No.544310 ソードアート・オンライン フェイクオブバレット 番外編 バレンタインデーやぎすけさん 2013-02-14 21:27:56 投稿 / 全4ページ 総閲覧数:2578 閲覧ユーザー数:2524 |
大地視点
今日は2月14日、つまりバレンタインデーである。
女子が友達や好きな男子にチョコレートやクッキーなどのお菓子を贈る日だ。
だが、俺はこの日が嫌いだったりする。
理由は簡単。
この日が近づくと、男女問わず学校の生徒のほとんどがそわそわしたり殺気立ったりするのだ。
別に興味もないし、別にお菓子もそこまで好きじゃないので、正直なところどうでもいい。
だが、登校するまでの間にすでに3つのチョコレートを受け取ってしまった。
大地〈お返しが面倒だな・・・〉
などということを考えていると、登校中のクラスメイトを見つけた。
大地「お~い。相田~。」
良治「は、はい!!」
一瞬ビクンとしてから振り返ったのは、めがねをかけた茶髪の男子生徒、
大地「うわぁ!!」
良治「なんだ大地か・・・」
良治は残念そうにそう言う。
大地「様子が変だぞ。何かあったのか?」
良治「何かあったって・・・そりゃもちろん。」
良治は一度言葉を切る。
良治「バレンタインだバレンタイン!!」
大地「そんなことで・・・?」
俺が呆れて言うと、気に障ったのか良治はこちらを睨んでくる。
良治「お前は毎年もらってるからそんなことが言えるんだ!!」
大地「いや、もらったら後でお返ししなくちゃいけないんだから、もらわないほうが良いだろ。」
良治「贅沢な悩みを言いやがって・・・妬ましい~!!」
そう言っている良治は半ば涙目になっている。
大地〈そんなにいいものなのかな・・・?〉
?「・・・あっ・・・おはよう大地君。」
そう言ってきたのは、幼馴染の仁美だった。
大地「よう、仁美・・・痛で・・・!?」
良治「お、おはようございます天川さん!!」
良治は俺の頭を無理やり手で下げると、前に突き出てきた。
良治「天川さん、今日が何の日かわかる?」
仁美「バレンタインデーだよ。相田君もチョコもらえると良いね。」
にっこりと笑って答える仁美に、良治は戸惑っているようだ。
その隙に、俺は良治を頭の上から退かす。
良治「え・・・いや・・・その・・・」
仁美「さっ、早く行こ。遅刻しちゃうよ。」
仁美はそれだけ言って歩いていってしまった。
良治「ダメか・・・」
肩を落とす良治を連れて、俺は学校へと向かった。
珪子視点
里香「あ~あ、まったくやんなっちゃうわよ。」
カフェテリアで昼食を摂っていると、隣に座っている里香さんがぼやく。
珪子「どうしたんですか里香さん?」
里香「男子がみんな朝からずっとそわそわしちゃってさ。」
珪子「ああ、あたしのクラスでもそうです・・・」
苦笑しながらそう言うと、里香さんは飲んでいたヨーグルトドリンクのストローを口から離す。
里香「まったく!何で女子ばっかりプレゼントしなくちゃならないのよ。」
嫌がるように言う里香さんに対して、あたしはなんとなく返した。
珪子「でも里香さんだってチョコ用意してきたんですよね。槍太さんに・・・」
里香「何言ってんのよ。義理よ義理!あたしがガッシュにチョコあげるのはSAOで世話になったからで・・・」
急にむきになって反論する里香さんの様子を見て、おそらく本命なのだろうと思った。
里香「そういうシリカだって、デュオの奴にあげるんでしょ?」
珪子「えっ!?あ、はい・・・」
里香「そう。頑張んなさいよ。」
珪子「はい。お互い頑張りましょう。」
里香「だ、だから、あたしはそう言うんじゃ・・・」
里香さんが言いかけたとき、2人の男子生徒がカフェテリアに入ってきた。
大地視点
午前の授業が終わった後、俺は槍太を連れてカフェテリアに向かった。
カフェテリアに着いたところで、不意に槍太が呟く。
槍太「なあデュオ。この学校の男子ってみんなチョコ好きだよな。」
大地「そういうわけじゃないと思うぞ。まあこの時期に出る病気みたいなものだから放置しておけ。しばらくすれば治るから。」
槍太「そうなのか?てっきりみんなチョコに飢えてるのかと思ってたんだが・・・」
大地「相変わらず変わった考え方だな。それこそ、本物の病気だろ。」
俺たちはそんなことを言いながら、席を探す。
?「あっ、大地さん。」
声をかけられ、そちらを見ると珪子と里香が座っていた。
大地「よう珪子、隣空いてるか?」
大地が声をかけると、珪子は大地を見てにっこりとする。
珪子「大地さん!はい、空いてますよ。」
大地「今日はもう1人いるけど大丈夫か?」
珪子「大丈夫ですよ。」
大地「ありがとう。」
俺は珪子にお礼を言うと、後ろの槍太を手招きする。
槍太「よう2人とも久しぶり・・・でもないか。こっちでは久しぶり。」
珪子「あ、ガッ・・・槍太さん。お久しぶりです。」
里香「ALOじゃ毎日のように会ってるけどね。ところでキリトは?」
大地「あいつならアスナの所に行ってるよ。」
里香「なるほど・・・相変わらずお熱いようで・・・」
大地「まあ、どっちかって言うと、アスナが誘ってるみたいだけどな。」
こんなやり取りの後、俺たち4人は会話もそこそこに昼食を摂ってから午後の授業に向かった。
授業が終わり、校舎の外に出ると、校門の前に珪子が立っていた。
大地「お待たせ。珪子。」
俺が声をかけると、珪子は振り返って笑顔を見せてくれる。
珪子「いえ大丈夫ですよ。いつものことですから。」
大地「それだと、いつも長い時間待ってるみたいだな。」
珪子「ふふ、そうなりますね。」
珪子はいたずらっぽく笑ってみせる。
その姿に、俺は若干呆れ気味になる。
大地「まったく。」
珪子「それじゃ、帰りましょうか。」
大地「そうだな。」
俺は珪子の手を握ると歩き始めた。
俺たちはいつものように話しながら帰るが、珪子の声が少し緊張しているように聞こえる。
気になるがあえて聞かないで、俺は歩く。
珪子「大地さん・・・」
人気のない通りに差し掛かったところで珪子に名前を呼ばれた。
見ると、顔を赤くした珪子がこちらを見ていた。
珪子「あの・・・大地さんに渡したい物があって・・・」
そう言って珪子は鞄から小さな箱を取り出すと俺に差し出してきた。
珪子「なかなか渡すきっかけがなくて・・・受け取ってくれますか・・・?」
上目遣いで訊いてくる珪子からチョコレートを受け取る。
大地「ありがとう。」
珪子「バレンタインにチョコ渡すのって、初めてだったので・・・緊張しました。」
大地「大げさだな。チョコ渡すだけだろ?」
珪子「女の子にとっては特別な意味があるんです!・・・それに・・・」
珪子は突然俺の顔を押さえると、俺の唇に自分の唇を重ねた。
少しして唇が離れると、珪子は目をトロンとさせたまま顔を真っ赤にして言った。
珪子「こっちでも緊張していましたから・・・」
珪子はそれだけ言って、俯いてしまった。
大地「なるほどな。」
俺は再び珪子の手を握ると、無言のまま帰った。
(帰宅直後にカズの従妹の直葉がチョコレートを渡しに来たが、俺がチョコレートを受け取ると、逃げるように帰ってしまった。)
ちなみに、もらったチョコレートは、美味しくいただいた。
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