No.541709

IS-インフィニット・ストラトス ネクサス 整備室ーMaintenance roomー

ザルバさん

IS学園アリーナに隣接する整備室。簪はそこで自分のISを作っていた。

2013-02-08 21:36:10 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:2456   閲覧ユーザー数:2382

「・・・・・・・・」

 IS学園、IS整備室。各アリーナに隣接する形で存在するその場所は、本来二年生から始まる『整備科』のための設備である。

 そこに入り浸っているのは楯無の妹の簪であった。

「コアの適正値も上がらない・・・・・・。タイプが向いてないの・・・・・・・・?・・・・・・・ふう。」

 思案の末、ため息をついた簪はディスプレイを閉じてキーボードを片付ける。

(帰ってアニメでも見よう・・・・)

 簪のひそかな趣味は古今問わずアニメを見ることだった。ジャンルはヒーロー・バトルもの。悪の軍団を主人公が打ち倒す。そのシンプルさがたまらなく好きだ。

(今日は何を見よう・・・・・)

 そんなことを考えながら整備室から出ようとしたときだった。

「あ・・・・・・」

 目の前にはジャージを着て汗をかいている一夏の姿があった。

「・・・・・・・なんでここにいるの。」

「いや、ISを整備しに来ただけだが。」

「それなら他のところがあるでしょ。」

「丁度ジョギングコースにあったからな。」

「・・・・・・体鍛えてるの?」

「ん、まあな。」

 一夏はISを整備しようとキーボードを出した。

「・・・・・・・・」

「どうした?」

「・・・・・どう整備するつもり?」

「ISの反応速度を最大限にまで上げようと思ってな。」

「っ!!正気っ!!」

「へ?」

「そんなの無理だよ!第一身体が付いていかない!!」

「だが何度調整してみても反応が遅いんだ。それに今の反応速度はこのくらいだ。」

 一夏はキーボードを叩き今の白式の反応速度を出した。そこに表示されていたのは反応速度限界の一歩手前の状態が表示されていた。

「これでも遅いの!・・・・・どうして・・」

「ん?」

「どうしてそんなに強いの!教えて!」

「・・・・・・・俺は強くない。」

「え・・・・・・・・・」

「俺は弱い。人一人の命も救えない弱いやつだ。だから今でも強くなりたい。」

「・・・・・・・・」

 簪は黙って整備室から出て行った。

 

 人一人の命も救えない・・・・・・か。なんか正義のヒーローが言うみたい。でもなんであんなこと言ったんだろ?

 簪は疑問に思いながら自室に戻っていった。

 


 
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