No.559219

超次元ゲイムネプテューヌ 魔法を司る者

ユキさん

知り合って以来事あるごとに食堂を訪れるようになった一同。
今日も博覧会に向けた準備の話を...と思っているとラジオから耳を疑うような意外知らせが!

2013-03-25 23:49:24 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:818   閲覧ユーザー数:798

第10話 思わぬ知らせ

 

 

 

 

「ただいまーっ!あー、くつろぐなぁ

 ...この汚いカウンター!差し迫る狭い造り!

 こびりついた食べ物さんに匂いー」

 

シアンの食堂に着くなりねぷの暴言が炸裂した。

....恐ろしい子だ。

 

「.....はっ倒すぞ!

 そう言えばお前等、あのサンジュに会ったんだろ?

 どうだ、嫌な奴だろうっ!!」

 

ねぷは表情を分かりやすいほど、怒りを燃えたぎらせ、プンプンと文句を言い始めた。

 

「会った!アイツ、機械がどうこういって

 こんぱを泣かせたんだよ!絶対、悪者だよアイツ!!」

 

なんつーか、怒ってるねぷも可愛い....おっと、顔の筋肉が勝手に緩んで

 

「痛っ!な、なんで抓るんだよ!?」

 

犯人の三人衆に抗議をするが、その瞬間さらなる強い痛みを加えてきたので、俺が結局折れた。

 

「....それにしても、ノワールの嫉妬は嬉しいな....ぐへへへ」

 

そう、心の中で呟いていたつもりが、あら不思議、口から言葉となって発されていた。

そして、今度はノワールを除く三人衆に抓られた。

......口にファスナーがあるなら閉めたい。

とりあえず、俺が絡むと話が進まないということで俺は部屋の隅っこで待機させられた。

 

「あー、やっぱそんな事言ってたか。

 アイツは、なんて言うか、人のモノ造りを全否定してるカンジだからな」

 

今の物言いから分かるが、シアンもあったことがある.....多分。

 

「シアンも会ったことあるの?」

 

さすがは、ソウルパートナー!

俺の確かめておきたいことを代弁してくれたぜ!

 

「もちろんだ。

 問題の会社の代表だし。

 アイツ、俺がいた専門学校のOBだしな」

 

OB.....おっぱ━━━━なぜだろうか、俺の思考を読み取れる力でもあるのか、ノワールが首元に切っ先を突きつけてきた。

しかも、抜き身の刀身で!さらにさらに笑顔だ。ツンデレじゃなくて、君はヤンデレだったのかな?

これ以上、やましいこと考えたらまた神様に煩悩退散されるかもしれないし、首(物理的な意味)が飛ぶかもしれないのでOBについて考えるのはやめよう。

俺が煩悩と戦ってる間に話は着々と進んでいく。

 

「特別講師で来た時に会ったけど

 たぶん、その時と同じ事を言ったんだろ。

 人に機械ほどの正確さがあるか?....とかな」

 

「あははははっ!言った言った!!

 低ーい声で、そんなコト言ってた!」

 

完全にねぷは馬鹿にしてるよな。

対するシアンは表情を雲らせ、

 

「....アイツは、技術者の腕を否定する。

 技術者の誇りを否定する。

 だから嫌いだ。それだけじゃないけど、嫌いだ」

 

静かにそう言った。

それは普段の彼女からは想像できない程の怒気が孕まれていた。

 

「あ。今なんか、らしくない事いったな俺!

 そんな事より仕事の話をするか!」

 

だが、空気が静まり返ったのを感じ取り、シアンはすぐにいつもの調子に戻った。

....らしくない、か。

 

「今日は隣町まで行って、シェーブルの資材屋から

 必要な資材を受け取ってきてほしい。

 なじみの店だから、地図を渡しておく!」

 

地図があるなら、楽勝だな。俺ひとりでも余裕で行けるな。

ふふん、諸君!今まで俺が迷った理由はなんだと思う!?

え?方向音痴?またまた、そんな冗談はよしてくれ!.......地図がなかったからだ!!!

と、俺が一人浸っているとラジオから

 

「....放送の途中ですが

 ここで協会からの公共情報をお送りします」

 

「例年より大分発表の遅れていた総合技術博覧会に

 関してですが、教院関係者の話では今年の開催は見送られることが明らかになりました」

 

ふざけた内容が発表された。

━━━━━━━━なぜだ、なぜ行わない?このままじゃラステイションはっ!!

俺はなんとか心の中だけで叫びたい気持ちを抑える。

今叫びたいのはシアンなのだから。

 

「っオイ!?

 ちょっと待ってくれよ!!」

 

「教院側は参加企業の減少を理由として

 挙げていますが、民間の実行委員会からは

 教院主導の大陸行事に対し

 国政院による圧力があったのではないか、との

 意見から反発も強く、今後の方針について

 十分な審議がなされるのかどうかにも、疑問の....」

 

そこで、彼女の内に秘めていた想いが爆発した。

理不尽な出来事に自分の想いを踏みにじられた怒りはすでに頂点だ。

 

「ふざけるなっ!今やらなくていつやるってんだ!? 

 四年後まで待ってたら参加する工場なんて

 本当に、一つもなくなっちまうんだぞ!!!!」

 

「ちょっ!シアン、落ち着いてよ!!」

 

さすがのねぷもシアンの言動に驚いたのか、彼女を落ち着かせようと宥めにかかる。

 

「この工場にとっても.....もう今年が 

 最後のチャンスかも知れないのに.....!!」

 

そんな彼女の悲痛な声だけが食堂に響き渡った。


 
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