No.560972

司馬日記27

hujisaiさん

その後の、とある文官の日記です。

2013-03-30 23:38:52 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:13815   閲覧ユーザー数:8827

9月11日

久しぶりに姉妹揃った夕食の折、伯達姉様が六女・七女・八女の恵達、雅達、幼達に今日朝廟でこんな事がありましたとお話されたことには、三国予算会議の終わりに蜀の黄忠殿が一刀様に質問され、以下のやりとりがあったという。

「あの一刀さん、璃々についてですけれども」

「ん、何?紫苑さん」

「璃々は最近本当に成長したと思いますの」

「うん、そうだねぇ。何か急に大きくなっちゃって、嬉しい様な寂しいようなだね」

「例えば、陳宮さんと比べて体格はどうですか?」

「あー…もう璃々ちゃんの方が大きいんじゃない?」

「具体的には、胸元などは」

「あははは、音々音に伝わったら悪いから言えないよ」

「精神面でもずいぶんしっかりしたと思いますわ、たとえば許褚さんと比べて如何でしょうか」

「ああ…そうだね、下手すりゃ璃々ちゃんの方がお姉ちゃんに見え」

とまで言いかけて絶句なさったと言う。

ここで伯達姉様が、恵達に『黄忠殿の意図と一刀様が絶句された理由は判りますか』と問いかけると、恵達は青い顔をして判りますと答えた。更に

「小蓮さんと美羽さんがお手つきになったのは御幾つのときでしたでしょうか」

「さて色々踏まえまして、女は年齢でしょうか?私と桔梗と祭さんの前で今一度御確認させて下さいませ」

と黄忠殿がたたみかけ、その場は私と馬騰さん、劉表さんで長幼の序について述べさせて頂き後日協議としましたが一刀様は『(仮称)青少年保護育成法』の施行を急ぐように御要望されました、状況は流動的ですが日々心身ともに自己の研鑽に励んだ方が良いですよと姉様が仰り、三人は深く頷いていた。

 

9月12日

詠様より一刀様の地方巡幸計画の立案を指示された。

地方勤務の寵姫の慰労をしつつ中央在住の閨房の回転を落とさない事が必要であり、移動時間を極力短くするか多人数の寵姫を高速輸送する必要がある。難題だ。

 

9月14日

後宮移転の予算が大幅に増額された。匿名の寄付簿を見ると端的に言って信じ難い額の寄付が行われており、殊にある三口の寄付は桁が外れており私財でこんな額を出せるのは口に出すのは憚られるがあの方々しか居ないのではと思われた。

詠様に、三口物凄い額があるようですがと申し上げると

「いいんじゃない、彼女達もそれくらいしか財産の使い道なんて無いでしょうし」

と仰った。ふと詠様も御寄付なさったのでしょうかと口に出してしまったところ

「ボ、ボクは割りとどっちでも良かったのよ!?でも稟があの集会で寄付しませんかしませんかってしつこいし!ボク以外なんかみんなするって言うし一応役職的な立場もあるからそれに合う程度はしょうがないのよ、立場上!」

と怒られてしまった。

立場上という意味では建設に携わる以上私も寄付したいと思い、寄付簿の方々とは金額の桁が(小さい方へ)違うが文字通り微志を捧げた。対象室の記入欄があったが特に思いつかなかったので空欄とした。

 

また石牢風の特別室(六)は(七)とに二室に増えていた、仕様と使い方を巡って意見がまとまらず、(六)は公達様、(七)は文若様の決裁がなされた分厚い仕様書が提出された。

更に小物備品倉庫、衣裳部屋も拡張されていた。主にはそれぞれの通常寸法の衣装は見込まれていたが、水着を中心に何故かまるでご自身の体格に合わない小さい衣装も必要であるのに見込み忘れていた為だという。…何故必要なのだろうか?

あわせて、李典殿より特別室(四)設置の特大の特殊鏡の製作技術が未確立である事と、都の衣料店組合より注文過多の為衣装の納期が約束出来ないとの回答書が回ってきた。

工程調整は私の仕事だ、何とかしなくてはならない。

 

9月16日

御嬢様が張勲殿と共に教え子の袁術殿と会食するがどうかと誘われた、袁術殿の成長振りは夙に有名であったので妹達の参考も兼ねて御相伴に預かる事とした。

袁術殿は最早ひとかどの美少女となっており、成長過程について伺おうとしたが過去の自身については余り触れられたくないようであった。

酔われた御嬢様と張勲殿が

「かわいい!美羽様かわいいです!」

「美羽ちゃん、なのじゃかわいい!」

「美羽様かわいい!今日は蜂蜜水はいいんですか!?」

「ねえ美羽ちゃん、もう『うははー』って言わないの?かわいいのに!」

「美羽様、『わらわの歌を聞けー!』やって下さいよ!かわいいですから!」

と笑顔で話しかけられていたが赤面して俯き、ぷるぷると震えていた。

 

