No.525369

超次元ゲイムネプテューヌXWorld Act.39 【同盟締結?】

ハーカケタ!内容はいつもどおりの残念だから謝らないけど遅くなったことはすいませんでした!お願いします許してくださいセンセンシャル!

あ、関係ないけど今回の本文スペース無視すると6969文字らしいんだ。
むきゅーむきゅー文字で草不可避(紫)

2012-12-30 23:56:09 投稿 / 全2ページ    総閲覧数:1244   閲覧ユーザー数:1086

~ラステイション最下層 バーテックス傭兵事務所仮拠点~

「なーんか私ら空回りしてるよなー」

「まぁそれは否めないですの」

 

昼食が邪魔されるは貴重な情報源は強奪されるわ。散々な目に遭いながらも無事戻ってきた私とがすと。

仕方なくがすと所為のクッソまずいアップルパイ(本人曰く栄養詰め込んだら味が死んだ)を貪る。がすとも同じものを食っているはずなのだが私と違って美味そうに食っている。こいつにロクな機能があるとは思っていないが味覚もなかったのだろうか。クローンといっても意外と手抜いてるんだな。

 

「で、これからどうするよ。なんだかんだ言ってもアレの情報は少なすぎるぞ?」

「確かに。現在私達が持っている情報といえば奴、あの少女の【ニーヴァ】という名だけ。奴が何をたくらんでいるかはわからないけど少なくとも奴ともう一人、あの男がこの世界について何かしら重要な情報を掴んでいるということ。しかしこれはチャンスでもあるですの」

「チャンスだぁ?」

 

「この世界には私達やニーヴァらのほかにまだイレギュラーといえる存在はあるですの。交渉材料…というより捌け口にでもするですの。奴に仮想的なラスボスを張ってもらうですの」

「後々が怖そうだ」

 

無理やり口の中にアップルパイを詰め込み、少しの咀嚼後飲み込む。不味い。食えないギリギリの不味さが何かむかつく。

こいつ、常に何かしら妙策を思いつき私らを扱き使う。こいつの考えが読めたことはあまりないがなんだかんだで信頼はできる(と思う)。

……でも仮に通って協力を得ることができたとしても後々騙したことがばれてフルボッコにされるのは嫌だなー。頃合次第では逃げたいなー。

 

「さて、これからどうするんだがすと先生よ。行動を起こすための理由は未だ無しだ」

「たまには受動的に動きたいもんだけど……」

「じゃあ、ここに誰かが来るにお前の特製弾丸10発」

「何の賭けですの。なら一時間来なかったらがすとに貸し10ですの」

 

ノリ全部でふっかけたら予想も付かない返答が帰ってきた。こいつに貸し10とか洒落にならねぇ。

洒落にならねぇ。(大事なこと)

 

「いやいや誰か来るかもしれねぇよ?私らの場所をかぎつけて襲撃に来たとかさ」

「こんな貧相なところにわざわざ私達目的で来る馬鹿がいるなら見てみたいですの」

「一時間以内には見れるって」

 

大きいこと言いながらもこうして始まってみると物凄く音に敏感になる私は恐らくヘタレの仲間入りを果たしているのかもしれない。いやだって、貸し10とかどんな人体実験されるかわからねぇよ。多分死ぬぞ人として。

緊張に伴ってか妙にじっとしていられなくなってくる。気づけば錬金釜の周りを回っていたりこっそり事務所の前の様子を見てみたり。子供か私は。…成人(20歳)未満が子供だとすれば子供だな。でも私18だし飲酒できるよな…しないけど

 

「お前どれだけがすとに貸し作りたくないんですの?」

「少なくとも装甲なしで危険種に挑むぐらいには勘弁願いたいほどにだよ、過去に戻れるのなら十余年前に行ってノワールぶっ殺したいぐらいだ」

「数分前の自分を殴りたいじゃない辺りブレないですの。そのブレの無さは自慢していいですの」

「誰にだよ」

 

―――コン、コン、コン。

 

「「!?」」

 

ノック音だ。【何か】がこの家の前にいる。

あんだけ誰かが来ることを望んでいた癖にだが、ここの住民にこんな辺鄙なところに来る理由なんてない。私らは本来存在しないのだから依頼なんて来る訳がないのだ。

考えられるあちらの目的はただひとつ。

【私らの存在を認知した上での襲撃】だ。

襲撃なら何でノックすんだよとか突っ込みどころはあるがまぁこの際細かいことはいい。

 

がすとは来客に一瞬驚く素振りを見せたもののすぐに落ち着いたのかソファでくつろいでいる。応対は私の役目ですかそうですかマジ死ねあいつ

 

「失礼しま「はいどうもいらっしゃいませ」

 

扉が開かれると同時に声の主に詰め寄り顔面にライフルを突きつける。

と、さらに同時に取り巻きに鎌を喉元に置かれた。反応はえぇなおい。

 

取り巻きの小さいのに見覚えはないが声の主には見覚えがあった。ネロがラステイションに来る際、私らを挟撃しようとしていた奴らの片割れだ。影に潜んでいない、ということはもう片方のビル吹っ飛ばした奴の能力か…な?

