1月某日。クオンの住むアパートの一室にて…。
席に座っていたのはクオン、デイジー、ジャネット…いつもの三人娘。
それにロジーナ、ユウスケまで加わっていた。
「せーのっ…ハッピーニューイヤーッ!!」
新たな年の始まりを祝う彼らは同じカレッジのクラスメート同士だ。
コタツの上にはお菓子やらミカンやら、おせち料理が並んでいる。
「…さぁ、じゃんじゃん食べて食べて!」
「おぉ!あたしの好きなホットチリチップスまである!!」
「じゃああたしミックスナッツねー…半分リスなだけにwww」
と、しばらく菓子を食べたところで切り出したのはジャネットだ。
「ところで新年アタマで何か予定とかある?」
それにいち早く反応したのはユウスケだ。
「あー、去年から貯金がだいぶ貯まったから…さっそく何か作ろうかなあと思って」
「へー、なにをなにを?」
「んー…陸軍のダイダロス形ライドアーマーもいいかなと思ったんだけど…このベースキットが手に入ったからさ」
と、ユウスケが取り出したのは1/6スケールの人形。よく見ると各部分にメカニカルなモールド、そして女性特有のバストがある。
「え、えーっ…と…?ユウ君それは一体なぁにかなぁ…?」
思わず冷や汗を垂らすクオンを前に、ユウスケはさらに続ける。
「折角だから、K-9隊に敬意を表して…というわけじゃないんだけど、エルザさんをフルスクラッチでねw」
「ユウ君…なんか最近どんどん趣味が別の方向に加速してるよね…しかもウチの隊長って…」
得意げなユウスケの姿を見て、思わず苦笑いを浮かべるクオン。
「でも…いい題材じゃない?エルザさんってクールなのに熱いし、美人でカッコいいし!」
と、語るデイジーにロジーナが質問する。
「デイジーは?何か予定あるの?」
「いやぁ、何かしよう何かしようーって思ってもなかなか思い浮かばなくってね。いざ何かしようとするとますますねぇ。ロジーナは?」
「ふっふっふっふ…じゃーん!」
そういってロジーナが取り出したのは…!
「うはーっ!ファンガルディア号のNゲージ!しかもフル編成じゃないか!!」
興奮するデイジーとユウスケ。
「稼いだバイト代でそろえました☆」
「…ロジーナもたいがいマニアだよね…ジャネットは?」
「んー…PANのニューイヤーライブのチケットが当たったから行ってこようと思ってね!」
「へー、そりゃいいや」
「ところでクオンちゃんは?」
「んー、やっぱりまずは初詣…」
と、言いかけたところでクオンの耳に緊急着信が鳴った。
「…はいクオンですけどー…え!?ハルバール銀行に強盗だって!?…わかった、すぐ行く!!」
「…クオン?」
「…正月そうそうどうしてあーゆーコトするかな…ごめん、すぐ戻るから食べてて!!」
「あっ…ちょっとクオン!クオンってばー!!」
九段下久遠。彼女はカレッジの学生であり、ごくごく普通の女の子。
しかし彼女は同時に、ラミナ警察署特殊機動9課…K-9隊所属のロボット警官である。
そして正義感の強い性格もあって…事件が起きればすぐに飛び出していく。
……たとえそれが、正月であったとしても。
「正月ぐらいは…正月ぐらいは大人しくしろよ犯罪者めーーーーーッッッ!!!!」
クオンは走った。両の目から
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お正月
それでもボクに
休みなし
九段下 久遠
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