似てないか?」

 

「(さすがに読みは鋭いな・・・いや、リフレクターの波形を見れば分かるか)確かに似ているが、それがどうした?」

 

「私の憶測だが、同じエネルギーならば・・・一時的にリフレクターを消滅させて通り抜けられるんじゃないか?」

 

「・・・・」

 

「そうすればやつの懐から攻撃をすれば・・・」

 

「仮に通り抜けられたとしても、攻撃が通じると言う保障はあるのか?」

 

「そ、それは・・・」

 

「それに通り抜けられる保証も無い。戦場でそんなリスクを犯すわけにはいかん」

 

「だ、だが、一夏の零落白夜だって効くかどうか分からないのだぞ」

 

「だとしてもだ。それに通り抜けたのなら、最初にやる事があるだろ」

 

「最初に?」

 

「やつのリフレクター発生装置を破壊する事だ」

 

「あ・・・」

 

「さっきの考えを行うのならば、それを最優先にやれ」

 

「・・・と、言う事は・・・?」

 

「・・・援護ぐらいしてやる。だがもし危なくなったら、こっちの判断でお前を連れ戻す」

 

「・・・・」

 

「セシリアは俺と一緒にやつの気を引いてくれ」

 

「分かりましたわ」

 

そうして隼人はセシリアと共にデストロイに向かっていく。

 

 

 

 

 

「隼人・・・」

 

箒は隼人の背中を見る。

 

「・・・・」

 

 

 

 

「一夏、聞こえるか?」

 

『箒?』

 

箒は一夏に通信を入れる。

 

『どうしたんだ?』

 

「こっちに来てくれないか?」

 

『何で?』

 

「私にいい考えがある。手伝ってくれないか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「っ!」

 

隼人はデストロイのマスクにある砲口より放たれるビームをかわすとディバイドライフルを左右交互に放つもリフレクターに弾かれる。

 

セシリアも全武装によりフルバーストを放つも、すべてをデストロイのリフレクターに弾かれてしまう。

 

デストロイは煩わしいように両手と胸部、マスク、のビーム砲を全て前面に向けて放った。

 

二人は弾幕の間を潜り抜けてかわすと、隼人は一気にウイングスラスターを噴射して飛び出す。

 

勢いよくディバイドライフルを振るうも、銃身下部の長剣の刃はリフレクターに阻まれる。

 

「ちっ!」

 

すぐに離れるとディバイドライフルを横同士に連結して出力を上げたツインディバイドライフルを近距離で放ちながら後退するも、リフレクターは多少歪んだだけでエネルギーは貫通しなかった。

 

『ツインディバイドライフルの出力ですら貫けないとは・・・』

 

「硬すぎるだろ・・・いくらなんでも・・・!」

 

隼人は舌打ちをして急速後退してデストロイが背面ユニットより放ったミサイルをかわして両肩のマシンキャノンで撃ち落す。

 

(あいつらどんだけ魔改造を加えてるんだよ。チートってレベルじゃねぇぞ!)

 

ツインディバイドライフルを切り離して両手に持つ。

 

(あまり時間を掛けられないって言うのに・・・)

 

 

破壊・・・

 

「っ?」

 

破壊しろ・・・

 

「何だ・・・?」

 

全てを・・・破壊・・・しろ・・・

 

「っ!」

 

すると突然頭痛が襲い掛かる。

 

破壊・・・破壊・・・破壊・・・破壊・・・破壊・・・破壊・・・破壊・・・破壊・・・破壊・・・破壊・・・破壊・・・破壊・・・破壊・・・破壊・・・破壊・・・破壊・・・破壊・・・破壊・・・破壊・・・破壊・・・破壊・・・破壊・・・破壊・・・破壊・・・破壊・・・破壊・・・破壊・・・破壊・・・破壊・・・破壊・・・破壊・・・破壊・・・破壊・・・破壊・・・破壊・・・

 

「くっ!」

 

隼人は頭の中でする声を頭を思い切って振るって払おうとする。

 

『どうされましたか?』

 

「・・・何でもない」

 

リインフォースにはその声が聞こえてないようだ。

 

 

 

(リインフォース。一旦ユニゾンアウトだ)

 

(はい!)