 

「…フウちゃん、今回は争う為にここへ来た訳じゃないんですから…武器を仕舞ってくださいな」

 

その声に取り巻きの小さいのが鎌をしまう。

正直助かった。この鎌刃の部分がレーザーだ。もう少し横に置かれてたら私の首が撥ねられてたぞ割りと本気で。実体武器使おうぜ実体武器。

 

「何の用だ」

 

後ろでプークスクスと小さな笑い声が聞こえる。柄にもないからって笑うな後ろ。私だってもう少しギャグな対応したいさ、したいさ。

 

「はー、二度目の時くらいから思ってましたけど、相当喧嘩っ早いですねぇ、貴女」

「私はこう見て臆病者なんだ。やられる前にやらなきゃこの先生きのこれねぇよ」

「はぁ、そうですか。ですがさっきも言ったように私達は争う為に来た訳じゃなく少し話をしに来ただけであって、敵対の意志はありませんよ」

 

両手を上げ、無抵抗のアピールをする目の前の人物。

本人になくても横の取り巻きは殺意満々なんだけどねぇ。抑えられる保障はあるのかね。

 

「信じろと?」

「さて、ご自由に」

 

「おやおやおや。これはラステイション全土で絶賛指名手配中のかたがたじゃないですの。強盗ですの?」

 

一瞬の硬直の後、見かねたと言いたげにがすとが出てきた。

知らない情報が入ってきたがこいつのことだ、またなんかやらかしたんだろう。もう慣れた。

 

「…大体の原因は……あ、なんでもありません」

 

何かを言おうとして口を噤んだ。ああ、またあらぬところで嫌悪売りはらいやがって…。たまには大人しくしてもらえないのだろうか。いや、もらえない(反語未遂)。

 

「で、何の用ですの?態々探し出してまで嫌いな相手のところに来たんですの。何かしら用はあるんだろうですの?」

「……あぁ、すみません。では、単刀直入に言いますね」

 

物凄く複雑そうな表情をしながらも目の前の少女(?)はがすとをはっきり見て言い放った。

 

「私達を、貴女方の配下として加えて貰えませんでしょうか?」

 

 

「いいよ。ですの」

「軽っ!?」

 

即答。

おおよそシリアスな雰囲気ががすとの即了承によって崩壊した。

こいつも突っ込むまいと頑張っていたようだがつい突っ込み、ハッと口を押さえた。

 

「まぁ立ち話もアレですの。入るですの」

 

がすとが二人を事務所内に入れた。しぶしぶと銃をしまい、私も手頃なソファに座る。相対しているわけではなく寧ろ延長線上の垂直だが…まぁ、その辺りはいいだろう。

 

「うわ…」

 

小さいほうが大量に置かれているがすとにドン引きしている。

まぁ、普通の精神状態ならその反応が正常だ。もう片方のほうが平然とした顔をしているってのが面白い話だがな。

 

「さて、では自己紹介から始めましょうか。私はアリス、この子は「フウ・シェルツ」…です」

「私のことは知っているようなので省かせてもらうですの。こっちはフロム、うちの所長ですの」

「まぁこの世界に来たおかげで所員がこいつしかいないけどな」

 

この黒いほうがアリス、小さいのがフウとのこと。

アリスはラステイションにネロが来るときに遭遇したがフウとは会った記憶がない。ネロを引っ張っていた白い(?)女神のほうか…仮に女神だとすればルウィーのシェアで体調的には悲惨だろう。マジェコンヌ事変真っ最中ということは四国のシェアは最底辺だ。恐らく使い物にはならないだろう。

がすとは何を考えているのやら…。

 

「で、ネロと…アリス、お前といた奴はどこいったですの?」

「んー…あ、フウカさんのことですかね。…どうやら厄介事に首を突っ込んだようです」

 

自らの頭をツンと指で突きながら話すアリス。何かしらと交信しているのだろうか。

何とかは知らないが、前言撤回。影に潜っていたのはこいつの能力だろう。

 

「呼び戻すですの。互いに情報交換をするですの。…で、ネロは?」

「…いなくなった。いきなり……」

 

フウが口を挟んだ。表情が暗いことから結構心配している様子。

この世界に迷い込んでからまだ一日も経っていない。ネロがそうではないかもしれないが、随分短い時間で信頼を築いたものだ。女神同士なにか通じるものでもあるのだろうか。

 

