一夏が簪と話して一週間が経った。
周りには一夏が簪をペアとして誘おうとしている噂が一気に広まった。そのためかいつもの面子からの目が言うまでもない。
「・・・・・・なんでここにいるの?」
「ただ単に一緒に食事をしようと思ったから。」
学生寮の廊下で一夏と簪は出会った。
「・・・・ねえ聞いていい?」
「なんだ?」
「・・・どうして私ばかりに付きまとうの?」
「だから言っただろ。お詫びだって。」
「本当に?」
「嘘を言っても俺に何の特もないだと。」
「・・・・・・・とりあえず食堂に向かいましょ。話はそこで。」
「おごるよ。」
「・・いい。」
「遠慮するなよ。お侘びの一つだから。」
「・・・・そう。」
一夏と簪は食堂に向かった。
一方楯無はとある飲食店で姫矢を待っていた。
「待たせたね、お嬢ちゃん。」
「いえ、それほど待っていませんよ。姫矢准さん。」
姫矢は席に座る。
「でも驚いたよ。まさか君みたいな子が僕に話しかけてくるなんて。」
「いえ、でも良かったんですか?このくらいの額の援助金で?」
「これで十分です。それより聞きたいことは何かな?」
「ウルトラマンについてです。」
「・・・・・・実験材料にするつもりかい?」
「そんなことはさらさらありません。別のことです。」
「別のこと?」
「率直に聞きます。織斑一夏くんはウルトラマンなんですか?」
「・・・・・・・・・どうして一夏君のことをそう思うんだい?」
「そのことについては言えません。でも一夏君には明らかに不自然な点が多いんです。そのことについてあなたが何か知っているかと思いまして。」
「仮に私がそのことを知っていたらどうするつもりだい?」
「あまり手荒な真似とは言いませんが、聞くつもりです。」
「・・・・・・・・・どうしてだい?」
「え・・・・・・」
「どうしてそこまでして知ろうとするんだい?」
「・・・・・・・・・わかりません。でももし彼がそうならば力になりたいと思って・・・・」
「そうか。でも私が彼の立場だったらあえて言わないね。」
「・・・・・どうしてですか?」
「守りたい人たちに傷ついて欲しくないからだよ。」
「・・・・・・・・・・」
「・・・・・まだ聞くかい?」
「・・・・・・・いえ、もう十分です。ありがとうございました。」
「いや、私は何もしていないよ。もし真実が知りたいのなら・・・」
「知りたいのなら・・・・・・・」
「彼が自分から言うとき知ればいいと思うよ。その方が彼のためだと思う。」
「・・・・・・・・・わかりました。今日はありがとうございました。」
姫矢と楯無は店から出た。
「それでじゃあ。」
「これからどうするつもりですか?」
「しばらくはまた日本にいるつもりだ。」
「そうですか。」
楯無はIS学園へ、姫矢はアパートに戻って行った。
Tweet |
|
|
4
|
1
|
追加するフォルダを選択
一夏と簪が会ってから一週間が経っていた。