9月17日

典韋殿が明日から軍務に戻ることとなった、妙才様が御説得なさったらしい。

妙才様と同じ意匠の服を着て元気に活動されているのを見かけて安心したが、ある時妙才様にどのように御説得されたのですかと伺うと、「『姉弟プレイには妹も居た方が楽しいと思わないか?』と言ってみたのさ」と言ってと笑われた。

 

9月18日

詠様が溜め息を吐かれながら執務室へ来られたので、何か問題が御有りでしょうかと伺うと、月様と業務調整について話をしたのだが不調であった為だという。

「ほら、月は普通の表(政治)の仕事は何も無いんだけど。裏って言うか、後ろ(後宮)向きの色々決め事関係を今よりもうちょっとやって欲しかったからお願いしたのよね、ボクと華琳、桃香、蓮華たちで色々調整して決めても方々から文句出る事があるけど月が『こう決めます』って言えば丸く収まる事もあるからね。で、忙しくなっちゃうからちょっとメイドの仕事減らさないかって話して。まあ、お茶汲み辞めてってのは嫌だって言うだろうとは思ってたんだけど、一刀の服の洗濯も、下の子達と交代でたまにやってる寝台整備(ベッドメイク)と洗濯も辞められないって言うとはねぇ…」

との事だ。月様は一刀様を深くお慕いの事と伺っておりますので御尤もな事かとと申し上げると、まぁあんたはそうよね、他の女のがどれだけべっとり付いてようとあの馬鹿のが一滴でも付いてりゃ大喜びでやるでしょうねと仰った上で、

「月とか、恋とか…月程じゃないけど桃香とか最近の麗羽とか…ブレない連中見てると、ボクってちっちゃいなあって思うわ」と愚痴るように呟かれた。

僭越ながら元気付けて差し上げようと思い、「一刀様は大小で区別されるような方ではいらっしゃいません、詠様の事も月様の事も心から愛しておいでと思います」と申し上げると

「そういう話じゃないのよこの馬鹿娘っ、ちょっとおっきいからって調子に乗ってんじゃないわよ今の月に聞かれたら殺されるわよ!?あとあいつがボクの事す好き好きだなんて事はもう知っ知ってるからっ!」

と怒られてしまった。何がいけなかったのだろうか。

 

9月20日

昇進試験と今期の目標管理の件で公達様と面談を行った。

公達様は勤務成績と思われる書類と私の顔を見比べて溜息を吐かれながら、

「あんたもせめてあたしと同じ程度に昼と夜って言うか、公と私を使い分けれればねぇ…。幹部上がってもいい位頭は切れるし真面目で地味な仕事も出来るのに、勿体無いわ」

と仰った。どういったことか今一つ掴めなかったので伺うと、

「いい?あんたが上(の役職)にあがるでしょ?そうすると一刀様と直に関わる仕事が増えるでしょ?そんとき、一刀様絡みの事案でのあんたの判断力が危惧されてんのよ!人事会議で!全員一致で!っとにもう少し理性持ちなさいよね、そんだけ真面目そうな顔して突然ネジ飛ぶんだから…」

と小言を頂いたが思い当たる節が無く、公達様に言われるのもと思ったが今のお言葉から「では地方勤務でしょうか」と重ねて伺うと

「それも無いからそんな泣きそうなな顔しないでよ…人事会議でも精神面に不安があるので当分出せないってなったから」

と仰っていた。どうであれ、私は一刀様の御為に悪い点は改めるよう心がけてお尽くしするだけだ。

 

…後宮の末席を拝する者としても。

と言ってもこちらの方がまるで自信が持てない、なんらか精進する術を持たなくては…。

 

9月21日

田豊殿、沮授殿と残業後の庁内食堂でたまたま会った、近況を聞いたところ仕事は順調との事だ。あまり突っ込んだ事を聞くのもどうかと思ったが、先日公達様の処へいらしていたようだがと小声で伺うと、恥ずかしげに『御相談をさせて頂いておりました、仲達さんのお陰で私達もその…(羞恥プレイの)良さがわかるようになりました、有難う御座います』と言う。なんの話なのかいまいち掴めなかったが、(一刀様の)良さが理解頂ければ幸いである、今後とも(忠勤に)励んで頂きたいと答えると、「不束者ですが、(御奉仕も)励ませて頂きます」と少し照れた様子で言っていた。