「……まぁ、いなくなったものは仕方ないですの。それよりこれからどうするかだけど…そこの盗み聞きしてる奴。」

 

がすとがアリス達の後ろ、虚空…というより並べられたがすと達に話しかけた。

がすとが直接操作しなければ精密的過ぎる人形にしか過ぎないそのがすと群に一つがピクりと動いた。

 

「おや、バレてしまいましたか…」

 

ゆっくりと立ち上がり、がすと(?)は怪しい笑みを浮かべる(本物もいつも怪しいなんていえないが)。がすとの体なのになぜか妖艶な雰囲気だ。恐らくはいってる奴の違いだろう。

 

「こちとら全部が繋がってるんですの。異物が混入すればすぐにわかるですの…どうやって入った」

「私、元々思念体に近い存在ですから。こうして空っぽの器があれば入り込めます」

「何の用ですの?わざわざがすとの体を使ってまで出てきたのなら用があるはずですの」

 

いつにもまして真顔のがすとの問いに笑顔で答えるがすと(?)。なんだか頭がおかしくなりそうだ。

 

「…。フロムさん、がすとさん、フウ…いや、レーレさん、アリスさん。あなた達の腕を見込んでお願いします、この世界を救ってほしいのです」

「……ハァ?」

 

思わず声が出た。

まさかウチにこんなよくわからない依頼…いや、頼みごとが来るとは思わなかった。何なんだろうこいつ。

 

「詳しい説明をしましょう」

 

 

 

復讐者(アベンジャー)と名乗ったそいつが言うには、この世界にはマジェコンヌに並ぶ…いや、それ以上の世界の危機となる存在がいると。そして、そいつを倒し世界を守るために私達の力を借りたいということだ。

…腑に落ちないことは多数にある。が、状況証拠的にはその疑問の殆どが潰されるのも事実。

だが、一つ潰れていない疑問があった。

 

「アベンジャー…お前、誰に復讐をするつもりだ?」

「…私怨と、使命は違います。例え彼の者がどのような位置にいたとしても私は使命を果たします。復讐は二の次、でしょうか」

「ご立派なことで…」

 

復讐者とか名乗っている割には理性的だ。なんだか自分への当てつけに見えるのは自意識過剰だろう。多分。

 

「…質問は、四つ」

「どうぞ。」

「この世界はどういうものか

 その危機とはどういう存在か

 私達以外にどのような存在がいるのか

 そもそもあなたは誰か」

 

笑顔だったアベンジャーの表情が凍りついた。

ゼロ、あいつもそうだったがこの世界に関する情報があまりにも少なくかつそれを知るものが異様なほど話したがらない。何を知っているのか知らないがこれだけの扱い(主に世界単位での拉致)をされて何も知らされず仕舞いというのは癪に触るというものだ

…がすとだし、もっと違う意味合いがあるんだろうな。多分

 

「…答えられる質問のみ答えさせて頂きます。この世界はプラネテューヌ初代女神ニーヴァが描いた世界。彼女のこの世界での死は世界の死と同義。残されたものは全て無に消え行くでしょう」

「帰る術は、事実上ないと?」

「世界を作り出したのがニーヴァ、貴女方を誘ったのもニーヴァならば貴女方を帰すもニーヴァ。決して彼女を殺されないように」

「…で、他に答えられる質問は?」

「後は危機とはどういう存在か、についてのみ答えさせて頂きます。夜天空、という破壊神。彼はゲイムギョウ界の女神より高次元の存在です。彼は理由はわかりませんがこのゲイムギョウ界の何もかもを跡形も無く破壊するつもりなのです」

「そんなものにどう対抗すんだよ…」

「夜天空がこのゲイムギョウ界に侵入した途端、彼はこのゲイムギョウ界の存在という基準に強制的に変換されます。つまり、弱体化します。それでも元が高次元の存在、決して一筋縄では倒すことなどできないでしょう。質問への回答は以上にさせてもらいます」

 

アベンジャーは途端に口を噤んだ。もう話すことはないといいたいのだろう。あとはこっちの回答だけを待つ、ということか。

…正直信用ならん。

 

「で、どうすんだよがすと。どう考えてもあっちに都合のいいことしか言ってないぞ」

「…アリス、どう思うですの?」

「フロムさんと同じ意見です、答えられない質問、特に何者かに答えられないのが怪しすぎます。フウちゃんは何か意見は「別に」そうですか」

 

「……世界の猶予はあまり残されていません。できるだけ早期の結論を」

 

相談を見かねたかアベンジャーが口を挟んできた。ええい結構重要なこと即効決断させようとするんじゃねぇ、決断するの私じゃねぇけど。

がすとの横顔をのぞいてみると、ものすごく楽しそうな悪い笑顔を浮かべていた。嗚呼そうでした、こいつはこういう奴でした。

 