 

自分でも何が起こるか分からない為、隼人はリインフォースとユニゾンアウトして離れると、隼人はアームドアーマーBSを展開してビームを放ち、リインフォースはバスターライフルを放つも、リフレクターに弾かれる。

 

(・・・しかし、あれだけの攻撃を行って、いつまでもリフレクターを張り続けてもほとんど動きに変化が無い。エネルギーまでもオリジナルより遥かに高いのか・・・それとも無尽蔵にあるというのか・・・)

 

あまりもの性能に隼人は驚くしかなかった。

 

セシリアはドラグーンを二枚ずつ上面同士に繋ぎ合わせると出力を上げたビームを放つも、リフレクターに弾かれるが僅かに進行を遅らせる。

 

デストロイは煩わしいかのように胸部の三連ビーム砲を放ち、三人はとっさにかわすが、そのビームがベルリンの街へと直撃して大爆発を起こす。

 

「まずいですわ!このまま戦闘が長引くとベルリンの街が・・・!」

 

「分かっている!だが、やつのリフレクターをどうにかしないとどうしようもない!」

 

 

 

 

 

『任せろ!』

 

「っ!?」

 

すると通信から箒の声がする。

 

隼人は上を見上げると、デストロイの右側より一夏と箒が一気に接近していた。

 

「何をする気だ!?」

 

『一夏の零落白夜でリフレクターを減衰させて私が内部に入る!』

 

「何ですって!?」

 

「うまく行くかどうか分からないんだぞ!もし失敗したら――――」

 

 

 

『心配ない。必ず成功させる!』

 

と、どこか自身のある言い方だった。

 

(あの自信はどこから出るんだ・・・)

 

隼人は呆れるが、すぐにデストロイに向かっていくとアームドアーマーBSを放つ。

 

「セシリア!やつの気をこっちに集中させる!ありったけの攻撃をしろ!」

 

「了解ですわ!」

 

「鈴も頼むぞ!」

 

「あいよ!!」

 

セシリアはドラグーンを一斉発射し、腹部と背中のキャノンを放っていく。

 

デストロイはセシリアに向けてミサイルを放つが、隼人がアームドアーマーBSよりビームを照射し、薙ぎ払う様にしてミサイルを撃ち落していく。

 

鈴は左腕のドラゴンハングを射出してリフレクターに衝突させるとすぐに飛び出してビームトライデントを振り下ろすもリフレクターに阻まれる。

 

「かったいわね、もう!!」

 

直後にデストロイは左手を鈴に向けて指の先端からビームを放つも、鈴はとっさに後ろに跳んでかわす。

 

 

 

 

 

 

「頼むぞ、一夏!」

 

「あぁ!!」

 

一夏はGNソードⅢを展開して零落白夜を発動させて箒と共に一気に飛び出す。

 

デストロイは二人の接近に気付いたが、その時にはもう目の前にいた。

 

「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」

 

一夏は勢いよくGNソードⅢを振り下ろし、完全にとは行かないが切られたリフレクターに歪みが生じた。

 

箒は左腕のシールドを前に出してリフレクターを張ると、スラスター全開で飛び出してシールドのリフレクターとデストロイのリフレクターが衝突すると、そのまま箒は強引にデストロイのリフレクターを貫通した。

 

「通ったぁぁぁぁぁ!」

 

箒はそのまま急上昇してデストロイの真上まで来ると、シールドより大型ビームブーメランを取り出すと勢いよく投擲し、デストロイの背面ユニットの前面にある顔の様な箇所にぶつけて、更にリフターのキャノンを放ってブーメランとその箇所に直撃させて爆発させた。

 

するとデストロイの周囲を囲っていたリフレクターが消滅した。

 

 

「やり遂げやがった!?あんな危険な事を・・・!?」

 

「・・・・」

 

その光景に隼人達は驚いていた。

 

 

(無茶しやがる・・・誰に似たんだか・・・あっ、俺か・・・)

 

 

 

「っ!ボサッとしている暇は無い!一気に行くぞ!」

 

隼人達は一斉にデストロイへと向かっていく。

 

デストロイは慌てた様子で全武装を周囲に向け放っていく。

 

「うおりゃぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

一夏は一気に上昇するとGNソードⅢを振り上げ、そのまま一気に急降下しながらGNソードⅢを振り下ろしデストロイの右腕を根元から切り落とし、その瞬間右斜めに飛び出して腹部を切りつける。

 

セシリアは全武装によるフルバーストを行い、デストロイの胸部に当たるが、装甲表面のコーティングや強度で弾かれるも、その衝撃でデストロイはよろめく。

 

箒は背中のリフターを切り離して飛ばすと、衝角を前に出してウイングにビーム刃を出し、デストロイの背面ユニットの大型キャノンの根元ユニットを貫いて爆発させた。

 

デストロイは左腕を飛ばそうとするが、鈴はビームトライデントを振り下ろして左腕の関節から切り裂いて腕を切り落とした。

 

リインフォースはバスターライフルを二門同時に放ってデストロイの腹部に直撃させて爆発させる。

 

直後に隼人が勢いよく飛び出して左腕のアームドアーマーVNを突き出して腹部にぶつけ、超振動で内部機器とフレームを粉砕する。

 

デストロイは最後の悪足掻きの様に胸部の三連ビーム砲を放とうとするが、直後にセシリアが左手に左腰のレールキャノンの根元にあるビームサーベルを抜き放つと一気に飛び出して発射直前のビーム砲の中央に突き刺した。

 

セシリアが一気に離脱すると、行き場を失ったエネルギーが名部で爆発し、デストロイの胸部が爆発し、そのまま後ろの方へと倒れていき、背面ユニットが背中から外れ断末魔の様にマスクのビーム砲を空に向けて放ち、地面に倒れ込む。

 

その直後に全身から小規模の爆発が起き、最終的には各所から光を放って大爆発を起こして空高くへと煙が柱の様に上がっていった。

 

 

 

 

 

「何とか・・・なったな」

 

隼人は周囲を警戒する。

 

「とんでも無い相手でしたわね」

 

セシリアとツヴァイはユニゾンアウトした。

 

「あんな物がまだあるとしたら・・・とんでもないな」

 

「あぁ。もしかすればこいつだけじゃ無いかもしれないな。次は何体か同時に現れたりして」

 

「それ何の無理ゲー?」

 

鈴は少しブルッと身体を震わせる。

 

「残存機体はもう殲滅出来たか」

 

「そのようだな」

 

「一応首都奪還は成し得たか・・・」

 

「そうですわね」

 

「・・・けど――――」

 

一夏は後ろを振り向く。

 

「・・・正直喜べる状態では無いな」

 

全員の視線の先には、炎を上げるベルリンの街であった。

 

戦闘の爪痕があまりにも多く、深かった・・・

 

「やつを倒さなければ被害はもっと広がっていたかもしれないが・・・」

 

「それでもやつを倒す為に首都がこんなに破壊されたら、あんまり奪還した意味は無いわね」

 

『そうだな』

 

『はいです・・・』

 

全員は勝利を感じられず、まるで敗北ムードが漂った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「何とかあれを撃破してくれたようだね」

 

「うん」

 

ユニコーンとバンシィ、颯、シノンは空に上がっていく煙柱を見る。

 

「結局・・・救えたのは一人だけか」

 

「・・・・」

 

ユニコーンの視線の先には、ブラスタービットより出したエネルギー体のチェーンで拘束されたセラヴィーがいた。

 

「義姉さん・・・」

 

「大丈夫だよ、颯。シャルロットも助けるから」

 

「バンシィさん・・・」

 

「・・・・」

 

「これから戦闘は一層激しくなっていくだろうね」

 

「そうだね」

 

「はい」

 

「・・・・」

 

ユニコーン達も拘束したセラヴィーを連れてネェル・アーガマに戻っていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・」

 

「・・・・」

 

ネェル・アーガマのブリッジでも、同様の空気が流れていた。

 

「これは勝利と言えるものだろうか」

 

「・・・・」

 

「私は少なくとも・・・勝利とは言えない」

 

「そうだな」

 

アーロンはモニターで炎を上げるベルリンの街を見る。

 

「俺も・・・そう思う」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 
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