 

9月23日

一刀様の地方巡幸計画の件で、呂布殿、文遠殿、馬超殿、公孫瓚殿に騎馬同乗で一刀様を中継して三国を輸送して頂くという案が張任殿より出された。

巡幸経路のうち最長となる建業ー成都間を三日で走破出来る可能性があると試算されたが、文遠殿、馬超殿が故意に、また公孫瓚殿も不作為により遅延するおそれについて指摘があり、またおよそ十日程度と言えど閨房の回転が完全に停止する事についても不満が出る可能性があるとされた。

李典殿開発中の輸送車での輸送についても検討することとなり、搭乗可能人数及び乗り心地、操作性について確認し、必要に応じて仕様変更や予算の追加を検討することとした。

 

9月24日

凪、亞莎と飲みに行った。

先の御嬢様の命令の為、前に一緒に一刀様の御伽をしたときの自分の様子について自分では覚えていない為教えて欲しいと言ったところ、本当に覚えていないのですかと驚かれた後に、照れながらぽつぽつと教えてくれた事には、

「初めはその…涙目で隊長に縋りついてるだけという感じだったのですが」

「はいそうです、大丈夫ですかって聞いたら一刀様が仲達さんのこれはいつもだから大丈夫って仰って」

「で隊長とその、色々してもらってるうちにあの、なんていうんでしょう…」

「あの…すごくあの、えっちに…」

「わ、私もそう思います…、泣かれたままでも言ってる事は凄くて、仲達さんは本当に隊長の事が好きなのですねと思いました」

「一刀様は綺麗な顔にそれはちょっとって言ってたんですけど、仲達さんが泣きながらどうしてもって…」

「でもその後本当に幸せそうにその…舐められてて『ああこれで良かったんだ』ってちょっとほっとしました」

「その後も一番初めに仲達さんが寝ちゃったはずだったんですが、夜中私が目を覚ますと、あの…」

この後も色々教えてくれたが割愛する。記憶から消したい。

 

私は淫乱で変態なのだろうかと落ち込んでいたが、二人はそんな事はない、可愛いお姉さんという感じで一刀様がお召しになるのが良く分かる、自分達にも気を使って譲ってくれたりしておりまた一刀様も可愛いと言っていたと言ってくれた。

しかしあまりに恥ずかしかったので「昼はこんなにも清楚なのに夜はあんなにも淫らで可愛らしい、傾城とも言うべき貴女達とは比較にならない」と八つ当たりをしてしまった。

 

これを本当に御嬢様達に御報告しなくてはならないのだろうか…憂鬱だ。

 

9月26日

田豊殿と沮授殿がまた公達様を訪ねて来られて会議室へと入って行った、例の件なのだろう。

打ち合わせで私の事務室へ来ていた子廉様と子孝様に、つい

「彼女達のように可愛らしく貞淑そうであるのに公達様のような趣味に関心があるとは、人はわからぬものです」と申し上げたところ、

「いやそんなに馬鹿にしたものじゃないわよ、正直私も興味無い訳じゃないし?」

「うん私も体質的には素質あると思うしね」

と比較的肯定的なお返事に驚いた。ただ、

「でもハマるの怖いから手ェださないけどね、あの世界」

「そーそーなんか嵌ったら帰ってこれなさそう、あんたなんかいかにも危ないんじゃない?」

「そうね仲達はやばいかも、止めた方が良いわよ!」

とも続けられ、御二方はすぐにそういった「ぷれい」に及ばれるおつもりはないようだ。

私は一刀様らしく、お優しく御寵愛頂く方が嬉しいものだろうと思いますがと申し上げると、

「ホントにー?じゃあ例えばさ、一刀様に裸に剥かれて首輪つけられて『しゃぶりなよ、仲達さん』って顔の前に突きつけられても本当にこれっぽっちも嬉しくない?

鏡の前で四つん這いにさせられて『仲達さん、このいやらし過ぎるお尻に…お仕置きしてあげる』って言われても絶対に全く一切ドキドキする事はない?」

と言われたはずだったのだがいつの間にか日が暮れお二方も同僚も居なくなっており、書類の山と

「仕事しなさい 公達」

「一刀様だったら何でもいいあんたにつける薬は無いわ 子孝 子廉」

と大書された紙だけが机上に残されていた。

おかしい。


 
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