「私から後一つだけ聞くですの。私達はニーヴァという存在に会った事がある。そいつはある男と行動していたですの。そいつを信用し、闘ったとして元の世界に戻してもらえるという保障はあるんですの?」

「彼女と私の言うニーヴァは別人です。貴女方が会ったというニーヴァは言わば残り粕。取るに足らない存在でしょう」

 

即答。その話をされたくないという表情をしていたが、妙に必死だ。私達の言うニーヴァに対する嫌悪感のようなものが浮き出ている。どういう関係があるのやら…。

 

「まぁ、ソレしか手段がないというのなら乗るしかないだろうですの。異論は?」

「配下にしろと言った手前文句はいいませんよ…」「元の世界に返れるならどうでもいいよ」「めんどいんで好きにしろ」

「そういうわけで乗ってやるですの」

 

「ありがとうございます。私は今はこのように仮の姿も取れずに器を必要とする身ですがいつかともに世界の危機のために戦えることを願っています。いずれ貴女方の元にニーヴァの使いが来るでしょう。彼らと共に、世界のための拠点に向かってください。では……」

 

プツンと人形を操る糸が切れたようにアベンジャーが使っていたがすとの体が崩れ落ちた。

はぁ、と誰が吐いたかもわからないため息を合図に全員が手頃な場所に座り、卓を囲んだ。

 

「改めて厄介なことに巻き込まれたもんですの。アリス、あなたを酷使することになるけどいいですの?」

「まぁ、こき使われてるのは慣れてますから…」

 

はぁ、と諦めた様子でため息を吐くアリス。結構苦労人のにおいがした。

さて。アベンジャーとかいうやつの言うこと全部を信じるわけではないが…ニーヴァ、ゼロ、夜天空…どう関係があるか気になりはするな。まぁ、いいか。

ともかく今は使いとやらをまとう。まったりな。

~??? ??? ???~

(はぁ。流石に疲労が出ますね…)

 

薄暗い機械的な通路。

一人の少女…ニーヴァがため息を吐きながらとぼとぼと歩いていた。

 

(流石に召集を急ぎすぎた…いや、急がなければ先手を打たれてしまう…っと。確かここだったかな)

 

ニーヴァが立ち止まった場所にある扉。

【Despair】と書かれた縁が飾られた扉を開き部屋に入ると、まるで紛争時の街かと思うような光景が広がった。

建物は崩れ、空は燃え、悲鳴が響く。一瞬の頭痛を感じニーヴァは頭を抑えた。

 

(ッ…。嫌な部屋ですね、創造したのが私とはいえ…。………皆、皆を殺した私と彼は、もうすぐ皆のところに行くからね…)

 

振り払うように頭を振り、ニーヴァは歩き出した。

途端、景色が一遍…してはいないが、変わった。建物が紫から黒に変わり、どことなく地形も変わっている。

相変わらず死体は転がるわそこら中燃えているはと、ニーヴァも少しだけめまいを感じた。

教会らしき建物跡。瓦礫の上に黒い人影があった。

ニーヴァには見覚えがあった。自分がここに連れてきたうちの一人、ネロだ。

様子を見ると、何かの死体を抱きながら真上、空を見ていた。

 

「…ネロ?」

「……………」

 

声をかけても反応一つ見せない。

【感情をコントロールする訓練】と称し過去を見せて深い絶望を覚えてもらおうとしたのだが、少しやりすぎたかな、とニーヴァは若干後悔し始めた。

 

「ネロー」

「……ニーヴァ」

 

ニーヴァに気づいたようでネロがゆっくりと振り向いた。

ただでさえ目が暗いほうだったネロだが、完全に目から光が消えていた。それどころかニーヴァと言ったものの視線はニーヴァより後ろに向かっている。

 

「どうやら絶望を知ったようですね、ネロ」

「………」

 

そっとネロの頬に触れ、ニーヴァは語りかけるように言葉を発し始めた。

 

「あなたが恨むものは、全てあなたが壊せばよいのです。私はその手助けをしますから。この部屋はあなたのものにしておきますので、ここで暫く待っていてください」

「………」

 

ネロは感情のない目でじっと何かを見ている。

ふぅ。と軽く息を吐き、ニーヴァは立ち上がり、ネロに背を向け歩き出した。

 

「ねーさん………」

 

血まみれの人形(あね)を抱きながら、ネロは小さく呟いた。

長年大事にしたもののように、優しく抱き続け、呟き続けた。

 

(………哀れな子。もし彼がいなかったら私は…)

 

部屋を出る直前、ニーヴァがポツリと呟いた。が、誰も聞くものがないまま空へ消え、ニーヴァも部屋を後にした。


 
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